JP2018114002A - 表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレーの弱みを知った上で練習することが可能な表示方法を提供する。【解決手段】ゴルフのホール情報(ホール概要810)と、ゴルフの打撃位置と、慣性センサー(加速度センサー12および角速度センサー14)の出力を用いて検出された打撃における運動状態を定量化したオブジェクト(矢印821,822,823,824)と、を表示する表示方法。【選択図】図31A

Description

本発明は、例えば運動解析装置などの表示方法に関する。
近年、様々な分野において被検査体(人間)の運動を解析する装置(運動解析装置)が求められている。例えば、ゴルフクラブ、テニスラケット、および野球バット等、運動器具のスイング軌道などの被検査体(競技者)の運動フォームを解析し、解析結果から被検査体に適した運動器具の選定、運動フォームの改善を行うことで競技力の向上につなげることができる。
このような運動解析装置として、ゴルフプレーヤーのプレーデータをそのプレーヤーのプロファイルとして記録し、平均的なプレーヤーのプロファイル平均と比較し、その差を埋めるようなトレーニングを、例えば表示によってアドバイスする方法が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2003−506168号公報
ゴルフに限らずスポーツでは、プレーをした時のミスに基づいて、どこにプレーの弱みがあるのか知った上での練習が良いと言われている。しかしながら、特許文献1の運動解析装置による従来の方法では、単に打数を表示するのみであるため、どのプレーが良かったのか、もしくは悪かったのかを判断することが難しかった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る表示方法は、ゴルフのホール情報と、前記ゴルフの打撃位置と、慣性センサーの出力を用いて検出された打撃における運動状態を定量化したオブジェクトと、を表示することを特徴とする。
本適用例の表示方法によれば、ゴルフのホール情報に加えて、ゴルフの打撃位置と、運動状態を定量化したオブジェクトと、が表示されるため、プレー時のプレーヤーの位置、動き、運動状態などの情報から、プレーの良否などを解析し、知ることができる。これにより、ユーザーは、自身の弱点を知ることができ、その弱点に対応した効率の良い練習を行うことができる。
[適用例2]上記適用例に記載の表示方法において、前記ホール情報は、ホール図であることが好ましい。
本適用例によれば、ホール情報としてホール図が表示されるため、ホール上でのプレーヤーの位置、動き、運動状態などの情報を視認することが可能となり、より的確な判断(解析)を行うことができる。
[適用例3]上記適用例に記載の表示方法において、前記オブジェクトは、打撃順位、ゴルフクラブの番手の少なくとも一つを含む前記打撃位置を含んでいることが好ましい。
本適用例によれば、オブジェクトによって、打撃順位、ゴルフクラブの番手の少なくとも一つを含む打撃位置が表示されることによって、より詳細な判断(解析)を行うことができる。
[適用例4]上記適用例に記載の表示方法において、前記オブジェクトは、前記定量化した結果を前記オブジェクトに含まれる棒の長さで表すことが好ましい。
本適用例によれば、運動状態を定量化した結果が、当該オブジェクトに含まれる棒の長さによって表示されるため、運動状態や運動状態の良否を一目で視認することができる。
[適用例5]上記適用例に記載の表示方法において、さらに、移動軌跡を表示することが好ましい。
本適用例によれば、ユーザーが打撃位置から次の打撃位置に向かってどのように移動したかなどの移動軌跡を含む移動状態などが分かり、より細密且つ詳細なプレー状態の判断(解析)を行うことができる。
[適用例6]上記適用例に記載の表示方法において、前記運動状態は、前記慣性センサーからの出力に基づいて、前記ゴルフのスイングにおける指標を数値化したものであることが好ましい。
本適用例によれば、慣性センサーからの出力に基づいて数値化された、ゴルフのスイングにおける指標によって運動状態が求められることにより、より細密なプレー状態を知ることができる。
[適用例7]上記適用例に記載の表示方法において、前記数値化した値が、所定の範囲から逸脱したことを検出し、逸脱した数値に対応する前記オブジェクトをマーキングすることが好ましい。
本適用例によれば、慣性センサーからの出力に基づいて数値化された数値が、所定の範囲から逸脱したと検出された数値に対応するオブジェクトを、マーキングするため、運動状態や運動状態の良否を一目で視認することができる。これにより、ユーザーは、自身のゴルフのスイングにおける弱みを知ることができる。その結果、ユーザーは、どこにプレーの弱みがあるのか知った上での練習を行うことが可能となり、その弱みに対応した効率の良い練習を行うことができる。
[適用例8]本適用例に係る運動解析システムは、ゴルフの打撃に係る物理量を検出する慣性センサーと、前記打撃に対応する時刻におけるプレーヤーの打撃位置を測位して位置を得る測位部と、ゴルフのホール情報、前記打撃位置、および前記慣性センサーの出力を用いて検出された前記打撃における運動状態を定量化したオブジェクトを表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
本適用例の運動解析システムによれば、ゴルフの打撃に係る物理量を検出する慣性センサーと、打撃に対応する時刻におけるプレーヤーの打撃位置を測位して位置を得る測位部と、ゴルフのホール情報と、打撃位置と、前記慣性センサーの出力を用いて検出された打撃における運動状態を定量化したオブジェクトと、を表示する表示部とを有している。これにより、ゴルフのホール情報に加えて、ゴルフの打撃位置と、運動状態を定量化したオブジェクトと、が表示されるため、プレー時のプレーヤーの位置、動き、運動状態などの情報から、プレーの良否などを解析し、知ることができる。これにより、ユーザーは、自身の弱点を知ることができ、その弱点に対応した効率の良い練習を行うことができる。
[適用例9]本適用例に係る表示装置は、ゴルフのホール情報と、前記ゴルフの打撃位置と、慣性センサーの出力を用いて検出された打撃における運動状態を定量化したオブジェクトと、を表示することを特徴とする。
本適用例の表示装置によれば、ゴルフのホール情報に加えて、ゴルフの打撃位置と、運動状態を定量化したオブジェクトと、が表示されるため、プレー時のプレーヤーの位置、動き、運動状態などの情報から、プレーの良否などを解析し、知ることができる。これにより、ユーザーは、自身の弱点を知ることができ、その弱点に対応した効率の良い練習を行うことができる。
本実施形態に係る運動解析システムの構成例を示す図。 センサーユニットおよびスイング解析装置を示す図。 センサーユニットの装着位置および向きの一例を示す図。 ユーザーが打球するまでに行う動作の手順を示す図。 スイング動作についての説明図。 センサーユニットおよびスイング解析装置の構成例を示す図。 ユーザーの静止時におけるゴルフクラブとセンサーユニットをX軸の負側から視た平面図。 3軸角速度の時間変化の一例を示す特性図。 3軸角速度の合成値の時間変化を示す特性図。 合成値の微分の時間変化を示す特性図。 シャフトプレーンおよびホーガンプレーンを示す図。 シャフトプレーンをYZ平面で切った断面図をX軸の負側から視た図。 ホーガンプレーンをYZ平面で切った断面図をX軸の負側から視た図。 フェース角とクラブパス(入射角)を説明するための図。 スイング開始(バックスイング開始)からインパクトまでのシャフト軸回転角の時間変化の一例を示す図。 ダウンスイングにおけるグリップの速度の時間変化の一例を示す図。 インパクトにおける打撃部のアタック角(第1角度)の定義について説明するための図。 スイング解析処理(スイング解析方法)の手順の一例を示すフローチャート。 スイング診断装置の構成例を示す図。 シャフトプレーンおよびホーガンプレーンと複数の領域との関係の一例を示す図。 シャフトプレーンおよびホーガンプレーンとユーザーの姿勢との概略の一例を示す図。 本実施形態に係る運動解析方法の手順の一例を示すフローチャート。 スイングの状態の数値化(スコア化)の一例を示す図。 苦手なホールを特定する手法の一例を示す図。 苦手なホールに係るスイングの解析結果の一例を示す図。 苦手なホールの打球(ショット)ごとのスコアの比較を例示する図。 ショットのスタートから終了までの加速度の変化の典型例を示した図。 苦手なホール#1およびホール#5に係る打球(ショット)ごとの経過時間の一例を示す図。 運動解析方法の記録の時間手順の一例を示すタイムチャート。 解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例1(全体)を示す図。 解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例2(苦手ホール)を示す図。 解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例3(ホールごとの状況)を示す図。 表示例3の変形例を示す図。 解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例4(苦手ホールに係る打球ごとのスコアの状況)を示す図。 解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例5(スイングの解析結果)を示す図。 解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例6(打球ごとのスイングの経過時間)を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.運動解析システム
1−1.運動解析システムの構成
以下、図1、図2、および図3を参照し、運動解析の一例として、ゴルフのスイング(以下、ゴルフスイングという)の解析を例に挙げて、運動解析システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る運動解析システムの構成例を示す図である。図2は、センサーユニットおよびスイング解析装置を示す図である。図3は、センサーユニットの装着位置および向きの一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の運動解析システム1は、センサーユニット(慣性センサーの一例)10およびスイング解析装置(運動解析装置の一例)20を含む。なお、図1に示すように、運動解析システム1には、GPS衛星(位置情報出力部)8と、スイング解析装置20に含まれる位置情報取得部43(図6参照)とを含み、GPS衛星8からの電波(衛星信号)に含まれる位置情報を受信して測位計算(位置情報の取得)する機能(測位部)を含むことができる。センサーユニット10とスイング解析装置20との間の通信は、無線通信でもよいし、有線通信でもよい。図2に示すように、スイング解析装置20は、パーソナルコンピューター20aの他、スマートフォンやタブレット等の携帯機器20b、あるいはヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)やリスト機器等のウェアラブル端末等の各種情報端末(クライアント端末)で実現される。
運動解析システム1は、スイング解析装置20とは別にスイング診断装置30を含んで構成されても良い。ただし、スイング診断装置30はスイング解析装置20に含まれても良い。スイング診断装置30は、スイング解析装置20からの要求を処理するサーバーで実現されてもよい。スイング解析装置20とスイング診断装置30とは、ネットワーク40を介して接続されても良い。ネットワーク40は、インターネット等のワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)でもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)でもよい。あるいは、スイング解析装置20とスイング診断装置30とは、例えば、近距離無線通信や有線通信により、ネットワーク40を介さずに通信してもよい。
センサーユニット10は、例えば互いに直交関係の3軸の各軸方向の加速度と、例えば互いに直交関係の3軸の各軸回りの角速度と、を計測可能であり、図2に示すように、運動器具としての、例えばゴルフクラブ3に装着される。
センサーユニット10は、例えば図3に示すように、互いに交差する(理想的には直交する)3つの検出軸(x軸、y軸、z軸)の向きが合わせられてゴルフクラブ(運動器具の一例)3に装着される。図3では、例えばy軸をゴルフクラブ3のシャフトの長手方向(ゴルフクラブ3の長手方向)に、例えばx軸を打球のターゲット方向(打撃目標方向)に合わせるようにして、シャフトの一部に取り付けられる。好ましくは、センサーユニット10は、打球時の衝撃が伝わりにくく、スイング時に遠心力がかかりにくいグリップに近い位置に取り付けられる。シャフトは、ゴルフクラブ3のヘッド(打撃部)3aを除いた柄の部分であり、グリップも含まれる。ただし、センサーユニット10は、ユーザー2の部位(例えば、手やグローブなど)に取り付けられてもよいし、腕時計などのアクセサリーに取り付けられてもよい。
ユーザー2は、あらかじめ決められた手順に従って、ゴルフボール4を打球するスイング動作または素振りによるスイング動作を行う。図4は、本実施形態においてユーザー2が打球するまでに行う動作の手順を示す図である。図4に示すように、ユーザー2は、まず、スイング解析装置20を介してユーザー2の身体情報とユーザー2が使用するゴルフクラブ3に関する情報(ゴルフクラブ情報)などの入力操作を行う(S1)。
ユーザー2は、図4のステップS1において、入力画面(不図示)上で身長、性別、年齢、国などの身体情報を入力し、クラブ長(シャフトの長さ)、番手などのゴルフクラブ情報を入力する。なお、身体情報に含まれる情報は、これに限られず、例えば、身体情報は、身長に代えてまたは身長とともに腕の長さおよび脚の長さの少なくとも一方の情報を含んでもよい。同様に、ゴルフクラブ情報に含まれる情報は、これに限られず、例えば、ゴルフクラブ情報は、クラブ長と番手のいずれか一方の情報を含まなくてもよいし、他の情報を含んでもよい。
次に、ユーザー2は、スイング解析装置20を介して計測開始操作(センサーユニット10に計測を開始させるための操作)を行う(S2)。ユーザー2は、スイング解析装置20からアドレス姿勢(スイング開始前の基本姿勢)をとるように指示する通知(例えば音声による通知)を受けた後(S3がY)、ゴルフクラブ3のシャフトの長手方向がターゲットライン(打球の目標方向)に対して垂直となるようにアドレスの姿勢をとり、所定時間以上静止する(S4)。次に、ユーザー2は、スイング解析装置20からスイングを許可する通知(例えば音声による通知)を受けた後(S5がY)、スイング動作を行い、ゴルフボール4を打球する(S6)。なお、本実施形態は必ずしも打球するものに限らず、素振りにも適用でき、打球に相当するタイミングを検出する機能を有していてもよい。
ユーザー2が図4のステップS2の計測開始操作を行うと、スイング解析装置20はセンサーユニット10に計測開始コマンドを送信し、センサーユニット10は計測開始コマンドを受信して3軸加速度と3軸角速度の計測を開始する。センサーユニット10は、所定周期(例えば1ms)で3軸加速度と3軸角速度を計測し、計測したデータを順次、スイング解析装置20に送信する。
スイング解析装置20は、図4のステップS5に示したスイング開始の許可をユーザー2に通知し、その後、センサーユニット10の計測データに基づいて、ユーザー2がゴルフクラブ3を用いて打球したスイング動作(図4のステップS6)を解析する。
図5に示すように、ユーザー2が図4のステップS6で行うスイング動作は、アドレス姿勢(静止状態)からスイング(バックスイング)を開始した後、バックスイング中にゴルフクラブ3のシャフトが水平になるハーフウェイバック、バックスイングからダウンスイングに切り替わるトップ、ダウンスイング中にゴルフクラブ3のシャフトが水平になるハーフウェイダウンの各状態を経て、ゴルフボール4を打球するインパクト(打球)に至る動作を含んでいる。そして、スイング解析装置20は、スイングが行われた時刻(日時)、ユーザー2の識別情報や性別、ゴルフクラブ3の種類、スイング動作の解析結果の情報を含むスイング解析データを生成し、ネットワーク40(図1参照)を介して、スイング診断装置30に送信する。
スイング診断装置30は、スイング解析装置20が送信したスイング解析データを、ネットワーク40を介して受信して保存する。従って、ユーザー2が図4の手順に従ってスイング動作を行う度に、スイング解析装置20により生成されたスイング解析データがスイング診断装置30に保存され、スイング解析データリストが構築される。
本実施形態では、ユーザー2は、スイング解析装置20の操作部23(図6参照)を介してスイング診断アプリケーションを起動させると、スイング解析装置20はスイング診断装置30と通信し、スイング解析装置20の表示部25(図6参照)にスイング解析データの選択画面(不図示)が表示される。この選択画面には、スイング診断装置30に保存されているスイング解析データリストに含まれるユーザー2の各スイング解析データについて、時刻(日時)、使用されたゴルフクラブの種類およびスイングの解析結果としての一部の指標の値が含まれている。なお、本実施形態の表示部25を、スイングの解析結果を表示する表示装置とすることもできる。
また、この選択画面には、各スイング解析データに対応づけられたチェックボックスがあり、ユーザー2は、スイング解析装置20の操作を介して、いずれか一つのチェックボックスをチェックする。これにより、スイング解析装置20はスイング診断装置30と通信し、スイング解析装置20の表示部25に、選択画面でチェックされたチェックボックスに対応づけられたスイング解析データについて、例えばスイング診断の対象となる入力データ編集画面(不図示)が表示される。なお、入力データ編集画面には、性別、ゴルフクラブの種類(ドライバーとアイアンのいずれであるか)およびスイングの各指標に関して、選択されたスイング解析データに基づいて得られる値が初期値として含まれている。
入力データ編集画面における、性別、ゴルフクラブの種類および各指標値からなる入力データは、編集可能になっている。ユーザー2は、スイング解析装置20の操作部23(図6参照)を介して、入力データを編集することができる。また、ユーザー2は、入力データ編集画面からの入力データとして、例えばホールごとのゴルフのスコアを入力する。これらにより、スイング解析装置20は、入力データをスイング診断装置30に送信する。
スイング診断装置30は、この入力データ(入力結果)を受信し、当該入力データを用いて、複数の項目のレベルを算出する。例えば、スイング診断装置30は、「Vゾーン」、「回転」、「スピード」、「インパクト」、「スイングのテンポ」、および「スイング効率」の各項目について、例えば5点満点でそれぞれレベルを算出してもよい。この5つの項目の意味や算出方法については後述する。また、スイング診断装置30は、この5つの項目の各レベルからスイングの総合点も算出してもよい。そして、スイング診断装置30は、算出した複数の項目のレベルおよび総合点の情報をスイング解析装置20に送信する。なお、「レベル」は、例えば、「1,2,3,4,5」などの点数で表現されてもよいし、「A,B,C,・・・」、「○,△,×,・・・」などで表現されてもよい。
スイング解析装置20は、複数の項目のレベルおよび総合点の情報を受信し、表示部25に、スイング診断画面を表示させる。ユーザー2は、このスイング診断画面により、左側の入力データに対する診断結果として、複数の項目のレベルと総合点を把握することができる。特に、ユーザー2は、スイング診断画面より、自分のスイングについて長所や弱点を把握することができる。また、ユーザー2は、例えば、弱点を克服するためにはどの指標をどの程度改善すれば良いかを把握することもできる。以下では、複数の項目の「レベル」を「点数」で表現する例を挙げて説明する。
また、スイング解析装置20は、ゴルフのスイングにおける運動状態を数値化した数値が、所定の範囲から逸脱したことを検出し、複数のスイングにおける検出結果から、プレー状態を出力し、表示部25に表示させることができる。なお、本明細書におけるプレー状態とは、ユーザー2のゴルフスイングや移動などを含む動作の実態、および強み、弱みを示している。
また、上記所定の範囲は、複数のゴルフのスイングにおける運動状態を数値化した数値の平均値からの差が最も大きい値とする、または数値の平均値に、該平均値に対する所定の割合を加算した値とする、もしくは数値の最小値、または最大値とする、などのいずれかを適用することができる。このように所定の範囲を設定すれば、ゴルフのスイングにおける運動状態が数値化された数値の逸脱を容易に検出することができる。
また、上記数値には、ゴルフのスイングにおける運動状態を数値化可能な複数の指標を含むことが好ましい。このように、数値化可能な複数の指標によってゴルフのスイングにおける運動状態が数値化されることにより、所定の範囲から逸脱したことの検出を複数の指標において行うことができる。これにより、プレー状態の出力を、より緻密に行うことが可能となる。
1−2.センサーユニットおよびスイング解析装置の構成
図6は、センサーユニット10およびスイング解析装置20の構成例を示す図である。図6に示すように、センサーユニット10は、加速度センサー12、角速度センサー14、信号処理部16および通信部18を含んで構成されている。ただし、センサーユニット10は、適宜、これらの構成要素の一部が削除または変更され、あるいは、他の構成要素が付加された構成であってもよい。
慣性センサーとしての加速度センサー12は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々に生じる加速度を計測し、計測した3軸方向の各々の加速度の大きさおよび向きに応じたデジタル信号(加速度データ)を出力する。
慣性センサーとしての角速度センサー14は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸の各々の軸回りに生じる角速度を計測し、計測した3軸方向の各々の角速度の大きさおよび向きに応じたデジタル信号(角速度データ)を出力する。
信号処理部16は、加速度センサー12と角速度センサー14から、それぞれ加速度データと角速度データを受け取って時刻情報を付して不図示の記憶部に記憶し、記憶した計測データ(加速度データと角速度データ)に時刻情報を付して通信用のフォーマットに合わせたパケットデータを生成し、通信部18に出力する。
加速度センサー12および角速度センサー14は、それぞれ3軸が、センサーユニット10に対して定義される直交座標系(センサー座標系)の3軸(x軸、y軸、z軸)と一致するようにセンサーユニット10に取り付けられるのが理想的だが、実際には取り付け角の誤差が生じる。そこで、信号処理部16は、取り付け角誤差に応じてあらかじめ算出された補正パラメーターを用いて、加速度データおよび角速度データをxyz座標系のデータに変換する処理を行う。
さらに、信号処理部16は、加速度センサー12および角速度センサー14の温度補正処理を行ってもよい。あるいは、加速度センサー12および角速度センサー14に温度補正の機能が組み込まれていてもよい。
なお、加速度センサー12と角速度センサー14は、アナログ信号を出力するものであってもよく、この場合は、信号処理部16が、加速度センサー12の出力信号と角速度センサー14の出力信号をそれぞれA/D変換して計測データ(加速度データと角速度データ)を生成し、これらを用いて通信用のパケットデータを生成すればよい。
通信部18は、信号処理部16から受け取ったパケットデータをスイング解析装置20に送信する処理や、スイング解析装置20から計測開始コマンド等の各種の制御コマンドを受信して信号処理部16に送る処理等を行う。信号処理部16は、制御コマンドに応じた各種処理を行う。
図6に示すように、スイング解析装置20は、処理部21、通信部22、操作部23、記憶部24、表示部25、音出力部26、通信部27、および位置情報取得部43を含んで構成されている。ただし、スイング解析装置20は、適宜、これらの構成要素の一部が削除または変更され、あるいは、他の構成要素が付加された構成であってもよい。
通信部22は、センサーユニット10から送信されたパケットデータを受信し、処理部21に送る処理や、処理部21からの制御コマンドをセンサーユニット10に送信する処理等を行う。また、通信部22は、ネットワーク40を介してゴルフ場のコース配置などを含むコース情報を受信する処理を行う。
操作部23は、ユーザー2の操作に応じたデータを取得し、処理部21に送る処理を行う。操作部23は、例えば、タッチパネル型ディスプレイ、ボタン、キー、マイクなどであってもよい。
記憶部24は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種ICメモリーやハードディスクやメモリーカードなどの記録媒体等により構成される。記憶部24は、処理部21が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムや、アプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。
本実施形態では、記憶部24には、処理部21によって読み出され、スイング解析処理を実行するためのスイング解析プログラム240が記憶されている。スイング解析プログラム240は、あらかじめ不揮発性の記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記憶されていてもよいし、処理部21がネットワーク40を介して不図示のサーバーあるいはスイング診断装置30からスイング解析プログラム240を受信して記憶部24に記憶させてもよい。
また、本実施形態では、記憶部24には、ゴルフクラブ情報242、身体情報244、センサー装着位置情報246、ゴルフコース情報247、およびスイング解析データ248が記憶される。例えば、ユーザー2が、操作部23を操作して、入力画面から、使用するゴルフクラブ3の仕様情報(例えば、シャフトの長さ、重心の位置、ライ角、フェース角、ロフト角等の情報などの少なくとも一部の情報)を入力し、入力された仕様情報をゴルフクラブ情報242としてもよい。あるいは、ユーザー2が、図4のステップS1において、ゴルフクラブ3の型番を入力(あるいは、型番リストから選択)し、記憶部24にあらかじめ記憶されている型番毎の仕様情報のうち、入力された型番の仕様情報をゴルフクラブ情報242としてもよい。
また、例えば、ユーザー2が、操作部23を操作して、入力画面から、身体情報を入力し、入力された身体情報を身体情報244としてもよい。また、例えば、図4のステップS1において、ユーザー2が操作部23を操作してセンサーユニット10の装着位置とゴルフクラブ3のグリップエンドとの間の距離を入力し、入力された距離の情報をセンサー装着位置情報246としてもよい。あるいは、センサーユニット10を決められた所定位置(例えば、グリップエンドから20cmの距離など)に装着するものとして、当該所定位置の情報がセンサー装着位置情報246としてあらかじめ記憶されていてもよい。また、ユーザー2は、操作部23を操作し、ネットワーク40を介してプレーするゴルフ場の情報をゴルフコース情報247としてあらかじめ記憶させてもよい。
スイング解析データ248は、スイングが行われた時刻(日時)、ユーザー2の識別情報や性別、ゴルフクラブ3の種類とともに、処理部21(スイング解析部211)によるスイング動作の解析結果の情報を含むデータである。
また、記憶部24は、処理部21の作業領域として用いられ、操作部23が取得したデータ、処理部21が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。さらに、記憶部24は、処理部21の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記憶してもよい。
表示部25は、処理部21の処理結果を文字、グラフ、表、アニメーション、その他の画像として表示するものである。表示部25は、例えば、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)などであってもよい。なお、一つのタッチパネル型ディスプレイで操作部23と表示部25の機能を実現するようにしてもよい。
表示部25に表示される第1の解析情報は、相対フェース角およびクラブパス(入射角)に基づくインパクトと、ゴルフクラブ3のグリップにおける減速量およびタイミングに基づく効率と、トップ時のシャフト軸の回転角およびフェース角に基づく回転と、打球時におけるゴルフクラブ3の速度に基づくヘッドスピードと、アドレス開始、スイング開始、トップおよびインパクトのタイミングに基づくスイングのテンポと、の少なくとも一つに係る情報を含んでいることが好ましい。なお、複数のスイングに関しての実力(レベル)を示す重要な指標の解析データとしては、上述に限らず、例えば打球時およびアドレス時のライ角に基づくハンドアップやフェース角およびアタック角に基づくダウンブローなどの指標を含んでいてもよい。
これにより、ユーザー2は、複数のスイングに関しての実力(レベル)を示す重要な指標の解析データとして、インパクト、Vゾーン、効率、回転、ヘッドスピード、スイングのテンポの少なくとも一つに係る情報を、詳細データとして得ることができる。
表示部25は、例えば、図29の表示例1から図34の表示例6などに示されているような画像を表示する。なお、表示例の詳細な説明については後述するため、ここでの説明を省略する。また、表示部25における操作部23の機能としては、表示部25に触れる(画面タッチ)などによって表示内容を切り替えたり、拡大縮小したりすることができる。
音出力部26は、処理部21の処理結果(解析情報)を音声やブザー音等の音情報として提示するために出力するものである。音出力部26は、例えば、スピーカーやブザーなどであってもよい。
通信部27は、ネットワーク40を介してスイング診断装置30の通信部32(図19参照)との間でデータ通信を行うものである。例えば、通信部27は、スイング解析処理の終了後、処理部21からスイング解析データ248を受け取って、スイング診断装置30の通信部32に送信する処理を行う。また、例えば、通信部27は、選択画面の表示に必要な情報をスイング診断装置30の通信部32から受信して処理部21に送る処理や、該選択画面において選択された情報を処理部21から受け取ってスイング診断装置30の通信部32に送信する処理を行う。また、例えば、通信部27は、入力データ編集画面の表示に必要な情報をスイング診断装置30の通信部32から受信して処理部21に送る処理を行う。また、例えば、通信部27は、処理部21から、該入力データ編集画面における診断開始ボタンが押下されたときの入力データを受け取ってスイング診断装置30の通信部32に送信する処理を行う。また、例えば、通信部27は、スイング診断画面の表示に必要な情報(入力データに基づく診断結果の情報(複数の項目の点数や総合点))をスイング診断装置30の通信部32から受信して処理部21に送る処理を行う。
出力部としての処理部21は、各種プログラムに従い、通信部22を介してセンサーユニット10に制御コマンドを送信する処理や、通信部22を介してセンサーユニット10から受信したデータに対する各種の計算処理を行う。また、処理部21は、各種プログラムに従い、記憶部24からスイング解析データ248を読み出して、通信部27を介してスイング診断装置30に送信する処理を行う。また、処理部21は、後述する演算部としてのスイング診断装置30の処理部31によって運動状態が数値化された数値が、所定の範囲から逸脱したことをスイング解析部211にて検出し、複数のスイングにおける検出結果から、ユーザー2のゴルフスイングや移動などを含む動作の実態、および強み、弱みを示すプレー状態を求める。そして、処理部21は、求められたユーザー2のプレー状態を表す画像(例えば、図29〜図34参照)に対応する画像データとして出力することができる。また、処理部21は、各種プログラムに従い、通信部27を介して、スイング診断装置30に各種の情報を送信し、スイング診断装置30から受信した情報に基づいて、ユーザー2のプレー状態を求め、該ユーザー2のプレー状態を表す画像に対応する画像データとして出力することができる。
また、処理部21は、通信部22を介して入力されたゴルフ場のコース配置や標高などをゴルフコース情報247として記憶部24に記憶させることができる。また、処理部21は、後述する位置情報取得部43から送られた現在位置データに基づいて、ユーザー2の位置情報を算出する。なお、位置情報には、ユーザー2のコース内における移動軌跡や移動時刻(停留時間)などの情報を含んでいる。そして、処理部21は、算出されたユーザー2の位置情報と、上述の複数のスイングにおける検出結果とから、ユーザーのプレー状態を表す画像(例えば、図29〜図34参照)に対応する画像データとして出力することができる。このように、算出されたユーザー2の位置情報と、ゴルフのスイングにおける運動状態の検出結果とを併せてプレー状態を出力するため、ユーザー2の移動状態などを含めたより細密なプレー状態の出力とすることができる。また、処理部21は、その他の各種の制御処理を行う。
処理部21は、スイング解析プログラム240を実行することにより、データ取得部210、スイング解析部211、画像データ生成部212、記憶処理部213、表示処理部214および音出力処理部215として機能する。なお、処理部21は、コンピューターとしての機能を有している。
特に、本実施形態では、処理部21は、スイング解析プログラム240を実行することにより、データ取得部210、スイング解析部211、画像データ生成部212、記憶処理部213、表示処理部214および音出力処理部215として機能し、ユーザー2のスイング動作を解析する処理(スイング解析処理)やユーザー2のゴルフスイングや移動などを含む動作の実態、および強み、弱みを示すプレー状態を求めて出力する処理を行う。
データ取得部210は、通信部22がセンサーユニット10から受信したパケットデータを受け取り、受け取ったパケットデータから時刻情報および計測データを取得し、記憶処理部213に送る処理を行う。また、データ取得部210は、通信部27がスイング診断装置30から受信した各種の画面の表示に必要な情報を受け取って、画像データ生成部212に送る処理を行う。
記憶処理部213は、記憶部24に対する各種プログラムや各種データのリード/ライト処理を行う。例えば、記憶処理部213は、データ取得部210から受け取った時刻情報と計測データとを対応づけて記憶部24に記憶させる処理や、スイング解析部211が算出した各種の情報やスイング解析データ248等を記憶部24に記憶させる処理を行う。
スイング解析部211は、センサーユニット10が出力する計測データ(記憶部24に記憶されている計測データ)や操作部23からのデータなどを用いて、ユーザー2のスイング動作(複数のスイング)を解析し、スイングが行われた時刻(日時)、ユーザー2の識別情報や性別、ゴルフクラブ3の種類、スイング動作の解析結果の情報を含む第1の解析情報としてスイング解析データ248を生成する処理を行う。特に、本実施形態では、スイング解析部211は、スイング動作の解析結果の情報の少なくとも一部として、ゴルフのスイングの各指標の値を算出する。なお、第1の解析情報としてのスイング解析データ248には、インパクト、Vゾーン、効率(スイング効率)、回転、ヘッドスピード、スイングのテンポの少なくとも一つに係る情報が含まれている。
スイング解析部211は、スイングの指標として、少なくとも一つの仮想面を算出してもよい。例えば、少なくとも一つの仮想面は、後述する、シャフトプレーンSP(第1仮想面)と、シャフトプレーンSPと所定の角度をなすホーガンプレーンHP(第2仮想面)とを含み、スイング解析部211は、この指標として、「シャフトプレーンSP」と「ホーガンプレーンHP」とを算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、バックスイング中の第1のタイミングでのゴルフクラブ3のヘッド3aの位置を算出してもよい。例えば、第1のタイミングは、バックスイング中にゴルフクラブ3の長手方向が水平方向に沿う方向となるハーフウェイバックのときであり、スイング解析部211は、この指標として、後述する「ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置」を算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、ダウンスイング中の第2のタイミングでのゴルフクラブ3のヘッド3aの位置を算出してもよい。例えば、第2のタイミングは、ダウンスイング中にゴルフクラブ3の長手方向が水平方向に沿う方向となるハーフウェイダウンのときであり、スイング解析部211は、この指標として、後述する「ハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置」を算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、インパクト(打球時)におけるゴルフクラブ3のヘッド3aの入射角に基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部211は、この指標として、後述する「クラブパス(入射角)ψ」を算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、インパクト(打球時)におけるゴルフクラブ3のヘッド3aの傾きに基づく指標を算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、インパクト(打球時)におけるゴルフクラブ3(ヘッド3a)の速度に基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部211は、この指標として、後述する「ヘッドスピード」を算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、シャフトの長手方向を回転軸として、バックスイングの開始時からインパクト(打球時)までの間の所定のタイミングにおけるゴルフクラブ3のシャフトの回転軸回り(以下、長軸回りと称す)の回転角に基づく指標を算出してもよい。ゴルフクラブ3の長軸回りの回転角は、基準となるタイミングから当該所定のタイミングまでにゴルフクラブ3が長軸回りに回転した角度であってもよい。基準となるタイミングは、バックスイングの開始時であってもよいし、アドレス時であってもよい。また、所定のタイミングは、バックスイングからダウンスイングに移行するとき(トップのとき)であってもよい。例えば、スイング解析部211は、この指標として、後述する「トップ時のシャフト軸回転角θtop」を算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、ダウンスイングにおけるゴルフクラブ3のグリップの減速量に基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部211は、この指標として、後述する「グリップ減速率RV」を算出してもよい。なお、「グリップ減速率RV」は、「ナチュラルアンコック」もしくは「ナチュラルアンコック率」とも言われる。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、ダウンスイングにおけるゴルフクラブ3のグリップの減速期間に基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部211は、この指標として、後述する「グリップ減速時間率RT」を算出してもよい。
スイング解析部211は、スイングの指標として、ダウンスイングにおけるゴルフクラブ3のグリップの減速タイミングに基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部211は、この指標として、ゴルフクラブ3のグリップ側を減速させ、ゴルフクラブ3のヘッド3aが加速される動きのタイミングであるナチュラルアンコックのタイミング(「ナチュラルリリースタイミング」)を算出してもよい。なお、ナチュラルアンコックのタイミングとは、トップスイングで蓄積したエネルギーが解放へと切り替わり、ゴルフクラブ3へ伝わっていく状態における切り替わりのタイミングを示す指標である。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、「Vゾーン」と呼ばれるシャフトプレーンSP(第1仮想面)とホーガンプレーンHP(第2仮想面)とにより挟まれる領域(図11および図13参照)において、ハーフウェイバック(HWB)時のヘッド3aの位置に係る指標およびハーフウェイダウン(HWD)時のヘッド3aの位置に係る指標を算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、ゴルフクラブ3のヘッド3aにおける打球時のライ角およびアドレス時のライ角に基づく指標を算出してもよい。
また、スイング解析部211は、スイングの指標として、ゴルフクラブ3のヘッド3aにおける「フェース角」および「アタック角」に基づく指標を算出してもよい。
ただし、スイング解析部211は、適宜、これらの指標の一部の値を算出しなくてもよいし、その他の指標の値を算出してもよい。
画像データ生成部212は、表示部25に表示される画像に対応する画像データを生成する処理を行う。例えば、画像データ生成部212は、データ取得部210が受け取った各種の情報に基づき、選択画面、入力データ編集画面、スイング診断画面に対応する画像データを生成する。
表示処理部214は、表示部25に対して各種の画像(画像データ生成部212が生成した画像データに対応する画像の他、文字や記号等も含む)を表示させる処理を行う。例えば、表示処理部214は、画像データ生成部212が生成した画像データに基づき、表示部25に、選択画面、入力データ編集画面、スイング診断画面等を表示させる。また、例えば、画像データ生成部212は、図4のステップS5において、ユーザー2にスイングの開始の許可を通知するための画像や文字等を表示部25に表示させてもよい。また、例えば、表示処理部214は、ユーザー2のスイング動作が終了した後、自動的に、あるいは、ユーザー2の入力操作に応じて、スイング解析部211による解析結果を示す文字や記号等のテキスト情報を表示部25に表示させてもよい。あるいは、センサーユニット10に表示部を設けておいて、表示処理部214は、通信部22を介してセンサーユニット10に画像データを送信し、センサーユニット10の表示部に各種の画像や文字等を表示させてもよい。
音出力処理部215は、音出力部26に対して各種の音(音声やブザー音等も含む)を出力させる処理を行う。例えば、音出力処理部215は、図4のステップS5において、ユーザー2にスイングの開始の許可を通知するための音を音出力部26から出力させてもよい。また、例えば、音出力処理部215は、ユーザー2のスイング動作が終了した後、自動的に、あるいは、ユーザー2の入力操作に応じて、スイング解析部211による解析結果を示す音や音声を音出力部26から出力させてもよい。あるいは、センサーユニット10に音出力部を設けておいて、音出力処理部215は、通信部22を介してセンサーユニット10に各種の音データや音声データを送信し、センサーユニット10の音出力部に各種の音や音声を出力させてもよい。
なお、スイング解析装置20あるいはセンサーユニット10に振動機構を設けておいて、当該振動機構により各種の情報を振動情報に変換してユーザー2に通知してもよい。
位置情報取得部43は、例えば、位置情報出力部としてのGPS衛星8からの電波(衛星信号)に含まれる位置情報を受信して測位計算(位置情報の取得)を行い、スイング解析装置20の現在位置データを取得(算出)する。位置情報取得部43は、求められた現在位置データを処理部21に出力する。
1−3.スイング解析処理
本実施形態では、アドレス時(静止時)のゴルフクラブ3のヘッド3aの位置を原点とし、打球の目標方向を示すターゲットラインをX軸、X軸に垂直な水平面上の軸をY軸、鉛直上方向(重力加速度の方向と逆方向)をZ軸とするXYZ座標系(グローバル座標系)を定義する。そして、スイング解析部211は、各指標値を算出するために、センサーユニット10の計測データ(加速度データおよび角速度データ)を用いて、XYZ座標系(グローバル座標系)における、アドレス時からのセンサーユニット10の位置および姿勢を時系列に算出する。また、スイング解析部211は、センサーユニット10の計測データ(加速度データまたは角速度データ)を用いて、図5に示した、スイング開始、トップおよびインパクトの各タイミングを検出する。そして、スイング解析部211は、センサーユニット10の位置および姿勢の時系列データと、スイング開始、トップおよびインパクトの各タイミングとを用いて、スイングの各指標(例えば、Vゾーン、効率(スイング効率)、回転、インパクト、およびスイングのテンポ等)の値を算出し、スイング解析データ248を生成する。
1−3−1.センサーユニット10の位置および姿勢の算出
ユーザー2が図4のステップS4の動作を行うと、まず、スイング解析部211は、加速度センサー12が計測した加速度データの変化量が所定時間継続して閾値を超えない場合に、ユーザー2がアドレス姿勢で静止していると判定する。次に、スイング解析部211は、当該所定時間内の計測データ(加速度データおよび角速度データ)を用いて、計測データに含まれるオフセット量を計算する。次に、スイング解析部211は、計測データからオフセット量を減算してバイアス補正し、バイアス補正された計測データを用いて、ユーザー2のスイング動作中(図4のステップS6の動作中)のセンサーユニット10の位置および姿勢を計算する。
具体的には、まず、スイング解析部211は、加速度センサー12が計測した加速度データ、ゴルフクラブ情報242およびセンサー装着位置情報246を用いて、XYZ座標系(グローバル座標系)におけるユーザー2の静止時(アドレス時)のセンサーユニット10の位置(初期位置)を計算する。
図7は、ユーザー2の静止時(アドレス時)におけるゴルフクラブ3とセンサーユニット10をX軸の負側から視た平面図である。ゴルフクラブ3のヘッド3aの位置61が原点O(0,0,0)であり、グリップエンドの位置62の座標は(0,GY,GZ)である。ユーザー2は図4のステップS4の動作を行うので、グリップエンドの位置62やセンサーユニット10の初期位置は、そのX座標が0であり、YZ平面上に存在する。図7に示すように、ユーザー2の静止時にセンサーユニット10には重力加速度1Gがかかるので、センサーユニット10が計測するy軸加速度y(0)とゴルフクラブ3のシャフトの傾斜角(シャフトの長手方向と水平面(XY平面)とのなす角)αとの関係は式(1)で表される。
Figure 2018114002
従って、スイング解析部211は、アドレス時(静止時)の任意の時刻間内の任意の加速度データを用いて、式(1)より、傾斜角αを算出することができる。
次に、スイング解析部211は、ゴルフクラブ情報242に含まれるシャフトの長さL1からセンサー装着位置情報246に含まれるセンサーユニット10とグリップエンドの位置62との距離LSGを減算して、センサーユニット10とヘッド3aとの距離LSHを求める。さらに、スイング解析部211は、シャフトの傾斜角αにより特定される方向(センサーユニット10のy軸の負の方向)にヘッド3aの位置61(原点O)から距離LSHの位置をセンサーユニット10の初期位置とする。
そして、スイング解析部211は、その後の加速度データを積分してセンサーユニット10の初期位置から移動した位置の座標を時系列に計算する。
また、スイング解析部211は、加速度センサー12が計測した加速度データを用いて、XYZ座標系(グローバル座標系)におけるユーザー2の静止時(アドレス時)のセンサーユニット10の姿勢(初期姿勢)を計算する。ユーザー2は図4のステップS4の動作を行うので、ユーザー2のアドレス時(静止時)には、センサーユニット10のx軸はXYZ座標系のX軸と方向が一致し、かつ、センサーユニット10のy軸はYZ平面上にあるため、スイング解析部211は、ゴルフクラブ3のシャフトの傾斜角αより、センサーユニット10の初期姿勢を特定することができる。
そして、スイング解析部211は、その後の角速度センサー14が計測した角速度データを用いた回転演算を行ってセンサーユニット10の初期姿勢からの姿勢の変化を時系列に計算する。センサーユニット10の姿勢は、例えば、X軸、Y軸、Z軸回りの回転角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)、クオータニオン(四元数)などで表現することができる。
なお、センサーユニット10の信号処理部16が、計測データのオフセット量を計算し、計測データのバイアス補正を行うようにしてもよいし、加速度センサー12および角速度センサー14にバイアス補正の機能が組み込まれていてもよい。これらの場合は、スイング解析部211による計測データのバイアス補正が不要となる。
1−3−2.スイング開始、トップおよびインパクトのタイミングの検出
スイング解析部211は、まず、計測データを用いて、ユーザー2が打球したタイミング(インパクトのタイミング)を検出する。例えば、スイング解析部211は、計測データ(加速度データまたは角速度データ)の合成値を計算し、当該合成値に基づいてインパクトのタイミング(時刻)を検出してもよい。
具体的には、まず、スイング解析部211は、角速度データ(時刻t毎のバイアス補正された角速度データ)を用いて、各時刻tでの角速度の合成値n0(t)の値を計算する。例えば、時刻tでの角速度データをx(t)、y(t)、z(t)とすると、スイング解析部211は、次の式(2)により、角速度の合成値n0(t)を計算する。
Figure 2018114002
次に、スイング解析部211は、各時刻tでの角速度の合成値n0(t)を所定範囲に正規化(スケール変換)した合成値n(t)に変換する。例えば、計測データの取得期間における角速度の合成値の最大値をmax(n0)とすると、スイング解析部211は、次の式(3)により、角速度の合成値n0(t)を0〜100の範囲に正規化した合成値n(t)に変換する。
Figure 2018114002
次に、スイング解析部211は、各時刻tでの正規化後の合成値n(t)の微分dn(t)を計算する。例えば、3軸角速度データの計測周期をΔtとすると、スイング解析部211は、次の式(4)により、時刻tでの角速度の合成値の微分(差分)dn(t)を計算する。
Figure 2018114002
図8は、ユーザー2がスイングを行ってゴルフボール4を打ったときの3軸角速度データx(t)、y(t)、z(t)の一例を示す。図8において、横軸は時間(msec)、縦軸は角速度(dps)である。
図9は、図8の3軸角速度データx(t)、y(t)、z(t)から3軸角速度の合成値n0(t)を式(2)に従って計算した後に式(3)に従って0〜100に正規化した合成値n(t)をグラフ表示した図である。図9において、横軸は時間(msec)、縦軸は角速度の合成値である。
図10は、図9の3軸角速度の合成値n(t)からその微分dn(t)を式(4)に従って計算し、グラフ表示した図である。図10において、横軸は時間(msec)、縦軸は3軸角速度の合成値の微分値である。なお、図8および図9では横軸を0〜5秒で表示しているが、図10では、インパクトの前後の微分値の変化がわかるように、横軸を2秒〜2.8秒で表示している。
次に、スイング解析部211は、合成値の微分dn(t)の値が最大となる時刻と最小となる時刻のうち、先の時刻をインパクトの時刻timpact(インパクトのタイミング)として検出する。通常のゴルフスイングでは、インパクトの瞬間にスイング速度が最大になると考えられる。そして、スイング速度に応じて角速度の合成値の値も変化すると考えられるので、スイング解析部211は、一連のスイング動作の中で角速度の合成値の微分値が最大または最小となるタイミング(すなわち、角速度の合成値の微分値が正の最大値または負の最小値になるタイミング)をインパクトのタイミングとして捉えることができる。なお、インパクトによりゴルフクラブ3が振動するため、角速度の合成値の微分値が最大となるタイミングと最小となるタイミングとが対になって生じると考えられるが、そのうちの先のタイミングがインパクトの瞬間と考えられる。
次に、スイング解析部211は、インパクトの時刻timpactよりも前で合成値n(t)が0に近づく極小点の時刻をトップの時刻ttop(トップのタイミング)として検出する(図9参照)。通常のゴルフスイングでは、スイング開始後、トップで一旦動作が止まり、その後、徐々にスイング速度が大きくなってインパクトに至ると考えられる。従って、スイング解析部211は、インパクトのタイミングより前で角速度の合成値が0に近づき極小となるタイミングをトップのタイミングとして捉えることができる。
次に、スイング解析部211は、トップの時刻ttopの前後で合成値n(t)が所定の閾値以下の区間をトップ区間とし、トップ区間の開始時刻より前で合成値n(t)が所定の閾値以下となる最後の時刻をスイング開始(バックスイング開始)の時刻tstartとして検出する(図9参照)。通常のゴルフスイングでは、静止した状態からスイング動作を開始し、トップまでにスイング動作が止まることは考え難い。従って、スイング解析部211は、トップ区間より前で角速度の合成値が所定の閾値以下となる最後のタイミングをスイング動作の開始のタイミングとして捉えることができる。なお、スイング解析部211は、トップの時刻ttopよりも前で、合成値n(t)が0(零)に近づく極小点の時刻をスイング開始の時刻tstartとして検出してもよい。
なお、スイング解析部211は、3軸加速度データを用いても、同様に、スイング開始、トップ、インパクトの各タイミングを検出することができる。
1−3−3.シャフトプレーンおよびホーガンプレーンの算出
シャフトプレーンは、ユーザー2のスイング開始前のアドレス時(静止状態)において、ターゲットライン(打球の目標方向)とゴルフクラブ3のシャフトの長手方向とで特定される第1仮想面である。また、ホーガンプレーンは、ユーザー2のアドレス時において、ユーザー2の肩付近(肩や首の付け根など)とゴルフクラブのヘッド3a(あるいは、ゴルフボール4)とを結ぶ仮想線とターゲットライン(打球の目標方向)とで特定される第2仮想面である。
図11は、シャフトプレーンおよびホーガンプレーンを示す図である。図11には、XYZ座標系(グローバル座標系)のX軸、Y軸、Z軸も表記されている。
図11に示すように、本実施形態では、打球の目標方向に沿った第1軸としての第1線分51と、ゴルフクラブ3のシャフトの長手方向に沿った第2軸としての第2線分52と、を含み、U1,U2,S1,S2を4つの頂点とする仮想平面をシャフトプレーンSP(第1仮想面)とする。本実施形態では、アドレス時のゴルフクラブ3のヘッド3aの位置61をXYZ座標系の原点O(0,0,0)とし、第2線分52は、ゴルフクラブ3のヘッド3aの位置61(原点O)とグリップエンドの位置62とを結ぶ線分である。また、第1線分51は、X軸上のU1,U2を両端として原点Oを中点とする線分である。ユーザー2がアドレス時に図4のステップS4の動作を行うことでゴルフクラブ3のシャフトがターゲットライン(X軸)に対して垂直となるので、第1線分51は、ゴルフクラブ3のシャフトの長手方向と直交する線分、すなわち第2線分52と直交する線分である。スイング解析部211は、シャフトプレーンSPとして、XYZ座標系における4つの頂点U1,U2,S1,S2の各座標を算出する。
具体的には、まず、スイング解析部211は、傾斜角αとゴルフクラブ情報242に含まれるシャフトの長さL1とを用いて、ゴルフクラブ3のグリップエンドの位置62の座標(0,GY,GZ)を計算する。図7に示すように、スイング解析部211は、シャフトの長さL1と傾斜角αを用いて、式(5)および式(6)により、GY,GZをそれぞれ計算することができる。
Figure 2018114002
次に、スイング解析部211は、ゴルフクラブ3のグリップエンドの位置62の座標(0,GY,GZ)にスケールファクターSを乗算し、シャフトプレーンSPの頂点S1と頂点S2との中点S3の座標(0,SY,SZ)を計算する。すなわち、スイング解析部211は、式(7)および式(8)により、SYおよびSZをそれぞれ計算する。
Figure 2018114002
図12は、図11のシャフトプレーンSPをYZ平面で切った断面図をX軸の負側から視た図である。図12に示すように、頂点S1と頂点S2との中点S3と原点Oとを結ぶ線分の長さ(シャフトプレーンSPのX軸と直交する方向の幅)は、第2線分52の長さL1のS倍となる。このスケールファクターSは、ユーザー2のスイング動作中のゴルフクラブ3の軌跡がシャフトプレーンSPに収まるような値に設定される。例えば、ユーザー2の腕の長さをL2(図13参照)とすると、シャフトプレーンSPのX軸と直交する方向の幅S×L1が、シャフトの長さL1と腕の長さL2との和の2倍となるように、スケールファクターSを式(9)のように設定してもよい。
Figure 2018114002
また、ユーザー2の腕の長さL2は、ユーザー2の身長L0と相関があり、統計情報に基づき、例えば、ユーザー2が男性の場合は式(10)のような相関式で表され、ユーザー2が女性の場合は式(11)のような相関式で表される。
Figure 2018114002
従って、スイング解析部211は、身体情報244に含まれるユーザー2の身長L0と性別とを用いて、式(10)または式(11)により、ユーザー2の腕の長さL2を算出することができる。
次に、スイング解析部211は、中点S3の座標(0,SY,SZ)およびシャフトプレーンSPのX軸方向の幅(第1線分51の長さ)ULを用いて、シャフトプレーンSPの頂点U1の座標(−UL/2,0,0)、頂点U2の座標(UL/2,0,0)、頂点S1の座標(−UL/2,SY,SZ)、S2の座標(UL/2,SY,SZ)を計算する。X軸方向の幅ULは、ユーザー2のスイング動作中のゴルフクラブ3の軌跡がシャフトプレーンSPに収まるような値に設定される。例えば、X軸方向の幅ULを、X軸と直交する方向の幅S×L1と同じ、すなわち、シャフトの長さL1と腕の長さL2との和の2倍に設定してもよい。
このようにして、スイング解析部211は、シャフトプレーンSPの4つの頂点U1,U2,S1,S2の座標を算出することができる。
また、図11に示すように、本実施形態では、第1軸としての第1線分51と、第3軸としての第3線分53と、を含み、U1,U2,H1,H2を4つの頂点とする仮想平面をホーガンプレーンHP(第2仮想面)とする。第3線分53は、ユーザー2の両肩を結ぶ線分付近にある所定位置63とゴルフクラブ3のヘッド3aの位置61とを結ぶ線分である。ただし、第3線分53は、所定位置63とゴルフボール4の位置とを結ぶ線分であってもよい。スイング解析部211は、ホーガンプレーンHPとして、XYZ座標系における4つの頂点U1,U2,H1,H2の各座標を算出する。
具体的には、まず、スイング解析部211は、アドレス時(静止時)におけるゴルフクラブ3のグリップエンドの位置62の座標(0,GY,GZ)と、身体情報244に基づくユーザー2の腕の長さL2とを用いて、所定位置63を推定し、その座標(AX,AY,AZ)を計算する。
図13は、図11のホーガンプレーンHPをYZ平面で切った断面図をX軸の負側から視た図である。図13では、ユーザー2の両肩を結ぶ線分の中点を所定位置63としており、所定位置63はYZ平面上に存在する。従って、所定位置63のX座標AXは0である。そして、図13に示すように、スイング解析部211は、ゴルフクラブ3のグリップエンドの位置62をZ軸の正方向にユーザー2の腕の長さL2だけ移動させた位置が所定位置63であると推定する。従って、スイング解析部211は、所定位置63のY座標AYをグリップエンドの位置62のY座標GYと同じ値とする。また、スイング解析部211は、所定位置63のZ座標AZを、式(12)のように、グリップエンドの位置62のZ座標GZとユーザー2の腕の長さL2との和として計算する。
Figure 2018114002
次に、スイング解析部211は、所定位置63のY座標AYおよびZ座標AZにそれぞれスケールファクターHを乗算し、ホーガンプレーンHPの頂点H1と頂点H2との中点H3の座標(0,HY,HZ)を計算する。すなわち、スイング解析部211は、式(13)および式(14)により、HYおよびHZをそれぞれ計算する。
Figure 2018114002
図13に示すように、頂点H1と頂点H2との中点H3と原点Oとを結ぶ線分の長さ(ホーガンプレーンHPのX軸と直交する方向の幅)は、第3線分53の長さL3のH倍となる。このスケールファクターHは、ユーザー2のスイング動作中のゴルフクラブ3の軌跡がホーガンプレーンHPに収まるような値に設定される。例えば、ホーガンプレーンHPは、シャフトプレーンSPと同じ形および大きさとしてもよい。この場合、ホーガンプレーンHPのX軸と直交する方向の幅H×L3が、シャフトプレーンSPのX軸と直交する方向の幅S×L1と一致し、ゴルフクラブ3のシャフトの長さL1とユーザー2の腕の長さL2との和の2倍となる。従って、スイング解析部211は、スケールファクターHを式(15)により、計算することができる。
Figure 2018114002
また、スイング解析部211は、所定位置63のY座標AYおよびZ座標AZを用いて、式(13)により、第3線分53の長さL3を計算することができる。
次に、スイング解析部211は、中点H3の座標(0,HY,HZ)およびホーガンプレーンHPのX軸方向の幅(第1線分51の長さ)ULを用いて、ホーガンプレーンHPの頂点H1の座標(−UL/2,HY,HZ)、H2の座標(UL/2,HY,HZ)を計算する。なお、ホーガンプレーンHPの2つの頂点U1,U2はシャフトプレーンSPと共通するため、スイング解析部211は、ホーガンプレーンHPの頂点U1,U2の座標をあらためて計算する必要はない。
このようにして、スイング解析部211は、ホーガンプレーンHPの4つの頂点U1,U2,H1,H2の座標を算出することができる。
シャフトプレーンSP(第1仮想面)とホーガンプレーンHP(第2仮想面)とにより挟まれる領域は「Vゾーン」と呼ばれ、バックスイング中やダウンスイング中のゴルフクラブ3のヘッド3aの位置とVゾーンとの関係により、打球の軌道(球筋)をある程度推測することができる。例えば、バックスイングあるいはダウンスイング中の所定のタイミングでゴルフクラブ3のヘッド3aがVゾーンよりも低い空間に存在する場合はフック系の打球となりやすい。また、バックスイングあるいはダウンスイング中の所定のタイミングでゴルフクラブ3のヘッド3aがVゾーンよりも高い空間に存在する場合はスライス系の打球となりやすい。本実施形態では、図13から明らかなように、シャフトプレーンSPとホーガンプレーンHPとのなす角度βは、ゴルフクラブ3のシャフトの長さL1とユーザー2の腕の長さL2に応じて決定される。すなわち、角度βは、固定値ではなく、ゴルフクラブ3の種類やユーザー2の身体に応じて決まるので、ユーザー2のスイングを診断する指標としてより適切なシャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)が算出される。
1−3−4.ハーフウェイバック時およびハーフウェイダウン時のヘッド3a位置の算出
ハーフウェイバック時のヘッド3a位置は、ハーフウェイバックの瞬間、ハーフウェイバックの直前またはハーフウェイバックの直後のヘッド3aの位置であり、ハーフウェイダウン時のヘッド3a位置は、ハーフウェイダウンの瞬間、ハーフウェイダウンの直前またはハーフウェイダウンの直後のヘッド3aの位置である。
まず、スイング解析部211は、スイング開始の時刻tstartからインパクトの時刻timpactまでの各時刻tにおけるセンサーユニット10の位置および姿勢を用いて、各時刻tにおけるヘッド3aの位置およびグリップエンドの位置62を計算する。
具体的には、スイング解析部211は、各時刻tにおいて、センサーユニット10の位置から、センサーユニット10の姿勢により特定されるy軸の正の方向に距離LSHだけ離れた位置をヘッド3aの位置とし、ヘッド3aの位置の座標を計算する。前述の通り、距離LSHは、センサーユニット10とヘッド3aとの距離である。また、スイング解析部211は、各時刻tにおいて、センサーユニット10の位置から、センサーユニット10の姿勢により特定されるy軸の負の方向に距離LSGだけ離れた位置をグリップエンドの位置62とし、グリップエンドの位置62の座標を計算する。前述の通り、距離LSGは、センサーユニット10とグリップエンドの位置62との距離である。
次に、スイング解析部211は、ヘッド3aの位置の座標とグリップエンドの位置62の座標とを用いて、ハーフウェイバックのタイミングとハーフウェイダウンのタイミングを検出する。
具体的には、スイング解析部211は、スイング開始の時刻tstartからインパクトの時刻timpactまでの各時刻tにおけるヘッド3aの位置のZ座標とグリップエンドの位置62のZ座標との差分ΔZを計算する。そして、スイング解析部211は、スイング開始の時刻tstartからトップの時刻ttopまでの間でΔZの符号が反転する時刻tHWBをハーフウェイバックのタイミングとして検出する。また、スイング解析部211は、トップの時刻ttopからインパクトの時刻timpactまでの間でΔZの符号が反転する時刻tHWDをハーフウェイダウンのタイミングとして検出する。
そして、スイング解析部211は、時刻tHWBにおけるヘッド3aの位置をハーフウェイバック時のヘッド3aの位置とし、時刻tHWDにおけるヘッド3aの位置をハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置とする。
1−3−5.ヘッドスピードの算出
ヘッドスピードは、インパクトのとき(インパクトの瞬間、インパクトの直前またはインパクトの直後)のヘッド3aの速度の大きさである。例えば、スイング解析部211は、インパクトの時刻timpactにおけるヘッド3aの位置の座標とその一つ前の時刻におけるヘッド3aの位置の座標との差分により、インパクトの時刻timpactにおけるヘッド3aの速度を計算する。そして、スイング解析部211は、ヘッドスピードとして当該ヘッド3aの速度の大きさを計算する。
1−3−6.フェース角およびクラブパス(入射角)の算出
フェース角は、インパクトにおけるゴルフクラブ3のヘッド3aの傾きに基づく指標であり、クラブパス(入射角)は、インパクトにおけるゴルフクラブ3のヘッド3aの軌道に基づく指標である。
図14は、フェース角とクラブパス(入射角)を説明するための図である。図14には、XYZ座標系でZ軸の正側から視たXY平面上でのゴルフクラブ3(ヘッド3aのみ図示)が示されている。図14において、74はゴルフクラブ3のフェース面(打撃面)であり、75は打球点である。70は打球の目標方向を示すターゲットラインであり、71はターゲットライン70に直交する平面である。また、76はゴルフクラブ3のヘッド3aの軌跡を表す曲線であり、72は曲線76に対する打球点75での接線である。ここで、フェース角φは平面71とフェース面74とのなす角であり、換言すれば、フェース面74と直交する直線73とターゲットライン70とのなす角である。また、クラブパス(入射角)ψは接線72(XY平面におけるヘッド3aが打球点75を通過する方向)とターゲットライン70とのなす角である。
例えば、スイング解析部211は、ヘッド3aのフェース面74とX軸方向とのなす角度が常に一定である(例えば、直交する)ものとして、インパクトの時刻timpactにおけるセンサーユニット10の姿勢から、フェース面74に直交する直線の向きを計算する。そして、スイング解析部211は、当該直線の向きのZ軸成分を0としたものを直線73の向きとし、直線73とターゲットライン70とのなす角(フェース角)φを計算する。
また、例えば、スイング解析部211は、インパクトの時刻timpactにおけるヘッド3aの速度のZ軸成分を0とした速度(すなわち、XY平面におけるヘッド3aの速度)の向きを接線72の向きとし、接線72とターゲットライン70とのなす角(クラブパス(入射角))ψを計算する。
なお、フェース角φは、ヘッド3aの打球点75への入射方向と関係なく向きが固定されているターゲットライン70を基準とするフェース面74の傾きを表すため、絶対フェース角とも呼ばれる。これに対して、直線73と接線72とのなす角ηは、ヘッド3aの打球点75への入射方向を基準とするフェース面74の傾きを表すため、相対フェース角と呼ばれる。相対フェース角ηは、(絶対)フェース角φからクラブパス(入射角)ψを減算した角度である。
1−3−7.トップ時のシャフト軸回転角の算出
トップ時のシャフト軸回転角θtopは、基準となるタイミングからトップのタイミングまでにゴルフクラブ3がシャフト軸回りに回転した角度(相対回転角)である。基準となるタイミングは、例えば、バックスイング開始時またはアドレス時である。本実施形態では、ユーザー2が右打ちの場合は、ゴルフクラブ3のヘッド3a側に先端を向けた右ねじの締め方向(グリップエンド側からヘッド3a側を視たときに時計回りの方向)をシャフト軸回転角θtopの正方向とする。逆に、ユーザー2が左打ちの場合は、ゴルフクラブ3のヘッド3a側に先端を向けた左ねじの締め方向(グリップエンド側からヘッド3a側を視たときに反時計回りの方向)をシャフト軸回転角θtopの正方向とする。
図15は、スイング開始(バックスイング開始)からインパクトまでのシャフト軸回転角の時間変化の一例を示す図である。図15において、横軸は時間(s)、縦軸はシャフト軸回転角(deg)である。図15には、スイング開始時(バックスイング開始時)を基準のタイミング(シャフト軸回転角が0°)としたトップ時のシャフト軸回転角θtopが示されている。
本実施形態では、図3に示したように、センサーユニット10のy軸がゴルフクラブ3のシャフトの長手方向(ゴルフクラブ3の長手方向)にほぼ一致している。従って、例えば、スイング解析部211は、スイング開始の時刻tstart(バックスイング開始時)またはアドレス時からトップの時刻ttop(トップ時)まで、角速度データに含まれるy軸角速度を時間積分することで、シャフト軸回転角θtopを計算する。
1−3−8.グリップ減速率およびグリップ減速時間率の算出
グリップ減速率は、グリップの減速量に基づく指標であり、ダウンスイング中にグリップが減速し始めるときのグリップの速度と、インパクトのときのグリップの速度との比である。また、グリップ減速時間率は、グリップの減速期間に基づく指標であり、ダウンスイング中にグリップが減速し始めてからインパクトまでの時間と、ダウンスイングの時間との比である。グリップの速度は、ユーザー2が把持している部分の速度であることが望ましいが、グリップの任意の部分(例えば、グリップエンド)の速度であってもよいし、グリップ付近の部分の速度であってもよい。
図16は、ダウンスイングにおけるグリップの速度の時間変化の一例を示す図である。図16において、横軸は時間(s)、縦軸はグリップの速度(m/s)である。図16において、グリップが減速を開始するときのグリップの速度(グリップの最大速度)をV1、インパクトのときのグリップの速度をV2とすると、グリップ減速率RV(単位:%)は、次の式(16)で表される。
Figure 2018114002
また、図16において、トップからグリップが減速を開始するまでの時間をT1、グリップが減速を開始してからインパクトまでの時間をT2とすると、グリップ減速時間率RT(単位:%)は、次の式(17)で表される。
Figure 2018114002
例えば、ユーザー2がゴルフクラブ3を把持する部分の近くにセンサーユニット10が取り付けられるものとして、センサーユニット10の速度をグリップの速度とみなしてもよい。従って、まず、スイング解析部211は、トップの時刻ttopからインパクトの時刻timpactまで(ダウンスイング中)の各時刻tにおけるセンサーユニット10の位置の座標とその一つ前の時刻におけるセンサーユニット10の位置の座標との差分により、各時刻tにおけるセンサーユニット10の速度を計算する。
次に、スイング解析部211は、各時刻tにおけるセンサーユニット10の速度の大きさを計算し、その最大値をV1、インパクトの時刻timpactにおける速度の大きさをV2とする。また、スイング解析部211は、センサーユニット10の速度の大きさが最大値V1となる時刻tvmaxを特定する。さらに、スイング解析部211は、T1=tvmax−ttop、T2=timpact−tvmaxを計算する。そして、スイング解析部211は、式(16)、式(17)により、それぞれグリップ減速率RV、グリップ減速時間率RTを計算する。
なお、スイング解析部211は、グリップエンドの速度をグリップの速度とみなし、ダウンスイング中)の各時刻tにおけるグリップエンドの位置の座標に基づき、グリップエンドの速度を計算し、上記と同様の計算により、グリップ減速率RVおよびグリップ減速時間率RTを求めてもよい。
1−3−9.アタック角の算出と、アタック角およびフェース角の符号の定義
図17は、アタック角(第1角度)δの定義について説明するための図である。本実施形態では、打撃目標方向を示すターゲットラインをX軸、X軸に垂直な水平面上の軸をY軸、鉛直上方向(重力加速度の方向と逆方向)をZ軸とするXYZ座標系を定義し、図17にはX軸、Y軸、Z軸が表記されている。ターゲットラインとは、例えば、ボールをまっすぐ飛ばす目標方向を指す。図17において、点Rはゴルフクラブ3のヘッド3aがゴルフボール4に当たった打球点であり、曲線L1はXZ平面におけるゴルフクラブ3のヘッド3aのスイング時の軌道の一部であり、直線L2はXZ平面における打球点Rでの曲線L1の接線である。図17に示すように、アタック角は、XY平面(水平面)SXYに対する直線L2の角度δとして定義される。また、図17において、XY平面(水平面)SXYに平行なX軸に沿った紙面に向って右向き方向は、打撃目標方向である。よって、アタック角δは、ゴルフクラブ(運動器具)3のヘッド(打撃部)3aのスイングの軌跡(曲線L1)に接する接線(直線L2)の方向と、X軸に沿った打撃目標方向と、のなす角度ということができる。
なお、打撃目標方向には、ゴルフクラブ3のヘッド3aのフェース面に直交する方向、ユーザー2があらかじめ設定した打撃方向、カップまでの直線距離を結んだ方向、等も含まれる。
本実施形態では、アタック角(第1角度)δの符号を、Y軸を回転軸として、Z軸の+Z(鉛直上向き)がX軸の+X方向(紙面に向って右方向)へ回転する方向(同図にて時計回りの方向)を第1符号、当該第1符号とは反対の符号を第2符号とする。図17のように、第1符号を例えば負(−)とし、第2符号を正(+)とする。図17に示すアタック角(第1角度)δの符号は第1符号(負)となる。つまり、ヘッド3aが打球点Rに対して紙面に向って斜め右下方向に入射するダウンブローの時はアタック角δ<0°である。ヘッド3aが打球点Rに対してX軸に沿って水平に入射するレベルブローの時はアタック角δ=0°である。ヘッド3aが打球点Rに対して紙面に向って斜め右上方向に入射するアッパーブローの時はアタック角δ>0°である。
一方、図14に示したフェース角(第2角度)φの符号を、Z軸を回転軸として、Y軸の+YがX軸の+X方向へ回転する方向(図14にて紙面に向って時計回りの方向)を第3符号、当該第3符号とは反対の符号を第4符号とする。図14では、第3符号を例えば負(−)とし、第4符号を正(+)とする。図14に示すフェース角(第2角度)φの符号は第3符号(負)となる。つまり、インサイドアウトでヘッド3aがクローズの状態でインパクトに至る時はフェース角φ<0°である。ヘッド3aのフェース面74がターゲットラインに対して垂直に入射するスクウェアな時はフェース角φ=0°である。アウトサイドインでヘッド3aがオープンの状態でインパクトに至る時はフェース角φ>0°である。
図6に示すスイング解析部211は、アタック角(第1角度)δを算出する第1角度算出部と、フェース角(第2角度)φを算出する第2角度算出部と、を含むことができる。これら第1、第2角度算出部は、図6に示すデータ取得部210からの出力、つまりセンサーユニット10の出力を用いて、図17および図14に示す関係から第1、第2角度δ,φを算出する。
1−3−10.スイング解析処理(スイング解析方法)の手順
図18は、処理部21によるスイング解析処理(スイング解析方法)の手順の一例を示すフローチャート図である。処理部21は、記憶部24に記憶されているスイング解析プログラム240を実行することにより、例えば、図18のフローチャートの手順でスイング解析処理を実行する。以下、図18のフローチャートについて説明する。
まず、処理部21は、ユーザー2による計測開始操作(図4のステップS2の操作)が行われるまで待機し(S10のN)、計測開始操作が行われると(S10のY)、センサーユニット10に計測開始コマンドを送信し、センサーユニット10から計測データの取得を開始する(S12)。
次に、処理部21は、ユーザー2にアドレス姿勢をとるように指示する(S14)。ユーザー2は、この指示に従い、アドレス姿勢をとって所定時間以上静止する(図4のステップS4)。
次に、処理部21は、センサーユニット10から取得した計測データを用いてユーザー2の静止状態を検出すると(S16のY)、ユーザー2にスイング開始の許可を通知する(S18)。処理部21は、例えば、所定の音を出力し、あるいは、センサーユニット10にLEDを設けておいて当該LEDを点灯させる等して、ユーザー2にスイング開始の許可を通知し、ユーザー2は、この通知を確認した後にスイング動作(図4のステップS6の動作)を開始する。
次に、処理部21は、ユーザー2のスイング動作の終了後に、あるいは、スイング動作の終了前から、工程S20以降の処理を行う。
まず、処理部21は、センサーユニット10から取得した計測データ(ユーザー2の静止時(アドレス時)における計測データ)を用いて、センサーユニット10の初期位置と初期姿勢を計算する(S20)。
次に、処理部21は、センサーユニット10から取得した計測データを用いて、アドレス開始、スイング開始、トップおよびインパクトのタイミングを検出する(S22)。併せて、処理部21は、検出した、アドレス開始、スイング開始、トップおよびインパクトのタイミングに基づいて、スイングのテンポを算出する。
また、処理部21は、工程S22の処理と並行して、あるいは前後して、ユーザー2のスイング動作中のセンサーユニット10の位置と姿勢を計算する(S24)。
次に、処理部21は、工程S26〜S34において、センサーユニット10から取得した計測データ、工程S22で検出したスイング開始、トップ、インパクトの各タイミングおよび工程S24で計算したセンサーユニット10の位置、姿勢の少なくとも一部を用いて、上述したスイングに関する各種の指標の値を計算する。
処理部21は、工程S26では、シャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHPを計算する。
また、処理部21は、工程S28では、ハーフウェイバック時のヘッド3a位置およびハーフウェイダウン時のヘッド3a位置を計算する。
また、処理部21は、工程S30では、ヘッドスピード、フェース角φ、アタック角δおよびクラブパス(入射角)ψを計算する。
また、処理部21は、工程S32では、トップ時のシャフト軸回転角θtopを計算する。
また、処理部21は、工程S34では、グリップ減速率RVおよびグリップ減速時間率RTを計算する。
そして、処理部21は、工程S26〜S34において算出した各種の指標を用いて、スイング解析データ248を生成してスイング診断装置30に送信し(S36)、スイング解析処理を終了する。
なお、図18のフローチャートにおいて、可能な範囲で各工程の順番を適宜変えてもよいし、一部の工程を削除あるいは変更してもよいし、他の工程を追加してもよい。
1−4.スイング診断装置の構成
本実施形態では、演算部としてのスイング診断装置30を用いてスイング診断を行う構成を例示して説明する。なお、このスイング診断は、上述したスイング解析装置20にスイング診断装置30と同様な機能を備えた演算部を設け、スイング診断をスイング解析装置20によって行うことができる。
図19は、スイング診断装置30の構成例を示す図である。図19に示すように、本実施形態では、演算部としてのスイング診断装置30は、処理部31、通信部32および記憶部34を含んで構成されている。ただし、スイング診断装置30は、適宜、これらの構成要素の一部が削除または変更され、あるいは、他の構成要素が付加された構成であってもよい。
記憶部34は、例えば、ROMやフラッシュROM、RAM等の各種ICメモリーやハードディスクやメモリーカードなどの記録媒体等により構成される。記憶部34は、処理部31が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムや、アプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。
本実施形態では、記憶部34には、処理部31によって読み出され、スイング診断処理を実行するためのスイング診断プログラム340が記憶されている。スイング診断プログラム340は、あらかじめ不揮発性の記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記憶されていてもよいし、処理部31がネットワーク40を介して不図示のサーバーからスイング診断プログラム340を受信して記憶部34に記憶させてもよい。
また、本実施形態では、記憶部34には、スイング解析装置20が生成した複数のスイング解析データ248を含むスイング解析データリスト341が記憶(保存)されている。すなわち、スイング解析装置20の処理部21がユーザー2のスイング動作を解析する毎に生成したスイング解析データ248は、順次、スイング解析データリスト341に追加される。
さらに、本実施形態では、記憶部34には、Vゾーン点数表342、回転点数表343、インパクト点数表344、スピード点数表345、テンポ点数表346およびスイング効率点数表347が記憶されている。
また、記憶部34は、処理部31の作業領域として用いられ、処理部31が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。さらに、記憶部34は、処理部31の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記憶してもよい。
通信部32は、ネットワーク40を介してスイング解析装置20の通信部27(図6参照)との間でデータ通信を行うものである。例えば、通信部32は、スイング解析装置20の通信部27からスイング解析データ248を受け取って、処理部31に送る処理を行う。また、例えば、通信部32は、選択画面の表示に必要な情報をスイング解析装置20の通信部27に送信する処理や、選択画面において選択された情報をスイング解析装置20の通信部27から受信して処理部31に送る処理を行う。また、例えば、通信部32は、入力データ編集画面の表示に必要な情報を処理部31から受け取ってスイング解析装置20の通信部27に送信する処理を行う。また、例えば、通信部32は、スイング解析装置20の通信部27から、入力データ編集画面における診断開始ボタンが押下されたときの入力データを受け取って処理部31に送り、処理部31から、当該入力データに基づく診断結果の情報(ユーザー2のスイングの特徴を示す複数の項目の点数や総合点)を受け取り、スイング解析装置20の通信部27に送信する処理を行う。また、例えば、通信部32は、スイング診断画面の表示に必要な情報を処理部31から受け取って、スイング解析装置20の通信部27に送信する処理を行う。
処理部31は、各種プログラムに従い、通信部32を介してスイング解析装置20からスイング解析データ248を受信して、記憶部34に記憶させる(スイング解析データリスト341に追加する)処理を行う。また、処理部31は、各種プログラムに従い、通信部32を介して、スイング解析装置20から各種の情報を受信し、各種の画面の表示に必要な情報をスイング解析装置20に送信する処理等を行う。また、処理部31は、その他の各種の制御処理を行う。
特に、本実施形態では、処理部31は、スイング診断プログラム340を実行することにより、データ取得部310、点数算出部311および記憶処理部312として機能し、スイング解析データリスト341から選択されたスイング解析データ248に対する診断処理(スイング診断処理)を行う。
データ取得部310は、通信部32がスイング解析装置20から受信したスイング解析データ248を受け取って記憶処理部312に送る処理を行う。また、データ取得部310は、通信部32がスイング解析装置20から受信した各種の情報を受け取って点数算出部311に送る処理を行う。
記憶処理部312は、記憶部34に対する各種プログラムや各種データのリード/ライト処理を行う。例えば、記憶処理部312は、データ取得部310からスイング解析データ248を受け取り、記憶部34に記憶させる(スイング解析データリスト341に追加する)処理や、記憶部34に記憶されているスイング解析データリスト341からスイング解析データ248を読み出す処理等を行う。また、例えば、記憶処理部312は、記憶部34に記憶されているVゾーン点数表342、回転点数表343、インパクト点数表344、スピード点数表345、テンポ点数表346およびスイング効率点数表347を読み出す処理を行う。
点数算出部311(レベル算出部)は、スイングに関するデータに基づいて、複数の項目の点数(レベル)を算出する処理を行う。本実施形態では、スイングに関するデータは、入力データ編集画面で診断開始ボタンが押下された時の入力データであってもよいし、選択画面で選択されたスイング解析データ248であってもよいし、両者を含んでいてもよい。
例えば、入力データ編集画面において、性別、ゴルフクラブの種類およびスイングの各指標が初期値のまま編集されずに診断開始ボタンが押下された場合、点数算出部311は、スイング解析データリスト341から選択されたスイング解析データ248に基づいて、点数を算出する処理を行う。一方、入力データ編集画面において、性別、ゴルフクラブの種類およびスイングの各指標の少なくとも一つが編集されてから診断開始ボタンが押下された場合、点数算出部311は、選択されたスイング解析データ248の少なくとも一部が編集されたデータ(擬似データ)に基づいて、点数を算出する処理を行う。
また、点数算出部311は、複数の項目の点数に基づき、総合点を算出する処理を行う。そして、処理部31は、点数算出部311によって算出された複数の項目の点数や総合点の情報を、通信部32を介してスイング解析装置20に送信する。すなわち、処理部31は、複数の項目の点数(レベル)や総合点の情報を出力する出力部としても機能する。
1−5.スイング診断処理
本実施形態では、スイング診断装置30の処理部31は、スイング診断処理として、スイングの特徴を示す複数の項目の点数および総合点を算出する処理を行う。
1−5−1.「Vゾーン」項目の点数の算出
点数算出部311は、ハーフウェイバック時とハーフウェイダウン時のヘッド3a位置が、それぞれ、シャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)に基づいて決定される複数の領域のうちのどの領域に属するかによって、「Vゾーン」項目の点数を算出する。次に、点数算出部311は、予め設定されたVゾーン点数表342を参照し、判定結果に対応する点数(1〜5点)を算出する。
図20Aおよび図20Bは、シャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)と複数の領域との関係の一例を示す図である。図20Aは、X軸の負側から視た(YZ平面に投影した)場合の、シャフトプレーンSP、ホーガンプレーンHPおよび5つの領域A〜Eの関係を示している。図20Bは、シャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHPとユーザー2の姿勢との概略の一例を示す図である。領域Bは、ホーガンプレーンHPを含む所定の空間であり、領域Dは、シャフトプレーンSPを含む所定の空間である。領域Cは、領域Bと領域Dとに挟まれている空間(領域Bとの境界面SBCと領域Dとの境界面SCDとの間の空間)である。領域Aは、領域C側の境界面SABで領域Bと接する空間である。領域Eは、領域C側の境界面SDEで領域Dと接する空間である。
点数算出部311は、シャフトプレーンSPと、ホーガンプレーンHPと、ハーフウェイバック時のヘッド3a位置と、ハーフウェイダウン時のヘッド3a位置との関係に基づいて予測される打球が曲がりやすいほど低い点数を算出してもよい。「曲がりやすい」とは、打球後の軌道が曲がりやすい(スライスやフックとなりやすい)ことでもよいし、打球の方向が目標方向(ターゲットライン)から逸れやすいことでもよい。あるいは、点数算出部311は、打球がまっすぐ飛びやすいほど高い点数を算出してもよい。「まっすぐ飛びやすい」とは、打球後の軌道が曲がりにくい(ストレートとなりやすい)ことでもよいし、打球の方向が目標方向(ターゲットライン)から逸れにくいことでもよい。
例えば、ハーフウェイバック時のヘッド3a位置が領域Eに属し、かつ、ハーフウェイダウン時のヘッド3a位置が領域Aに属する場合は、打球が曲がりやすいと予想されるため、点数算出部311は、相対的に低い点数を算出する。
1−5−2.「回転」項目の点数の算出
点数算出部311は、トップ時のシャフト軸回転角θtopとフェース角φがそれぞれ複数の領域のうちのどの領域に属するかによって、「回転」項目の点数を算出する。具体的には、まず、点数算出部311は、スイングに関するデータ(診断対象の入力データ)に含まれるトップ時のシャフト軸回転角θtopとフェース角φがそれぞれどの領域に属するかを判定する。次に、点数算出部311は、予め設定された回転点数表343を参照し、判定結果に対応する点数(1〜5点)を算出する。
1−5−3.「インパクト」項目の点数の算出
点数算出部311は、クラブパス(入射角)ψと相対フェース角ηがそれぞれ複数の領域のうちのどの領域に属するかによって、「インパクト」項目の点数を算出する。具体的には、まず、点数算出部311は、スイングに関するデータ(診断対象の入力データ)に含まれるクラブパス(入射角)ψがどの領域に属するかを判定する。また、点数算出部311は、スイングに関するデータ(診断対象の入力データ)に含まれるフェース角φからクラブパス(入射角)ψを減算して相対フェース角ηを算出し(図14参照)、相対フェース角ηがどの領域に属するかを判定する。次に、点数算出部311は、予め設定されたインパクト点数表344を参照し、判定結果に対応する点数(1〜5点)を算出する。
1−5−4.「スピード」項目の点数の算出
点数算出部311は、ゴルフクラブ3の動作スピードが、複数の領域のうちのどの領域に属するかによって、「スピード」項目の点数を算出する。具体的には、まず、点数算出部311は、インパクト時における動作スピードが、複数の領域のうちのどの領域に属するかによって、「スピード」項目の点数を算出する。次に、点数算出部311は、予め設定されたスピード点数表345を参照し、判定結果に対応する点数(1〜5点)を算出する。
1−5−5.「テンポ」項目の点数の算出
点数算出部311は、アドレス開始、スイング開始、トップ、およびインパクトのタイミングに基づいて算出されたスイングのテンポが、複数の領域のうちのどの領域に属するかによって、「テンポ」項目の点数を算出する。具体的には、まず、点数算出部311は、算出されたスイングのテンポが、複数の領域のうちのどの領域に属するかによって、「テンポ」項目の点数を算出する。次に、点数算出部311は、予め設定されたテンポ点数表346を参照し、判定結果に対応する点数(1〜5点)を算出する。
1−5−6.総合点の算出
点数算出部311は、「Vゾーン」項目の点数、「回転」項目の点数、「インパクト」項目の点数、「スピード」項目の点数、および「テンポ」項目の点数に基づいて、総合点を算出する。例えば、各項目の点数が5点満点である場合、総合点の満点を25点とする。
なお、本実施形態では、スイング診断装置30に含まれる処理部31の点数算出部311を演算部として用い、点数算出部311によるスイングに係る各項目の点数の算出方法および総合点の算出方法について詳細に説明したが、これに限らない。例えば、スイング解析装置20に含まれる処理部21のスイング解析部211を演算部として用い、スイング解析部211によってスイングに係る各項目の点数の算出および総合点の算出を行うことができる。
1−6.スイング解析方法
上述したように算出され、数値化されたそれぞれの点数(評価結果)に基づいて、処理部21は、所定の範囲から逸脱したことをスイング解析部211にて検出し、複数のスイングにおける検出結果から、ユーザー2のゴルフスイングの強み、弱みを含むプレー状態を求める。そして、処理部21は、求められたユーザー2のプレー状態を表す画像(例えば、図29〜図34参照)に対応する画像データとして画像データ生成部212から出力することができる。このように、ユーザー2のゴルフスイングの強み、弱みを含むプレー状態が出力されることにより、ユーザー2は、自身のゴルフのスイングにおける弱みを知ることができ、どこにプレーの弱みがあるのか知った上での練習を行うことが可能となり、その弱みに対応した効率の良い練習を行うことができる。また、複数の指標によって運動状態が数値化されるため、プレー状態の出力を、より緻密に行うことが可能となる。
以下、図21〜図28を参照して、数値化されたそれぞれの点数(評価結果)に基づいた複数のスイングにおける検出結果から、ユーザー2のゴルフスイングの強み、弱みを含むプレー状態を求める方法について、詳細に説明する。図21は、本実施形態に係る運動解析方法の手順の一例を示すフローチャートである。図22は、スイングの状態の数値化(スコア化)の一例を示す図である。図23は、苦手なホールを特定する手法の一例を示す図である。図24は、苦手なホールに係るスイングの解析結果の一例を示す図である。図25は、苦手なホールの打球(ショット)ごとのスコアの比較を例示する図である。図26は、ショットのスタートから終了までの加速度の変化の典型例を示した図である。図27は、苦手なホール#1およびホール#5に係る打球(ショット)ごとの経過時間の一例を示す図である。図28は、運動解析方法の記録の時間手順の一例を示すタイムチャートである。
本実施形態に係るスイング解析方法は、プレーしている時と、プレー後に練習をしている時とに分けることによって実現される。具体的には、あるゴルフ場において、複数のホール(コース)、例えばホール#1、ホール#2、・・・、ホール#nがあるとして、各ホールで行われたプレーの状態をプレーデータとして記憶し、解析することによって強み、弱みを示す。そして、練習時に、解析によって示された弱点に基づいて練習を行うことで弱点を克服し、上達を図る。この循環(サイクル)を繰り返すことにより、更なるプレーの上達を目指すことができる。以下、図21のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係るスイング解析方法について説明する。
先ず、ユーザー2は、プレーするゴルフ場を選択し(ステップS300)、そのゴルフ場に係るコース情報を取得する。次に、ユーザー2は、プレーを行い、プレーデータを取得する(ステップS301)。ここで取得されるプレーデータは、ホール(コース)ごとに、且つプレー時間順に、各ホールのデータとして記録されている。なお、各ホールのデータは、プレーデータと、ホール自体の情報、地形(形状、バンカー、池などの有無、林の位置、距離、傾斜などを含む)と、ホールの属性(例えばそのホール規定の打数(パー(Par))と、を含み構成される。また、プレーデータには、そのホールでプレーしたときのユーザー2(プレーヤー)の情報が記録される。例えば、そのホールのスコア、スイングした時の動作情報であるスイングデータ、使ったクラブの種類、位置の履歴(座標の時間変位)、その時のコメント(例えば、「調子が悪かった」、「OB(Out of Bounds)してしまった」などのメモ)が記録される。
記憶される情報として、例えば、数値化(スコア化)されたスイングの状態の一例を、図22に示し説明する。図22には、数値化されたスイングデータの詳細例が示されている。図22に示されているように、スイングデータP40は、各ホールに対応したショット順P41(例えば、ティーショット(ドライバー)、セカンドショット、・・、パット(パター)と、ショット順P41ごとの予備スイング(素振り、空振り)、アドレス、本スイングなどの動作P42をそれぞれ数値化(評価点P43に示す)する。なお、それぞれの数値である評価点P43は、それぞれのスイングの解析結果P44(例えば、素振りや本スイングなどの動作に係るVゾーンやインパクトなどの項目(指標P441に示す)毎の点数P442,P443に示す)に基づいて算出する。そして、これらの評価点P43から、それぞれのスイングの良否を解析する。例えば、スイングに係るVゾーン、インパクト、スピード、回転、テンポ(スイングのテンポ)などの指標によって、スイングの軌跡、運動性、時間的変化といった総合的な良否を数値化する。このとき、各指標を、例えば5点満点(1〜5点)として、トータルの評価点を、5〜25点(5点×5指標=25点)としてスイングを評価することができ、トータルの評価点が所定の範囲から逸脱したことを検出し、複数のスイングにおける検出結果によりプレー状態を出力することができる。なお。図22に示す例では、評価点P43に示すように、素振りの点数が低く、本スイングの点数が高く、素振りのスイングに弱点があることを示している。
次に、ユーザー2は、各ホールの打数(スコア)を入力し、その入力結果に基づいて各ホールの打数(スコア)を、各ホールの規定の打数(パー(Par))と比較する。そして、その比較結果に基づいて、ユーザー2の苦手なホールを特定する(ステップS302)。具体的には、図23に示すように、ホールごとの打数(スコア)が、各ホールの規定の打数(パー(Par))に対して突出して多くなっているホールを、ユーザー2の苦手なホールとして検出(抽出)する。図23に示す例では、ホール#1、およびホール#5を苦手なホールとして検出する。なお、ステップS302では、各ホールの打数(スコア)の入力結果と前述した複数のスイングにおける検出結果とによって、プレー状態を出力することができる。
次に、検出結果に基づいた苦手なホール(ホール#1、およびホール#5)におけるプレーを分析し、ユーザー2の弱点がどこに有るのかについて解析する(ステップS303)。ステップS303における解析では、例えば苦手なホールとして検出されたホール#1とホール#5のスイングデータを解析し、ホール別のミスを選定(ステップS304)したり、ミスの多いプレーを特定(ステップS306)したり、時間経過の分析(ステップS308)を行ったりする。
ホール別のミスを選定するステップS304では、図24に示すように、苦手なホールP50(ホール#1およびホール#5)の、それぞれのショットP51における本スイングP52の評価点(スコア)P53を比較し、評価点(スコア)P53の低いショットにミスがあったと判定する。図24に示す例では、25点満点の評価点(スコア)P53にあって、ホール#1のミドル(ミドルショット)の評価点(スコア)531は11点であり、ホール#5のセカンド(セカンドショット)の評価点(スコア)532は10点であり、25点満点の半分以下と低い点となっている。したがって、この二つのショットは、ミスショットであったと判定することができる。
また、ミスの多いプレーを特定するステップS306では、図25に示すように、各ショットごとの、苦手なホールにおける評価点(トータルスコア)を比較し、評価点(トータルスコア)の低いショットにミスが多い、即ち弱点があると判定する。なお、図25では、図23では図示していないホール#12およびホール#13も苦手なホールとして例示している。また、図25では、ドライバーP61と、セカンドP62と、ミドルP63とのショットを示している。図25に示す例では、25点満点の評価点(トータルスコア)にあって、判定基準P65を、例えば12点に設定している。本例において、ドライバーP61、セカンドP62、ミドルP63…という順に比較すると、ホール#5のセカンドP62(セカンドショット)と、ホール#1およびホール#13のミドルP63(ミドルショット)との評価点(トータルスコア)が、判定基準P65よりも低く、且つ他のショットと比較しても極端に低くなっている。したがって、苦手なホール#1、ホール#5、およびホール#13では、セカンドショットおよびミドルショットにミスが多く、このようなショットが苦手(弱点)であることを示している。
また、時間経過の分析を行うステップS308では、プレーの弱点をプレーの時間的経過から見出す。換言すれば、プレーの弱点を苦手ホールの一つひとつのショットの流れから推定する。
ステップS308では、スイングの準備(動き計測のスタート)から本スイングの終了までの加速度の変化によって、各スイング動作の経過時間を計測する。図26に示すように、スイング動作に係る加速度は、時間tの経過と共に、何らかのプレー(動作)をするごとに大きなピークを生じる。図26に示す例では、最初の素振りや空振りのやや大きな加速度、アドレスでゆっくりと大きく変わる加速度、本スイングしたときに大きな加速度を生じる。この本スイングしたときに生じる加速度のピークP70の時が、ショットのインパクトのあった時で、以降、加速度は急激に減少し、このショットは終了、計測も終わりとなる。なお、スタートから、インパクトまでにかかった経過時間をTとする。
ここで、ステップS308の具体例を、図27を参照して説明する。なお、図27では、横軸に各ショット(例えば、第1打、第2打、第3打・・の順)を示し、縦軸にそれぞれのショットにおける経過時間Tを示している。経過時間Tは、できるだけ短く、且つ適度な長さであることが、プレーのテンポがよく、良好なプレーをしているといえる。逆に経過時間Tの一般的な時間(図中破線で示す判定基準P85による適正値)より、経過時間Tが長い場合は、例えば、どのようなショットを選択するべきか、スタンスやアドレスや打ち出し方向などについての迷いを生じ、スイングまでに時間がかかっており、プレーのテンポが悪く、必ずしもよいプレーができているとは言えない。
図27に示す例では、見出しP81で示すホール#1と見出しP82で示すホール#5が示されている。ホール#1は、各ショットの経過時間Tが、ほぼ図中破線で示す判定基準P85による適正値近辺に位置しており、適正な経過時間Tで、リズムよくプレーを行っていることがわかる。一方、ホール#5は、経過時間Tが判定基準P85で示す適正値を大幅に超過しているショットが三つ(図中点線P83で囲む位置の第4打、第5打、および第6打)もあり、リズムを崩していることが分かり、評価点(スコア)の低下の一因となる。
なお、経過時間Tに替えて、インパクトに至るまでの加速度のピーク数を時間経過の目安にすることができる。プレーに迷いがなければ、図26に示す例示のように、2、3回の素振りや空振りで本スイングに至るが、迷いが多く間が悪いと、素振り、空振りやアドレスのやり直しなどが増える。したがって、インパクトに至るまでの加速度のピーク数が所定値よりも少なければ、良好なリズムでプレーを行っていると推測でき、インパクトに至るまでの加速度のピーク数が所定値よりも多ければ、リズムを崩していると推測することができる。
図28には、これまで述べた解析のためのプレーの記録の時間手順を示している。プレーは、例えばホール#1、ホール#2などのホールごと定義し、各ホールには、ドライバー、セカンド…といった複数のショットを含む。そして、各ショットの始まったときから終わるまでの動きを記録する。記録は原則ショット中に行うことができる。なお、GPSによる位置の取得および記録は、少なくとも、各ホールに着いたとき、各ショットが終わったとき、そのホールを出る時に行えばよいが、全行程を取得することにしてもよい。また、スコアの入力はホールでのプレー終了時に、プレーヤーが手入力する。
次に、図21のフローチャートに戻り、上述のような検出結果(解析結果)に基づいて、苦手なプレーを検出する(ステップS310)。そして、その検出結果に基づいて克服すべきプレーについてのアドバイスを、例えば画像データなどによって表示する(ステップS312)。以上のステップで数値化されたそれぞれの点数(評価結果)に基づいた複数のスイングにおける検出結果から、ユーザー2のゴルフスイングの強み、弱みを含むプレー状態を求める一連の手順を終了する。なお、入力されたゴルフの用具情報と、前述した複数のスイングにおける検出結果とによって、上記プレー状態を出力することができる。そして、ユーザー2は、表示されたアドバイスに沿って練習を行う。
1−7.スイング解析結果を示す画面の表示例
なお、各ステップにおける解析結果は、画像データ生成部212によって生成された画像データに基づいて、表示部25に文字や記号等も含む各種の画像として表示させる。以下、図29〜図34を参照して、それぞれの表示例を説明する。図29は、解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例1(全体)を示す図である。図30は、解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例2(苦手ホール)を示す図である。図31Aは、解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例3(ホールごとの状況)を示す図である。図31Bは、表示例3の変形例を示す図である。図32は、解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例4(苦手ホールに係る打球ごとのスコアの状況)を示す図である。図33は、解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例5(スイングの解析結果)を示す図である。図34は、解析結果から得られたユーザーの弱点についてのアドバイスに用いる表示例6(打球ごとのスイングの経過時間)を示す図である。
(表示例1)
先ず、図29を参照して、スマートフォンやタブレット等の携帯機器20bの表示部25に表示される表示例として、解析結果から得られたユーザー2の弱点についてのアドバイスに用いる表示例1(全体)について説明する。なお、以下の表示例における表示部25は、例えばスマートフォンなどのタッチパネルを想定している。
図29に示すように、表示部25には、ラウンドの対象となるゴルフ場のコースを構成するホールのホールナンバー701が示されている。そして、苦手なホールとして検出されたホールに対応して、図中黒丸で示すようなマーク702が示される。本例では、苦手なホールとして、ホール#1、ホール#5、ホール#12、およびホール#13が検出された場合を示している。
(表示例2)
次に、図30を参照して、携帯機器20bの表示部25に表示される表示例として、解析結果から得られたユーザー2の弱点についてのアドバイスに用いる表示例2(苦手ホール)について説明する。
図30には、苦手なホールとして検出されたホール(本例では、ホール#1およびホール#5)のコース概要が表示されている。具体的な表示としては、苦手なホールとして検出されたホール名751,752と、そのホールに対応したコース概要751a,752aが示されている。なお、図30に示すような表示は、図29に示した表示において、コース概要を表示させたいホール名に係る表示部分をタップすることによって行うことができる。
(表示例3)
次に、図30の表示において、苦手なホールとして検出されたホールの部分をタップすることによって、そのホールの詳細な解析結果を、携帯機器20bの表示部25に表示することができる。その解析結果の表示の一例を表示例3として、図31A、および図31Bを参照して説明する。
図31Aに示す表示例3は、詳細な解析結果を知りたいホールとして、ホール#5を選択した場合を示している。表示例3は、ホール名(ホール#5)800と、ホール情報としてホール図で示すホール概要810と、打撃順位として各ショットの打撃位置であるショット位置と、破線で示されているそのホールの打順(ショット)ごとの移動軌跡と、各ショットにおける解析結果の評価点(スコア)などで示される運動状態を定量化したオブジェクトと、ピンマーク811と、が表示されている。なお、各ショットにおける解析結果の評価点(スコア)は、慣性センサー(加速度センサー12、角速度センサー14)を含むセンサーユニット10からの出力に基づいて、ゴルフのスイングにおける指標が数値化された数値として求められている。
このような表示方法によれば、ゴルフのホール情報(ホール図)に加えて、ゴルフの打撃位置(ショット位置)と、加速度センサー12、角速度センサー14を含むセンサーユニット10からの出力に基づいてゴルフのスイングにおける指標が数値化された運動状態を定量化したオブジェクトと、が表示されるため、プレー時のプレーヤーの位置、動き、運動状態などの情報から、プレーの良否などを解析し、知ることができる。これにより、ユーザー2は、より細密なプレー状態を知ることができることから、自身の弱点を知ることができ、その弱点に対応した効率の良い練習を行うことができる。また、ホール情報としてホール図が表示されるため、ホール上でのプレーヤーの位置、動き、運動状態などの情報を視認することが可能となり、より的確な判断(解析)を行うことができる。
また、ショット位置(打撃位置)を示すオブジェクトには、ショット位置「・」、およびゴルフクラブの番手(図31Aの例では、1打目のショット位置に対して、「○の中に1w」)の少なくとも一つが配設されることが好ましく、図31Aに示す例では、ショット位置「・」、およびゴルフクラブの番手の両方が配設されている。
具体的には、ティーグランドにおける第1打としてのティーショット位置801、第2打としてのセカンドショット位置802、第3打としてのアプローチショット位置803、グリーン上における第4打としてのパッティング位置804が示されている。また、各ショットにおけるクラブの選択状況が、例えば第1打のクラブの番手(ドライバーとしての1番ウッド)を示すマーク801c、第2打のクラブの番手(5番アイアン)を示すマーク802c、第3打のクラブの番手(ピッチングウェッジ)を示すマーク803c、および第4打のクラブの番手(パター)を示すマーク804cとして、各ショット位置の近傍に配置されて表示されている。なお、「1w」は、ゴルフクラブの番手を示す略号として用いており、1番ウッド(ドライバー)を示す記号として例示している。また、2打目のショット位置に対して配設されている「5i」は、5番アイアンを示す記号として、3打目のショット位置に対して配設されている「Pw」は、ピッチングウェッジを示す記号として、4打目のショット位置に対して配設されている「Pt」は、パターを示す記号として例示している。このように、オブジェクトとして打撃順位、ゴルフクラブの番手の少なくとも一つを含む打撃位置が表示されることによって、より詳細な判断(解析)を行うことができる。
なお、各ショットにおける解析結果の評価点に係るオブジェクトは、矢印821,822,823,824で示されている。この各ショットにおける解析結果の評価点の高低は、図中に示されている矢印821,822,823,824の高さ(矢印821,822,823,824を構成する棒(矢印の始点から終点)の長さ)で表示されており、評価点が高い程矢印821,822,823,824の長さを長くして表示される。また、移動軌跡は、位置情報取得部43からの位置情報に基づいて算出することができる。このように、運動状態を定量化した結果が、オブジェクトを構成する矢印821,822,823,824の棒の長さ(矢印821,822,823,824の高さ)によって表示されるため、運動状態や運動状態の良否を一目で視認することができる。
破線で示されているそのホールの打撃順(ショット)ごとの移動軌跡は、位置情報取得部43からの位置情報の取得結果に基づいて求められる。この移動軌跡は、打撃(ショット)後に、次の打撃位置に向かうに際してユーザー2が移動した軌跡をプロットしている。図31Aに示す例では、ティーショット位置801と第2打としてのセカンドショット位置802との間、セカンドショット位置802と第3打としてのアプローチショット位置803との間、アプローチショット位置803とグリーン上における第4打としてのパッティング位置804との間に、移動軌跡が破線で示されている。このように、ホール情報(ホール図)に加えて移動軌跡を表示することにより、ユーザー2が打撃位置から次の打撃位置に向かってどのように移動したかなどの移動状態などが分かり、より細密且つ詳細なプレー状態の判断(解析)を行うことができる。
また、図31Aに示す例では、評価点(スコア)の低い苦手なショット(本例では、矢印の長さの短く表示されている第2打)は、クラブの選択状況を示すマーク802cを囲むように、△マーク805が表示される。即ち、△マーク805によって、各ショットにおける慣性センサー(加速度センサー12、角速度センサー14)を含むセンサーユニット10からの出力に基づいて求められたゴルフのスイングにおける指標を数値化した値(評価点;スコア)が、所定の範囲から逸脱したことが検出され、その値に対応するオブジェクト(マーク802c)がマーキングされている。なお、マーキング方法としては、例示した△マーク805などの記号を付与する例に替えて、例えば5iの文字やそれを囲む円を強調表示(例えば、線の太さを太くする、線の色や色調を変える、○の中の色を変える、など)するなどによって行うことができる。
このように加速度センサー12、角速度センサー14からの出力に基づいて数値化された数値が、所定の範囲から逸脱したと検出された数値に対応するオブジェクト(マーク802c)をマーキングするため、どのショットでつまずいたかなどの運動状態や運動状態の良否を一目で視認することができる。これにより、ユーザー2は、自身のゴルフのスイングにおける弱みを知ることができる。その結果、ユーザー2は、どこにプレーの弱みがあるのか知った上での練習を行うことが可能となり、その弱みに対応した効率の良い練習を行うことができる。
このような表示によれば、慣性センサーからの出力に基づいて数値化された、ゴルフのスイングにおける運動状態の検出結果と、位置情報取得部43からの位置情報の取得結果とを併せてプレー状態を出力するため、ユーザー2の移動状態などを含めたより細密なプレー状態の出力とすることができる。
(表示例3の変形例)
なお、上述の表示例3では、ショット位置(打撃位置)を示すオブジェクトとして、ショット位置「・」、およびゴルフクラブの番手が配設された表示方法を例示したが、これに限らない。例えば、図31Bに示すように、ショット位置(打撃位置)を示すオブジェクトとして、ショット位置「・」、およびショット位置に対応する打撃順を示す記号として、第1打には、「○の中に数字の1」の記号801n、第2打には、「○の中に数字の2」の記号802n、第3打には、「○の中に数字の3」の記号803n、第4打には、「○の中に数字の4」の記号804nなどの表示とすることができる。なお、このオブジェクトは、他の動作や状態を示す数字や記号、マークなどを用いてもよい。
(表示例4)
また、図30の表示において、苦手なホールとして検出されたホールの部分をタップすることによって、図32に示すように、そのホールのショット別に、各ホールの評価点(スコア)を、携帯機器20bの表示部25に表示させ、各ホールの評価点(スコア)を比較することができる。具体的には、打順(ショット)を示すマーク、例えばドライバーを示すマーク851、セカンドを示すマーク852が表示され、それぞれの打順(ショット)における各ホールごとの評価点(スコア)が、例えば棒グラフ853,854で示されている。
(表示例5)
そして、評価点(スコア)を示す、例えば棒グラフ853の部分をタップすることにより、図33に示すように、当該ホール名とショット名とを示す見出し900のグラフにおいて、上述した五つの指標(評価項目)901に係る解析結果の詳細を確認することができる。本例では、評価点(スコア)3点を判定基準904として設定し、評価点(スコア)が3点以上の場合を○マーク903で示し、評価点(スコア)が3点以下の場合を△マーク902で表示することができる。これにより、より詳細な弱点を容易に知ることができる。
(表示例6)
次に、図34に示すように、携帯機器20bの表示部25に、当該ホールのスタートから終了までの各ショット間の経過時間、換言すれば、何番目のショットはいつ打ったかについて時系列に表示し、標準的な経過時間と比較することによって、間が悪かった、迷っていた、後続プレーヤーに追われた、などによるリズムの崩れを知ることができる。具体的には、図34に示すように、当該ホール名(ホール#5)950と、ホール#5に係るそれぞれのショットを行ったタイミングを示す表示マーク(1打目を示す表示マーク951、2打目を示す表示マーク952、3打目を示す表示マーク953、4打目を示す表示マーク954)と、標準となるショットタイミングを示す表示マーク(1打目を示す表示マーク961、2打目を示す表示マーク962、3打目を示す表示マーク963、4打目を示す表示マーク964)とが表示されている。
このショットを行ったタイミングを示す表示マークの示されている位置により、各ショット間の経過時間を知ることができる。図34に示されている例では、スタートから第1打までの経過時間t0であり、それに対応する標準的な経過時間として経過時間t0sが示されている。同様に、第1打から第2打までの間の経過時間t1、第2打から第3打までの間の経過時間t2、第3打から第4打までの間の経過時間t3と、それぞれに対応する標準的な経過時間t1s,t2s,t3sと、が示されている。本例では、スタートから第1打までの経過時間t0は、それに対応する標準的な経過時間t0sと比較して長くなっていることが分かる。また、第1打から第2打までの経過時間t1においても、それに対応する標準的な経過時間t1sと比較して長くなっている。また、第3打から第4打までの経過時間t3は、それに対応する標準的な経過時間t3sと比較して短くなっている、即ち慌てながらのショットになっていることが推測できる。
なお、上述の表示例6では、当該ホールにおいて、ショットを行ったタイミングを示す表示マーク(例えば1打目を示す表示マーク951など)を表示する例で説明したが、これに限らない。他の表示例としては、例えば、当該ホールにおいて、ショットを行う際に用いたクラブの番手情報(例えば、1番ウッドを表す「1W」、5番アイアンを表す「5I」、ピッチングウェッジを表す「PW」、パターを表す「PT」などの記号を用いてもよい。
上述したような解析結果を示す表示方法は、上述した表示例の他にも、図示しないが、問題のある箇所(苦手ホール、苦手なショットの種類、弱点のあるスイングの状態、問題のある時間経過など)を、文字表示により、例えば箇条書きなどによって示すことができる。
これらの表示をユーザー2が見ることにより、どのような弱点があるか客観的にわかるので、練習するときの参考にすることができる。また、練習するときは、詳細な弱点を上述した表示例による各種表示で確認しながら、進めればよい。
以上説明したような表示方法を適用した運動解析システム1、および運動解析装置の一例としてのスイング解析装置20によれば、ゴルフのホール情報(ホール図)に加えて、ゴルフの打撃位置(ショット位置)と、加速度センサー12、角速度センサー14を含むセンサーユニット10からの出力に基づいてゴルフのスイングにおける指標が数値化された運動状態を定量化したオブジェクトと、が表示されるため、プレー時のプレーヤーの位置、動き、運動状態などの情報から、プレーの良否などを解析し、知ることができる。これにより、ユーザー2は、より細密なプレー状態を知ることができることから、自身の弱点を知ることができ、その弱点に対応した効率の良い練習を行うことができる。また、ホール情報としてホール図が表示されるため、ホール上でのプレーヤーの位置、動き、運動状態などの情報を視認することが可能となり、より的確な判断(解析)を行うことができる。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成、または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…運動解析システム、2…ユーザー、3…ゴルフクラブ、3a…ヘッド、4…ゴルフボール、8…GPS衛星(位置情報出力部)、10…慣性センサーとしてのセンサーユニット、12…加速度センサー、14…角速度センサー、16…信号処理部、18…通信部、20…スイング解析装置(運動解析装置)、20b…携帯機器、21…出力部としての処理部、22…通信部、23…操作部、24…記憶部、25…表示部、26…音出力部、27…通信部、30…演算部としてのスイング診断装置、40…ネットワーク、43…位置情報取得部、210…データ取得部、211…スイング解析部、212…画像データ生成部、213…記憶処理部、214…表示処理部、215…音出力処理部、240…スイング解析プログラム、242…ゴルフクラブ情報、244…身体情報、246…センサー装着位置情報、247…ゴルフコース情報、800…ホール名(ホール#5)、801…ティーショット位置、801c…クラブの番手を示すマーク、802…セカンドショット位置、802c…クラブの番手を示すマーク、803…アプローチショット位置、803c…クラブの番手を示すマーク、804…パッティング位置、804c…クラブの番手を示すマーク、805…△マーク、810…ホール概要、811…ピンマーク、821,822,823,824…オブジェクトとしての矢印。

Claims (9)

  1. ゴルフのホール情報と、
    前記ゴルフの打撃位置と、
    慣性センサーの出力を用いて検出された打撃における運動状態を定量化したオブジェクトと、
    を表示することを特徴とする表示方法。
  2. 請求項1において、
    前記ホール情報は、ホール図であることを特徴とする表示方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記オブジェクトは、
    打撃順位、ゴルフクラブの番手の少なくとも一つを含む前記打撃位置を含んでいることを特徴とする表示方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記オブジェクトは、前記定量化した結果を前記オブジェクトに含まれる棒の長さで表すことを特徴とする表示方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    さらに、移動軌跡を表示することを特徴とする表示方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記運動状態は、前記慣性センサーからの出力に基づいて、前記ゴルフのスイングにおける指標を数値化したものであることを特徴とする表示方法。
  7. 請求項6において、
    前記数値化した値が、所定の範囲から逸脱したことを検出し、逸脱した数値に対応する前記オブジェクトをマーキングすることを特徴とする表示方法。
  8. ゴルフの打撃に係る物理量を検出する慣性センサーと、
    前記打撃に対応する時刻におけるプレーヤーの打撃位置を測位して位置を得る測位部と、
    ゴルフのホール情報、前記打撃位置、および前記慣性センサーの出力を用いて検出された前記打撃における運動状態を定量化したオブジェクトを表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする運動解析システム。
  9. ゴルフのホール情報と、
    前記ゴルフの打撃位置と、
    慣性センサーの出力を用いて検出された打撃における運動状態を定量化したオブジェクトと、
    を表示することを特徴とする表示装置。
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