JPH05739Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は室内壁面の壁掛板へ係止される熱交換
ユニツトに関する。

(ロ) 従来の技術 従来、室内壁面の壁掛板へ係止される空気調和
機の構造が示されたものとして、実開昭60−
41734号公報がある。

この公報で示された空気調和機において、本体
ケーシングの上部に係止穴が下部に係止爪部材
が、又上下両部の中間に弾性体付きのリブが夫々
設けられていた。一方、壁掛板にはその上端に引
掛縁が、下縁に係止縁が夫々設けられていた。

そして、壁掛板を壁面に固定した後、本体ケー
シングの係止穴を壁掛板の引掛縁に、係止爪部材
を壁掛板の係止縁に夫々引掛けることによつて、
リブに設けた弾性体の反力によつて本体ケーシン
グが壁掛板に対してガタつかないように据付ける
ようにしたものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 ここで示された空気調和機においては、係止穴
が背板に設けられているため、この係止穴に挿入
された壁掛板の引掛縁は機内の送風路内に臨み、
送風路内を通過する冷風によつて壁掛板が冷やさ
れ壁掛板に露付きが生じやすかつた。

又、この係止穴から冷風が機外へ漏れると、こ
の冷風が壁掛板や室内壁面へ吹き付けられること
があつた。これによつて、壁掛板や室内壁面に露
付きが生じて室内壁面を汚すことが考えられる。

本考案は空気調和機が据付けられた室内壁面が
露で汚れにくくすると共に、この室内壁面に固定
された壁掛板とユニツト本体とがずれにくくする
ことを目的としたものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この目的を達成するために、本考案は、熱交換
器が内蔵されたユニツト本体の上側の固定部をこ
のユニツト本体の上板の後端にこの上板と一体に
設け、この上板の後端よりも内方にユニツト本体
の背板を位置させると共に、この上板を背板とつ
ないで補強する補助板を上側の固定部の下方に設
け、この補助板にはユニツト本体よりも後方へ突
出して壁掛板に当てられる位置決め片を設けるよ
うにしたものである。

(ホ) 作用 上側の固定部の下方に設けた補助板によつて、
この固定部が設けられた上板の強度がアツプし、
ユニツト本体の固定が確実に行なえる。又、この
固定部よりも内方にユニツト本体の背板を位置さ
せたので、この固定部が袋状となつてこの固定部
からユニツト内の冷気が漏れるおそれはない。

(ヘ) 実施例 図面において、１は室内壁面２に据付けられる
壁掛板で、上縁３よりも上方に係止片４（係止
部）が突出されており、又、室内側へ曲つた下片
５には係合穴６（係止部）が形成されている。７
はこの壁掛板に取り付けられる室内側熱交換ユニ
ツトで、ユニツト間配管８を介して室外側熱交換
ユニツト（図示せず）とつながれるものである。
この熱交換ユニツト７の外装体は本体９と、この
本体の前面に取り付けられる前面パネル１０と、
このパネルの前面に装着される吸込グリル部材１
１とから構成されている。１２は本体９の背板
で、ユニツト間配管８の収納用の凹所１３の右側
面１４は、上部から下部へ行くに従つて後側へ傾
斜して本体９内を流れる風のガイド板として作用
させるようにしている。又、凹所の左側面１４は
真下に延びている。１５は本体９の背板１２の左
部並びに右部に設けた上側の引掛部（固定部）
で、下部が開口１６された袋形状となつている。
この固定部１５は本体９の上板１９と一体に成形
されており、しかもこの固定部１５よりも内方に
本体９の背板１２（第１図参照）が位置してい
る。この引掛部１５の下部開口１６は壁掛板１の
係止片４に係止される。１７，１８は本体９の背
板１２の右側面１４と、上板１９（外板）とをつ
なぐ補助板で、中央に１本、右部の引掛部１５の
下方に３本合計４本設けられている。この３本の
補助板１８はお互いに横板２０でつながれてい
る。２１はこの補助板１８の後縁並びに本体９の
背板１２の左側面１４に設けられた位置決め片
で、本体９の後縁２２よりも後方に突出してお
り、しかもこの位置決め片２１が設けられた補助
板１８は引掛部１５の下方に位置されている（第
１図参照）。２３は本体９の引掛部１５の下面と
略同一の高さに設けられた載置片で、本体９の背
板１２に５個設けられており壁掛板１の上縁３に
載置されるものである。

前記ユニツト間配管８は背板１２の凹所１３に
収納され、本体９の背板１２の左下部で横方向に
折り曲げられ、室内壁面の貫通穴２４を通つて室
外へ導びかれるようになつている。

２５はこのユニツト間配管８の横方向に延びた
部分に当てられる配管押え具で、本体９の下板２
６に取り付けられている。２７はこの配管押え具
２５の後面に設けた係合爪（引掛部）で、壁掛板
１の下片５の係合穴６に係止される。

２８は本体９に固定された熱交換器、２９はエ
アフイルタで、前面パネル１０と吸込グリル部材
１１との間に配設されている。

このような構成を備えた熱交換ユニツト７を据
付ける時にはまず壁掛板１を室内壁面に固定す
る。その後熱交換ユニツト７を持ち上げて、ユニ
ツト間配管８を室内壁面の貫通穴２４へ挿入する
と共に、背板１２の引掛部１５を壁掛板１の係止
片４へ嵌合させ（第１図の破線矢印参照）、この
熱交換ユニツト７を室内壁面側へ押すと配管押え
具２５の係合爪２７が壁掛板１の係合穴６に係止
する。このように壁掛板１に熱交換ユニツト７を
固定すると、このユニツト７の背板１２の位置決
め片２１が壁掛板１に当たる。ここで、この位置
決め片２１は本体９の後縁２２よりも後方に突出
しているので、この位置決め片２１が壁掛板１に
当たることにより、壁掛板１が室内壁面２に対
し、多少弓なりに弾性変形し、壁掛板１の係止片
４並びに係合穴６が、本体９の引掛部１５並びに
係合爪２７より外れにくくなる。尚、本体９に内
蔵された熱交換器２８が蒸発器として作用した場
合には、本体９の背板１２がこの熱交換器２８の
熱で冷却されて、この背板１２に霧が付着する。
その霧の一部は位置決め片２１を介して壁掛板１
に伝わるものの、この位置決め片２１と壁掛板１
との接触面積は極めて小さいので、この伝わる霧
の量は少ない。熱交換ユニツト７の引掛部１５の
内壁３０と、壁掛板１の係止片４の後面３１とが
接触状態を保ち、係止片４が引掛部１５内で動か
ないようにしている。

(ト) 考案の効果 以上述べたように本考案の熱交換ユニツトはこ
のユニツト本体の背板にはこの本体の後端よりも
突出して壁掛板に当てられる位置決め片を設けた
ので、壁掛板が室内壁面に対し多少弓なりに弾性
変形し、壁掛板と本体との結合部すなわち本体の
引掛部と壁掛板の係止部との間にすきまが生じて
も、この固定部が係止部と面接触状態を保つて本
体が壁掛板に対してずれるおそれを少なくするこ
とができる。

又、位置決め片が設けられた補助板によつて、
固定部（引掛部）を一体に設けた上板の強度がア
ツプし、この本体を確実に据付けることができ
る。しかもこの固定部よりも内方に本体の背板を
配置させて、この固定部から本体内の空気が漏れ
ないようにしたので、この補助板や背板には露が
着しにくく、又たとえ付着しても、位置決め片と
壁掛板との接触面積は小さいので、この露が壁掛
板に伝わりにくくなり、これによつて室内壁面を
汚すおそれをなくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の熱交換ユニツトと壁掛板との
関係を示す斜視図、第２図は壁掛板に熱交換ユニ
ツトを係合させた状態を示す要部縦断面図であ
る。 １……壁掛板、４……係止片（係止部）、６…
…係合穴（係止部）、９……本体、１５……引掛
部、２１……位置決め部、２８……熱交換器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換器が内蔵されたユニツト本体の後側の上
   下に夫々固定部を設け、これら固定部を室内壁面
   に取り付けた壁掛板の上下へ夫々取り付けるよう
   にした熱交換ユニツトにおいて、前記上側の固定
   部をこのユニツト本体の上板の後端にこの上板と
   一体に設け、この上板の後端よりも内方に前記ユ
   ニツト本体の背板を位置させると共に、この上板
   を前記背板とつないで補強する補助板を前記上側
   の固定部の下方に設け、この補強板には前記ユニ
   ツト本体よりも後方へ突出して前記壁掛板に当て
   られる位置決め片を設けたことを特徴とする熱交
   換ユニツト。