JP2000198027A - 放電加工用電極線及びその製造方法 - Google Patents

放電加工用電極線及びその製造方法

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JP2000198027A
JP2000198027A JP10377349A JP37734998A JP2000198027A JP 2000198027 A JP2000198027 A JP 2000198027A JP 10377349 A JP10377349 A JP 10377349A JP 37734998 A JP37734998 A JP 37734998A JP 2000198027 A JP2000198027 A JP 2000198027A
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brass
wire
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electric discharge
electrode wire
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Takahisa Shizuku
雫  孝久
Atsushi Ichikawa
厚志 市川
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はワイヤ放電加工用のワイヤ電極に関す
るものである。 【解決手段】線径が0.3〜0.03mmで、抗張力が
150〜250kgf/mm2 である芯が鋼線で被膜が
真鍮の放電加工用電極線であって、900℃〜970℃
の温度の溶融真鍮中を0.01〜0.06秒通過させた
真鍮被覆線材を伸線加工を施して得られる放電加工用電
極線で、その断面積において真鍮の全体に占める割合が
25〜60%で、真鍮の銅組成が45〜80%で、かつ
鋼線の炭素成分が0.7〜0.9重量%であることを特
徴とする放電加工用電極線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイヤ放電加工用の
ワイヤ電極及びその製造方法に関し、更に詳しくは、芯
が抗張力の高い鋼線でその外周が厚い真鍮であるワイヤ
放電加工用電極線及びその製造方法に係るものである。
【0002】
【従来技術】ワイヤ放電加工は、被加工物の表面を火花
放電が急速に繰り返し打つことにより金属が溶け、或い
はその一部が蒸発することにより除去される電気熱加工
法であり、火花放電は電極と被加工物を誘電性液体中に
対向させて行われる。具体的には供給リ−ルから繰り出
される放電加工ワイヤが、糸鋸のように被加工物をカッ
トする加工法である。
【0003】このような放電加工用電極に求められる特
性としては、1)加工速度すなわち電導性に優れるこ
と、2)放電特性に優れること、一般には亜鉛を含んだ
材質、具体的には真鍮等の材質で構成されること、3)
加工精度に優れること、すなわち加工時に放電により線
材が振動するがこれを押えるために線材に張力を付加す
ることが出来るように高い抗張力であること、4)精密
な加工をするために細線径であること、等が挙げられ
る。
【0004】さて、特開平09ー155643号公報に
は芯を鋼線材とし、その外側を真鍮にしたワイヤ放電加
工用鋼線が提案されている。この線材の製造方法は鋼線
に真鍮めっきを施した後伸線加工する方法である。しか
しながら、めっきをした後に伸線をする方法では抗張力
を高くできるが放電特性を高くすることが出来ないとい
う問題がある。すなわち、一般にめっきにより厚い皮膜
を形成するためには長い処理時間を要するとともに、電
気めっきによる皮膜はポ−ラス状になりやすく、めっき
の品質を保ちながら厚めっきをするためには浴等の管理
を十分にしなければならず、処理に費用がかかるという
問題がある。さらに銅めっきをした上に亜鉛めっきを
し、熱拡散して真鍮にする場合には、各めっきの被膜が
厚いと拡散が実質的に出来ないために被膜の厚みには限
界がある。
【0005】一方、芯材の鋼線に被覆材を造管により被
覆して厚い被覆材とすることができるが、この場合、造
管加工をしその後圧延して被覆複合材とすることとなる
が、これには高価な造管装置を必要とし、また造管工程
で溶接処理を行うため、溶接不良による皮膜欠陥が生じ
やすいという欠点があった。
【0006】欠陥のない厚い皮膜を形成させる方法とし
ては、溶融めっきによって芯材のまわりに金属被膜を形
成して複合材とし、その後伸線して放電加工用電極線を
得る方法があるが、この場合、芯材が高温に晒されるた
め高炭素綱等のように熱により金属組織が変化してしま
う場合には、その後の伸線することができないという問
題があった。
【0007】このように溶融めっきで炭素鋼線の金属組
織が変化する場合、例えば炭素鋼線を加工性のよいパ−
ライト組織にする方法として、炭素鋼線を溶融めっきで
オ−ステナイト領域まで加熱した後、保持炉を設けて約
550℃に鋼線を保持して加工性に優れるパ−ライト組
織を得る方法が知られている。
【0008】この発明にかかる放電加工用鋼線の製造方
法は、上述の溶融めっきによって被覆を形成して行う方
法であって、保持炉を設けることなく加工性に優れる微
細なパ−ライト組織を得る方法である。すなわちこの発
明の製造方法においては溶融めっき法に保持炉を設けな
くても、めっき金属を選定し芯の鋼線の成分及び線径等
を選定することで、十分な厚めっきをしてなおかつ芯材
である炭素鋼線の金属組織を伸線に適するパ−ライト組
織にすることができる領域があることを発見してこの発
明を完成するに至ったものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、芯が鋼線であって外側が真鍮である放電
加工用電極線において、芯線の強度が高く外側の真鍮の
厚みが厚い放電加工用電極線及びその製造方法を提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、放電加
工用電極線にかかるものであって、線径が0.3〜0.
03mmで、抗張力が150〜250kgf/mm2 で
ある芯が鋼線で被膜が真鍮の放電加工用電極線であっ
て、900℃〜970℃の温度の溶融真鍮中を0.01
〜0.06秒通過させた真鍮被覆線材を伸線加工を施し
て得られる放電加工用電極線で、その断面積において真
鍮の全体に占める割合が25〜60%で、真鍮の銅組成
が45〜80%、好ましくは銅組成が65〜75%で、
かつ鋼線の炭素成分が0.7〜0.9重量%であること
を特徴とする。
【0011】本発明の第2は、前記放電加工用電極線の
製造方法であって、被覆材を製造するにおいて、炭素成
分が0.7〜0.9重量%の鋼線を、銅組成が45〜8
0%、好ましくは65〜75%であり、900〜970
℃で溶融させた溶融真鍮中を0.01〜0.06秒通過
させ、真鍮の厚みが断面積において真鍮の全体に占める
割合の25〜60%になるように溶融めっきを施し、そ
の後冷して真鍮被覆線材を作成し、その真鍮被覆材に伸
線加工を施して線径を0.3〜0.03mmにすること
を特徴とする放電加工用電極線の製造方法であって、特
に、真鍮被覆線材の作製において、鋼材の線径が0.6
±0.1mmで、真鍮めっきの厚みが30μ〜150μ
の放電加工用電極線の製造方法にかかるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における放電加工用電極線
において、真鍮がしめる断面積の全体の断面積に占める
割合が25〜60%で、抗張力が150〜250kgf
/mm2 にしたのは加工速度(電導性)及び引張り強度
が優れたものとするためである。即ち、電極線の伸線加
工による抗張力はその上限は400〜500kgf/m
m2 が上限であり、全体の抗張力を目的とするためには
真鍮の断面積の割合は25〜60%にしたものである。
またワイヤの線径を0.03〜0.3mmにすることで
加工精度を高めることができたものである。
【0013】本発明の第2における放電加工用電極線の
製法において、十分厚いめっきを施すことができ、且つ
芯の鋼線をパーライト組織にすることができる。すなわ
ち、めっき金属中の組成において銅の成分を45〜80
重量%、好ましくは65〜75重量%にすることで90
0〜970℃の温度で真鍮を溶融することができ鋼線に
溶融めっきをすることができる。この場合、銅成分が8
0重量%を越えると真鍮を溶融するために1000℃以
上にしなければならず、その場合鋼線の粒径が粗大化し
てパ−ライト組織にしても次工程での伸線性に悪影響を
及ぼすこととなってしまう。一方、銅成分が65重量%
以下では真鍮の加工性が低下する。すなわち、真鍮の組
成を上述の範囲にし、溶融温度を900℃〜970℃に
することで真鍮を溶融することができると共に、芯材の
鋼線を金属組織を粗大化させることなくオ−ステナイト
組織にすることができることとなったものである。
【0014】また 上述の温度の溶融真鍮中を0.01
〜0.06秒通過させることで芯材の鋼線の中心部まで
オ−ステナイト化することができる。この処理時間が
0.01秒以下では十分にオ−ステナイト化することが
できず、また0.06秒以上ではオ−ステナイト粒径の
粗大化をきたす。
【0015】次に溶融めっきされる真鍮の厚みを、断面
積において真鍮がしめる断面積の全体の断面積に占める
割合が25〜60%になるようにすることで、溶融めっ
き後に大気中で自然放冷しても、徐冷されて正常なパ−
ライト組織とすることができる。
【0016】すなわち、溶融めっきの厚みを上述のもの
にすることで真鍮めっきに十分な熱量があり急冷される
ようなこともなく、更に真鍮の凝固時の潜熱が発生する
ため徐冷することができ、伸線に適したパ−ライト組織
を得ることができる。一方、鋼線の線径が大きかった
り、施される真鍮めっきが薄い場合は急冷されるために
オ−ステナイト化した金属は球状化組織またはマルテン
サイト等の伸線に適さない組織になる。
【0017】
【実施例】以下、実施例をもって本発明の具体例を説明
する。炭素含有量が0.7重量%で線径が0.63mm
の炭素鋼線に、組成中の銅成分が70重量%の真鍮を1
00μの厚みで溶融めっきを施し0.83mmの真鍮め
っき被覆材を得た。溶融めっき温度は94℃でめっき時
間は0.02秒であり、めっき付着の制御は溶融めっき
後に0.83mmの孔ダイスを通過させて行った。めっ
き後は空冷してその後巻き取った。得られた真鍮めっき
鋼線の芯材の金属組織は、球状化組織になることなく正
常なパ−ライト金属組織であった。
【0018】この真鍮めっき鋼線をダイスリダクション
を20〜18%で伸線して線径が0.163mmまで伸
線して、この発明にかかる放電加工用電極線を得た。得
られた放電加工用電極線は抗張力が207kg/mm2
で絞りが51%であった。また、断面積において真鍮の
占める面積の全体の断面積に占める割合は42%であっ
た。
【0019】同様にして、上述の0.83mmの真鍮め
っき被覆材を直径が0.1mmまで伸線して抗張力が2
30kg・f/mm2 の放電加工用電極線を得ることが
できた。
【0020】
【発明の効果】本発明は、以上のように芯が抗張力の高
い鋼線でその外周が厚い真鍮であるワイヤ放電加工用電
極線及びその製造方法を得ることができることとなった
ものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線径が0.3〜0.03mmで、抗張力
    が150〜250kgf/mm2 である芯が鋼線で被膜
    が真鍮の放電加工用電極線であって、900℃〜970
    ℃の温度の溶融真鍮中を0.01〜0.06秒通過させ
    た真鍮被覆線材を伸線加工を施して得られる放電加工用
    電極線で、その断面積において真鍮の全体に占める割合
    が25〜60%で、真鍮の銅組成が45〜80%で、か
    つ鋼線の炭素成分が0.7〜0.9重量%であることを
    特徴とする放電加工用電極線。
  2. 【請求項2】 真鍮の銅組成が65〜75%である請求
    項第1項記載の放電加工用電極線。
  3. 【請求項3】 請求項1に係る放電加工用電極線の製造
    方法であって、被覆材を製造するにおいて、炭素成分が
    0.7〜0.9重量%の鋼線を、銅組成が45〜80%
    であり900〜970℃で溶融させた溶融真鍮中を0.
    01〜0.06秒通過させ、真鍮の厚みが断面積におい
    て真鍮の全体に占める割合の25〜60%になるように
    溶融めっきを施し、その後冷して真鍮被覆線材を作成
    し、その真鍮被覆材に伸線加工を施して線径を0.3〜
    0.03mmにすることを特徴とする放電加工用電極線
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 真鍮の銅組成が65〜75%である請求
    項第3項記載の放電加工用電極線の製造方法。
  5. 【請求項5】 真鍮被覆線材の作製において、鋼材の線
    径が0.6±0.1mmで、真鍮めっきの厚みが30μ
    〜150μである請求項3記載の放電加工用電極線の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006136952A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Tokusen Kogyo Co Ltd 放電加工用電極線
JP2018114002A (ja) * 2017-01-16 2018-07-26 セイコーエプソン株式会社 表示方法
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