JPH0572765A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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- JPH0572765A JPH0572765A JP23170391A JP23170391A JPH0572765A JP H0572765 A JPH0572765 A JP H0572765A JP 23170391 A JP23170391 A JP 23170391A JP 23170391 A JP23170391 A JP 23170391A JP H0572765 A JPH0572765 A JP H0572765A
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高感度、高耐久性の電子写真感光体を提供す
る。 【構成】 導電性支持体上に設けた感光層中に一般式
(1) で示されるカルバゾール化合物を含む電子写真感光
体。 【化1】 (式中、Arは置換されてもよいアリーレン基を示し、
R1, R2, R3は同一もしくは相異なって、置換されてもよ
いアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。m
は1以上6以下の整数を示す。)
る。 【構成】 導電性支持体上に設けた感光層中に一般式
(1) で示されるカルバゾール化合物を含む電子写真感光
体。 【化1】 (式中、Arは置換されてもよいアリーレン基を示し、
R1, R2, R3は同一もしくは相異なって、置換されてもよ
いアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。m
は1以上6以下の整数を示す。)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関する
ものである。更に詳しくは特定のカルバゾール化合物を
含む高感度、高耐久性の電子写真感光体に関するもので
ある。
ものである。更に詳しくは特定のカルバゾール化合物を
含む高感度、高耐久性の電子写真感光体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた複写機、プ
リンターの発展は目覚ましく、用途に応じて様々な形
態、種類、機能の機種が開発され、それに対応してそれ
らに用いられる感光体も多種多様のものが開発されつつ
ある。従来、電子写真感光体としては、その感度、耐久
性の面から無機化合物が主として用いられてきた。例え
ば酸化亜鉛、硫化カドミウム、セレン等を挙げることが
できる。しかしながら、これらは有害物質を使用してい
る場合が多く、その廃棄が問題となり、公害をもたらす
原因となる。また、感度が良好なセレンを用いる場合、
蒸着法等により導電性基体上に薄膜を形成する必要があ
り、生産性が劣り、コストアップの原因となる。近年、
無公害性の無機感光体としてアモルファスシリコンが注
目され、その研究開発が進められている。しかしなが
ら、これらも感度については優れているが、薄膜形成時
において、主にプラズマCVD法を用いるため、その生
産性は極めて劣っており、感光体コスト、ランニングコ
ストとも大きなものとなっている。
リンターの発展は目覚ましく、用途に応じて様々な形
態、種類、機能の機種が開発され、それに対応してそれ
らに用いられる感光体も多種多様のものが開発されつつ
ある。従来、電子写真感光体としては、その感度、耐久
性の面から無機化合物が主として用いられてきた。例え
ば酸化亜鉛、硫化カドミウム、セレン等を挙げることが
できる。しかしながら、これらは有害物質を使用してい
る場合が多く、その廃棄が問題となり、公害をもたらす
原因となる。また、感度が良好なセレンを用いる場合、
蒸着法等により導電性基体上に薄膜を形成する必要があ
り、生産性が劣り、コストアップの原因となる。近年、
無公害性の無機感光体としてアモルファスシリコンが注
目され、その研究開発が進められている。しかしなが
ら、これらも感度については優れているが、薄膜形成時
において、主にプラズマCVD法を用いるため、その生
産性は極めて劣っており、感光体コスト、ランニングコ
ストとも大きなものとなっている。
【0003】一方、有機感光体は、焼却が可能であり、
無公害の利点を有し、更に多くのものは塗工により薄膜
形成が可能で大量生産が容易である。それ故にコストが
大幅に低減でき、また用途に応じて様々な形状に加工す
ることができるという長所を有している。しかしなが
ら、有機感光体においては、その感度、耐久性に問題が
残されており、高感度、高耐久性の有機感光体の出現が
強く望まれている。有機感光体の感度向上の手段として
様々な方法が提案されているが、現在では電荷発生層と
電荷輸送層とに機能が分離した主に二層構造の機能分離
型感光体が主流となっている。例えば、露光により電荷
発生層で発生した電荷は、電荷輸送層に注入され、電荷
輸送層中を通って表面に輸送され、表面電荷を中和する
ことにより感光体表面に静電潜像が形成される。機能分
離型は単層型に比して発生した電荷が捕獲される可能性
が小さくなり、各層がそれぞれの機能を阻害されること
なく、効率よく電荷が感光体表面に輸送され得る(アメ
リカ特許第2803541 号)。電荷発生層に用いられる有機
電荷発生材としては、照射される光のエネルギーを吸収
し、効率よく電荷を発生する化合物が選択使用されてお
り、例えば、アゾ顔料(特開昭54−14967号公報)、無
金属フタロシアニン顔料(特開昭60−19146号公報)、
金属フタロシアニン顔料(特開昭57−146255号公報)、
スクエアリウム塩(特開昭63−113462号公報)等を挙げ
ることができる。電荷輸送層に用いられる電荷輸送材と
しては電荷発生層からの電荷の注入効率が大きく、更に
電荷輸送層内での電荷の移動度が大である化合物を選定
する必要がある。そのためには、イオン化ポテンシャル
が小さい化合物、カチオンラジカルが発生し易い化合物
が選ばれ、例えば、トリアリールアミン誘導体(特開昭
58−123542号公報)、ヒドラゾン誘導体(特開昭57−10
1844号公報)、オキサジアゾール誘導体(特公昭34−54
66号公報)、ピラゾリン誘導体(特公昭52−4188号公
報)、スチルベン誘導体(特開昭58−198043号公報)、
トリフェニルメタン誘導体(特公昭45−555 号公報)、
1,3 −ブタジエン誘導体(特開昭62−287257号公報)等
が提案されている。
無公害の利点を有し、更に多くのものは塗工により薄膜
形成が可能で大量生産が容易である。それ故にコストが
大幅に低減でき、また用途に応じて様々な形状に加工す
ることができるという長所を有している。しかしなが
ら、有機感光体においては、その感度、耐久性に問題が
残されており、高感度、高耐久性の有機感光体の出現が
強く望まれている。有機感光体の感度向上の手段として
様々な方法が提案されているが、現在では電荷発生層と
電荷輸送層とに機能が分離した主に二層構造の機能分離
型感光体が主流となっている。例えば、露光により電荷
発生層で発生した電荷は、電荷輸送層に注入され、電荷
輸送層中を通って表面に輸送され、表面電荷を中和する
ことにより感光体表面に静電潜像が形成される。機能分
離型は単層型に比して発生した電荷が捕獲される可能性
が小さくなり、各層がそれぞれの機能を阻害されること
なく、効率よく電荷が感光体表面に輸送され得る(アメ
リカ特許第2803541 号)。電荷発生層に用いられる有機
電荷発生材としては、照射される光のエネルギーを吸収
し、効率よく電荷を発生する化合物が選択使用されてお
り、例えば、アゾ顔料(特開昭54−14967号公報)、無
金属フタロシアニン顔料(特開昭60−19146号公報)、
金属フタロシアニン顔料(特開昭57−146255号公報)、
スクエアリウム塩(特開昭63−113462号公報)等を挙げ
ることができる。電荷輸送層に用いられる電荷輸送材と
しては電荷発生層からの電荷の注入効率が大きく、更に
電荷輸送層内での電荷の移動度が大である化合物を選定
する必要がある。そのためには、イオン化ポテンシャル
が小さい化合物、カチオンラジカルが発生し易い化合物
が選ばれ、例えば、トリアリールアミン誘導体(特開昭
58−123542号公報)、ヒドラゾン誘導体(特開昭57−10
1844号公報)、オキサジアゾール誘導体(特公昭34−54
66号公報)、ピラゾリン誘導体(特公昭52−4188号公
報)、スチルベン誘導体(特開昭58−198043号公報)、
トリフェニルメタン誘導体(特公昭45−555 号公報)、
1,3 −ブタジエン誘導体(特開昭62−287257号公報)等
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ごとくこれら有機感光体は無機感光体に比較すると、感
度、耐久性の点においてまだまだ満足できるものではな
い。感度は、電荷発生層での電荷発生効率、電荷発生層
から電荷輸送層への電荷注入効率、そして電荷輸送層で
の電荷移動度により支配される。そこで、電荷発生効率
の高い電荷発生材及び電荷移動度の大きい電荷輸送材の
開発が盛んに行われている。それに対し、注入効率につ
いてはほとんど検討改良されていないのが実状である。
この注入効率は高電場域で高くても50%、低電場域では
10%以下であり、この注入効率を高くすることにより、
さらに一層の高感度化が可能と考えられる。一般に電荷
発生層から電荷輸送層へ正孔を効率よく注入するために
は、電荷輸送材のイオン化ポテンシャルを電荷発生材の
それよりも小さくしてエネルギー障壁を無くす必要があ
る。しかしながら、この条件が満足されている場合で
も、注入効率が低い場合が多い。その原因として、一つ
は電荷輸送層に用いられる電荷輸送材又は結着剤の部分
的な微結晶が障壁になることが考えられる。また一つ
は、電荷発生層と電荷輸送層の界面欠陥による障壁が挙
げられる。これらは、電荷発生層と電荷輸送層の密着
性、接着性の悪さ、塗工後の乾燥時に生じるモルホロジ
ー的な欠陥、使用時における物理的な刺激(トナー、
紙、クリーニングブレードとの接触)や電場による刺激
による結晶化等が原因として考えられる。
ごとくこれら有機感光体は無機感光体に比較すると、感
度、耐久性の点においてまだまだ満足できるものではな
い。感度は、電荷発生層での電荷発生効率、電荷発生層
から電荷輸送層への電荷注入効率、そして電荷輸送層で
の電荷移動度により支配される。そこで、電荷発生効率
の高い電荷発生材及び電荷移動度の大きい電荷輸送材の
開発が盛んに行われている。それに対し、注入効率につ
いてはほとんど検討改良されていないのが実状である。
この注入効率は高電場域で高くても50%、低電場域では
10%以下であり、この注入効率を高くすることにより、
さらに一層の高感度化が可能と考えられる。一般に電荷
発生層から電荷輸送層へ正孔を効率よく注入するために
は、電荷輸送材のイオン化ポテンシャルを電荷発生材の
それよりも小さくしてエネルギー障壁を無くす必要があ
る。しかしながら、この条件が満足されている場合で
も、注入効率が低い場合が多い。その原因として、一つ
は電荷輸送層に用いられる電荷輸送材又は結着剤の部分
的な微結晶が障壁になることが考えられる。また一つ
は、電荷発生層と電荷輸送層の界面欠陥による障壁が挙
げられる。これらは、電荷発生層と電荷輸送層の密着
性、接着性の悪さ、塗工後の乾燥時に生じるモルホロジ
ー的な欠陥、使用時における物理的な刺激(トナー、
紙、クリーニングブレードとの接触)や電場による刺激
による結晶化等が原因として考えられる。
【0005】これらを解決する方法としては、より結晶
性が低く相溶性の優れた電荷輸送材、結着剤の使用や接
着性、密着性の優れた電荷輸送材、結着剤の選択が考え
られる。しかしながら、今までそのような目的で開発さ
れた材料は、特殊なポリカーボネート結着剤を除いて、
ほとんどない。また、耐久性の問題においても同様の原
因が考えられる。すなわち、電荷発生層と電荷輸送層の
界面に何らかの障壁が存在すると、そこに空間電荷が蓄
積し、残留電位の上昇や、感光体表面電位の不安定化を
引き起こすことになる。またこの空間電荷の蓄積によ
り、電荷輸送材の劣化を招き、連続使用に耐え得ないも
のとなる。この空間電荷を解消する方法として、上記と
同じ手段が有効と考えられる。本発明の目的は、まさに
この点にあり、かかる課題を解消するものとして高感
度、高耐久性の電子写真感光体を提供することにある。
性が低く相溶性の優れた電荷輸送材、結着剤の使用や接
着性、密着性の優れた電荷輸送材、結着剤の選択が考え
られる。しかしながら、今までそのような目的で開発さ
れた材料は、特殊なポリカーボネート結着剤を除いて、
ほとんどない。また、耐久性の問題においても同様の原
因が考えられる。すなわち、電荷発生層と電荷輸送層の
界面に何らかの障壁が存在すると、そこに空間電荷が蓄
積し、残留電位の上昇や、感光体表面電位の不安定化を
引き起こすことになる。またこの空間電荷の蓄積によ
り、電荷輸送材の劣化を招き、連続使用に耐え得ないも
のとなる。この空間電荷を解消する方法として、上記と
同じ手段が有効と考えられる。本発明の目的は、まさに
この点にあり、かかる課題を解消するものとして高感
度、高耐久性の電子写真感光体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、電荷輸送材として、特定の
アルキレンカルボン酸エステル基を有するカルバゾール
化合物が結晶性が低く、結着剤との相溶性に優れてお
り、また、これを用いた電荷輸送層は電荷発生層との接
着性がよいことを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、導電性支持体上に設けた感光層中に
一般式(1) で示されるカルバゾール化合物を含むことを
特徴とする電子写真感光体を提供するものである。
解決すべく鋭意研究の結果、電荷輸送材として、特定の
アルキレンカルボン酸エステル基を有するカルバゾール
化合物が結晶性が低く、結着剤との相溶性に優れてお
り、また、これを用いた電荷輸送層は電荷発生層との接
着性がよいことを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、導電性支持体上に設けた感光層中に
一般式(1) で示されるカルバゾール化合物を含むことを
特徴とする電子写真感光体を提供するものである。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Arは置換されてもよいアリーレン
基を示し、R1, R2, R3は同一もしくは相異なって、置換
されてもよいアルキル基、アラルキル基又はアリール基
を示す。mは1以上6以下の整数を示す。) 前記一般式(1) において、Arは置換されてもよいアリー
レン基を示すが、アリーレン基としてはフェニレン基、
ナフチレン基、アンスラニレン基等が例示され、好まし
くはフェニレン基、ナフチレン基である。Arは置換され
てもよいが、置換基としては通常、アルキル基、アルコ
キシ基等が挙げられ、メチル基、エチル基、メトキシ
基、エトキシ基が好ましい。R1, R2, R3は同一もしくは
相異なって、置換されてもよいアルキル基、アラルキル
基又はアリール基を示すが、アルキル基としては、炭素
数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましく、
具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等の基
が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル基である。このアルキル
基は置換されていてもよいが、置換基としては通常、ア
ルコキシ基が挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エト
キシ基である。R1, R2, R3がアラルキル基である場合、
アリール基部分が無置換もしくはアルキル基、アルコキ
シ基等で置換されたフェニル、ナフチル、アンスラニル
等の基が挙げられ、アルキレン部分としては、炭素数1
〜4のものが挙げられ、好ましくはメチレンである。具
体的にはベンジル、p−メチルベンジル、m−メチルベ
ンジル等の基が挙げられる。R1, R2, R3がアリール基で
ある場合には、無置換もしくはアルキル基、アルコキシ
基等で置換されたフェニル、ナフチル、アンスラニル等
の基が挙げられ、好ましくはフェニル基である。mは1
以上6以下の整数であるが、好ましくは1である。
基を示し、R1, R2, R3は同一もしくは相異なって、置換
されてもよいアルキル基、アラルキル基又はアリール基
を示す。mは1以上6以下の整数を示す。) 前記一般式(1) において、Arは置換されてもよいアリー
レン基を示すが、アリーレン基としてはフェニレン基、
ナフチレン基、アンスラニレン基等が例示され、好まし
くはフェニレン基、ナフチレン基である。Arは置換され
てもよいが、置換基としては通常、アルキル基、アルコ
キシ基等が挙げられ、メチル基、エチル基、メトキシ
基、エトキシ基が好ましい。R1, R2, R3は同一もしくは
相異なって、置換されてもよいアルキル基、アラルキル
基又はアリール基を示すが、アルキル基としては、炭素
数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましく、
具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等の基
が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル基である。このアルキル
基は置換されていてもよいが、置換基としては通常、ア
ルコキシ基が挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エト
キシ基である。R1, R2, R3がアラルキル基である場合、
アリール基部分が無置換もしくはアルキル基、アルコキ
シ基等で置換されたフェニル、ナフチル、アンスラニル
等の基が挙げられ、アルキレン部分としては、炭素数1
〜4のものが挙げられ、好ましくはメチレンである。具
体的にはベンジル、p−メチルベンジル、m−メチルベ
ンジル等の基が挙げられる。R1, R2, R3がアリール基で
ある場合には、無置換もしくはアルキル基、アルコキシ
基等で置換されたフェニル、ナフチル、アンスラニル等
の基が挙げられ、好ましくはフェニル基である。mは1
以上6以下の整数であるが、好ましくは1である。
【0009】前記一般式(1) で示されるカルバゾール化
合物は公知の方法で合成することができる。例えば、ま
ずN−(ハロゲノメチルアリール)カルバゾール化合物
をグリニャール化し、二酸化炭素と反応せしめてメチレ
ンカルボン酸(酢酸)誘導体とする。その後、対応する
アルコールと反応せしめエステル化すればよい。以上の
ようにして得られる一般式(1) で示されるカルバゾール
化合物は、結晶性が低く、また溶剤、結着剤との相溶性
は非常に優れたものである。さらに、−(CH2)m−COOR3
で置換されていないカルバゾール化合物と比較してその
電荷移動度はほとんど変わりなく大きいものである。そ
のために、高感度、高耐久性の電子写真感光体を与える
ものである。以下、一般式(1) で示されるカルバゾール
化合物を具体的に例示するが(化合物(2) 〜(41)) 、本
発明はこれらに限定されるものではない。
合物は公知の方法で合成することができる。例えば、ま
ずN−(ハロゲノメチルアリール)カルバゾール化合物
をグリニャール化し、二酸化炭素と反応せしめてメチレ
ンカルボン酸(酢酸)誘導体とする。その後、対応する
アルコールと反応せしめエステル化すればよい。以上の
ようにして得られる一般式(1) で示されるカルバゾール
化合物は、結晶性が低く、また溶剤、結着剤との相溶性
は非常に優れたものである。さらに、−(CH2)m−COOR3
で置換されていないカルバゾール化合物と比較してその
電荷移動度はほとんど変わりなく大きいものである。そ
のために、高感度、高耐久性の電子写真感光体を与える
ものである。以下、一般式(1) で示されるカルバゾール
化合物を具体的に例示するが(化合物(2) 〜(41)) 、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】これらの化合物は、多くの溶剤に可溶であ
り、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリ
ン、クロロベンゼン等の芳香族系溶剤;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン、四塩化炭素等のハロゲン系溶剤;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、ジプロピルエー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等に可溶であ
る。
り、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリ
ン、クロロベンゼン等の芳香族系溶剤;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン、四塩化炭素等のハロゲン系溶剤;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、ジプロピルエー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等に可溶であ
る。
【0020】電子写真感光体を作製するにあたっては、
例えば、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を
薄膜状に形成せしめる。導電性支持体の基材としては、
アルミニウム、ニッケル等の金属、金属蒸着高分子フィ
ルム、金属ラミネート高分子フィルム等を用いることが
でき、ドラム状、シート状又はベルト状の形態で導電性
支持体を形成する。
例えば、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を
薄膜状に形成せしめる。導電性支持体の基材としては、
アルミニウム、ニッケル等の金属、金属蒸着高分子フィ
ルム、金属ラミネート高分子フィルム等を用いることが
でき、ドラム状、シート状又はベルト状の形態で導電性
支持体を形成する。
【0021】電荷発生層は、電荷発生材及び必要に応じ
て結合剤、添加剤よりなり、蒸着法、プラズマCVD
法、塗工法等の方法で作製することができる。電荷発生
材としては、特に限定されることはなく、照射される特
定の波長の光を吸収し、効率よく電荷を発生するものな
ら有機材料、無機材料のいずれも好適に使用することが
できるが、無機材料の場合は前記の如く、公害の問題や
経済性に問題があるため、かかる観点において有機材料
を用いることが好ましい。有機電荷発生材としては、例
えばペリレン顔料、多環キノン系顔料、無金属フタロシ
アニン顔料、金属フタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料、
トリスアゾ顔料、チアピリリウム塩、スクエアリウム
塩、アズレニウム顔料等が挙げられ、これらは主として
結合剤中に分散せしめ、塗工により電荷発生層を形成す
ることができる。無機電荷発生材としては、セレン、セ
レン合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシ
リコン、アモルファスシリコンカーバイド等が挙げられ
る。形成された電荷発生層の膜厚は 0.1乃至 2.0μm が
好ましく、更に好ましくは 0.1乃至 1.0μm である。
て結合剤、添加剤よりなり、蒸着法、プラズマCVD
法、塗工法等の方法で作製することができる。電荷発生
材としては、特に限定されることはなく、照射される特
定の波長の光を吸収し、効率よく電荷を発生するものな
ら有機材料、無機材料のいずれも好適に使用することが
できるが、無機材料の場合は前記の如く、公害の問題や
経済性に問題があるため、かかる観点において有機材料
を用いることが好ましい。有機電荷発生材としては、例
えばペリレン顔料、多環キノン系顔料、無金属フタロシ
アニン顔料、金属フタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料、
トリスアゾ顔料、チアピリリウム塩、スクエアリウム
塩、アズレニウム顔料等が挙げられ、これらは主として
結合剤中に分散せしめ、塗工により電荷発生層を形成す
ることができる。無機電荷発生材としては、セレン、セ
レン合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシ
リコン、アモルファスシリコンカーバイド等が挙げられ
る。形成された電荷発生層の膜厚は 0.1乃至 2.0μm が
好ましく、更に好ましくは 0.1乃至 1.0μm である。
【0022】次に該電荷発生層の上部に、一般式(1) で
示されるカルバゾール化合物を含む電荷輸送層を薄膜状
に形成せしめる。薄膜形成法としては、おもに塗工法が
用いられ、一般式(1) で示されるカルバゾール化合物
を、必要に応じて結合剤とともに溶剤に溶解し、電荷発
生層上に塗工せしめ、その後乾燥させればよい。用いら
れる溶剤としては、上記の化合物及び必要に応じて用い
られる結合剤が溶解し、かつ電荷発生層が溶解しない溶
剤なら特に限定されることはない。必要に応じて用いら
れる結合剤は、絶縁性樹脂なら特に限定されることはな
く、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエ
ステル、ポリアミド等の縮合系重合体;ポリエチレン、
ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体;ポリアク
リレート、ポリメタクリレート、ポリビニルブチラー
ル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の付加重合体;ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、シリコン樹脂等が適
宜用いられ、一種もしくは二種以上のものを混合して用
いることができる。上記結合剤の使用量は、一般式(1)
で示されるカルバゾール化合物に対して0.1乃至3重量
比であり、好ましくは 0.1乃至2重量比である。結合剤
の量がこれよりも大であると、電荷輸送層における電荷
輸送材濃度が小さくなり、感度が悪くなる。
示されるカルバゾール化合物を含む電荷輸送層を薄膜状
に形成せしめる。薄膜形成法としては、おもに塗工法が
用いられ、一般式(1) で示されるカルバゾール化合物
を、必要に応じて結合剤とともに溶剤に溶解し、電荷発
生層上に塗工せしめ、その後乾燥させればよい。用いら
れる溶剤としては、上記の化合物及び必要に応じて用い
られる結合剤が溶解し、かつ電荷発生層が溶解しない溶
剤なら特に限定されることはない。必要に応じて用いら
れる結合剤は、絶縁性樹脂なら特に限定されることはな
く、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエ
ステル、ポリアミド等の縮合系重合体;ポリエチレン、
ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体;ポリアク
リレート、ポリメタクリレート、ポリビニルブチラー
ル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の付加重合体;ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、シリコン樹脂等が適
宜用いられ、一種もしくは二種以上のものを混合して用
いることができる。上記結合剤の使用量は、一般式(1)
で示されるカルバゾール化合物に対して0.1乃至3重量
比であり、好ましくは 0.1乃至2重量比である。結合剤
の量がこれよりも大であると、電荷輸送層における電荷
輸送材濃度が小さくなり、感度が悪くなる。
【0023】また本発明においては、必要に応じて前記
の公知の電荷輸送材を組み合わせて用いることもでき
る。電荷輸送層の塗工手段は特に限定されることはな
く、例えばディップコーター、バーコーター、カレンダ
ーコーター、グラビアコーター、スピンコーター等を適
宜使用することができ、また、電着塗装することも可能
である。このようにして形成された電荷輸送層の膜厚は
10乃至50μm が好ましく、更に好ましくは10乃至30μm
である。膜厚が50μm よりも大であると電荷の輸送によ
り多くの時間を要するようになり、また電荷が捕獲され
る確率も大となり感度低下の原因となる。一方、10μm
より小であると機械的強度が低下し、感光体の寿命が短
いものとなり好ましくない。
の公知の電荷輸送材を組み合わせて用いることもでき
る。電荷輸送層の塗工手段は特に限定されることはな
く、例えばディップコーター、バーコーター、カレンダ
ーコーター、グラビアコーター、スピンコーター等を適
宜使用することができ、また、電着塗装することも可能
である。このようにして形成された電荷輸送層の膜厚は
10乃至50μm が好ましく、更に好ましくは10乃至30μm
である。膜厚が50μm よりも大であると電荷の輸送によ
り多くの時間を要するようになり、また電荷が捕獲され
る確率も大となり感度低下の原因となる。一方、10μm
より小であると機械的強度が低下し、感光体の寿命が短
いものとなり好ましくない。
【0024】以上の如くにして一般式(1) で示されるカ
ルバゾール化合物を電荷輸送層に含む電子写真感光体を
作製することができる。この電子写真感光体において
は、電荷発生層と電荷輸送層の接着性は優れており、セ
ロハンテープ剥離試験において、剥離することは全く無
かった。また、さらに本発明においては、導電性支持体
と電荷発生層の間に必要に応じて接着層、下引き層、バ
リヤー層等を設けることもできる。
ルバゾール化合物を電荷輸送層に含む電子写真感光体を
作製することができる。この電子写真感光体において
は、電荷発生層と電荷輸送層の接着性は優れており、セ
ロハンテープ剥離試験において、剥離することは全く無
かった。また、さらに本発明においては、導電性支持体
と電荷発生層の間に必要に応じて接着層、下引き層、バ
リヤー層等を設けることもできる。
【0025】こうして得られた電子写真感光体の使用に
際しては、まず感光体表面をコロナ帯電器等により負に
帯電せしめる。帯電後、露光されることにより電荷発生
層内で電荷が発生し、正電荷が電荷輸送層内に注入さ
れ、これが電荷輸送層中を通って表面にまで輸送され、
表面の負電荷が中和される。一方、露光されなかった部
分には負電荷が残ることになる。正規現像の場合、正帯
電トナーが用いられ、この負電荷が残った部分にトナー
が付着し現像されることになる。反転現像の場合には、
負帯電トナーが用いられ、電荷が中和された部分にトナ
ーが付着し現像されることになる。本発明における電子
写真感光体はいずれの現像方法においても使用可能であ
り、高画質を与えることができる。また、繰り返し使用
時に電荷輸送材が結晶化することは全く無く、電荷発生
層と電荷輸送層が剥離することも認められない。更に残
留電位の上昇は全く観察されず、高感度、高耐久性を示
すことができる。また本発明においては、導電性支持体
上にまず電荷輸送層を設け、その上に電荷発生層を設け
て電子写真感光体を作製することもできる。この場合に
は、まず感光体表面を正に帯電せしめ、露光後、発生し
た負電荷は感光体の表面電荷を中和し、正電荷は電荷輸
送層を通って導電性支持体に輸送されることになる。
際しては、まず感光体表面をコロナ帯電器等により負に
帯電せしめる。帯電後、露光されることにより電荷発生
層内で電荷が発生し、正電荷が電荷輸送層内に注入さ
れ、これが電荷輸送層中を通って表面にまで輸送され、
表面の負電荷が中和される。一方、露光されなかった部
分には負電荷が残ることになる。正規現像の場合、正帯
電トナーが用いられ、この負電荷が残った部分にトナー
が付着し現像されることになる。反転現像の場合には、
負帯電トナーが用いられ、電荷が中和された部分にトナ
ーが付着し現像されることになる。本発明における電子
写真感光体はいずれの現像方法においても使用可能であ
り、高画質を与えることができる。また、繰り返し使用
時に電荷輸送材が結晶化することは全く無く、電荷発生
層と電荷輸送層が剥離することも認められない。更に残
留電位の上昇は全く観察されず、高感度、高耐久性を示
すことができる。また本発明においては、導電性支持体
上にまず電荷輸送層を設け、その上に電荷発生層を設け
て電子写真感光体を作製することもできる。この場合に
は、まず感光体表面を正に帯電せしめ、露光後、発生し
た負電荷は感光体の表面電荷を中和し、正電荷は電荷輸
送層を通って導電性支持体に輸送されることになる。
【0026】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を具体的
に例示するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
に例示するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0027】合成例カルバゾール化合物(例示化合物(6))の合成 攪拌装置、冷却管、窒素導入管、滴下漏斗を備えつけた
500 ml4ツ口フラスコにマグネシウム金属2.9 g(0.12
mol)を入れ、窒素置換を行った。ついで乾燥ジエチルエ
ーテル300 mlを入れ、攪拌を開始した。そこへ、N−
(4−クロロメチルフェニル)カルバゾール29.1g(0.1
mol) のジエチルエーテル溶液100 mlをゆっくり滴下し
た。約10ml滴下したところでゆるやかに還流が始まっ
た。還流させながら、さらにジエチルエーテル溶液の滴
下を続け、滴下終了後、さらに1時間還流を行った。以
上のようにして得られたグリニャール試薬溶液を室温に
まで戻し、次にそこへ氷冷下、ドライアイス13gをゆっ
くり加えた。全てのドライアイスを加えた後、反応混合
物を2時間室温で攪拌し反応を熟成した。その後、水10
0 mlを氷冷下滴下し加水分解を行った。生じた塊を 0.1
N塩酸溶液を加えて溶解した。次にエーテル層を抽出し
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水で2回洗浄
し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ジ
エチルエーテルを留去し白色固体を得た。該白色固体を
エタノールで再結晶し、カルボン酸誘導体25.6g(収率
85%)を得た。次に、このカルボン酸誘導体25.6g(0.
085mol)をn−ブタノール500 mlに加熱溶解し、硫酸2
mlを加えて5時間還流を行った。その後、室温に戻し、
反応混合物を水2リットルに注いだ。得られた白色固体
を濾過し、乾燥した。この白色固体をシリカゲルカラム
により精製し、目的物であるカルバゾール化合物を24.0
g(79%)得た。 Rf=0.6 (酢酸エチル/n−ヘキサン=1/2) 融点:162.1 〜163.5 ℃ 実施例1 X型無金属フタロシアニン5g、ブチラール樹脂(エス
レックBM−2、積水化学(株)製)5gをシクロヘキサ
ノン90mlに溶解し、ボールミル中で24時間混練した。得
られた分散液をアルミ板上にバーコーターにて乾燥後の
膜厚が0.15μmになるように塗布し、乾燥させ、電荷発
生層を形成した。次に合成例により得られたカルバゾー
ル化合物(例示化合物(6))5g、ポリカーボネート樹脂
(レキサン 131−111 、エンジニアリングプラスチック
ス(株)製)5gをジオキサン90mlに溶解し、これを先
に形成した電荷発生層上にブレードコーターにて乾燥後
の膜厚が25μm になるように塗布して乾燥させ、電荷輸
送層を形成した。
500 ml4ツ口フラスコにマグネシウム金属2.9 g(0.12
mol)を入れ、窒素置換を行った。ついで乾燥ジエチルエ
ーテル300 mlを入れ、攪拌を開始した。そこへ、N−
(4−クロロメチルフェニル)カルバゾール29.1g(0.1
mol) のジエチルエーテル溶液100 mlをゆっくり滴下し
た。約10ml滴下したところでゆるやかに還流が始まっ
た。還流させながら、さらにジエチルエーテル溶液の滴
下を続け、滴下終了後、さらに1時間還流を行った。以
上のようにして得られたグリニャール試薬溶液を室温に
まで戻し、次にそこへ氷冷下、ドライアイス13gをゆっ
くり加えた。全てのドライアイスを加えた後、反応混合
物を2時間室温で攪拌し反応を熟成した。その後、水10
0 mlを氷冷下滴下し加水分解を行った。生じた塊を 0.1
N塩酸溶液を加えて溶解した。次にエーテル層を抽出し
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水で2回洗浄
し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、ジ
エチルエーテルを留去し白色固体を得た。該白色固体を
エタノールで再結晶し、カルボン酸誘導体25.6g(収率
85%)を得た。次に、このカルボン酸誘導体25.6g(0.
085mol)をn−ブタノール500 mlに加熱溶解し、硫酸2
mlを加えて5時間還流を行った。その後、室温に戻し、
反応混合物を水2リットルに注いだ。得られた白色固体
を濾過し、乾燥した。この白色固体をシリカゲルカラム
により精製し、目的物であるカルバゾール化合物を24.0
g(79%)得た。 Rf=0.6 (酢酸エチル/n−ヘキサン=1/2) 融点:162.1 〜163.5 ℃ 実施例1 X型無金属フタロシアニン5g、ブチラール樹脂(エス
レックBM−2、積水化学(株)製)5gをシクロヘキサ
ノン90mlに溶解し、ボールミル中で24時間混練した。得
られた分散液をアルミ板上にバーコーターにて乾燥後の
膜厚が0.15μmになるように塗布し、乾燥させ、電荷発
生層を形成した。次に合成例により得られたカルバゾー
ル化合物(例示化合物(6))5g、ポリカーボネート樹脂
(レキサン 131−111 、エンジニアリングプラスチック
ス(株)製)5gをジオキサン90mlに溶解し、これを先
に形成した電荷発生層上にブレードコーターにて乾燥後
の膜厚が25μm になるように塗布して乾燥させ、電荷輸
送層を形成した。
【0028】このようにして作製した電子写真感光体に
ついて、JIS Z 1522に準じてセロハンテープ剥離試験を
行ったところ、全く剥がれることはなかった。次に全く
同様の方法で作製した電子写真感光体を(株)川口電気
製作所製、静電複写紙試験装置EPA−8100を用いて、
−5.5kVのコロナ電圧で帯電させたところ、初期表面電
位V0 は−770 Vであった。暗所にて2秒放置後の表面
電位V2 は−760Vとなった。次いで発振波長 790nmの
半導体レーザーを照射し、半減露光量E1/2 を求めたと
ころ、0.33μJ/cm2であり、残留電位VR は−0.3 Vで
あった。次に、5000回上記操作を繰り返した後、V0 、
V2 、E1/2 、VR を測定したところ、それぞれ−760
V、−750 V、0.33μJ/cm2 、−0.9 Vであり、また感
光体の作製後、試験の終了まで結晶の析出を全く認めな
かった。従って、感光体の性能は殆ど衰えておらず、高
い耐久性を示すことがわかった。
ついて、JIS Z 1522に準じてセロハンテープ剥離試験を
行ったところ、全く剥がれることはなかった。次に全く
同様の方法で作製した電子写真感光体を(株)川口電気
製作所製、静電複写紙試験装置EPA−8100を用いて、
−5.5kVのコロナ電圧で帯電させたところ、初期表面電
位V0 は−770 Vであった。暗所にて2秒放置後の表面
電位V2 は−760Vとなった。次いで発振波長 790nmの
半導体レーザーを照射し、半減露光量E1/2 を求めたと
ころ、0.33μJ/cm2であり、残留電位VR は−0.3 Vで
あった。次に、5000回上記操作を繰り返した後、V0 、
V2 、E1/2 、VR を測定したところ、それぞれ−760
V、−750 V、0.33μJ/cm2 、−0.9 Vであり、また感
光体の作製後、試験の終了まで結晶の析出を全く認めな
かった。従って、感光体の性能は殆ど衰えておらず、高
い耐久性を示すことがわかった。
【0029】実施例2〜10 電荷輸送材として、それぞれ表1に示した化合物番号の
ものを用いる以外は実施例1と同様にして感光体を作製
し、性能評価を行った。その結果を表1に示したが、実
施例1と同様の結果であり、セロハンテープ剥離試験に
おいても全く剥がれることはなかった。
ものを用いる以外は実施例1と同様にして感光体を作製
し、性能評価を行った。その結果を表1に示したが、実
施例1と同様の結果であり、セロハンテープ剥離試験に
おいても全く剥がれることはなかった。
【0030】
【表1】
【0031】実施例11 実施例1において、X型無金属フタロシアニンの代わり
に下記式(42)に示すジブロモアントアントロンを電荷発
生材として用いる以外は全く同様にして感光体を作製
し、また照射光源として790 nmの半導体レーザーの代わ
りに照度5 luxのハロゲンランプを用いる以外は全く同
様にして性能評価を行った。その結果、初期のV0 、V
2 、E1/2 、VR はそれぞれ−740 V、−730 V、1.3
lux・sec 、−0.2 Vであった。次に5000回上記操作を
繰り返した後、V0、V2、E1/2 、VR を測定したとこ
ろ、それぞれ−730V、−720V、 1.3 lux・sec 、−0.
7 Vであり、また感光体の作製後、試験の終了まで結晶
の析出を全く認めなかった。従って、感光体としての性
能は優れており、高い耐久性を示すことがわかった。
に下記式(42)に示すジブロモアントアントロンを電荷発
生材として用いる以外は全く同様にして感光体を作製
し、また照射光源として790 nmの半導体レーザーの代わ
りに照度5 luxのハロゲンランプを用いる以外は全く同
様にして性能評価を行った。その結果、初期のV0 、V
2 、E1/2 、VR はそれぞれ−740 V、−730 V、1.3
lux・sec 、−0.2 Vであった。次に5000回上記操作を
繰り返した後、V0、V2、E1/2 、VR を測定したとこ
ろ、それぞれ−730V、−720V、 1.3 lux・sec 、−0.
7 Vであり、また感光体の作製後、試験の終了まで結晶
の析出を全く認めなかった。従って、感光体としての性
能は優れており、高い耐久性を示すことがわかった。
【0032】
【化12】
【0033】実施例12〜18 電荷輸送材として、それぞれ表2に示した化合物番号の
ものを用いる以外は実施例11と同様にして感光体を作
製し、性能評価を行った。その結果を表2に示したが、
実施例11と同様の結果であった。
ものを用いる以外は実施例11と同様にして感光体を作
製し、性能評価を行った。その結果を表2に示したが、
実施例11と同様の結果であった。
【0034】
【表2】
【0035】比較例1 実施例1において、化合物(6) で表されるカルバゾール
化合物の代わりに下式(43)で示されるカルバゾール化合
物を用いる以外は全く同様にして感光体を作製した。し
かし、1日25℃暗所にて保存したところ結晶が析出して
きた。このものを用いて実施例1と同様の方法で性能評
価を行った。−5.5kVのコロナ電圧で帯電させたとこ
ろ、初期の表面電位V0 は−780 Vであった。暗所にて
2秒放置後の表面電位V2 は−770 Vとなった。次い
で、発振波長790 nmの半導体レーザーを照射し、半減露
光量E1/2 を求めたところ、0.67μJ/cm2 であり、残留
電位VR は−49.0Vであった。次に5000回上記操作を繰
り返した後、V0 、V2 、E1/2 、VR を測定したとこ
ろ、それぞれ−780 V、−760 V、0.97μJ/cm2 、−14
3.8Vであり、感光体の感度、耐久性ともに劣るもので
あった。
化合物の代わりに下式(43)で示されるカルバゾール化合
物を用いる以外は全く同様にして感光体を作製した。し
かし、1日25℃暗所にて保存したところ結晶が析出して
きた。このものを用いて実施例1と同様の方法で性能評
価を行った。−5.5kVのコロナ電圧で帯電させたとこ
ろ、初期の表面電位V0 は−780 Vであった。暗所にて
2秒放置後の表面電位V2 は−770 Vとなった。次い
で、発振波長790 nmの半導体レーザーを照射し、半減露
光量E1/2 を求めたところ、0.67μJ/cm2 であり、残留
電位VR は−49.0Vであった。次に5000回上記操作を繰
り返した後、V0 、V2 、E1/2 、VR を測定したとこ
ろ、それぞれ−780 V、−760 V、0.97μJ/cm2 、−14
3.8Vであり、感光体の感度、耐久性ともに劣るもので
あった。
【0036】
【化13】
Claims (1)
- 【請求項1】 導電性支持体上に設けた感光層中に一般
式(1) で示されるカルバゾール化合物を含むことを特徴
とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、Arは置換されてもよいアリーレン基を示し、
R1, R2, R3は同一もしくは相異なって、置換されてもよ
いアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。m
は1以上6以下の整数を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23170391A JPH0572765A (ja) | 1991-09-11 | 1991-09-11 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23170391A JPH0572765A (ja) | 1991-09-11 | 1991-09-11 | 電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0572765A true JPH0572765A (ja) | 1993-03-26 |
Family
ID=16927683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23170391A Pending JPH0572765A (ja) | 1991-09-11 | 1991-09-11 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0572765A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014506262A (ja) * | 2010-12-10 | 2014-03-13 | コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション | 正孔伝導性を有する化合物、これを含む正孔伝導特性を有する共吸着体、およびこれを含む色素増感太陽電池 |
-
1991
- 1991-09-11 JP JP23170391A patent/JPH0572765A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014506262A (ja) * | 2010-12-10 | 2014-03-13 | コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション | 正孔伝導性を有する化合物、これを含む正孔伝導特性を有する共吸着体、およびこれを含む色素増感太陽電池 |
EP2712860A1 (en) * | 2010-12-10 | 2014-04-02 | Korea University Research and Business Foundation | Compounds having hole conducting property, co-adsorbent body comprising same, and dye-sensitized solar cell comprising the co-adsorbent body |
EP2712859A4 (en) * | 2010-12-10 | 2014-04-16 | Univ Korea Res & Bus Found | COMPOUNDS HAVING HOLE-CONDUCTION PROPERTY, CO-ADSORBENT BODY CONTAINING AND PHOTOPILE SENSITIZED BY COLORING INTEGRATION THEREBY CO-ADSORBENT BODY |
JP2015107983A (ja) * | 2010-12-10 | 2015-06-11 | コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーションKorea University Research And Business Foundation | 正孔伝導性を有する化合物、これを含む正孔伝導特性を有する共吸着体、およびこれを含む色素増感太陽電池 |
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