JPH0573528B2 - - Google Patents

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JPH0573528B2
JPH0573528B2 JP60081597A JP8159785A JPH0573528B2 JP H0573528 B2 JPH0573528 B2 JP H0573528B2 JP 60081597 A JP60081597 A JP 60081597A JP 8159785 A JP8159785 A JP 8159785A JP H0573528 B2 JPH0573528 B2 JP H0573528B2
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copper
wire
zinc
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alloy layer
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JP60081597A
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Haruo Tominaga
Teruyuki Takayama
Yoshio Ogura
Tetsuo Yamaguchi
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/02Wire-cutting
    • B23H7/08Wire electrodes

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は、放電による溶融作用により、被加工
物(加工対象物)を加工するワイヤ放電加工に用
いられるワイヤ放電加工用電極線およびその製造
方法に関するものである。 「従来の技術」 第2図は、一般的なワイヤ放電加工法の概略を
説明するものである。この加工法は、被加工物1
に予め開けたスタート穴2に電極線3を挿通し、
この電極線3を挿通方向(第2図では矢印の方
向)に走行させながら、電極線3とスタート穴2
の内壁面との間で放電させ、かつ、被加工物1を
挿通方向と直交する方向に移動させることによ
り、移動軌跡に沿つて被加工物1を溶融させて所
定の形状に加工する方法である。この図におい
て、電極線3は例えば供給リール4から連続的に
送り出され、被加工物1の両側のコロ5を通つて
巻き取りリール6に巻き取られるとともに、この
巻き取りリール6とコロ5との間に配されるテン
シヨンローラ7によつて張力を調整されるように
なつている。また、図示しないが、放電加工部分
には加工液が供されて、電極線3の冷却および加
工屑の除去等を行なうようになつている。 従来、このようなワイヤ放電加工に使用される
電極線3としては、直径0.05〜0.3mm程度の銅線、
黄銅線(Cu65%、Zn35%合金)亜鉛メツキ黄銅
線、あるいは特殊用途としてタングステン線、モ
リブデン線等が用いられている。 「発明が解決しようとする問題点」 ところで、これらの電極線3は、放電加工中、
約300℃の高温に熱せられ、電極素材自体に大き
な熱的負担が加わる一方、安定放電に維持して加
工精度、加工速度を上げるために行われるテンシ
ヨンローラ7の張力調整時の張力も加わることか
ら高温強度(高温時における引張強度)が高いこ
とが要求されている。しかしながら、銅線は電極
線としての細線への伸線加工性は良いものの、引
張強度が小さく、使用中に断線して放電加工作業
の効率を著しく低下させるおそれがある。また、
黄銅線は、室温での引張強度が銅線の2倍程度の
強さであるが、300℃前後の高温強度は銅よりわ
ずかに高い程度であり、加工速度を上げようとす
ると、やはり断線する傾向がある。 さらに、亜鉛メツキ黄銅線の場合、亜鉛による
放電安全性は、増加されるものの、亜鉛メツキ皮
膜が存在する分だけ高温強度が、低下し、加工速
度を上げようとすると、やはり、断線する傾向が
ある。さらにまた、タングステン線、モリブデン
線は高温強度は高いが、伸線加工性が悪く、か
つ、消耗品として使用される電極線としては高価
である等の問題点があつた。 本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、
放電加工性が良好で、加工速度が高く、加工精度
が良好で、断線頻度が低く、経済性の面でも優れ
たワイヤ放電加工用電極線を提供すること、およ
びその電極線の製造方法を提供することを目的と
する。 「問題点を解決するための手段」 本発明のワイヤ放電加工用電極線は前記問題点
を解決するためになされたもので、鋼線に10〜70
%の被覆率で銅を被覆してなる銅被覆鋼線の芯材
に被覆した亜鉛を熱処理により芯材側に熱拡散さ
せて形成されたワイヤ放電加工用電極線であつ
て、前記鋼線と、この鋼線の外周部に形成されて
亜鉛が拡散されていない銅層と、この銅層の外周
部に亜鉛の熱拡散により生成された銅−亜鉛合金
層と、この銅−亜鉛合金層の外方に熱拡散により
供給された亜鉛と銅が前記熱処理により酸化され
て形成された酸化亜鉛および酸化銅からなる酸化
物皮膜とを具備してなり、前記銅−亜鉛合金層の
厚さが0.1〜15μmにされ、前記銅−亜鉛合金層の
内部側から外部側に向けて亜鉛濃度が高くなるよ
うな濃度勾配がつけられてなるとともに、前記酸
化物皮膜の厚さが0.1〜5μmにされてなるもので
ある。 本発明のワイヤ放電加工用電極線の製造方法は
前記課題を解決するためになされたもので、鋼線
に10〜70%の被覆率で銅を被覆して銅被覆鋼線か
らなる芯材を形成し、この芯材の外周面に亜鉛め
つき処理を施して亜鉛層を形成した後、これら亜
鉛層と芯材とに大気中よりも酸素濃度の高い酸化
性雰囲気において熱処理を施し、亜鉛層の亜鉛を
芯材側に拡散させ、鋼線の外方に銅層を一部残留
させた状態でその残留銅層の外方側に内部側から
外部側に向かつて亜鉛濃度が高くなるような濃度
勾配がつけられた銅−亜鉛合金層を生成させると
ともに、この銅−亜鉛合金層の外方に前記熱処理
により拡散させた亜鉛および銅を前記熱処理によ
り酸化させて酸化亜鉛および酸化銅からなる酸化
物皮膜を生成させるものである。 更に本発明のワイヤ放電加工用電極線の製造方
法において、酸素濃度25〜70体積%の酸化性雰囲
気で熱処理を施しても良い。 また、前記熱処理の前後に、必要に応じて伸線
加工を行なつても良い。 前記ワイヤ放電加工用電極線(以下、ワイヤ電
極線と言う。)において銅被覆銅線の銅の被覆率
が10%未満であると、導電率が低くなるため、放
電性能が低下して加工速度が上がらず、70%より
大きいと高温強度が低くなるため、張力を上げた
場合に断線しやすくなる。また、銅−亜鉛合金層
が存在しないと銅地が露出しているため放電性
能、すなわち、加工速度が著るしく低下する。さ
らに、その銅−亜鉛合金層も、銅地から表層に向
かつて亜鉛濃度が高くなるような濃度勾配を有す
る銅−亜鉛合金層でない場合は、十分な加工速度
増加が得られない。 さらに、その濃度勾配を有する銅−亜鉛合金層
の厚さが、0.1μm未満であると、十分な放電性能
が得られず、加工速度の増大効果が得られないか
もしくは、被加工物(主として、鋼鉄材料の場
合)の鉄分と電極線の銅分とが溶融反応を起こし
て、加工面に付着する傾向が大となり、加工精度
が悪くなる。濃度勾配を有する銅−亜鉛合金層の
厚さが15μmより厚いと強度低下が生じて断線し
やすくなり、また熱処理時間が長くなつたり設備
費が高くつくなど経済的に不利になる。 さらに、最外層に生成された厚み0.1〜5μmの
酸化亜鉛および酸化銅からなる酸化物皮膜が存在
するものでは、初期放電(ワイヤ電極線が被加工
物との間で放電を開始する時)においておだやか
な万遍なく分散された放電となり、局部的集中放
電が生じることがなく、断線の恐れがなくより好
都合である。この酸化物皮膜の厚さが0.1μm未満
では上記効果が得られず、5μmを越えると強度低
下が大きくなつて不都合を来す。 「実施例」 以下、本発明の好適な実施例を説明すると、第
1図に示すように、このワイヤ電極線は、銅被覆
鋼線11が芯材とされ、その外周面に0.1〜15μm
の範囲の厚さで、銅地から表層に向かつて亜鉛濃
度が高くなるような濃度勾配が付けられた銅−亜
鉛合金層12が設けられ、さらに最外層が酸化亜
鉛および酸化銅からなる0.1〜5μmの酸化物皮膜
13が設けられ、全体の直径が約0.2mmに形成さ
れたものである。前記銅被覆鋼線11はいわゆる
鋼線あるいは鉄線、合金鋼線等の鋼線に10〜70%
の被覆率で銅を被覆してなるものである。ただ
し、ここでの被覆率とは、全体の断面積に対する
銅部分の断面積の割合を意味している。 このようなワイヤ電極線は例えば次のような方
法で製造される。例えば、0.49mmの直径を有する
銅被覆鋼線を塩化亜鉛浴(1中に塩化亜鉛42
g、塩化アンモニウム210gを含有する水溶液)
中に浸漬し、電気亜鉛メツキ処理を施すことによ
り、銅被覆鋼線の外周面に所定の厚さの亜鉛層を
形成する。次いで、これら亜鉛層で被覆された銅
被覆鋼線に伸線加工を施して全体の直径が0.2mm
としたあと、酸素濃度30体積%、残りが窒素によ
りなる酸化性雰囲気ガスが100ml/分で流れる500
℃に加熱された管状炉中を通過せしめ、銅被覆鋼
線と亜鉛層との間に銅地から表層に向かつて亜鉛
濃度が高くなるような濃度勾配がつけられた銅−
亜鉛合金層を生成させ、亜鉛層を銅−亜鉛合金層
に変化させると同時に、表層に酸化亜鉛および酸
化銅からなる酸化物皮膜を生成する。なお、この
熱処理により、銅被覆鋼線の外周部の銅層に、こ
の銅層の外方側から亜鉛が拡散してくるが、銅層
の全部に亜鉛の拡散をさせずに銅層の内周の一部
をそのまま残留させるものとするとともに、その
残留銅層の外方は全て電極線の最外層近くまで銅
−亜鉛合金層を生成させるように熱処理するとと
もに、最外層では大気中よりも高濃度の酸素を含
む酸化性雰囲気ガスの作用により酸化亜鉛および
酸化銅からなる酸化物皮膜を生成させるように熱
処理する。 このようにして、形成されたワイヤ電極線は、
銅被覆鋼線11を芯材としているため、優れた高
温強度および導電率を備え、また銅地から表層に
向つて亜鉛濃度が高くなるような濃度勾配がつけ
られた銅−亜鉛合金層12の存在により優れた放
電性能を発揮する。さらに銅−亜鉛合金層12に
よつて放電時における被加工物への銅の付着が防
止される。さらに最外層に酸化亜鉛および酸化銅
からなる酸化物皮膜13を有するため、初期放電
において集中放電とならず、おだやかな万遍なく
分散された放電となり、以後の放電が全周に渡つ
て比較的均一な放電となり断線しにくくなる。 次いで、実施例を示して、これらワイヤ電極線
の作用効果を明確にする。 本実施例では、銅被覆鋼線11の銅の被覆率、
銅地から表層に向かつて亜鉛濃度が高くなるよう
な濃度勾配がつけられた銅−亜鉛合金層12の厚
さおよび酸化亜鉛および酸化銅からなる酸化皮膜
13の厚さを種々の値に設定した直径0.2mmのワ
イヤ電極と、同じく直径0.2mmの通常の銅線、黄
銅線(Cu65%、Zn35%)、亜鉛めつき黄銅線、お
よび濃度勾配のついていない銅一亜鉛合金層の銅
被覆鋼線について加工中における加工速度、加工
精度、断線頻度(高温強度、放電安定性)および
経済性を評価する比較試験を行なつた。 この比較試験の結果を第1表に示す。ただし、
放電加工としては、厚さ20mmの被加工物(SKD
−11)から30mm角の板材を切り取る加工を行なつ
た。このときの加工条件は次のとうりである。 印加電圧:110V パルス時間:ON→5μs OFF→5μs ピーク電流:10A コンデンサ容量:0.8μF 加工液:純水 電極線張力:750gf また、加工速度は、鋼線の加工速度(0.8mm/
分)を基準として、これを1としたときの比率で
表わした。加工精度は、切り取つた板材の寸法誤
差の範囲の広さ(最大値と最小値の差)を狭い順
に、A(0.01mm未満)、B(0.01〜0.03mm)、C(0.03
mmより大)で表わした。断線頻度は、断線回数の
少ない順にA(断線なく安定)、B1(加工速度を
上げると断線あり、)、B2(張力を750gfより大
きくすると断線あり)、B3(放電初期−ワイヤ
電極が被加工物との間で放電を開始する時に断線
することがある。)C(断線頻発)で表わした。さ
らに、経済性は黄銅線の製造コストを基準として
それより安価にできる場合を○、高価になる場合
を×で表わした。 第1表から明らかなように、ワイヤ電極線のう
ち、銅被覆率が10〜70%、かつ銅一亜鉛合金層
(銅地から表層に向かつて亜鉛濃度が高くなるよ
うな濃度勾配がつけられた)の厚さが0.1〜15μm
およびさらに酸化亜鉛および酸化銅からなる酸化
物皮膜の厚さが0.1〜5μmという本発明の条件を
満たすものは、銅線、黄銅線、亜鉛めつき黄銅線
および濃度勾配をもたない亜鉛一銅合金層層で被
覆された銅被覆鋼線を含む他の電極に比べて、加
工速度、加工精度、耐断線性、および経済性とも
に優れていることがわかる。 なお、酸化物皮膜および濃度勾配のついた銅一
亜鉛合金層の厚さを酸化性雰囲気の酸素濃度、熱
処理温度および時間との関係で、代表例を示す
と、第2表のようになる。
【表】 第2表からわかるように銅一亜鉛合金層の厚さ
および酸化物皮膜層の厚さは熱処理温度、時間、
初期亜鉛メツキ厚および雰囲気中の酸素濃度が微
妙に関連し、これら条件を考慮して決められる。
酸素濃度25%以上70以下の範囲と限定した理由
は、25%未満では銅一亜鉛合金層は0.1μmに達し
てしまうが酸化物皮膜が0.1μmに達しないことに
なるためである。また、70%を越えると、銅一亜
鉛合金層厚は15μm達してしまうが、酸化物皮膜
も5μmを越えてしまうからである。 なお、、直径0.196mm被覆率60%の銅被覆鋼線を
芯材とし硫酸亜鉛浴(1中に硫酸0.14モル、硫
酸亜鉛0.23モルを含む水溶液)中に浸漬し電気亜
鉛メツキを施して厚さ2μmの亜鉛層を形成し、し
かる後に、管状炉で40体積%酸素濃度の雰囲気中
で熱処理したものでも前記比較試験における本発
明の条件を満たす電極線の試験結果と同様に優れ
た結果を得ることができた。また、前記0.49mmの
ものから0.2mmものを得る工程において伸線を酸
素濃度25〜70体積%の酸化性雰囲気の熱処理の後
に行つた場合も同様であつた。 このことから明らかなように、本発明の製造方
法においては、亜鉛層を外周面に設けた銅被覆鋼
線に酸素濃度25〜70体積%の酸化性雰囲気で熱処
理を施して、亜鉛層を銅地から表層に向かつて亜
鉛濃度が高くなるような濃度勾配がつけられた銅
一亜鉛合金層と酸化亜鉛および酸化銅からなる酸
化物皮膜とに変化させる工程が優れた品質のワイ
ヤ電極線を得るための重要な工程であることがわ
かる。 「発明の効果」 以上説明したように本発明によれば、以下に説
明するような優れた効果を得ることができる。 10〜70%の被覆率で銅を被覆した銅被覆鋼線を
芯材とするとともに、芯材の銅層を一部が残留し
ているので、高い導電率を維持しながら、高温強
度を高めたワイヤ放電加工用電極線が得られる。
従つて本発明のワイヤ放電加工用電極線によれ
ば、芯材の残留銅層による高い導電率を利用し、
ジユール熱による放電加工時の電極線の昇温を少
なくできるので、高い電流を流しつつ放電加工す
ることができ、放電加工時の加工速度を向上させ
ることができるとともに、芯材の優れた高温強度
により加工時の断線頻度も少なくなる。 また、導電率の良好な銅被覆鋼線の芯材の外周
部に、内部側から外部側にかけて亜鉛濃度が高く
なるような濃度勾配をつけた厚さ0.1〜15μmの銅
−亜鉛合金層を設けるので、放電性能が向上し、
かつ、銅層の表面露出による被加工物への銅の付
着を防止できるので、加工精度が良好になるとと
もに、加工速度の低下を防止できる効果がある。
特に被加工物が鉄鋼材料からなるものである場合
に、前述の如く厚さ0.1〜15μmの銅−亜鉛合金層
が存在すると、被加工物の鉄分と電極線の銅分と
が放電加工中に溶融反応を起こして加工面に付着
することを防止できるので、高い加工精度で放電
加工することができる。なお、銅−亜鉛合金層の
厚さを必要以上に高くしないことで、熱処理時間
の長期化を避けて設備費の上昇を抑え、消耗品と
して使用される放電加工用ワイヤ電極線を経済性
の面でも優れさせることができる。 更に、最外層に0.1〜5μmの厚さにわたつて、
酸化亜鉛および酸化銅からなる酸化物皮膜を設け
ているので、初期放電において集中放電となら
ず、おだやかな万遍なく分散された放電とするこ
とができるので、初期放電における断線を防止す
ることができる。 また、本発明の電極線は、鋼線と銅と亜鉛とを
使用し、素材的に伸線加工性が良好でかつ安価な
材料を使用しているので伸線加工が容易にでき、
安価に提供することができる。 以上説明したように本発明の電極線は、銅被覆
鋼線と残留銅層と濃度勾配を有する銅一亜鉛合金
層と酸化物皮膜との特性をそれぞれ有効に利用
し、調整し、これら全ての相乗効果によつて前述
したように、加工速度と加工精度と断線頻度と経
済性の全ての面での優れた効果を得ることができ
る。 一方、本発明方法によれば、適切な被覆率の銅
被覆鋼線を芯材としてこれに亜鉛めつき処理を施
し、更に、大気中よりも酸素濃度の高い雰囲気で
熱処理を施し、適切な厚さで濃度勾配を有する銅
一亜鉛合金層と、適切な厚さを有する酸化物皮膜
を形成するので、加工速度と断線頻度と加工精度
と経済性の全ての面において優れさせた前述の構
造のワイヤ放電加工用電極線を製造することがで
きる。 また、本発明方法においては、伸線加工が容易
にできるような組成の合金として銅一亜鉛合金層
を用いるので、伸線加工性を良好にすることがで
き、同時に、放電性能を高めることができる。 以上のように本発明方法では、10〜70%の適切
な被覆率の銅被覆鋼線を芯材として用いることが
重要であり、この表面に亜鉛層を形成し、更に大
気中よりも酸素濃度の高い雰囲気で熱処理し、芯
材外周部に銅層を残留させて厚さ0.1〜15μmの銅
一亜鉛合金層を形成するとともに、厚さ0.1〜
5μmの酸化物皮膜を形成することが重要であり、
これらの全てを効率良く組み合わせて実施するこ
とにより、放電加工性が良好で、加工速度が高
く、加工精度が良好で、断線頻度が低く、経済性
の面でも優れたワイヤ放電加工用電極線を容易に
製造することができる効果がある。 次に、本願発明の方法では、前述した方法に加
え、熱処理時の雰囲気を酸素濃度25〜70体積%の
酸化性雰囲気とすることで、電極線の最外層に、
酸化亜鉛と酸化銅とからなる厚さ0.1〜5μmの酸
化物皮膜を確実に生成させることができるととも
に、酸化物皮膜の下に厚さ0.1〜15μmで濃度勾配
を有する銅−亜鉛合金層を生成させることがで
き、しかも銅−亜鉛合金層の下に芯材の銅層の一
部を残留させることができる。従つて本発明方法
によれば、前記した本発明に係る構造であつて、
高電流付加が可能で加工速度が高く、断線頻度が
低く、加工精度が高く、初期放電特性にも優れた
ワイヤ放電加工用電極線を製造することができる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のワイヤ放電加工用電極線の実
施例を示す横断面図、第2図は一般的なワイヤ放
電加工法の概略を説明する概略斜視図である。 11……銅被覆鋼線、12……銅一亜鉛合金
層、13……酸化物皮膜。
【表】
【表】 *印の銅一亜鉛合金層は、銅地から表層に向かつて亜
鉛濃度が高くなるような濃度勾配を有さな
い。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼線に10〜70%の被覆率で銅を被覆してなる
    銅被覆鋼線の芯材に被覆した亜鉛を熱処理により
    芯材側に熱拡散させて形成されたワイヤ放電加工
    用電極線であつて、 前記鋼線と、この鋼線の外周部に形成されて亜
    鉛が拡散されていない銅層と、この銅層の外周部
    に亜鉛の熱拡散により生成された銅−亜鉛合金層
    と、この銅−亜鉛合金層の外方に熱拡散により供
    給された亜鉛と銅が前記熱処理により酸化されて
    形成された酸化亜鉛および酸化銅からなる酸化物
    皮膜とを具備してなり、 前記銅−亜鉛合金層の厚さが0.1〜15μmにさ
    れ、前記銅−亜鉛合金層の内部側から外部側に向
    けて亜鉛濃度が高くなるような濃度勾配がつけら
    れてなるとともに、前記酸化物皮膜の厚さが0.1
    〜5μmにされてなることを特徴とするワイヤ放電
    加工用電極線。 2 鋼線に10〜70%の被覆率で銅を被覆して銅被
    覆鋼線からなる芯材を形成し、この芯材の外周面
    に亜鉛めつき処理を施して亜鉛層を形成した後、
    これら亜鉛層と芯材とに大気中よりも酸素濃度の
    高い酸化性雰囲気において熱処理を施し、亜鉛層
    の亜鉛を芯材側に拡散させ、鋼線の外方に銅層を
    一部残留させた状態でその残留銅層の外方側に内
    部側から外部側に向かつて亜鉛濃度が高くなるよ
    うな濃度勾配をつけた銅−亜鉛合金層を生成させ
    るとともに、この銅−亜鉛合金層の外方に前記熱
    処理により拡散させた亜鉛および銅を前記熱処理
    により酸化させて酸化亜鉛および酸化銅からなる
    酸化物皮膜を生成させることを特徴とする放電加
    工用ワイヤ電極線の製造方法。 3 前記熱処理を酸素濃度25〜70体積%の酸化性
    雰囲気で行なうことを特徴とする特許請求の範囲
    第2項記載の放電加工用ワイヤ電極線の製造方
    法。 4 前記熱処理の前工程あるいは後工程として伸
    線加工を施すことを特徴とする特許請求の範囲第
    2項記載の放電加工用ワイヤ電極線の製造方法。
JP8159785A 1985-04-17 1985-04-17 ワイヤ放電加工用電極線およびその製造方法 Granted JPS61241027A (ja)

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JPS5662730A (en) * 1979-10-11 1981-05-28 Charmilles Sa Ateliers Electrode wire

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