JPH0630788A - ヒトインターロイキン−1に対する組換え抗体 - Google Patents

ヒトインターロイキン−1に対する組換え抗体

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JPH0630788A
JPH0630788A JP18924892A JP18924892A JPH0630788A JP H0630788 A JPH0630788 A JP H0630788A JP 18924892 A JP18924892 A JP 18924892A JP 18924892 A JP18924892 A JP 18924892A JP H0630788 A JPH0630788 A JP H0630788A
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chain
region
gene
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JP18924892A
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Yoshikatsu Hirai
嘉勝 平井
Jiyon Ouenzu Reimondo
ジョン オウエンズ レイモンド
Yasukazu Omoto
安一 大本
Tsutomu Nishida
勉 西田
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/24Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against cytokines, lymphokines or interferons
    • C07K16/244Interleukins [IL]
    • C07K16/245IL-1
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、L鎖がヒト抗体分子の定常部領域と
配列番号:1に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL
−1抗体分子の可変部領域とを有し且つH鎖がヒト抗体
分子の定常部領域と配列番号:2に記載のアミノ酸配列
のマウス抗ヒトIL−1抗体分子の可変部領域とを有す
るヒトIL−1に対するキメラ抗体、その他のヒト・マ
ウスキメラ乃至リシェイプト抗体を提供する。 【効果】本発明抗体は、特にIL−1の異常産生を伴う
各種疾患の治療や体内IL−1産生部位等の画像診断を
行ない得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIL−1(インターロイ
キン−1)に対する抗体、殊にヒト・マウス組換え抗体
に関する。
【0002】
【従来の技術】インターロイキン1(IL−1)は、1
972年にゲリー(Gery)らによりヒト単球培養上清中
に存在するマウス胸腺細胞増殖促進因子として報告され
た〔Gery,I.,et al.,J.Exp.Med.,139,128(1972) 〕。ま
た該IL−1は単球やマクロファージをはじめケラチノ
サイト、NK細胞、T細胞、B細胞、血管内皮細胞、好
中球など多くの細胞から産生され、多くの細胞に作用
し、多種多様の生物活性を示し、免疫、炎症、造血、内
分泌、脳神経、生体恒常性など生体における反応にかか
わっていることが報告されている〔Oppenhim,J.J.,et a
l.,Immunol.Today,7,45(1986)〕。動物種を問わず、I
L−1はアミノ酸270前後、分子量30KDの前駆体
としてmRNAから翻訳され、該前駆体はアミノ酸の1
10番台で切断されて最終的にはC末端側約150個の
アミノ酸からなる17KDの成熟型となる。また、IL
−1はその等電点の違いによってα型(pI=5)とβ
(pI=7〜8)の2つの型に分類されており、それら
の一次構造も明らかにされ、さらにはそのポリペプチド
もしくはその前駆体をコードする遺伝子の存在も報告さ
れている〔Proc.Natl.Acad.Sci.,81,7907-7911(1984) :
Nature,31 5,641(1985): J.Exp.Med.,164,237(1986) :
Nucleic Acids Research, 13(16)5869(1985) 〕。
【0003】上記報告によれば、ヒトIL−1αは15
9個のアミノ酸からなり、ヒトIL−1βは153個の
アミノ酸からなると記されている。上記IL−1につい
ては、抗腫瘍剤や血小板減少改善剤などの医薬品として
の応用が種々研究されている一方で、IL−1の異常産
生を伴う各種疾患、例えば慢性関節リウマチ(RA)、
甲状腺炎、肝炎、腎炎等の慢性炎症性疾患、動脈硬化、
川崎病(MCLS)等の血管炎、汎発性血管内凝固症候
群(DIC)、血液ガン等において、その異常産生も報
告されており、これらの各疾患においては、亢進したI
L−1の生物活性を抑制乃至中和するための医薬として
の抗IL−1抗体の開発が望まれている。本出願人らも
先にIL−1αおよびIL−1βのそれぞれに特異反応
性を有することを特徴とするヒトIL−1に対するマウ
スモノクロナール抗体を開発し、該抗体に係わる発明を
特許出願した〔特開昭63−258595号公報参
照〕。
【0004】しかして、1975年にマウスの抗体産生
細胞と骨髄腫細胞とを融合させた細胞の増殖法によるモ
ノクロナール抗体の作製法が確立されて以来、今日まで
に上記出願に係わる抗体に限らず、多くのモノクロナー
ル抗体が作製されてきており〔Kohler G & Milstein
C.,Nature,256,495(1975) 〕、今日、特に医学の分野に
おいてこれらのモノクロナール抗体は、インビボ診断、
インビトロ診断、さらに治療への応用が試みられるよう
になってきている。しかるに、ヒトへの投与を考慮した
場合、これらのマウス由来のモノクロナール抗体より
も、ヒト由来のモノクロナール抗体のほうが、抗体自体
の抗原性や抗体の免疫活性の面から、当然に好ましいと
考えられ、従って、近年ヒト型モノクロナール抗体の作
製も試みられつつあるが、ヒト・ヒト融合細胞は、マウ
スにおける骨髄腫細胞株のような優れた融合のパートナ
ーがないことや、人道的な面でなおかなり多くの問題を
有している。そこで、これらの問題を解決するために、
抗体の抗原結合活性を有する可変部(V)領域をマウス
ハイブリドーマ由来とし、且つ免疫活性を有する定常部
(C)領域をヒト由来とした、組換え抗体、所謂キメラ
抗体を作製することが、遺伝子組換え技術を用いて試み
られ、1984年のモリソン(Morrison)以来、さまざ
まな特異性をもつキメラ抗体が作製されてきた〔Morris
on S.L., et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 81,6851(19
84) : Sharon J., et al.,Nature, 309,364(1984) : Ne
uberger,M.S., et al.,Nature,312,604(1984) : Boulia
nne,G.L.,et al.,Nature,312,634(1984) 等参照〕。更
に、上記キメラ抗体は、そのV領域が尚マウス100%
のままであり、抗原性が残っているため、該部分でのヒ
トへの抗原性をも低減させるために、最近、上記V領域
の相補性決定領域(CDR)のみをマウス由来とした組
換え抗体、即ちリシェイプト抗体(Reshaped抗体)の作
製も試みられている〔Jones,P.T.,et al.,Nature, 321,
522(1986) : Riechmann L.,et al.,Nature, 332,323(19
88) 〕。このような抗体を発現させるための遺伝子、即
ちヒト抗体のDNA配列の一部をマウス抗体のDNA配
列と置換させた組換え遺伝子の創製を以下「ヒト・マウ
スグラフト」といい、またかくして得られる組換え遺伝
子を「リシェイプト遺伝子」という。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】上記のようにキメラ
抗体やリシェイプト抗体等の組換え抗体は、従来より報
告されているが、ヒトIL−1に対するこれら組換え抗
体についての報告は未だにない。
【0006】従って、本発明の目的は上記ヒトIL−1
に対するキメラ抗体、リシェイプト抗体及び之等の組合
せ抗体(以下これらを総称して「組換え抗体」という)
を提供することにある。
【0007】また本発明の目的はヒトIL−1の免疫学
的測定法に利用できるヒトIL−1に対する組換え抗体
を提供することにある。
【0008】また本発明の他の目的はIL−1の異常産
生を伴う各種疾患において、該IL−1の作用を抑制乃
至中和を目的として投与適用され得る医薬品としてのヒ
トIL−1に対する組換え抗体を提供することにある。
【0009】また本発明の他の目的はヒトに対する抗原
性が低く、ヒトへの投与適用によって、体内におけるI
L−1産生部位やその特定等の画像診断を行ない得る標
識された上記組換え抗体を提供することにある。
【0010】更に本発明の他の目的は上記組換え抗体の
製造技術を提供することにある。
【0011】
【問題を解決するための手段】本研究者らは鋭意研究の
結果、上記目的に合致するIL−1に対する組換え抗体
の製造に成功し、ここに発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明によれば、(1)L鎖がヒト
抗体分子のC領域と配列番号:1に記載のアミノ酸配列
のマウス抗ヒトIL−1抗体分子のV領域とを有し且つ
H鎖がヒト抗体分子のC領域と配列番号:2に記載のア
ミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1抗体分子のV領域と
を有するヒトIL−1に対する組換え抗体、(2)L鎖
がヒト抗体分子のC領域と配列番号:3に記載のアミノ
酸配列のマウス抗ヒトIL−1抗体分子のCDR領域を
含むヒト・マウスグラフトV領域とを有し且つH鎖がヒ
ト抗体分子のC領域と配列番号:2に記載のアミノ酸配
列のマウス抗ヒトIL−1抗体分子のV領域とを有する
ヒトIL−1に対する組換え抗体、(3)L鎖がヒト抗
体分子のC領域と配列番号:1に記載のアミノ酸配列の
マウス抗ヒトIL−1抗体分子のV領域とを有し且つH
鎖がヒト抗体分子のC領域と配列番号:4に記載のアミ
ノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1抗体分子のCDR領域
を含むヒト・マウスグラフトV領域とを有するヒトIL
−1に対する組換え抗体、及び(4)L鎖がヒト抗体分
子のC領域と配列番号:3に記載のアミノ酸配列のマウ
ス抗ヒトIL−1抗体分子のCDR領域を含むヒト・マ
ウスグラフトV領域とを有し且つH鎖がヒト抗体分子の
C領域と配列番号:4に記載のアミノ酸配列のマウス抗
ヒトIL−1抗体分子のCDR領域を含むヒト・マウス
グラフトV領域とを有するヒトIL−1に対する組換え
抗体が提供される。
【0013】本発明によれば、また配列番号:1で表わ
され、マウス抗ヒトIL−1抗体L鎖のV領域(VL
をコードするものであるDNA塩基配列、配列番号:2
で表わされ、マウス抗ヒトIL−1抗体H鎖のV領域
(VH)をコードするものであるDNA塩基配列、配列
番号:3で表わされ、マウス抗ヒトIL−1抗体分子の
CDR領域を含むヒト・マウスグラフト抗体L鎖のV領
域(VL)をコードするものであるDNA塩基配列、及
び配列番号:4で表わされ、マウス抗ヒトIL−1抗体
分子のCDR領域を含むヒト・マウスグラフト抗体H鎖
のV領域(VH)をコードするものであるDNA塩基配
列が提供される。
【0014】更に本発明によれば、ヒト抗体分子のC領
域と配列番号:1に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒト
IL−1抗体分子のV領域とを有する組換え抗ヒトIL
−1抗体L鎖発現ベクター、例えばpAC53、ヒト抗
体分子のC領域と配列番号:2に記載のアミノ酸配列の
マウス抗ヒトIL−1抗体分子のV領域とを有する組換
え抗ヒトIL−1抗体H鎖発現ベクター、例えばpAC
52及びpAC77、ヒト抗体分子のC領域と配列番
号:3に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1抗
体のCDR領域を含むヒト・マウスグラフトV領域とを
有する組換え抗ヒトIL−1抗体L鎖の発現ベクター、
例えばpAL31、及びヒト抗体分子のC領域と配列番
号:4に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1抗
体のCDR領域を含むヒト・マウスグラフトV領域とを
有する組換え抗ヒトIL−1抗体H鎖発現ベクター、例
えばpAL34が提供される。
【0015】また本発明は、ヒト抗体分子のC領域と配
列番号:3に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−
1抗体のCDR領域を含むヒト・マウスグラフトV領域
とを有する組換え抗ヒトIL−1抗体L鎖をコードする
DNA配列及びヒト抗体分子のC領域と配列番号:4に
記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1抗体分子の
CDR領域を含むヒト・マウスグラフトV領域とを有す
る組換え抗ヒトIL−1抗体H鎖をコードするDNA配
列を有する組換え抗ヒトIL−1抗体発現ベクター、例
えばpAC79をも提供するものである。
【0016】本発明組換え抗体は、ヒトIL−1に特異
反応性を有するものであり、これはヒトIL−1を高感
度、高精度でしかも簡便に測定可能な新しい免疫検定法
(イムノアッセイ法)やアフィニティークロマトグラフ
ィー等の手法によるヒトIL−1の特異的精製技術に有
利に利用できる。
【0017】殊に、本発明組換え抗体は、上記特異性に
加えて、ヒトに対する抗原性が低いという特徴を有して
おり、従ってこれはヒト体内ヘの投与適用に適してい
る。
【0018】また本発明組換え抗体には、ヒトIL−1
の生物活性に対して中和活性を有するタイプの抗体が包
含され、かかる抗体は、IL−1の異常産生を伴う各種
の疾患、例えば慢性関節リウマチ、甲状腺炎、肝炎、腎
炎等の慢性炎症性疾患、動脈硬化、川崎病等の血管炎、
汎発性血管内凝固症候群、血液ガン等において、その異
常産生に基づく亢進されたIL−1の生物活性を抑制乃
至中和するために有用であり、本発明はかかる各種疾患
の治療上極めて価値ある医薬を提供することができる。
【0019】更に、本発明組換え抗体を標識して得られ
る標識組換え抗体は、これをヒト体内に投与適用するこ
とによって、体内におけるIL−1産生部位やその特定
等の画像診断が可能であり、本発明によればかかる画像
診断法をも提供することができる。
【0020】以下、本発明組換え抗体の製造法につき詳
述すれば、本発明組換え抗体は、マウス抗ヒトIL−1
モノクロナール抗体産生細胞由来の抗体を利用して、ま
ず該抗体のcDNAライブラリーを構築し、そのH鎖
(重鎖、heavy-chain )及びL鎖(軽鎖、light-chain
)の各可変部領域(V領域)をコードするDNA配列
をそれぞれ再配列させた遺伝子をクローニングし、プロ
モーター領域及びエンハンサー領域などを考慮して、こ
れらをそれぞれヒト由来の抗体の定常部領域(C領域)
をコードするDNA配列と結合させて組換え遺伝子(キ
メラ遺伝子)を作製するか、又は上記マウス抗ヒトIL
−1モノクロナール抗体のH鎖及びL鎖をコードするD
NA配列のV領域中の相補性決定領域(CDR)を含む
ようにヒト由来の抗体のV領域を修飾したDNA塩基配
列を作製し、かくして得られるマウス抗ヒトIL−1抗
体分子のCDR領域を含むヒト・マウスグラフトV領域
をコードするDNA塩基配列を、ヒト由来の抗体のC領
域をコードするDNA配列と結合させて組換え遺伝子
(リシェイプト遺伝子)を作製する。
【0021】このようにして作製されたH鎖及びL鎖の
それぞれのキメラ乃至リシェイプト遺伝子を、単独で又
は2種組合せて適当なベクターに組込んで、各遺伝子の
発現ベクターを作製し、これらベクターを適当な細胞に
導入して上記各遺伝子を発現させることにより、所望の
本発明組換え抗体を得ることができる。
【0022】本発明に用いるマウス抗ヒトIL−1モノ
クロナール抗体産生細胞は、ヒトIL−1を免疫原とし
て或いは遺伝子組換え技術に従い製造される組換え型ヒ
トIL−1を免疫原として、通常のモノクロナール抗体
の製造法に従い作製することができる。該マウス抗ヒト
IL−1モノクロナール抗体産生細胞の具体例として
は、例えば特開昭63−258595号公報に記載の、
ヒトIL−1α及びヒトIL−1βのそれぞれに対する
抗体産生ハイブリドーマを例示できる。これらのハイブ
リドーマはいずれも微工研に寄託されている。即ち上記
ヒトIL−1αに対する抗体産生ハイブリドーマは、K
OCO301(FERM BP-1554)として、ヒトIL−1βに
対する抗体産生ハイブリドーマは、KOCO203(FER
M BP-1551)、KOCO205(FERM BP-1552)、KOCO
206(FERM BP-1553)として寄託されている。
【0023】これらのハイブリドーマは、以下の如き遺
伝子調製を行なうことによって、本発明組換え抗体の製
造に利用することができる。即ち、本発明抗体のV領域
をコードする遺伝子断片としては、上記のようなマウス
抗ヒトIL−1モノクロナール抗体産生細胞より分離さ
れ、解析された遺伝子配列を用いることができる。目的
のマウス抗ヒトIL−1抗体に特異的なV領域をコード
する遺伝子(VL及びVH)の単離及びクローニングは、
主として2種の方法に従い実施することができる。その
一つとしては、抗体産生細胞の染色体DNAを適当な制
限酵素により消化させた後、ショ糖密度勾配遠心法によ
り分画し、ファージベクターアームにライゲーションさ
せて、インビトロパッケージング法等に従って、染色体
ライブラリーから、H鎖及びL鎖のそれぞれの3′末端
側プローブを用いて、サザンハイブリダイゼーション法
等を実施して、所望抗体のV領域遺伝子をクローニング
する方法を挙げることができる。この方法はより詳しく
は例えばオイらの方法を参照して実施することができる
〔Vernon T.Oi.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,8
0,825(1983)参照〕。
【0024】もう一つの方法としては、マウス抗ヒトI
L−1抗体産生細胞から常法に従いmRNAを抽出し、
cDNAライブラリーからスクリーニングする方法〔M.
S.Neuberger,EMBO J.,2,1373(1983)〕を採用して、上記
cDNAライブラリーからV領域遺伝子をクローニング
するためのプローブを、すでに報告されているマウス免
疫グロブリン遺伝子の塩基配列〔例えば、E.E.Max, et
al.,J.Biol.Chem.,256,5116(1981) 〕等を参考にして、
マウスの免疫グロブリン(Ig)のH鎖とL鎖のC領域
に相補的な2つのスクリーニング用DNAプローブを合
成し、スクリーニングする方法を例示できる。
【0025】該ブローブは市販の自動オリゴヌクレオチ
ド合成機により容易に合成でき、さらにT4ポリヌクレ
オチドキナーゼを用いて、〔γ−32P〕ATP等を用い
て、その5′末端を標識することができる。
【0026】この後者の方法におけるクローニングは、
抗体産生細胞よりポリ(A)+ RNAを得た後、グブラ
ーとホフマン〔Gubler,U.,& Hoffman,B.,Gene,25,263-2
68(1983)〕の方法に従い、一本鎖cDNAを合成し、さ
らに二本鎖cDNAを合成した後、これをプラスミドベ
クターやファージベクター等に挿入し、コンピテントな
状態にある大腸菌、例えばHB101株、LE392
株、NM539株、Y1090株などを宿主として、形
質転換させることにより実施でき、かくして所望のcD
NAライブラリーを構築することができる。
【0027】上記プラスミドベクターを用いる場合は、
例えばpSP64(国際特許出願公開WO89/019
74号公報参照)等を有利に使用することができ、得ら
れるcDNAライブラリーから合成したプローブを用い
て、ハナハンら〔Hanahan,R.A., et al.,Gene,10,63(19
80) 〕の方法によるコロニー・ハイブリダイゼーション
により、目的のVL遺伝子及びVH遺伝子のそれぞれを含
む陽性クローンをクローニングすることができる。
【0028】またファージベクターを用いる場合、該ベ
クターとしては、例えばλgt10、λgt11などを利用
して、インビトロパッケージング法等によりcDNAラ
イブラリーを構築し、このcDNAライブラリーから合
成したプローブを用いて、ベントンとデービス〔Bento
n,W. and Davis,R.,Science, 196,383-394(1977) 〕ら
の方法によるプラーク・ハイブリダイゼーションによ
り、目的のVL遺伝子及びVH遺伝子のそれぞれを含む陽
性クローンをクローニングすることができる。
【0029】更に、上記クローニングの別法としては、
例えばポリ(A)+ RNAから得られた一本鎖cDNA
より、目的とするV領域を含む領域のDNAをPCR
〔ポリメラーゼ・チェイン・リアクション;polymerase
chain reaction, Rosaria,O.,et al.,Proc.Natl.Acad.
Sci.U.S.A., 86,3833(1989) 〕により増幅し、増幅した
DNA断片をベクターに組込む方法を採用することもで
き、これにより所望のVL遺伝子及びVH遺伝子のクロー
ニングが可能である。またプローブとハイブリダイズし
たクローンについて、ベクター側プライマーを用いてP
CRにより、そのcDNAの大きさを確認することがで
きる。更に、上記増幅したV領域遺伝子(VL遺伝子及
びVH遺伝子)をIg発現ベクターに組込むことによっ
て、本発明の組換え抗体を発現させることもできる。
【0030】尚、上記でクローニングしたVL遺伝子及
びVH遺伝子のクローンは、アガロースゲル電気泳動に
より単離・精製することができる。
【0031】上記で得られたVL遺伝子及びVH遺伝子の
それぞれを含むクローニングベクターへの導入は、一般
的方法に従って、適当なベクター例えばpUC18、p
BR322など及び適当な制限酵素、例えばEcoRI
などを用いて実施できる。得られる組換え体プラスミド
の作製後、サンガーら〔Sanger,F.,et al.,Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A., 74,5463(1977) 〕のデオキシ・チェー
ン・ターミネーション法などを利用して、目的とするV
L及びVH遺伝子のcDNA領域の塩基配列を決定するこ
とができる。
【0032】上記のごとくして得られる本発明組換え抗
体作製用のマウス抗ヒトIL−1抗体のVL遺伝子及び
H遺伝子の各塩基配列は、配列番号:1及び配列番
号:2として示した通りである。またこれら各遺伝子を
含むプラスミドの具体例としては、それぞれ後述する実
施例に示すプラスミドpIL068(マウス抗ヒトIL
−1抗体のH鎖遺伝子を含む)及びプラスミドpIL0
86(マウス抗ヒトIL−1抗体のL鎖遺伝子を含む)
を例示できる。
【0033】一方、本発明組換え抗体のL鎖C領域(C
L)及びH鎖C領域(CH)としてはヒト抗体分子由来の
各種のもの、例えば一般的なヒト免疫グロブリン由来の
ものを利用できる。該ヒト免疫グロブリンのC領域遺伝
子、即ちCL遺伝子及びCH遺伝子は、例えばREI産生
細胞株〔human myeloma proein : Epp,O.,et al.,Eur.
J.Biochem.,45,513-524(1974)〕のようなヒト抗体産生
細胞から、前記と同様の方法により単離することがで
き、その際、目的遺伝子のクローニングのためのプロー
ブとしては、すでに報告されているヒト免疫グロブリン
の核酸塩基配列を〔Ellison,J.W., et al.,Nuc.Acids.R
es.,10,4071(1982) : Heiter,P.A., et al.,Cell, 22,1
97(1980)等〕を参照して合成したDNAプローブ等を利
用することが可能である。
【0034】また上記ヒトC領域遺伝子としては、既に
各種のものが知られており、各種のC領域遺伝子を有す
るプラスミドベクターが既に確立されている。従って、
本発明では該遺伝子を特に上記のように抗体産生細胞よ
り単離して調製せずとも、これらベクターの保有するも
のを利用するのが簡便であり有利である。かかる公知の
C領域遺伝子には、例えばH鎖の場合は、代表的にはγ
1〜γ4鎖などの遺伝子が、またその他にμ鎖、α鎖の
各鎖の遺伝子が含まれ、L鎖の場合は、κ鎖、λ鎖など
の遺伝子が包含され、これらはいずれも本発明に利用で
きる。上記ヒト免疫グロブリンのC領域及びエンハンサ
ーを含有するプラスミドベクターの具体例としては、例
えばヒトIgG4のH鎖C領域を有するpE1004
〔pEE6(P.Stephens and M.Cockett,Nucl.Acids Re
s., 17,7110(1989) : Prot.Eng., 1(6)499-505(1987)に
基づいて作製されたもの〕、ヒトIgG1のH鎖C領域
を有するpE1001〔上記pE1004と同様にして
pEE6に基づいて作製されたもの〕、ヒトIgκのL
鎖C領域を有するpE1081〔上記と同様にpEE6
に基づいて作製されたもの〕等を例示できる。更にpS
V2△Hgpt、pSV184△Hneo〔Oi,V.T. an
d Morrison S.L.,Biotechnique, 4 (3),214-221(1980)
〕等も上記ヒト免疫グロブリンのC領域遺伝子を有す
るプラスミドベクターに包含される。
【0035】本発明のヒトIL−1に対するキメラ抗体
の作製のための遺伝子は、上記した各種の遺伝子断片、
即ちマウス由来のVL遺伝子及びVH遺伝子から選ばれる
遺伝子と、ヒト由来のCL遺伝子及びCH遺伝子から選ば
れる遺伝子とを、それぞれ結合させることにより構築さ
れる。
【0036】上記マウス由来のVL遺伝子とヒト由来の
L遺伝子とを結合させて得られる本発明の組換えヒト
IL−1抗体L鎖発現ベクターの構築の概略は、例えば
図6に示す通りであり、かくして得られる発現ベクター
の具体例としてはpAC53を例示できる。これは、p
IL086のBstBIおよびSplI切断断片をヒト
IgκのL鎖C領域をコードするDNA配列を持つプラ
スミドpE1081の同制限酵素切断断片に挿入して構
築されたものであり、その特徴は図8に示す通りであ
る。
【0037】また、上記マウス由来のVH遺伝子とヒト
由来のCH遺伝子とを結合させて得られる本発明の組換
えヒトIL−1抗体H鎖発現ベクターの構築の概略は、
例えば図3に示す通りであり、かくして得られる発現ベ
クターの具体例としてはpAC52及びpAC77を例
示できる。これらは、pIL068のHindIII およ
びApaI切断断片を、ヒトIgG4のH鎖C領域をコ
ードするDNA配列を持つプラスミドpE1004およ
びヒトIgG1のH鎖C領域をコードするDNA配列を
持つプラスミドpE1001の同制限酵素切断断片にそ
れぞれ挿入して構築されたものであり、pAC52の特
徴は図5に示す通りである。
【0038】また、本発明のヒトIL−1に対する抗体
には、上記キメラ抗体の他に、リシェイプト抗体、即ち
L鎖及びH鎖の少なくとも一方がマウス抗ヒトIL−1
抗体分子のCDR領域を含むヒト・マウスグラフトV領
域を有する抗体が包含される。かかる本発明リシェイプ
ト抗体の作製のための遺伝子(グラフトされたリシェイ
プト遺伝子、特にグラフトVL遺伝子及びグラフトVH
伝子)としては、例えば上記のごとくして得られるマウ
ス由来のVL遺伝子又はVH遺伝子のDNA配列中のCD
R領域のDNA配列を参照して、この配列部分を例えば
ヒト抗体分子の対応するVL遺伝子又はVH遺伝子と置換
させたDNA配列を有するものを利用する。かかるグラ
フト遺伝子は、上記設計されたDNA配列を参照して、
その全遺伝子を自動オリゴヌクレオチド合成機により化
学合成することもでき、また上記設計されたDNA配列
の一部は、前述した各種遺伝子を利用して、PCR法に
従って作製、増幅することもできる。
【0039】上記グラフト遺伝子の具体例としては、配
列番号:3に示すグラフトVL遺伝子及び配列番号:4
に示すグラフトVH遺伝子を例示できる。
【0040】グラフトVL遺伝子とヒト由来のCL遺伝子
とを結合させて構築されるリシェイプト抗体L鎖の発現
ベクターの構築の概略は図9に示す通りであり、かくし
て得られる発現ベクターの具体例としてはpAL31を
例示できる。これは、後記実施例に示した2段階法によ
り得られる。即ち、配列番号:3のグラフトVL遺伝子
の一部を含むDNA配列(CDR1〜CDR3領域を除
くBstBIおよびSplI切断断片、PCRにより増
幅したもの)を、プラスミドpE1081の同制限酵素
切断断片に挿入し(ステップ1)、次いで得られるプラ
スミドの上記BstBI−SplI間に存在するBst
EII−KpnI間に、別途合成したCDR1〜CDR
3領域のDNA配列(BstEIIおよびKpnI切断
断片としたもの)を挿入(ステップ2)して構築された
ものであり、その特徴は図11に示す通りである。
【0041】またグラフトVH遺伝子とヒト由来のCH
伝子とを結合させて構築されるリシェイプト抗体H鎖の
発現ベクターの構築の概略は図12に示す通りであり、
かくして得られる発現ベクターには、具体的にはpAL
34が包含される。これは、後記実施例に示した方法に
より得られる配列番号:4のグラフトVH遺伝子を含む
DNA配列のHindIII およびApaI切断断片(P
CRにより増幅したもの)を、プラスミドpE1004
の同制限酵素切断断片に挿入して構築されたものであ
り、その特徴は図14に示す通りである。
【0042】尚、上記各発現ベクターの構築の際には、
一般に得られる各遺伝子の単離法に応じて、主として次
の2つの結合の組合せ、即ち、染色体DNAから単離し
たV領域とC領域遺伝子の組合せ及びcDNAから単離
したV領域とC領域の組合せに考慮をはらう必要があ
る。例えば、マウス染色体DNAから単離したV領域遺
伝子をヒト染色体DNAから単離したC遺伝子と結合さ
せる場合は、マウスV領域遺伝子には発現に必要なプロ
モーターやエンハンサー等の発現調節領域を予め含ませ
ておくのが好ましい。但し、プロモーターやエンハンサ
ー等はマウス由来である必要がなくヒト由来であっても
かまわない。上記プロモーターはV領域の5′上流域に
位置し、エンハンサーはV領域遺伝子とC領域遺伝子の
間に位置するのが好ましいが、エンハンサーについては
必ずしもこの位置に限定されるものではない。他方、マ
ウスcDNAから単離したV領域遺伝子をヒトcDNA
から単離したC領域遺伝子と結合させる場合、その結合
部分は適当な制限酵素サイトや、必要であれば適当なリ
ンカーを用いて、V領域遺伝子のコードしているアミノ
酸配列とC領域遺伝子のコードしているアミノ酸配列が
ずれないように、またV領域アミノ酸配列とC領域アミ
ノ酸配列が変化しないように結合しなければならず、さ
らに動物細胞中で発現を可能にするために適当なプロモ
ーターやエンハンサー等の発現調節領域を遺伝子の5′
上流域に付加してやる必要がある。これらの各操作は、
いずれも常法に従い実施することができ、必要に応じて
利用される発現調節領域、制限酵素サイト作製のための
リンカー等は公知のそれらを参照して適宜決定すること
ができる。
【0043】このようにして作製された本発明のキメラ
抗体遺伝子乃至リシェイプト抗体遺伝子を、例えば上記
ベクタープラスミドpEE6、pE1001、pE10
04、pE1081等やpSV2gpt〔R.C.Mullgan,
et al.,Pro.NAS.USA,78,2027(1981)〕、pSV2−ne
o〔P.J.Southern,et al.,J.Mol.Appl.Genet.,1,327(19
82) 〕等の選択マーカーの付いた適当なベクタープラス
ミド或いは宿主細胞内でプラスミド状態で増殖できるウ
ィルス遺伝子の一部(パピローマウィルスなど)を持っ
たベクタープラスミドにH鎖遺伝子とL鎖遺伝子を別々
に、あるいは同時に組み込むことにより、所望のキメラ
抗体L鎖発現プラスミド、キメラ抗体H鎖発現プラスミ
ド、リシェイプト抗体L鎖発現プラスミド及びリシェイ
プト抗体H鎖発現プラスミドを構築でき、また上記L鎖
とH鎖との組合せである本発明組換え抗体発現プラスミ
ドを構築することができる。
【0044】殊に、上記H鎖遺伝子とL鎖遺伝子とを別
々に組込んだプラスミドは、その内のL鎖発現プラスミ
ドとH鎖発現プラスミドとを用いて宿主細胞を形質転換
させることにより、本発明の所望抗体発現形質転換体と
することができる。また上記H鎖遺伝子とL鎖遺伝子と
同時に組込んだプラスミドは、これを単独で用いて宿主
細胞を形質転換させることによって、所望の本発明抗体
発現形質転換体を収得できる。
【0045】上記本発明抗体発現形質転換体の作製のた
めのH鎖遺伝子とL鎖遺伝子と同時に組込んだプラスミ
ドの具体例としては、例えば後記実施例に詳述する方法
により得られるpAC79を例示できる。これはより詳
しくは図15に示すように、一方で前記プラスミドpA
L34より、ヒトCMVプロモーターを含むH鎖V領域
およびC領域にポリAを含む遺伝子を単離し、他方でp
E1004のSV40/gpt遺伝子断片を単離し、之
等を前記プラスミドpAL31に適当に挿入することに
より得られ、かくして得られるプラスミドは目的のH鎖
遺伝子およびL鎖遺伝子と共に選択マーカーを保有して
おり、本発明組換え抗体の発現ベクターとして有用であ
る。かくして得られるプラスミドpAC79の特徴を図
15に併記する。
【0046】本発明の抗ヒトIL−1組換え抗体の製造
は、上記のようにして調製された抗体遺伝子又はそのH
鎖もしくはL鎖遺伝子のそれぞれを含むプラスミドを用
いて、宿主動物細胞を形質転換し、この形質転換体を培
養することにより実施できる。この形質転換に使用され
る宿主動物細胞としては、COS細胞〔Nuc.Acids Re
s., 12,5707-5717(1988) ;ATCC CCL70;C
V−1細胞をSV40ウィルスで形質転換した細胞
株〕、CHO細胞〔chinese hamster ovary cell; AT
CC CCL61:CHO−K1、WO89/0178
3号公報〕、BHK細胞〔baby hamster kinney cell;
ATCC CCL10:BHK−21(C−13)、W
O89/01783号公報〕やBリンパ系細胞株、例え
ばP3X63Ag8・653(ATCC CRL 15
80)、P3X63Ag8U・1(ATCC CRL
1597)、P3/NS1/1−Ag4−1(ATCC
CRL18)等の形質細胞腫〔Riechmann,L., et a
l.,Nature, 332,323(1988) :特開平2−2352号公報
等参照〕やハイブリドーマを例示できる。
【0047】DNAによる細胞の形質転換方法として
は、DEAE−デキストラン法〔Neuberger,M.S.,EMBO
J., 2,1317(1983)〕、リン酸カルシウム共沈降法〔Che
n,C. and Okayama H.,Mol.Cell.Biol.,7,2745-2752(198
7) 〕、プロトプラスト融合法〔Oi,V.T. and Morrison,
S.L.,Bio Techniques, 4 (3),214-221(1986) 〕、エレ
クトロポレーション法〔Potter.H., et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.,U.S.A., 81,7161-7163(1984)〕等の方法があ
り、いずれの方法でもよい。H鎖とL鎖のキメラ抗体遺
伝子を同時に持つプラスミドで形質転換を行なう場合に
は、選択マーカーは一種類でよいが、H鎖及びL鎖を別
々に形質転換させる場合には、2種類のマーカーが必要
である。この場合においては、まず一つのプラスミドで
形質転換を行なった後に、さらに他方のプラスミドで形
質転換を行なう二重形質転換法を用いるのが好ましい。
【0048】上記のようにして得られた形質転換細胞の
培養、増殖は、通常の動物細胞やハイブリドーマを培養
すると同じ適当な条件下で、適当な培地、常用の標準的
な培地、例えばダルベッコ改良イーグル培地(DME
M)又はRPMI1640培地中で行なわれ、これは必
要に応じ哺乳類の血清、例えばウシ胎児血清、または微
量要素および増殖維持補足要素などを補充することもで
きる。また、抗体産生細胞が選択マーカーを保有してい
る場合は、該培地は上記選択培地、例えばG418また
はキサンチン、ヒポキサンチン、チミジン及びミコフェ
ノール酸を含有する培地で補充されるのが好ましい。上
記のようにして細胞から通常のハイブリドーマの産生す
る抗体と同様にして、本発明の抗ヒトIL−1組換え抗
体を分泌産生させることができる。これら組織培養条件
下での哺乳類の細胞培地のための技術は、当業界におい
て自明である。
【0049】かくして得られる細胞培養物の上清は、エ
ンザイムノアッセイ(EIA)、ドット−アッセイ、F
ITCなどを用いる蛍光標識抗体法またはラジオイムノ
アッセイ(RIA)、ラテックス凝集反応、血球凝集反
応など、通常使用されるスクリーニング法を用いて、所
望する抗ヒトIL−1組換えモノクロナール抗体につい
てスクリーニングすることができる。
【0050】かくして得られる所望の抗ヒトIL−1組
換えモノクロナール抗体を産生する細胞は、上記した通
常の培地で継代培養でき、また、液体窒素中で長期間保
存可能である。
【0051】該抗体産生細胞からの本発明抗ヒトIL−
1組換えモノクロナール抗体の採取は、該細胞を常法に
従って培養し、その培養上清として、或るは該細胞をこ
れと適合性のある哺乳動物の腹腔内に投与して増殖さ
せ、その腹水として得る方法等を採用できる。
【0052】該組換え抗体の単離には、培養上清中の免
疫グロブリンを、例えば硫酸アンモニウムによる沈殿、
PEGのような吸湿性物質に対する透析、選択膜を通す
濾過等により、濃縮する。また、必要に応じ、または所
望により濃縮された該抗体を通常のクロマトグラフィー
法、例えばゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、
DEAE−セルロース上でのクロマトグラフィーまたは
プロティンAを用いるカラムクロマトグラフィー等の通
常の精製手段により精製することができる。
【0053】かくして得られる本発明抗体は、これを利
用して、例えば免疫沈降法、アフィニティクロマトグラ
フィー等の通常の精製手段により、ヒトIL−1を簡便
且つ特異的に精製することが可能である。
【0054】上記の如くして得られる本発明抗体の利用
によれば、検体中のヒトIL−1を免疫反応により、特
異的に測定することができる。該方法としては、通常の
競合法、サンドイッチ法によるラジオイムノアセイ法
(RIA)、酵素免疫測定法(ELISA)、凝集法等
の通常免疫学的手法が挙げられ、これらの方法の操作、
手順等は、常法と変わるところはない。より具体的に
は、例えば競合法を採用する場合、測定しようとする検
体中のヒトIL−1と一定量の不溶化されたヒトIL−
1とを、標識剤で標識させた本発明の抗体の一定量と競
合反応させ、次いで、不溶化ヒトIL−1と標識抗体と
の結合体及び非結合標識抗体を分離し、その何れか一方
の標識活性を測定することにより、又、サンドイッチ法
を採用する場合は、測定物質と不溶化された本発明抗体
とを反応させて、ヒトIL−1不溶化抗体複合体を形成
させ、この複合体に標識抗体の一定量を反応させ、次い
で複合体と標識抗体との結合体及び非結合標識抗体を分
離し、その何れか一方の標識活性を測定することによ
り、それぞれ検体中のヒトIL−1を定量できる。上記
検定法において検体として用いられる体液としては、例
えば血液、細胞組織液等を例示でき、これらのうちでは
血液、特に血清又は血漿が好ましい。
【0055】本発明抗体の標識物質としては、グルコア
ミラーゼ、パーオキシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、β−ガラクトオキシダーゼ等の各種の酵素、
125I、 131I、トリチウム等の放射性物質等が挙げら
れる。該標識化法は、常法に従えばよい〔Nature, 194,
495(1962) ; Acta.Endocrliol.Suppl., 168,206(1972)
等参照〕。
【0056】不溶化抗体は、ヒトIL−1または本発明
抗体を、不溶性担体に化学的又は物理的に結合させるこ
とにより製造される。不溶性担体としては、セルロース
粉末、セファデックス、セファロース、ポリスチレン、
濾紙、カルボキシメチルセルロース、イオン交換樹脂、
デキストラン、プラスチックフィルム、プラスチックチ
ューブ、ナイロン、ガラスビーズ、絹、ポリアミン−メ
チルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、アミノ酸共
重合物、エチレン−マレイン酸今日重合物等が挙げられ
る。不溶化は、共有結合法としてのジアゾ法、ペプチド
法、アルキル化法、架橋試薬による担体結合法(架橋試
薬としてグルタルアルデヒド、ヘキサメチレンイソシア
ナート等を用いる)、Ugl反応による担体結合法等の
化学反応;あるいはイオン交換樹脂のような担体を用い
るイオン結合法;ガラスビーズ等の多孔性ガラスを担体
として用いる物理的吸着法によって行なわれる。上記測
定法において反応(免疫反応)は、通常45℃以下、好
ましくは4〜40℃の温度で、数時間〜24時間程度で
行なわれる。かくして、本発明抗体を用いれば、簡便
に、高精度に、検体中のヒトIL−1を測定することが
できる。
【0057】また、本発明抗体はIL−1の作用を抑制
乃至中和する作用を有するものであり、その利用によれ
ば、ヒトIL−1の異常産生を伴う疾患、代表的には慢
性関節リウマチ、甲状腺炎、腎炎等の慢性炎症性疾患、
動脈硬化、川崎病等の血管炎、DIC、血液癌等の各種
疾患の治療および診断を行なうことが可能である。更
に、本発明抗体は抗原性が低く、ヒト体内に投与するこ
とも可能であり、例えばこれを標識してヒト体内に投与
することによって、ヒト体内のIL−1の異常産生を伴
う組織部位等の画像診断にも利用することができる。
【0058】以上のように、本発明は組換え抗体のみな
らず、その製造方法、該方法に用いられるクローニング
ベクター、発現ベクター、トランスフェクトされた細胞
系等や本発明抗体のヒトIL−1精製系、測定系への利
用並びに該抗体を有効成分とする治療薬乃至診断薬及び
之等の適用方法をも包含している。
【0059】かかる本発明抗体を利用した精製系、測定
系の設定、治療乃至診断分野への適用、それらの改変な
いし応用は当業者にとり自明である。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば抗ヒトIL−1組換え抗
体が提供される。該組換え抗体の利用によれば、臨床サ
ンプル等の低濃度のヒトIL−1を含有する検体中の該
ヒトIL−1を正確に測定可能な免疫検定法による測定
手法や、IL−1の異常産生を伴う各種疾患に対する、
IL−1の作用を抑制乃至中和を目的とする医薬品や、
ヒト体内IL−1の異常産生組織部位等の画像診断剤等
が提供できる。
【0061】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0062】
【実施例1】 (1) ANOC−301産生ハイブリドーマの培養 マウス抗ヒトIL−1αモノクローナル抗体であるAN
OC−301を産生するハイブリドーマ細胞〔KOCO
301(FERM BP-1554)、免疫原は組換えヒトIL−1α
であり、得られる抗体のイソタイプはIgG1 で、抗体
の親和性は0.8〜2.0×10-10 M/lである、特
開昭63−258595号公報参照〕を、10%仔牛胎
児血清(以下FCSと略す)(ハイブリマックス(Hybri
max)、シグマ(Sigma) 社製)、1mMグルタミン、50
ユニット/mlペニシリン−ストレプトマイシン(p/
s、ギブコ(GIBCO) 社製)を含むRPMI−1640培
地を用いて、5%CO2 /空気ガスを供給したローラボ
トルで37℃で培養した。
【0063】(2) mRNAの調製 上述した方法により培養したANOC−301産生ハイ
ブリドーマ細胞3×108 個(1l培養分)を遠心(2
000rpm、15分)により集めた後、滅菌したPB
S(リン酸塩緩衝生理食塩水(phosphate buffered sali
ne) )で一度洗浄した。上記細胞を、5Mグアニジン・
チオシアネート、50mMトリス−塩酸(pH7.
5)、10mMEDTA、8%β−メルカプトエタノー
ルから成る20mlの溶液に溶かした。この細胞溶解液
を16Gの注射針に5回、21Gの注射針に20回通す
ことによりDNAを切断し、これに7倍容量の4M塩化
リチウムを加えた。4℃で一晩放置後、遠心(1000
0rpm、60分、4℃)により沈殿を回収した。沈殿
を2M塩化リチウム−4M尿素溶液に再懸濁し、再び遠
心(10000rpm、30分)した後、1mMEDT
A及び0.1%SDSを含む10mMトリス−塩酸(p
H7.4)溶液に最小容量(約20ml)で溶かした。
この溶液を凍結・融解後、等量のフェノール:クロロホ
ルム:イソアミルアルコール(24:24:1)混液で
2回抽出し、さらにクロロホルムで抽出した。得られた
水層に0.5容量の7.5M酢酸アンモニウムと2容量
のエタノールを加えて、全RNAを沈殿させた。得られ
た全RNAは1.8mgであった。
【0064】オリゴ(dT)−セルロースを有するプレ
パックスパンカラムに基づいたファルマシア社製のmR
NA精製キット(Cat.No.27−9258−0
1)を用いて、ポリ(A)+ RNAを調製した。得られ
たポリ(A)+ RNAは、50μgであった。
【0065】(3) cDNAライブラリーの調製 5μgのポリ(A)+ RNAよりアマーシャム社製cD
NA合成キット(Cat.No.RPN1256Y)を
用いてcDNAを合成した。cDNA(0.5ピコモ
ル)に、内部にEcoRI部位を有するリン酸化したB
stXIアダプター(125ピコモル)を連結し、アダ
プターの付いたcDNAを、ACA34カラムでゲル濾
過を行なうことにより精製した。該アダプターの付いた
cDNAを、BstXI部位を含むpSP64の修飾ベ
クター〔ベクターCDM8(B.Seed,Nature,329,840(19
87) )から単離したXbaIスタッファー断片(stuffe
r fragment) をpSP64(プロメガ社(Promegs Corpo
ration,U.S.A.)製のXbaI部位に挿入した修飾pSP
64ベクターであり、XbaIスタッファー断片内に2
ケ所のBstXI部位を有する〕に連結させ、大腸菌H
B101の派生株であるLM1035細胞に形質転換し
た。
【0066】(4) オリゴヌクレオチドプローブ 表1に示すT4ポリヌクレオチドキナーゼで5′末端を
〔γ−32P〕ATPを用いてラベルしたオリゴヌクレオ
チドプローブを用いて、上記で得られたcDNAライブ
ラリーより約12000コロニーについて、抗体のL鎖
及びH鎖の各cDNAをスクリーニングした。
【0067】
【表1】
【0068】尚、上記R498は、マウスCκ遺伝子配
列〔Max et al.,J.Biol.Chem.,256,5116(1981)〕の内の
4658−4677の配列の相補鎖に相当し、R627
は、マウスCr1 遺伝子のCH1ドメイン〔Honjo et a
l.,Cell,18,559(1979)〕の115−133の配列の相補
鎖に相当する。
【0069】(5) ANOC−301のV領域のcD
NAのクローニング 上記表1に示す5′末端をラベルしたオリゴヌクレオチ
ドプローブを用いてスクリーニングを行なった。
【0070】プレハイブリダイゼーションは、6×SS
C(1×SSC=0.15M NaCl−0.015M
クエン酸ナトリウム溶液)、5×Denhart's 溶液(1×
Denhart's 溶液=0.02%ポリビニルピロリドン−
0.02%牛血清アルブミン(BSA)−0.02%フ
ィコール)、0.1%SDS及び100μg/ml変性
サケ精子DNAからなる溶液中で、46℃で3時間行な
った。次に、このプレハイブリダイゼーション溶液と同
組成の溶液中に32Pでラベルしたオリゴヌクレオチドを
5ng/mlになるように加え、65℃にした後、室温
にて16時間以上放置した。フィルターの洗浄は6×S
SC−0.1%SDS溶液中で室温で2回行なった後、
6×SSC−0.1%SDS溶液中で45℃で3回行な
った。
【0071】その結果、プローブとハイブリダイゼーシ
ョンしたクローンについて、ベクター側のプライマーを
用いたPCR(ポリメラーゼチェインリアクション、po
lymerase chain reaction )によりcDNAの大きさを
分析した。
【0072】上記PCRの反応条件は以下の通りであ
る。テンプレートDNA0.1μg、10×PCR緩衝
液〔500mM KCl、100mMトリス−塩酸(p
H8.3)、15mM MgCl2 、ゼラチン0.1%
(W/V)〕5μl、2.5mMdNTPs(N=A、
G、C、T)5μl、オリゴR883 10ピコモル、
オリゴR1767 10ピコモル及びTaqポリメラー
ゼ(1U/μl)0.25μl(水で反応液を50μl
とする)。
【0073】反応は94℃で1分間、55℃で1分間、
72℃で1分間を20サイクル行なった。
【0074】尚、オリゴR883及びR1767の塩基
配列は下記表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】その結果、H鎖cDNAについては8クロ
ーンが全長と考えられる1.9kbのcDNAを有して
おり、L鎖cDNAについては6クローンが全長と考え
られる1.1kbのcDNAを有していた。
【0077】そこで上記2つのH鎖cDNAクローン
(pIL068、pIL072)と2つのL鎖cDNA
クローン(pIL086、pIL089)の各V領域に
ついて、塩基配列を調べた。尚、上記H鎖cDNAクロ
ーンpIL068の概略は図1に示す通りであり、また
L鎖cDNAクローンpIL086の概略は図2に示す
通りであり、各図において、SP6RNApolPはS
P6RNAポリメラーゼのプロモーター領域を、Amp
Rはアンピシリン耐性遺伝子を示す。
【0078】その結果、pIL068及びpIL072
の両クローンは共に、全長のマウスIgG1H鎖遺伝子
のcDNAを有していた。一方pIL086とpIL0
89のL鎖cDNAクローンは、V領域で異なってい
た。pIL089は、ハイブリドーマの融合パートナー
から由来した偽L鎖遺伝子を有しており、pIL086
がANOC−301のマウスカッパ鎖遺伝子を有してい
た。
【0079】H鎖cDNAクローンpIL068のV領
域の塩基配列は配列番号:1として示した通りである。
【0080】L鎖cDNAクローンpIL086のV領
域の塩基配列は配列番号:2として示した通りである。
【0081】上記pIL086は、リーダー配列の最初
の3アミノ酸残基が欠けており、そのために発現ベクタ
ー作成時には、以下に示すように既知のカッパ鎖のリー
ダー配列に基づいてメチオニン、アルギニンおよびバリ
ンの配列(ATGAGGGTC)を付加した。
【0082】(6) キメラH鎖IgG4ANOC−3
01の発現ベクターpAC52の作製 この発現ベクターpAC52の作製の概略は図3に示す
通りである。尚、図中VHはマウスH鎖V領域遺伝子
を、G4はヒトIgG4のC領域を、G1はヒトIgG
1のC領域を、hCMVはヒトサイトメガロウイルスの
MIE(major immediate early)プロモーターを、gp
tはキサンチングアニンフォスホリボシルトランスフェ
ラーゼ遺伝子を、pAはポリA付加シグナル配列を、S
Vori はSV40ウイルスの複製起源をそれぞれ示す。
以下の図においても同様とする。
【0083】まずマウスH鎖V領域遺伝子(VH)を含
むpIL068より、図4に示す2種のプライマー(フ
ォワード・プライマー(R2391)及びリバース・プ
ライマー(R2390)、それぞれ自動オリゴヌクレオ
チド合成機により化学合成した)を用いて、上記(5)
で述べたと同様の条件でPCR法にて、上記VH遺伝子
を含むDNA断片を単離した。このものの塩基配列及び
対応するアミノ酸配列は、配列番号:1として示す通り
である。
【0084】次いで、上記PCR法により増幅させたV
H遺伝子を含むDNA断片を、制限酵素HindIII と
ApaI で切断し、これをヒトIgG4のC領域を有す
るベクターpE1004〔pEE6(P.Stephens and
M.Cockett,Nucl.Acids Res.,17,7110(1989) に基づいて
作製した〕のHindIII とApaI間に挿入して、目
的のpAC52を得た。得られたpAC52の特徴及び
制限酵素地図を図5に示す。
【0085】(7) キメラH鎖IgG1ANOC−3
01の発現ベクターpAC77の作製 この発現ベクターpAC77の作製の概略も図3に併記
する通りであり、このものはヒトIgG4のC領域を有
するベクターpE1004に代えてヒトIgG1のC領
域を有するベクターpE1001〔pE1004と同様
にpEE6に基づいて作製した〕を用いて、上記6と同
様にして作製できるが、この例では、以下の如くして作
製した。
【0086】即ち、上記(6)で作製したキメラH鎖I
gG4ANOC−301の発現ベクターpAC52よ
り、制限酵素HindIII とApaIでANOC−30
1のマウスH鎖V領域遺伝子を切り出し、これをベクタ
ーpE1001のHindIIIとApaI間に挿入し
た。かくして目的のpAC77を得た。
【0087】(8) キメラL鎖ANOC−301の発
現ベクターpAC53の作製 この発現ベクターpAC53の作製の概略は図6に示す
通りである。尚、図中VLはANOC301(マウス)
のL鎖V領域遺伝子を、CK(Ckappa 又はCκとも表
示する)はヒトカッパ鎖C領域を示し、AmpR、hC
MVは前記に同じである。
【0088】即ち、まずマウスL鎖可変領域遺伝子(V
L)を含むpIL086より、図7に示す2種のプライ
マー(フォワード・プライマー(R2429)及びリバ
ース・プライマー(R2430)、それぞれ自動オリゴ
ヌクレオチド合成機により化学合成した)を用いて、前
記(5)で述べたと同様の条件でPCR法にて、上記V
L遺伝子を含むDNA断片を単離した。このものの塩基
配列及び対応するアミノ酸配列は、配列番号:2として
示す通りである。
【0089】次いで、上記PCR法により増幅させたV
L遺伝子を制限酵素BstBIとSplIで切断し、こ
れをヒト・カッパ鎖C領域を有するベクターpE108
1〔pE1004の場合と同様にpEE6に基づいて作
製した〕のBstBIとSplI間に挿入して、pAC
53を得た。かくして得られたpAC53の特徴及び制
限酵素地図を図8に示す。
【0090】(9) CDR−グラフトL鎖ANOC−
301発現ベクターpAL31の作製 この発現ベクターpAL31の作製の概略は図9に示す
通りである。該ベクターは、ヒト抗体REI〔E.A.Kaba
t, et al., (1987) in Sequences of Proteinsof Immun
ological Interest., 4th edition, (US Department of
Health and Human Services)〕のカッパ鎖VLドメイン
内CDR領域のアミノ酸配列を、ANOC−301のV
Lドメイン内のCDR領域のアミノ酸配列で置換させた
ものであり、以下の通り作製された。
【0091】即ちまず、ドウターティ(Daughterty)らの
方法(Nucl.Acids Res.,19,2471(1991) によって述べら
れた方法に準じて、オリゴヌクレオチドを用いて、下記
ステップ1及びステップ2に従い、CDR−グラフトV
L遺伝子を得た。
【0092】(ステップ1)ヒト抗体REIのカッパ鎖
のリーダー配列、フレームワーク1の部分及びフレーム
ワーク4の部分をコードするユニバーサルVLカセット
を構築した。具体的には、図16に示すオリゴヌクレオ
チドを用いてPCR反応を行なった。反応液は50μl
からなり各10ピコモルの3′及び5′−ショート・オ
リゴヌクレオチド(EUNEW-20、L-REIVEC 3)、各1ピコ
モルのインターナル・オリゴヌクレオチド(EUNEW-1 、
L-REIVEC 1、L-REIVEC 2)、10mMトリス−塩酸(p
H8.3)、1.5mM MgCl2 、0.01%(w
/v)ゼラチン、50mMKCl、0.25mMdNT
Ps(N=A、G、T、C)及び0.25ユニットのT
aqポリメラーゼの組成を有し、94℃で1分間、55
℃で1分間、72℃で1分間の20サイクルを行なっ
た。反応終了後、フェノール・クロロホルムで2回抽出
し、エタノール沈殿を行ない、その後、水に溶解後、制
限酵素BstBIとSplIで切断し、pE1081の
BstBIとSplI間に挿入して、ユニバーサルVL
カセットpAL29を得た。このBstBIとSplI
間の塩基配列は図17に示す通りである。
【0093】(ステップ2)CDR−1〜CDR−3の
領域については、図18に示したオリゴヌクレオチドを
用い、ステップ1と同様の方法でPCR反応を行ない、
最終的にBstEII−KpnI間のDNA断片を得
た。これを、予め制限酵素BstEII及びKpnIで
切断しておいた前記ステップ1で得られたユニバーサル
LカセットpAL29のBstEII−KpnI間に
挿入して、pAL31を得た。
【0094】得られたCDR−グラフトVL遺伝子のD
NA配列及び対応するアミノ酸配列は、配列番号:3と
して示す通りである。
【0095】BstBI−SplI断片(図10)を挿
入された目的のpAL31の特徴及び制限酵素地図を図
11に示す。
【0096】(10) CDR−グラフトH鎖IgG4
ANOC−301発現ベクターpAL34の作製 この発現ベクターpAL34の作製の概略は図12に示
す通りであり、該ベクターは、ヒト抗体KOL〔E.A.Ka
bat, et al., (1987) in Sequences of Proteins of Im
munological Interest., 4th edition, (US Department
of Health andHuman Services)〕のH鎖VHドメイン内
の3ヶ所のCDR領域のアミノ酸配列及びフレームワー
ク内の12ヶ所のアミノ酸残基をANOC−301のV
Hドメイン内の対応するアミノ酸残基で置換したもので
あり、以下の通り作製された。
【0097】即ち、上記9で述べた方法と同様の方法
で、オリゴヌクレオチド(図19)を用いたPCR法に
より一段階で、CDR−グラフトVH鎖遺伝子(そのD
NA配列は配列番号:4として示す)を得た。得られた
遺伝子を制限酵素HindIIIとApaIで切断して、
ヒト・マウスグラフトVH遺伝子を含むDNA断片を得
た。このものは図13に示すDNA配列及び対応アミノ
酸配列を有している。
【0098】上記HindIII −ApaI断片を、ベク
ターpE1004のHindIII とApaI間に挿入し
て、目的のpAL34を得た。かくして得られたpAL
34の特徴及び制限酵素地図を図14に示す。
【0099】(11) CDR−グラフトANOC−3
01発現ベクターpAC79の作製 CDR−グラフト−H鎖IgG4ANOC−301発現
ベクターpAL34のhCMVプロモーターの5′末端
のClaI部位に、BamHI認識部位を挿入して、h
CMV/CDRIgG4カセットを、BamHIDNA
断片として単離した。
【0100】一方、pE1004からSV40/gpt
遺伝子のカセットを、SalIDNA断片として単離
し、これをCDR−グラフトL鎖ANOC−301発現
ベクターpAL31のSalI部位に挿入した。さら
に、得られたベクターのBamHI部位にhCMV/C
DRIgG4カセットを挿入して、目的の発現ベクター
pAC79を作製した。その操作の概略は図15に示す
通りである。
【0101】かくして得られたpAC79の特徴及び制
限酵素地図を図15に併記する。
【0102】(12) CHOL761h細胞を用いた
組換え抗体の一過的発現 10%FCS、1mMグルタミン及び50U/mlペニ
シリン−ストレプトマイシンを含むダルベッコ修飾イー
グル培地で培養されたCHOL761h細胞〔M.I.Cock
ett, et al.,Nucl.Acids Res., 19,319(1991) 〕を、フ
ァルコンT175フラスコに約2×107 細胞数で播
き、この細胞に50μgの各プラスミドDNAをリン酸
カルシウム法によってトランスフェクションした。
【0103】用いたプラスミドDNAは、上記(6)〜
(11)で得られたもの又はそれらの組合せ、即ちキメ
ラH鎖IgG4ANOC−301の発現ベクターpAC
52とキメラL鎖ANOC−301の発現ベクターpA
C53との組合せ、キメラL鎖ANOC−301の発現
ベクターpAC53とキメラH鎖IgG1ANOC−3
01発現ベクターpAC77の組合せ、キメラL鎖AN
OC−301の発現ベクターpAC53とCDR−グラ
フトH鎖IgG4ANOC−301発現ベクターpAL
34との組合せ、CDR−グラフトL鎖ANOC−30
1発現ベクターpAL31とキメラH鎖IgG4ANO
C−301の発現ベクターpAC52との組合せ及びC
DR−グラフトH鎖及びL鎖を組み合わせた発現ベクタ
ーpAC79を用いた。
【0104】トランスフェクション後、72時間で培地
を回収した。
【0105】発現される組換え抗体は以下の通りであ
る。 ・キメラIgG4ANOC−301 ・キメラIgG1ANOC−301 ・キメラL鎖/グラフトH鎖IgG4ANOC−301 ・グラフトL鎖/キメラH鎖IgG4ANOC−301 ・グラフトIgG4ANOC−301
【0106】(13) 組換え抗体の精製 キメラIgG1ANOC−301は、プロテインA・セ
ファロース・ファースト・フロー(FF)(ファルマシ
ア社製)を使用して培養上清から精製した。尚、プロテ
インA・セファロースカラム(22mlベット容量)
は、あらかじめ4.3M・NaClを含む50mMグリ
シン/グリシン酸ナトリウム緩衝液(pH8.8)で平
衡化した(5カラム容量、110ml)。そして480
μgのキメラIgG1ANOC−301(ELISAに
よる測定値)を含む2.4lの培養上清を上記カラムに
かけた。培養上清をカラムに乗せ終わった後、マトリッ
クスを平衡緩衝液で洗い(3カラム容量、66ml)、
その後50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)
(3カラム容量、66ml)で培養上清中の牛IgGを
溶出した。その後0.1Mグリシン塩酸(pH2.5)
溶液でキメラIgG1ANOC−301を溶出し、溶出
液を2Mトリス・塩酸(pH8.0)ですぐに中和し
た。キメラIgG1ANOC−301を含む画分を、
0.05%チメロザール含有リン酸緩衝食塩水にて透析
し、−70℃で保存した。得られたキメラIgG1AN
OC−301は357μgであった。
【0107】キメラIgG4ANOC−301、キメラ
L鎖/グラフトH鎖IgG4ANOC−301、グラフ
トL鎖/キメラH鎖IgG4ANOC−301及びグラ
フトIgG4ANOC−301の精製も、上記キメラI
gG1ANOC−301と同様にして行なった。
【0108】その結果、キメラIgG4ANOC−30
1は2.4lの培養上清より325μg、キメラL鎖/
グラフトH鎖IgG4ANOC−301は、2.1lの
培養上清より820μg、グラフトL鎖/キメラH鎖I
gG4ANOC−301は、1.1lの培養上清より9
4.5μg、グラフトIgG4ANOC−301は1.
3lの培養上清より1400μgで得られた。
【0109】(14) ヒト組換えIL−1αの 125
標識体の作製 1.5mlのポリプロピレン製エッペンドルフ・タイプ
のチューブに20μlのヨードゲン溶液(ジクロロメタ
ン或いはクロロホルムに溶かした0.2mg/mlのヨ
ードゲン(1,3,4,6−テトラクロロ−3a,6a
−ジフェニルグリコールリル(1,3,4,6-tetrachloro-3a,
6a-diphenglglycoluril)、ピアス社(Pirerce Chemical
Company,U.S.A.) )を加え、減圧下で溶媒を除いた。こ
のようにして得られたヨードゲンをコーティングしたチ
ューブに10μlの0.25Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.5)と5μl(18.5MBq)の3.7G
Bq/mlNa・ 125I(アマシャム社(Amersham,code
1MS30) )を加え、さらに10μlの0.1mg/ml
ヒト・組換えIL−1α(0.05Mリン酸ナトリウム
緩衝液、pH7.5に溶解)を加えた後、ピペットで反
応液を混合し、氷上に3分間放置した。0.05Mリン
酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を250μl加えた
後、あらかじめ0.1%BSA(牛血清アルブミン(bov
in serum albumin) 、シグマ社(Sigma) 製)と0.05
%チメロザール(シグマ社製)を含むPBS(リン酸塩
緩衝生理食塩水(phosphato buffered saline) )で平衡
化したプレパックPD−10(pre-packed PD-10)カラム
(ファルマシア社製)にかけ、各分画(1ml/分画)
についてカウントし、 125IL−1αを含む画分を4℃
で保存した。
【0110】(15) 125IL−1αを用いた抗体の
力価の測定 ANOC−301及び組換え抗体をそれぞれ3%正常ヤ
ギ血清と0.05%チメロザール(シグマ社製)を含む
PBS(以後抗体希釈剤とする)で10μg/mlから
1.25ng/mlまで2倍ずつ段階希釈し、それぞれ
100μlずつをアッセイチューブ(ガラスチューブ、
10mm×75mm、コーニング(Corning) 社製)に入
れ、さらに100μl(10000cpm)の 125IL
−1αと300μlの抗体希釈液を加えて混合した後、
4℃で48時間放置した。500μlの25%PEG
(ポリエチレングリコール、和光純薬製)を加えて攪拌
し、30分間、4℃で放置した。遠心(3000rp
m、15分、4℃)後、上清を除いて沈殿物のカウント
をγ−カウンターで測定した。
【0111】その結果、50%B/T(B:結合したカ
ウント、T:全カウント)を示す抗体の濃度を力価とし
て、表3に示す。
【0112】
【表3】
【0113】(16) 抗体の親和性の測定 抗体の親和性を、競合法によるRIA(ラジオイムノア
ッセイ)により、以下の通り測定した。即ちヒト・組換
えIL−1αを抗体希釈液で10μg/mlから2.5
ng/mlまで2倍ずつ段階希釈し、それぞれ100μ
lをアッセイチューブに入れ、ついで各抗体を抗体希釈
液で50%B/Tを示す付近の濃度まで希釈した液を1
00μl、 125I−IL−1αを100μl(1000
0cpm)、抗体希釈液を200μl加え、全量を50
0μlとし、4℃で48時間反応させた。その後、50
0μlの25%PEG(ポリエチレングリコール、和光
純薬社製)を加えて攪拌し、30分間、4℃で放置した
後、遠心(3000rpm、15分、4℃)し、上清を
除いて沈殿物のカウントをγ−カウンターで測定した。
【0114】その結果よりスカッチャードプロットを行
ない、親和性を算出した。結果を表4に示す。
【0115】
【表4】
【配列表】
【0116】配列番号:1 配列の長さ:453 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:31,453 特徴を決定した方法:E 配列: GTTAGTCT TAGGCACCAC TTCTTAGACA TC ATG GCT TGG GTG TGG ACC TTG 51 Met Ala Trp Val Trp Thr Leu -15 CTA TTC CTG ATG GCA GCT GCC CAA AGT GCC CAA GCA CAG ATC CAG TTG 99 Leu Phe Leu Met Ala Ala Ala Gln Ser Ala Gln Ala Gln Ile Gln Leu -10 -5 1 GTG CAG TCT GGA CCT GAG TTG AAG AAG TCT GGA GAG ACA GTC AAG ATC 147 Val Gln Ser Gly Pro Glu Leu Lys Lys Ser Gly Glu Thr Val Lys Ile 5 10 15 20 TCC TGC AAG GCT TCT GGG TAT ACC TTC AGA AAC TAT GGA ATG AAC TGG 195 Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Arg Asn Tyr Gly Met Asn Trp 25 30 35 GTG AAG CAG GCT CCA GGA AAG GGT TTA AAG TGG ATG GGC TGG ATA AGT 243 Val Lys Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Lys Trp Met Gly Trp Ile Ser 40 45 50 ACT TAC ACT GGA GAG CCA ACA TAT GCT GAT GAC TTC AAG GGA CGG TTT 291 Thr Tyr Thr Gly Glu Pro Thr Tyr Ala Asp Asp Phe Lys Gly Arg Phe 55 60 65 GCC TTC TCT TTG GAA ACC TCT GCC AGC ACT GCC TAT TTG CAG ATC AAC 339 Ala Phe Ser Leu Glu Thr Ser Ala Ser Thr Ala Tyr Leu Gln Ile Asn 70 75 80 AAT TTC AAA AAT GAG GAC ACG GCT ACA TAT TTC TGT GCA AGA GGG CTC 387 Asn Phe Lys Asn Glu Asp Thr Ala Thr Tyr Phe Cys Ala Arg Gly Leu 85 90 95 100 TAT TAC TTC GGT AGT AGC TAT GCT TTG GAC TAC TGG GGT CAA GGA ACC 435 Tyr Tyr Phe Gly Ser Ser Tyr Ala Leu Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr 105 110 115 TCA GTC ACC GTC TCC TCA 453 Ser Val Thr Val Ser Ser 120
【0117】配列番号:2 配列の長さ:372 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1,372 特徴を決定した方法:E 配列: TCT GCT CAG TTC CTT GGT CTC CTG TTG CTC TGT TTT CAA GGT ACC AGA 48 Ser Ala Gln Phe Leu Gly Leu Leu Leu Leu Cys Phe Gln Gly Thr Arg -15 -10 -5 TGT GAT ATC CAG ATG ACA CAG ACT ACA TCC TCC CTG TCT GCC TCT CTG 96 Cys Asp Ile Gln Met Thr Gln Thr Thr Ser Ser Leu Ser Ala Ser Leu 1 5 10 10 GGA GAC AGA GTC ACC ATC ACT TGC AGG ACA AGT CAG GAC ATT AAC AAT 144 Gly Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Thr Ser Gln Asp Ile Asn Asn 15 20 25 AAT TTA AAC TGG TTT CAA CAG AAA CCA GAT GGA ACT GTT AAA CTC CTG 192 Asn Leu Asn Trp Phe Gln Gln Lys Pro Asp Gly Thr Val Lys Leu Leu 30 35 40 ATC TAC TAC ACA TCA AGA TTA CAC TCA GGA GTC CCA TCA AGG TTC AGT 240 Ile Tyr Tyr Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser 45 50 55 GGC AGT GGG TCT GGA ACA GAT TAT TCT CTC ACC ATT AGC AAC CTG GAA 288 Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Asn Leu Glu 60 65 70 75 GAA GAA GAT GCT GCC ACT TAC TTT TGC CAA CAG GGT AAA ACC CTT CCG 336 Glu Glu Asp Ala Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Lys Thr Leu Pro 80 85 90 TGG ACG TTC GGT GGA GGC ACC AAG CTG GAA TTC AAA 372 Trp Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Phe Lys 95 100
【0118】配列番号:3 配列の長さ:394 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1,394 特徴を決定した方法:E 配列: ATG TCT GTC CCC ACC CAA GTC CTC GGT CTC CTG CTG CTG TGG CTT ACA 48 Met Ser Val Pro Thr Gln Val Leu Gly Leu Leu Leu Leu Trp Leu Thr -20 -15 -10 -5 GAT GCC AGA TGT GAC ATT CAA ATG ACC CAG AGC CCA TCC AGC CTG AGC 96 Asp Ala Arg Cys Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser 1 5 10 GCA TCT GTA GGA GAC CGG GTC ACC ATC ACA TGT AGA ACA TCT CAG GAC 144 Ala Ser Val Gly Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Thr Ser Gln Asp 15 20 25 ATC AAC AAC AAC CTG AAC TGG TAT CAG CAG ACA CCT GGA AAG GCT CCT 192 Ile Asn Asn Asn Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Thr Pro Gly Lys Ala Pro 30 35 40 AAG CTG CTG ATC TAC TAC ACA TCT CGT CTG CAT TCT GGA GTC CCT TCT 250 Lys Leu Leu Ile Tyr Tyr Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser 45 50 55 60 AGA TTC TCT GGT TCT GGC TCT GGA ACA GAC TAC ACA TTC ACA ATC TCT 298 Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Thr Phe Thr Ile Ser 65 70 75 TCT CTC CAA CCT GAG GAC ATC GCT ACA TAC TAC TGC CAA CAG GGA AAG 346 Ser Leu Gln Pro Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Gly Lys 80 85 90 ACA CTG CCT TGG ACA TTC GGA CAG GGT ACC AAA TTG CAG ATC ACA CGT 394 Thr Leu Pro Trp Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Leu Gln Ile Thr Arg
【0119】配列番号:4 配列の長さ:423 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1,423 特徴を決定した方法:E 配列: ATG GAA TGG AGC TGG GTC TTT CTC TTC TTC CTG TCA GTA ACT ACA GGA 48 Met Glu Trp Ser Trp Val Phe Leu Phe Phe Leu Ser Val Thr Thr Gly -15 -10 -5 GTC CAT TCT CAG GTG CAG CTG GTG GAG TCT GGA GGA GGA GTG GTG CAG 96 Val His Ser Gln Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Val Val Gln 1 5 10 CCT GGA AGA TCT CTG AGA CTG TCT TGT AAG GCA TCT GGA TAC ACC TTC 144 Pro Gly Arg Ser Leu Arg Leu Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe 15 20 25 AGA AAC TAC GGC ATG AAT TGG GTG AAA CAG GCA CCT GGA AAG GGA CTC 192 Arg Asn Tyr Gly Met Asn Trp Val Lys Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu 30 35 40 45 AAG TGG ATG GGA TGG ATT TCT ACA TAC ACA GGA GAG CCT ACG TAC GCA 240 Lys Trp Met Gly Trp Ile Ser Thr Tyr Thr Gly Glu Pro Thr Tyr Ala 50 55 60 GAC GAC TTC AAG GGA AGA TTC ACA TTT TCT CTG GAC ACA TCT GCA TCT 288 Asp Asp Phe Lys Gly Arg Phe Thr Phe Ser Leu Asp Thr Ser Ala Ser 65 70 75 ACA GCT TTC CTG CAG ATG GAC TCT CTG AGA CCT GAG GAC ACA GGA GTG 336 Thr Ala Phe Leu Gln Met Asp Ser Leu Arg Pro Glu Asp Thr Gly Val 80 85 90 TAC TTC TGT GCA AGA GGA CTG TAC TAC TTC GGA TCT TCT TAC GCA CTG 384 Tyr Phe Cys Ala Arg Gly Leu Tyr Tyr Phe Gly Ser Ser Tyr Ala Leu 95 100 105 GAC TAC TGG GGA CAG GGA ACA CCT GTG ACA GTG TCT TCT 423 Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Pro Val Thr Val Ser Ser 110 115 120
【図面の簡単な説明】
【図1】マウスH鎖cDNAクローンpIL068の概
略図である。
【図2】マウスL鎖cDNAクローンpIL086の概
略図である。
【図3】キメラH鎖IgG4ANOC−301発現ベク
ターpAC52およびキメラH鎖IgG1ANOC−3
01発現ベクターpAC77作製の概略図である。
【図4】プライマーR2391(フォワード・プライマ
ー)およびR2390(リバース・プライマーのDNA
配列を示す。
【図5】ベクターpAC52の特徴および制限酵素地図
を示す。
【図6】キメラL鎖ANOC−301発現ベクターpA
C53作製の概略図である。
【図7】プライマーR2429(フォワード・プライマ
ー)およびR2430(リバース・プライマーのDNA
配列を示す。
【図8】発現ベクターpAC53の特徴および制限酵素
地図を示す。
【図9】CDR−グラフトL鎖ANOC−301発現ベ
クターpAL31作製の概略図である。
【図10】ヒト・マウスグラフトVL遺伝子のDNA配
列および対応するアミノ酸配列を示す。
【図11】発現ベクターpAL31の特徴および制限酵
素地図示す。
【図12】CDR−グラフトH鎖IgG4ANOC−3
01発現ベクターpAL34作製の概略図である。
【図13】ヒト・マウスグラフトVH遺伝子のDNA配
列および対応するアミノ酸配列を示す。
【図14】発現ベクターpAL34の特徴および制限酵
素地図を示す。
【図15】CDR−グラフトANOC−301発現ベク
ターpAC79作製の概略図である。
【図16】CDRグラフトL鎖遺伝子構築のためのオリ
ゴヌクレオチドのDNA配列を示す。
【図17】CDRグラフトL鎖遺伝子のBstBI−S
plI間のDNA配列及び対応アミノ酸配列を示す。
【図18】CDRグラフトL鎖遺伝子構築のためのオリ
ゴヌクレオチドのDNA配列を示す。
【図19】CDRグラフトH鎖遺伝子構築のためのオリ
ゴヌクレオチドのDNA配列を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B 9015−2J (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 西田 勉 徳島県鳴門市大津町大代240−118

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L鎖がヒト抗体分子の定常部領域と配列
    番号:1に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1
    抗体分子の可変部領域とを有し且つH鎖がヒト抗体分子
    の定常部領域と配列番号:2に記載のアミノ酸配列のマ
    ウス抗ヒトIL−1抗体分子の可変部領域とを有するこ
    とを特徴とするヒトIL−1に対する組換え抗体。
  2. 【請求項2】 L鎖がヒト抗体分子の定常部領域と配列
    番号:3に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1
    抗体分子のCDR領域を含むヒト・マウスグラフト可変
    部領域とを有し且つH鎖がヒト抗体分子の定常部領域と
    配列番号:2に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL
    −1抗体分子の可変部領域とを有することを特徴とする
    ヒトIL−1に対する組換え抗体。
  3. 【請求項3】 L鎖がヒト抗体分子の定常部領域と配列
    番号:1に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1
    抗体分子の可変部領域とを有し且つH鎖がヒト抗体分子
    の定常部領域と配列番号:4に記載のアミノ酸配列のマ
    ウス抗ヒトIL−1抗体分子のCDR領域を含むヒト・
    マウスグラフト可変部領域とを有することを特徴とする
    ヒトIL−1に対する組換え抗体。
  4. 【請求項4】 L鎖がヒト抗体分子の定常部領域と配列
    番号:3に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL−1
    抗体分子のCDR領域を含むヒト・マウスグラフト可変
    部領域とを有し且つH鎖がヒト抗体分子の定常部領域と
    配列番号:4に記載のアミノ酸配列のマウス抗ヒトIL
    −1抗体分子のCDR領域を含むヒト・マウスグラフト
    可変部領域とを有することを特徴とするヒトIL−1に
    対する組換え抗体。
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