JPH0573972A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH0573972A
JPH0573972A JP23430491A JP23430491A JPH0573972A JP H0573972 A JPH0573972 A JP H0573972A JP 23430491 A JP23430491 A JP 23430491A JP 23430491 A JP23430491 A JP 23430491A JP H0573972 A JPH0573972 A JP H0573972A
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magneto
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optical recording
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JP23430491A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Tanaka
努 田中
Yasunobu Hashimoto
康宣 橋本
Motonobu Mihara
基伸 三原
Yasuhiro Kitade
康博 北出
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーバーライト可能な記録層、補助層よりな
る二層構造の光磁気記録媒体に関し、磁場の飽和点を低
下させ、補助層の初期化用磁石の小型化が可能となる光
磁気記録媒体を目的とする。 【構成】 基板1上に垂直磁気異方性を有する光磁気記
録媒体を記録層3、および補助層4として二層構造に設
け、オーバーライト可能な光磁気記録媒体に於いて、前
記補助層4に軽希土類金属元素−重希土類金属元素−遷
移金属元素の合金薄膜を用い、前記軽希土類金属元素と
してイットリウム(Y) 、ランタン(La)、セリウム(Ce)、
プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)
およびユウロピウム(Eu)のうちの少なくとも1個以上の
元素を含んだことで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気記録媒体に係り、
特にレーザ光の強度変調のみでオーバーライトが可能な
光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光磁気記録のデータ転送速度を向
上させるために、基板上にキュリー点と保磁力の温度に
対する勾配が相互に異なる記録層と補助層の二層構造の
光磁気記録媒体を積層形成し、この二層構造の光磁気記
録媒体に光変調したレーザ光を照射することで、光磁気
ディスクが一回転する間に光磁気記録の消去と記録の両
方を同時に行い得るオーバーライト方式が開発されてい
る。
【0003】このようなオーバーライト方式は種々の方
式が提案され、例えば特開昭62-175948 号には、記録層
と補助層を用いた二層膜のオーバーライト方法が提案さ
れている。この方法はキュリー温度と保磁力の関係が、
図14(b) の曲線71に示すような関係を有する記録層と、
キュリー温度と保磁力の関係が、図14(b) の曲線72に示
すような補助層のように、互いにキュリー点と保磁力の
温度に対する勾配の異なる曲線を有する補助層と記録層
の二層の光磁気記録媒体を用いる。
【0004】そして図14(b) の曲線71に示すように、室
温Tで記録層の保磁力Hc1は、曲線72に示す補助層の保
磁力Hc2より大で、該記録層のキューリ温度TC1は補助
層のキューリ温度TC2より低い光磁気記録媒体を用いて
いる。
【0005】そして記録に先立って補助層の磁気モーメ
ントの向きを一方向に揃えておき、記録しようとする信
号に対応して記録層のキュリー温度TC1以上で、かつ補
助層の磁化反転の生じない温度に加熱する第1の加熱状
態と、該第1の加熱状態よりも加熱温度が高く、補助層
の磁化を反転させるのに充分な第2の加熱状態とで、記
録層と補助層の光磁気記録媒体を、レーザ光の照射で加
熱した後、各々の加熱状態から冷却することで2値情報
を記録している。
【0006】そしてこの方法では、図14(a) に示すよう
に記録の際に用いる記録磁石61の他に、前記補助層の磁
気モーメントの向きを一方向に揃えるための初期化磁石
62が設置されている。
【0007】なお、図で63は光磁気記録媒体を形成した
光磁気ディスク、64は記録、再生に用いるレーザ光源で
ある。然し、このようなオーバーライト方法に於いて
は、補助層を初期化するために必要な初期化磁石の初期
化磁場が、2.5 〜5KOeの大きい磁場を必要とし、そのた
め大型の永久磁石を必要とし、装置が大型になる欠点が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そのため、従来より補
助層の光磁気記録媒体に用いられている重希土類金属元
素- 遷移金属元素の非晶質合金のテルビウム・鉄・コバ
ルト(TbFeCo)、テルビウム・ジスプロシウム・鉄・コバ
ルト(TbDyFeCo)、ガドリニウム・ジスプロシウム・鉄・
コバルト(GdDyFeCo)、ジスプロシウム・鉄・コバルト(D
yFeCo)等に於いて、重希土類金属元素の含有割合を遷移
金属元素の含有割合よりも大となるようにして、つまり
希土類金属リッチ(REリッチ)の合金にすることで、
室温に於ける補助層の光磁気記録媒体の保磁力を低下さ
せて初期化磁石の小型化を図っている。
【0009】然し、このような方法を採っても、図15に
示すように保磁力と磁場の飽和点との関係を示す、光磁
気記録媒体のカーループは、保磁力Hc を示す横軸方向
に沿って裾を引いて延びる傾向があり、磁場が完全に飽
和する磁場の飽和点Hc -satが保磁力の低下に伴って低
下せず、そのために磁場の大きい初期化用の永久磁石を
必要とする不都合を生じる。
【0010】図16にこのような従来の重希土類−遷移金
属合金のGdDyFeCoを補助層として用いた光磁気記録媒体
に於ける保磁力Hc と、カー回転角の関係を示すカール
ープ曲線を示す。図で横軸は保磁力Hc を示し、縦軸は
カー回転角( 度) を示す。図示するようにカーループ
が、保磁力を示す横軸方向に沿って裾を引いて延びる傾
向があり、磁場が完全に飽和する、磁場の飽和点H
c-sat (KOe) の値は横軸方向に沿って延び、そのため所
定の値に収斂しない。
【0011】また図17に従来の重希土類−遷移金属合金
のGdDyFeCoを補助層として用いた光磁気記録媒体に於け
る保磁力Hc と、磁場の飽和点Hc -satとの関係を示
す。図で横軸は保磁力Hc (KOe) を示し、縦軸は磁場の
飽和点Hc -satを示す。
【0012】また図18に従来の重希土類−遷移金属合金
のTbDyFeCoの補助層に於ける保磁力Hc と磁場の飽和点
c -satとの関係図を示す。図で横軸は保磁力Hc (KOe
)を示し、縦軸は磁場の飽和点Hc -sat(KOe) を示す。
【0013】つまり図17および図18に示すように、従来
の重希土類−遷移金属合金を補助層材料として用いた光
磁気記録媒体に於いては、保磁力Hc を低下させても、
磁場の飽和点Hc -satの値は、横軸の保磁力Hc 方向に
沿って延びて飽和するようになり、減少しないことが判
る。
【0014】本発明は上記した欠点を除去し、前記した
磁場の飽和点Hc -satを低下することが可能な補助層材
料を用いることで、初期化磁場を低く保った状態で、オ
ーバーライトが可能な光磁気記録媒体の提供を目的とす
る。
【0015】なお、本出願人は以前に基板上に記録層と
補助層を2層構造に積層し、補助層に軽希土類金属元素
−重希土類金属元素−遷移金属元素の合金薄膜のNdDyFe
Coを用いた光磁気記録媒体を、特願平3-74842号に於い
て既に提案している。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒体
は、基板上に垂直磁気異方性を有する光磁気記録媒体を
記録層、および補助層として二層に設け、或いは前記記
録層と補助層の間に前記記録層と補助層の交換結合力を
制御する中間層を設けて三層構造に積層して設けたオー
バーライト可能な光磁気記録媒体に於いて、前記補助層
に軽希土類金属元素−重希土類金属元素−遷移金属元素
の合金薄膜を用い、前記軽希土類金属元素としてイット
リウム(Y) 、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジ
ウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)およびユウ
ロピウム(Eu)のうちの少なくとも1個以上の元素を含ん
で成ることを特徴とする。
【0017】また前記補助層がネオジウム(Nd)・ジスプ
ロシウム(Dy)・鉄(Fe)・コバルト(Co)の合金薄膜である
ことを特徴とする。そしてこの補助層がNdx Dyy (Fe
100-zCoz )100-x-yで表され、前記x、yおよびzの値
がそれぞれ、x≧1.5 原子%、y≧25原子%、z≧27原
子%の範囲であることを特徴とする。
【0018】また前記補助層がプラセオジウム(Pr)・ジ
スプロシウム(Dy)・鉄(Fe)・コバルト(Co)の合金薄膜で
あることを特徴とする。そしてこの補助層がPrx Dyy (F
e100-zCoz )100-x-yで表され、前記x、yおよびzの値
がそれぞれ、x≧1.0 原子%、y≧25原子%、z≧30原
子%の範囲であることを特徴とする。
【0019】更に本発明の光磁気記録媒体に於いて、中
間層が補助層を窒化した合金薄膜で有ることを特徴とす
るものである。
【0020】
【作用】本発明者等は、基板上に記録層と補助層を二層
構造に積層した光磁気記録媒体、該記録層と補助層の間
に該両者の交換結合力を制御する中間層を設けて三層構
造に積層した光磁気記録媒体に於いて、従来より補助層
の光磁気記録媒体として用いているTbDyFeCoや、GdDyFe
Co等の重希土類金属元素・遷移金属元素の合金薄膜の代
わりに、イットリウム(Y) 、ランタン(La)、セリウム(C
e)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム
(Sm)およびユウロピウム(Eu)のような軽希土類金属元素
のうちの少なくとも1個以上の元素を含んだ軽希土類金
属元素と重希土類金属元素と遷移金属元素よりなるNdDy
FeCo、或いはPrDyFeCoのような合金薄膜を用いる。
【0021】このようにすると、従来の重希土類金属元
素・遷移金属元素の合金薄膜のように保磁力の低下に伴
って磁場の飽和点の値が低下せずに所定の値に飽和する
現象が無くなり、保磁力の低下に伴って磁場の飽和点の
値も低下するようになることを実験的に見出した。
【0022】また、この中で特に補助層としてNdDyFeCo
の合金薄膜を用い、このNdDyFeCoの合金薄膜をNdx Dyy
(Fe100-zCoz )100-X-yで表示し、前記x ≧1.5 原子%、
y ≧25原子%、z ≧27原子%の範囲の組成にする。
【0023】或いは補助層としてPrDyFeCoの合金薄膜を
用い、このPrDyFeCoの合金薄膜をPr x Dyy (Fe100-zC
oz )100-X-yで表示し、前記x ≧1.0 原子%、y ≧25原
子%、z≧30原子%の範囲の組成にすると、上記した保
磁力の低下に伴って磁場の飽和点の値が低下せず、所定
の値に飽和する現象が無くなることが顕著と成ること
を、実験的に確認した。
【0024】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例につき詳
細に説明する。 〔第1実施例〕第1実施例として図1(a)に示すように、
グルーブを設けたガラス製の基板1上にイットリウム−
二酸化珪素(Y-SiO2)よりなる下部保護層2を90nmの厚さ
に設け、その上にテルビウム・鉄・コバルト(TbFeCo)よ
り成る記録層3を50nmの厚さに設け、その上に本発明の
NdDyFeCoの非晶質合金薄膜を窒化した中間層6-1 を10nm
の厚さに設ける。そしてこの上に本発明のNdDyFeCoの非
晶質合金薄膜より成る補助層4-1 を120nm の厚さに設
け、更にその上にイットリウム−二酸化珪素(Y-SiO 2)よ
りなる上部保護層5を設けた構造を採っている。
【0025】図3(a)に本発明の第1実施例の補助層の材
料として用いるネオジウム・ジスプロシウム・鉄・コバ
ルト(NdDyFeCo)の非晶質合金薄膜のカーループを示す。
また図4に本発明の第1実施例の補助層の材料として用
いるNdDyFeCoの非晶質合金薄膜の保磁力Hc (KOe) と、
磁場の飽和点Hc -sat(KOe) の関係を示す。
【0026】図3(a)に示すように本実施例では保磁力の
変動に伴って磁場の飽和点Hc -satが、前記図16に示し
た従来の光磁気記録媒体のように裾を引いて延びる現象
が除去できる。また図4に示すように保磁力Hc が低下
すると、それに連れて磁場の飽和点Hc -satも直線的に
低下しており、従来のように磁場の飽和点Hc -satが所
定の値に飽和する現象が除去される。
【0027】また図7に本発明の第1実施例の補助層材
料として用いるNdDyFeCoの非晶質合金薄膜に於いて、こ
のNdDyFeCoをNdx Dyy (Fe65Co35)100-x-y として表示し
た場合のDyの含有量(y原子%) 、およびNdの含有量(x原
子%) に対する磁場の飽和点Hc -satの関係図を示す。
【0028】図で縦軸は磁場の飽和点Hc -satを示し、
横軸は前記NdDyFeCoをNdx Dyy (Fe6 5Co35)100-x-y とし
て表示した場合の、x=1.5 原子%とした時のy の値(
原子%) 、x =3 原子%とした場合のy の値( 原子%)
を示している。
【0029】図の曲線a に示すようにNd量が1.5 原子%
以下の含有量であると、Dyの含有量を増加させても、磁
場の飽和点Hc-satの低下は見られず、所定の値に飽和
する現象が見られる。
【0030】従ってNd量が1.5 原子%以下の含有量で
は、磁場の飽和点Hc -satを低下させる効果は見られな
い。またNd量が1.5 原子%以上、例えば3原子%である
と、曲線bに示すように、Dyの増加に伴ってHc-sat
低下していく。従って、Hc-sa t を3KOeと見積もると、
Dyの含有量は25原子%以上が望ましい。
【0031】この理由は、記録層の磁化に用いられてい
る永久磁石は4 〜5KOeの永久磁石が用いられており、補
助層の初期化用磁石としては3KOe程度の永久磁石が好ま
しいので、補助層に用いる光磁気記録媒体のH
c-sat は、3KOe以下が望ましい。従ってDyの含有量は図
7の曲線bより25原子%以上が望ましい。
【0032】また補助層のキュリー温度Tc2は記録層の
キュリー温度Tc1より高く保つ必要があるので、この補
助層のキュリー温度Tc2は200 ℃以上とする。Coの含有
量が大になるとキュリー温度が大になる傾向があるの
で、このCoの量を所定の値に決定する必要がある。上記
したように補助層のキュリー温度Tc2を200 ℃に保つ条
件で、Dyを固定にして、NdとCoの量を変化させて補助層
のキュリー温度が200 ℃になるNdx Dyy (Fe100-zCoz )
100-x-yに於けるx 、およびz の値の実験の結果を図8
に示す。
【0033】図の曲線a はDyが25原子%の場合で、曲線
b はDyが27原子%の場合である。図の曲線a に示すよう
に、例えばNd量が1.5 原子%で、Dyが25原子%であると
Co量は27%が望ましい。
【0034】また曲線b に示すように、例えばNdが1.5
原子%で、Dyが27原子%であると、Co量は34原子%が望
ましい。前記した図7よりNdの含有量(x) は1.5 原子%
以上で、Dyの含有量(y) は25原子%以上となることが望
ましいと述べており、この図8に述べたことを総合する
と、オーバーライト可能な光磁気記録媒体の補助層とし
て、NdDyFeCoを用いる場合、前記した補助層の初期化用
磁石の保磁力が3KOe程度以下、該補助層のキューリ温度
が200 ℃以上の場合に於ける条件に於いて、Nd量は1.5
原子%以上、Dy量は25原子%以上、Co量は27原子%以上
に保つと良い。
【0035】このような本発明の第1実施例の光磁気記
録媒体の製造方法に付いて述べると、図1(a)および図2
に示すように、表面にグルーブを設けたガラス基板を基
板1として用い、該基板をRFマグネトロンスパッタリン
グ装置の高真空の容器11内に設置し、該容器内を一旦、
5 ×10-5Pa以下の真空度に成る迄排気する。
【0036】次いで該容器11内にガス導入管12よりアル
ゴンガスを導入し、該スパッタガス圧を0.2Pa に保持し
ながら、Y-SiO2の保護層形成用ターゲット13をスパッタ
して基板上にY-SiO2の下部保護層2を90nmの厚さに形成
する。
【0037】次いで、一旦、アルゴンガスの供給を停止
して、容器11内を5 ×10-5Pa迄、排気管14に連なる排気
ポンプ(図示せず) で排気した後、再びアルゴンガスを
容器11内に導入し、ガス圧を0.5Pa に保持してTbFeCo合
金の記録層形成用ターゲット15をスパッタして、TbFeCo
の記録層3を50nmの厚さに形成する。
【0038】次いで容器11内の真空状態を保持したま
ま、アルゴンガスと窒素ガスの混合ガス(アルゴンガス
に対する窒素ガスが10容量%)の混合ガスを、該混合ガ
スの圧力を0.5Pa に保持し、NdDyFeCoの補助層形成用タ
ーゲット16をスパッタして窒化されたNdDyFeCoの中間層
6-1を10nmの厚さに形成する。
【0039】次いで容器11内の真空状態を保持したま
ま、アルゴンガス圧力を0.5Pa に保持した状態で、NdDy
FeCoの補助層形成用ターゲット16をスパッタして、120n
m の厚さの補助層4-1を形成する。
【0040】次いで、一旦アルゴンガスの供給を停止
し、容器11内を5×10-5Pa以下の真空度に成る迄排気し
た後、更にアルゴンガスを導入して、スパッタガス圧を
0.2Paに保ってY-SiO2よりなる保護層形成用ターゲット1
3をスパッタして上部保護層5を90nmの厚さに形成する。
【0041】このようにして形成した本発明の光磁気記
録媒体の特性を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】本発明の比較例として記録層に重希土類金
属元素−遷移金属元素合金の薄膜のTbFeCo、補助層に重
希土類金属元素- 遷移金属元素合金のTbDyFeCo、中間層
として前記TbDyFeCoの窒化膜を10nm成膜した従来のオー
バーライト可能な光磁気記録媒体の諸性質を表2に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】表1と表2を比較すると、従来の光磁気記
録媒体は保磁力Hc、および磁場の飽和点Hc -satの値
が本発明の第1実施例の光磁気記録媒体に比して大きい
ことが判る。
【0046】以上のようにして形成した本発明の光磁気
記録媒体を10m/sec の一定速度で回転させ、記録パワー
としてのHighパワー(PH ) を8mW、消去パワーとしての
Lowパワー(PL ) を4mW とし、読み出しパワー(Pr ) を1
mW としてオーバーライトを行った。
【0047】書き込み磁場(HW ) は350 Oe 、初期化磁
場(Hini ) は4KOeである。そして旧情報の書き込み周
波数は、3.8MHz( マーク長1.3 μm)、オーバーライトの
書き込み周波数は6.2MHz( マーク長0.8 μm)である。
【0048】以上の条件でオーバーライトを行った結
果、信号品質は51dBであり、高い信号品質が確認され
た。図11(a) に本発明の第1実施例の光磁気記録媒体の
初期化磁場(Hini ) に対するオーバーライト特性と消去
特性を示す。図の曲線21はオーバーライト特性曲線、図
の曲線22は消去特性曲線を示す。この実験に用いたオー
バーライト特性、および消去特性の実験手順に付いて表
3にまとめて示す。
【0049】
【表3】
【0050】また本発明の比較例として、表2に示した
従来の光磁気記録媒体を10m/sec の一定の回転速度で回
転させ、Highパワー(PH ) を9mW、消去パワーとしての
Lowパワー(PL ) を5mW とし、読み出しパワー(Pr ) を1
mW としてオーバーライトを行った。
【0051】書き込み磁場(HW ) は350 Oe 、初期化磁
場(Hini ) は4KOeである。そして旧情報の書き込み周
波数は、3.8MHz( マーク長1.3 μm)、オーバーライトの
書き込み周波数は6.2MHz( マーク長0.8 μm)である。
【0052】以上の条件でオーバーライトを行った結
果、信号品質は48dBであり、本発明の光磁気記録媒体に
比較して信号品質の低下が確認された。図11(b) に前記
比較例の光磁気記録媒体の初期化磁場に対するオーバー
ライト特性と消去特性を示す。図の曲線23はオーバーラ
イト特性曲線、図の曲線24は消去特性曲線を示す。この
実験に用いた光磁気記録媒体のオーバーライト特性、お
よび消去特性の実験の手順に付いて表4にまとめて示
す。
【0053】
【表4】
【0054】図11(b) に示すように従来の光磁気記録媒
体を補助層に用いた場合の初期化磁場は2.9KOeであり、
図11(a) に示す本発明の光磁気記録媒体を補助層に用い
た場合の初期化磁場の1.3KOeの値に比して高いことが判
る。
【0055】〔第2実施例〕本発明の第2実施例の光磁
気記録媒体に付いて述べる。第2実施例として図1(b)に
示すように、グルーブを設けたガラス製の基板1上にイ
ットリウム−二酸化珪素(Y-SiO2)よりなる下部保護層2
を90nmの厚さに設け、その上にテルビウム・鉄・コバル
ト(TbFeCo)より成る記録層3を50nmの厚さに設け、その
上に本発明のPrDyFeCoの非晶質合金薄膜を窒化した中間
層6-2 を10nmの厚さに設ける。そしてこの上に本発明の
PrDyFeCoの非晶質合金薄膜より成る補助層4-2 を150nm
の厚さに設け、更にその上にイットリウム−二酸化珪素
(Y-SiO 2)よりなる上部保護層5を設けた構造を採ってい
る。
【0056】また図3(b)に本発明の第2実施例の補助層
の材料として用いるプラセオジウム・ジスプロシウム・
鉄・コバルト(PrDyFeCo)の非晶質合金のカーループを示
す。また図5に本発明の第2実施例の補助層の材料とし
て用いる本発明のプラセオジウム・ジスプロシウム・鉄
・コバルト(PrDyFeCo)の非晶質合金薄膜の保磁力Hc (K
Oe) と、磁場の飽和点Hc -sat(KOe) の関係を示す。
【0057】図3(b)に示すように、保磁力の変動に伴っ
て磁場の飽和点Hc -satが、裾を引いて延びる現象が除
去できる。また図5に示すように保磁力Hc が低下する
と、それに連れて磁場の飽和点Hc -satも直線関係で低
下しており、従来のように磁場の飽和点Hc -satが飽和
する現象が除去される。
【0058】また図6に本発明の光磁気記録媒体の他の
変形例の補助層の材料として用いる、サマリウム・ジス
プロシウム・鉄・コバルト(SmDyFeCo)の非晶質合金薄膜
の保磁力Hc (KOe) と、磁場の飽和点Hc -sat(KOe) の
関係を示す。図6に示すように保磁力Hc が低下する
と、それに連れて磁場の飽和点Hc -satも直線関係で低
下しており、従来のように磁場の飽和点Hc -satが低下
しない現象が除去される。
【0059】また図9に前記した本発明の補助層材料と
して用いるPrDyFeCoの非晶質合金薄膜に於いて、このPr
DyFeCoをPrx Dyy (Fe65Co35)100-x-y として表示した場
合のDyの含有量(y原子%) 、およびPrの含有量(x原子
%) に対する磁場の飽和点Hc -satの関係図を示す。
【0060】図で縦軸は磁場の飽和点Hc -satを示し、
横軸は前記PrDyFeCoをPrx Dyy (Fe6 5Co35)100-x-y とし
て表示した場合の、x=1.0 原子%とした時のy の値(
原子%) 、x =3 原子%とした場合のy の値( 原子%)
を示している。
【0061】図の曲線a に示すようにPr量が1.0 原子%
以下の含有量であると、Dyの含有量を増加させても、磁
場の飽和点Hc-satの低下は見られず、所定の値に飽和
する現象が見られる。
【0062】従ってPr量が1.0 原子%以下の含有量で
は、磁場の飽和点Hc -satを低下させる効果は見られな
い。またPr量が1.0 原子%以上、例えば3原子%である
と、曲線bに示すように、Dyの増加に伴ってHc-sat
低下していく。従って、Hc-sa t を3KOeと見積もると、
Dyの含有量は25原子%以上が望ましい。
【0063】この理由は、記録層の磁化に用いられてい
る永久磁石は4 〜5KOeの永久磁石が用いられており、補
助層の初期化用磁石としては3KOe程度の永久磁石が好ま
しいので、補助層に用いる光磁気記録媒体のH
c-sat は、3KOe以下が望ましい。従ってDyの含有量は図
9の曲線bより25原子%以上が望ましい。
【0064】また補助層のキュリー温度Tc2は記録層の
キュリー温度Tc1より高く保つ必要があるので、この補
助層のキュリー温度Tc2は200 ℃以上とする。Coの含有
量が大になるとキュリー温度が大になる傾向があるの
で、このCoの量を所定の値に決定する必要がある。上記
したように補助層のキュリー温度Tc2を200 ℃に保つ条
件で、Dyを固定にして、PrとCoの量を変化させて補助層
のキュリー温度が200 ℃になるPrx Dyy (Fe100-zCoz )
100-x-yに於けるx 、およびz の値の実験の結果を図10
に示す。
【0065】図の曲線a はDyが25原子%の場合で、曲線
b はDyが27原子%の場合である。図の曲線a に示すよう
に、例えばNd量が1.5 原子%で、Dyが25原子%であると
Co量は31%が望ましい。
【0066】また曲線b に示すように、例えばNdが1.5
原子%で、Dyが27原子%であると、Co量は40原子%が望
ましい。前記した図9よりPrの含有量(x) は1.5 原子%
以上で、Dyの含有量(y) は25原子%以上となることが望
ましいと述べており、この図10に述べたことを総合する
と、オーバーライト可能な光磁気記録媒体の補助層とし
て、PrDyFeCoを用いる場合、前記した補助層の初期化用
磁石の保磁力が3KOe程度以下、該補助層のキューリ温度
が200 ℃以上の場合に於ける条件に於いて、Nd量は1.0
原子%以上、Dy量は25原子%以上、Co量は30原子%以上
に保つと良い。
【0067】このような本発明の第2実施例の光磁気記
録媒体の製造方法に付いて述べると、図1(b) および図
2に示すように、表面にグルーブを設けたガラス基板を
基板1 として用い、該基板をRFマグネトロンスパッタリ
ング装置の高真空の容器11内に設置し、該容器内を一
旦、5×10-5Pa以下の真空度に成る迄排気する。
【0068】次いで該容器11内にガス導入管12よりアル
ゴンガスを導入し、該スパッタガス圧を0.2Pa に保持し
ながら、Y-SiO2の保護層形成用ターゲット13をスパッタ
して基板上にY-SiO2の下部保護層2 を90nmの厚さに形成
する。
【0069】次いで、一旦、アルゴンガスの供給を停止
して、容器11内を5 ×10-5Pa迄、排気管14に連なる排気
ポンプ(図示せず) で排気した後、再びアルゴンガスを
容器11内に導入し、ガス圧を0.5Pa に保持してTbFeCo合
金の記録層形成用ターゲット15をスパッタして、TbFeCo
の記録層3を50nmの厚さに形成する。
【0070】次いで容器11内の真空状態を保持したま
ま、アルゴンガスと窒素ガスの混合ガス(アルゴンガス
に対する窒素ガスが10容量%)の混合ガスを、該混合ガ
スの圧力を0.5Pa に保持し、PrDyFeCoの補助層形成用タ
ーゲット16をスパッタして窒化されたPrDyFeCoの中間層
6-2 を10nmの厚さに形成する。
【0071】次いで容器11内の真空状態を保持したま
ま、アルゴンガス圧力を0.5Pa に保持した状態で、PrDy
FeCoの補助層形成用ターゲット16をスパッタして、150n
m の厚さのPrDyFeCoの補助層4-2 を形成する。
【0072】次いで、一旦アルゴンガスの供給を停止
し、容器11内を5×10-5Pa以下の真空度に成る迄排気し
た後、更にアルゴンガスを導入して、スパッタガス圧を
0.2Paに保ってY-SiO2よりなる保護層形成用ターゲット1
3をスパッタして上部保護層5を90nmの厚さに形成する。
【0073】このようにして形成した本発明の第2実施
例の光磁気記録媒体の特性を表5に示す。
【0074】
【表5】
【0075】本発明の比較例として記録層に重希土類金
属元素−遷移金属元素合金の薄膜のTbFeCo、補助層に重
希土類金属元素- 遷移金属元素合金のTbDyFeCo、中間層
として前記TbDyFeCoの窒化膜を10nm成膜した従来のオー
バーライト可能な光磁気記録媒体の諸性質を前記した表
2に示す。
【0076】表5と表2を比較すると、従来の光磁気記
録媒体は保磁力Hc、および磁場の飽和点Hc -satの値
が本発明の光磁気記録媒体に比して大きいことが判る。
以上のようにして形成した本発明の光磁気記録媒体を10
m/sec の一定速度で回転させ、記録パワーとしてのHigh
パワー(PH ) を9mW、消去パワーとしてのLowパワー(P
L ) を4mW とし、読み出しパワー(Pr ) を1mW としてオ
ーバーライトを行った。
【0077】書き込み磁場(HW ) は300 Oe 、初期化磁
場(Hini ) は4KOeである。そして旧情報の書き込み周
波数は、3.8MHz( マーク長1.3 μm)、オーバーライトの
書き込み周波数は6.2MHz( マーク長0.8 μm)である。
【0078】以上の条件でオーバーライトを行った結
果、信号品質は50dBであり、高い信号品質が確認され
た。図12(a) に本発明の光磁気記録媒体の初期化磁場(H
ini ) に対するオーバーライト特性と消去特性を示す。
図の曲線25はオーバーライト特性曲線、図の曲線26は消
去特性曲線を示す。この実験に用いたオーバーライト特
性、および消去特性の実験手順に付いて表6にまとめて
示す。図12(a) より初期化磁場1.8KOeでオーバーライ
トが可能なことが判る。
【0079】
【表6】
【0080】また本発明の比較例として、表2に示した
従来の光磁気記録媒体を10m/sec の一定の回転速度で回
転させ、Highパワー(PH ) を9mW、消去パワーとしての
Lowパワー(PL ) を5mW とし、読み出しパワー(Pr ) を1
mW としてオーバーライトを行った。
【0081】書き込み磁場(HW ) は350 Oe 、初期化磁
場(Hini ) は4KOeである。そして旧情報の書き込み周
波数は、3.8MHz( マーク長1.3 μm)、オーバーライトの
書き込み周波数は6.2MHz( マーク長0.8 μm)である。
【0082】以上の条件でオーバーライトを行った結
果、信号品質は48dBであり、本発明の第2実施例の光磁
気記録媒体に比較して信号品質の低下が確認された。図
12(b) に従来の光磁気記録媒体の初期化磁場に対するオ
ーバーライト特性と消去特性を示す。図の曲線27はオー
バーライト特性曲線、図の曲線28は消去特性曲線を示
す。この実験に用いた光磁気記録媒体のオーバーライト
特性、および消去特性の実験の手順に付いて表7にまと
めて示す。
【0083】
【表7】
【0084】〔第3実施例〕本発明の第3実施例の光磁
気記録媒体に付いて述べる。第3実施例として図1(c)に
示すように、グルーブを設けたガラス製の基板1上にイ
ットリウム−二酸化珪素(Y-SiO2)よりなる下部保護層2
を90nmの厚さに設け、その上にテルビウム・鉄・コバル
ト(TbFeCo)より成る記録層3を50nmの厚さに設ける。更
にその上に本発明のPrDyFeCoの非晶質合金薄膜より成る
補助層4-2を200nm の厚さに設け、更にその上にイット
リウム−二酸化珪素(Y-SiO2)よりなる上部保護層5を90
nmの厚さに設けた構造を採っている。
【0085】このような本発明の第3実施例の光磁気記
録媒体の製造方法に付いて述べると、図1(c)および図2
に示すように、表面にグルーブを設けたガラス基板を基
板1として用い、該基板をRFマグネトロンスパッタリン
グ装置の高真空の容器11内に設置し、該容器内を一旦、
5 ×10-5Pa以下の真空度に成る迄排気する。
【0086】次いで該容器11内にガス導入管12よりアル
ゴンガスを導入し、該スパッタガス圧を0.2Pa に保持し
ながら、Y- SiO2 の保護層形成用ターゲット13をスパッ
タして基板上にY-SiO2の下部保護層2 を90nmの厚さに形
成する。
【0087】次いで、一旦、アルゴンガスの供給を停止
して、容器11内を5 ×10-5Pa迄、排気管14に連なる排気
ポンプ(図示せず) で 排気した後、再びアルゴンガス
を容器11内に導入し、ガス圧を0.5Pa に保持してTbFeCo
合金の記録層形成用ターゲット15をスパッタして、TbFe
Coの記録層3を50nmの厚さに形成する。
【0088】次いで容器11内の真空状態を保持したま
ま、アルゴンガス圧力を0.5Pa に保持した状態で、PrDy
FeCoの補助層形成用ターゲット16をスパッタして、200n
m の厚さの補助層4-2を形成する。
【0089】次いで、一旦アルゴンガスの供給を停止
し、容器11内を5×10-5Pa以下の真空度に成る迄排気し
た後、更にアルゴンガスを導入して、スパッタガス圧を
0.2Paに保ってY-SiO2よりなる保護層形成用ターゲット1
3をスパッタして上部保護層5を90nmの厚さに形成する。
【0090】このようにして形成した本発明の第3 実施
例の光磁気記録媒体の特性を表8に示す。
【0091】
【表8】
【0092】本発明の比較例として記録層に重希土類金
属元素−遷移金属元素合金の薄膜のTbFeCoを50nm、補助
層に重希土類金属元素- 遷移金属元素合金のTbDyFeCoを
200nm の厚さに成膜した従来のオーバーライト可能な光
磁気記録媒体の諸性質を表9に示す。
【0093】
【表9】
【0094】表8と表9を比較すると、従来の光磁気記
録媒体は保磁力Hc、および磁場の飽和点Hc -satの値
が本発明の光磁気記録媒体に比して大きいことが判る。
以上のようにして形成した本発明の第3実施例の光磁気
記録媒体を10m/sec の一定速度で回転させ、記録パワー
としてのHighパワー(PH ) を10mW、消去パワーとしての
Low パワー(PL ) を4.5mW とし、読み出しパワー(Pr )
を1mW としてオーバーライトを行った。
【0095】書き込み磁場(HW ) は300 Oe 、初期化磁
場(Hini ) は3.5KOeである。そして旧情報の書き込み
周波数は、3.8MHz( マーク長1.3 μm)、オーバーライト
の書き込み周波数は6.2MHz( マーク長0.8 μm)である。
以上の条件でオーバーライトを行った結果、信号品質は
50dBであり、高い信号品質が確認された。
【0096】図13(a) に本発明の光磁気記録媒体の初期
化磁場(Hini ) に対するオーバーライト特性と消去特性
を示す。図の曲線31はオーバーライト特性曲線、図の曲
線32は消去特性曲線を示す。この実験に用いたオーバー
ライト特性、および消去特性の実験手順に付いて表10に
まとめて示す。
【0097】
【表10】
【0098】また本発明の比較例として、表9に示した
従来の光磁気記録媒体を10m/sec の一定の回転速度で回
転させ、Highパワー(PH ) を11mW、消去パワーとしての
Lowパワー(PL ) を6mW とし、読み出しパワー(Pr ) を1
mW としてオーバーライトを行った。
【0099】書き込み磁場(HW ) は350 Oe 、初期化磁
場(Hini ) は5KOeである。そして旧情報の書き込み周
波数は、3.8MHz( マーク長1.3 μm)、オーバーライトの
書き込み周波数は6.2MHz( マーク長0.8 μm)である。
【0100】以上の条件でオーバーライトを行った結
果、信号品質は48dBであり、本発明の光磁気記録媒体に
比較して信号品質の低下が確認された。図13(b) に従来
の光磁気記録媒体の初期化磁場に対するオーバーライト
特性と消去特性を示す。図の曲線33はオーバーライト特
性曲線、図の曲線34は消去特性曲線を示す。この実験に
用いた光磁気記録媒体のオーバーライト特性、および消
去特性の実験の手順に付いて表11にまとめて示す。
【0101】
【表11】
【0102】図13(b) 示すように従来の光磁気記録媒体
を補助層に用いた場合の初期化磁場は3.5KOeであり、図
13(a) に示す本発明の光磁気記録媒体を補助層に用いた
場合の初期化磁場の1.5KOeの値に比して高いことが判
る。
【0103】また前記した第1、第2および第3実施例
の変形例として図6に示したような保磁力と磁場の飽和
点の関係を有するサマリウム(Sm)・ジスプロシウム(Dy)
・鉄(Fe)・コバルト(Co)の軽希土類- 重希土類- 遷移金
属合金薄膜を補助層として用いても本実施例と同様の効
果が得られる。
【0104】
【発明の効果】以上述べたように、基板上に記録層と補
助層を二層構造に形成した光磁気記録媒体、或いは基板
上に記録層と中間層と補助層を三層構造に形成した光磁
気記録媒体に於いて、補助層に軽希土類−重希土類−遷
移金属系の光磁気記録媒体を用い、中間層に該補助層形
成材料の窒化膜を用いると、磁場の飽和点Hc -satの値
が低くでき、補助層の初期化磁場の大きさが小さくて済
むオーバーライト可能な光磁気記録媒体が得られる。特
に補助層にNdDyFeCo、或いはPrDyFeCoの材料を用いるこ
とにより、初期化磁場が小さく、オーバーライト後の信
号品質も良好な光磁気記録媒体が得られる効果があり、
高品質、高性能な光磁気記録媒体が得られる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光磁気記録媒体の断面図である。
【図2】 本発明の光磁気記録媒体の形成に用いる装置
の説明図である。
【図3】 本発明の光磁気記録媒体のカーループの曲線
図である。
【図4】 本発明の光磁気記録媒体のNdDyFeCoの保磁力
と磁場の飽和点の関係図である。
【図5】 本発明の光磁気記録媒体のPrDyFeCoの保磁力
と磁場の飽和点の関係図である。
【図6】 本発明の光磁気記録媒体のSmDyFeCoの保磁力
と磁場の飽和点の関係図である。
【図7】 本発明のNdx Dyy (Fe65Co35)100-x-y の光磁
気記録媒体のDy、およびNdの含有量( 原子%) と磁場の
飽和点との関係図である。
【図8】 本発明のNdx Dyy (Fe100-zCoz)100-x-yの光
磁気記録媒体の補助層のキュリー温度を200 ℃とし、Dy
の含有量(y原子%) をパラメータとした時のNdの含有量
(x原子%) とCoの含有量(z原子%) との関係図である。
【図9】 本発明のPrx Dyy (Fe65Co35)100-x-y の光磁
気記録媒体のDy、およびPrの含有量( 原子%) と磁場の
飽和点との関係図である。
【図10】 本発明のPrx Dyy (Fe100-zCoz )100-x-yの光
磁気記録媒体の補助層のキュリー温度を200 ℃とし、Dy
の含有量(y原子%) をパラメータとした時のPrの含有量
(x原子%) とCoの含有量(z原子%) との関係図である。
【図11】 本発明の第1実施例と従来の光磁気記録媒体
に於けるオーバーライト特性と、消去特性の比較図であ
る。
【図12】 本発明の第2実施例と従来の光磁気記録媒体
に於けるオーバーライト特性と、消去特性の比較図であ
る。
【図13】 本発明の第3実施例と従来の光磁気記録媒体
に於けるオーバーライト特性と、消去特性の比較図であ
る。
【図14】 オーバーライトを実施する装置の説明図であ
る。
【図15】 保磁力と磁場の飽和点の関係図である。
【図16】 従来の光磁気記録媒体のGdDyFeCoのカールー
プ曲線図である。
【図17】 従来の光磁気記録媒体のGdDyFeCoの保磁力と
磁場の飽和点との関係図である。
【図18】 従来の光磁気記録媒体のTbDyFeCoの保磁力と
磁場の飽和点との関係図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部保護層 3 記録層 4-1,4-2 補助層 5 上部保護層 6-1,6-2 中間層 11 容器 12 ガス導入管 13 保護層形成用ターゲット 14 排気管 15 記録層形成用ターゲット 16 補助層形成用ターゲット 21,23,25,27,31,33 オーバーライト特性曲線 22,24,26,28,32,34 消去特性曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北出 康博 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(1) 上に垂直磁気異方性を有する光
    磁気記録媒体を記録層(3) 、および補助層(4-1,4-2) と
    して二層に設け、或いは前記記録層(3) と補助層(4-1,4
    -2) の間に両者の交換結合力を制御する中間層(6-1,6-
    2) を設けて三層構造に積層して設けたオーバーライト
    可能な光磁気記録媒体に於いて、 前記補助層(4-1,4-2) に軽希土類金属元素−重希土類金
    属元素−遷移金属元素の合金薄膜を用い、前記軽希土類
    金属元素としてイットリウム(Y) 、ランタン(La)、セリ
    ウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマ
    リウム(Sm)およびユウロピウム(Eu)のうちの少なくとも
    1個以上の元素を含んで成ることを特徴とする光磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の補助層(4-1) がネオジウ
    ム(Nd)・ジスプロシウム(Dy)・鉄(Fe)・コバルト(Co)の
    合金薄膜であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の補助層(4-2) がプラセオ
    ジウム(Pr)・ジスプロシウム(Dy)・鉄(Fe)・コバルト(C
    o)の合金薄膜であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の補助層(4-1) がNdx Dyy
    (Fe100-zCoz )100-x -yで表され、前記x、yおよびzの
    値がそれぞれ、x≧1.5 原子%、y≧25原子%、z≧27
    原子%の範囲であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の補助層(4-2) がPrx Dyy
    (Fe100-zCoz )100-x -yで表され、前記x、yおよびzの
    値がそれぞれ、x≧1.0 原子%、y≧25原子%、z≧30
    原子%の範囲であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の光磁気記録媒体に於い
    て、中間層(6-1,6-2)が補助層(4-1,4-2) を窒化した合
    金薄膜で有ることを特徴とする光磁気記録媒体。
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