JPH057243B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は包装機用回転加工具の回転角度調整装
置に関し、特に被包装物の位置に対する回転加工
具の回転角度を手動で補正できる包装機用回転加
工具の回転角度調整装置に関する。

［従来技術］ 包装用シート、例えば帯状の包装紙やフイルム
等（以下、単に包装紙と呼ぶ）を連続して筒状に
形成しながら被包装物を包み込み、被包装物の前
後を封着した上で切断する所謂ピロー型包装機で
は、包装紙に包まれた被包装物の移動速度に連動
して回転する回転加工具が、種々の加工、例えば
封着と切断とを行なう機能を備えており包装紙の
封着と切断とを一工程で行なうのが一般的であ
る。こうした回転加工具の制御では、包装紙のカ
ツト形状及びシール面の形状を良好にするための
回転周速度の調整を行なうと共に、被包装物に対
する切断位置や封着（シール）位置の調整を行な
う必要があつた。即ち、回転加工具の加工位置に
着目した場合、被包装物の位置に対する回転加工
具の回転角度を所定の角度に調整することが必要
であつた。

従来、専ら手動で行なわれてきた上記の被包装
物の位置に対する回転加工具の回転角度の調整を
自動化しようとする提案が、例えば特開昭58−
183432号公報にみられるように、被包装物の形
状、例えばカツトピツチ等に基づいて、被包装物
を包装機に供給する供給コンベア上の包装物の基
準位置に対する回転加工具の回転角度を設定する
といつた手法により行なわれている。

しかしながら包装紙により連続的に包装された
被包装物に対してその間の最適の位置で封着や切
断といつた加工を行なうように、被包装物の位置
に対する回転加工具の回転角度を正確に調整する
ことは、回転加工具を駆動する駆動系の機械的誤
差や被包装物の種々異なる形状といつた要因から
困難であり、現実にはこうした調整は完全には自
動化されておらず、次のような回転角度の補正が
行なわれていた。即ち、実際に連続して包装を行
なう前に実施される各種の調整、所謂合わせ運転
のひとつとして、被包装物を包装機に供給する供
給コンベア上の被包装物を予め定められた基準の
位置に停止させておき、その時の回転加工具の回
転角度を、被包装物の包装形状と包装機固有の機
械的な諸数値とから定まる所定の回転角度に設定
した上で、実際に包装機を運転し、操作者が包装
品を見て、被包装物に対する封着位置や切断位置
といつた加工位置を確認し、その位置がズレてい
るような場合には包装機に備えられた手動補正手
段としてのスイツチを押して所望の回転角度だ
け、回転加工具の被包装物に対する回転角度を補
正する操作がそれである。

種々異なる被包装物の種類や形状等によつて最
適な位置で加工を行なわせる為には上記補正が必
要となるが、たとえ以前に同一形状の被包装物に
対して回転角度を上記補正によつて調整していて
も、被包装物を取り替える度に新規に回転角度を
調整しなければならなかつた。この結果、こうし
た補正操作を繰り返すことは煩わしいばかりでな
く、工程上の段取りの工数を増大させ、製造コス
トの高騰を招くとしう問題があつた。又、手動で
毎回補正を行なつているために、操作者の熟練の
度合や体調等によつても加工の状態がバラついて
しまい、以前包装を行つたことのある被包装物に
対して、同一の位置で加工することができない場
合があるなど、品質の面からも問題となつてい
た。

［発明の目的］ 本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その
目的とするところは被包装物の位置に対する回転
加工具の回転角度を一度設定したならば同一形状
の被包装物に対しては調整を必要とせずに同一の
回転角度を設定することのできる包装機用回転加
工具の回転角度調整装置を提供することにある。

［発明の構成］ かかる目的を達成する為になされた本発明の構
成は、第１図に図示する如く、 被包装物Ｍ１の包装形状を入力する包装形状入
力手段Ｍ２と、 包装用シートに連続して包装された被包装物Ｍ
１の間を加工する回転加工具Ｍ３の、被包装物Ｍ
１の位置に対する回転角度を設定する回転角度設
定手段Ｍ４と、 前記包装形状入力手段Ｍ２から入力された被包
装物Ｍ１の包装形状に基づいて、前記回転角度設
定手段Ｍ４を制御して、被包装物Ｍ１の基準の位
置に対する前記回転加工具Ｍ３の回転角度を目標
角度に調整する回転制御手段Ｍ５と、 手動により前記回転角度設定手段Ｍ４を制御し
て、回転加工具Ｍ３の回転角度を前記目標角度か
ら補正する手動補正手段Ｍ６と、 を備えた包装機用回転加工具の回転角度調整装置
において、 前記回転制御手段Ｍ５及び手動補正手段Ｍ６に
よつて設定された回転加工具Ｍ３の被包装物Ｍ１
の位置に対する回転角度を検出する回転角度検出
手段Ｍ７を備えるとともに、 前記回転制御手段Ｍ５が、 前記回転角度検出手段Ｍ７によつて検出された
被包装物Ｍ１の位置に対する回転加工具Ｍ３の回
転角度を被包装物Ｍ１の形状に対応して記憶する
回転角度記憶手段Ｍ８を有し、 前記包装形状入力手段Ｍ２によつて以前に包装
が行われた被包装物Ｍ１の形状の内の一つが選択
指示された場合に、前記回転角度設定手段Ｍ４を
制御して被包装物Ｍ１の位置にに対する回転加工
具Ｍ３の回転角度を前記回転角度記憶手段Ｍ８に
よつて前記被包装物Ｍ１の形状に対応して記憶さ
れた回転角度に調整することを特徴とする包装機
用回転加工具の回転角度調整装置を要旨としてい
る。

［実施例］ 以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。

第２図、第３図は本発明一実施例の横型ピロー
包装機の機械的な構成を示す概略構成図である。
この横型ピロー包装機には、図示左端より、被包
装物１ｂをフオーマ（図示せず）に供給する供給
コンベヤ１、同じくフオーマに包装用の帯状の包
装紙を供給する繰出ローラ２、フオーマからフイ
ルムを引き出す引張ローラ３、筒状にフオーミン
グされた包装紙の重合部をシールするセンターシ
ール装置４、包装袋の封着（以下、エンドシール
とも呼ぶ）を行なうと同時にその部分を切断する
回転加工具としての回転シールカツタ５、及び搬
出コンベヤ６が配設されている。

次に、これら各要部の駆動系と自動調整用の装
置について詳述する。主モータＭの駆動力は、ベ
ルト７、主駆動軸８、チエン９，及び中間軸１０
を介して供給コンベヤ１に伝達されるように連結
され、繰出ローラ２は主駆動軸８からベルトを含
む変速機１１、駆動機１２，差動歯車機構１３、
中間軸１５及び送り微調整用ローラ１４を介して
駆動力を伝達されるように接続されている。さら
に、引張ローラ３は中間軸１５からチエン１６、
駆動軸１７を介して駆動力を伝達され、センター
シール装置４は微調整用ローラ１８を介して駆動
軸１７から駆動力を伝達され、搬出コンベヤ６は
駆動軸１７から駆動１９，２０を介して駆動力を
伝達されるように連結されている。また、回転シ
ールカツタ５は、主駆動軸８からチエン２１、差
動歯車機構２２、クラツチ機構２３、不等速回転
機構２４、及びチエン２５を介して駆動力を伝達
されるように接続される。２６はチエン２１と中
間軸２７を介して主駆動軸８に連結された回転シ
ールカツタ５のタイミング調整機構であつて、供
給コンベヤ１のアタツチメント１ａと模様付き包
装紙に対する回転シールカツタ５の角度の初期調
整とタイミングをとるために、差動歯車機構２８
を介してタイミングカム軸３４が中間軸２７に連
結されている。変速機１１に変速比可変制御モー
タPM１に接続され。差動歯車機構１３の出力軸
に歯車を介して制御モータPM２が接続され、タ
イミング機構２６の作動歯車機構２８の出力軸に
歯車を介してタイミング調整用の制御モータPM
３が接続されている。さらに、差動歯車機構２２
の出力軸に歯車を介して制御モータPM４が回転
シールカツタ５のタイミング調整のために接続さ
れ、制御モータPM５が不等速回転機構２４の可
変偏心クランク偏心量を調整するために、ねじを
用いた移動装置にチエンを介して接続されてい
る。

PHS１乃至PHS８は各々の被検出軸の回転に
比例した数のパルスを、又は物の移動を検知して
パルス信号を発生するように、各駆動軸などに隣
接して配置されたパルス発生器である。パルス発
生器PHS１はタイミングカム軸３４ａに取付け
られたタイミングカム３４ａに対して配置され、
回転シールカツタ５の模様入り包装紙に対するタ
イミングを検出する為に設けられている。パルス
発生器PHS２は中間軸１０の回転を検出して、
供給コンベア１を定位置に停止させる為に用いら
れる。パルス発生器PHS３は、回転シールカツ
タ５の回転角度の原点確認用の検出器として、パ
ルス発生器PHS４は不等速回転機構２４の偏心
量Ｘが零の位置、すなわち偏心クランクの機械原
点を検出するリミツトスイツチとして、又、パル
ス発生器PHS５は繰出ローラ２上の包装紙の模
様を検出して包装紙のカツト位置に対して回転シ
ールカツタ５の動作を同期させるための模様検出
器として、更にパルス発生器PHS６は繰出ロー
ラ２の回転数検出用として、各々設けられてい
る。又、パルス発生器PHS７は回転シールカツ
タ５のカツタ角度計測用に、同じくPHS８は周
速度の設定量を検出するためにクランクの偏心量
の検出用に設けられたものである。

次に本実施例の電気系統を第４図に示すブロツ
ク図を用いて説明する。図において、１００は横
型ピロー包装紙の各種制御を行なう制御回路であ
り、本発明の構成としては回転制御手段に相当す
る。制御回路１００は、データの入出力や演算等
を行なう周知の中央処理ユニツト（CPU）１０
２を備え、後述の制御・処理を行なうよう構成さ
れている。１０４は処理用のプログラムや各種の
定数等が格納された読み出し専用のメモリ
（ROM）、１０６はデータ等が自由に読み書きさ
れる一時記憶用のメモリ（RAM）、１０７は図
示しないバツテリによつてバツクアツプされ包装
機の電源が切られたあとも書き込まれたデータの
内容を保持するメモリ（バツクアツプRAM）、
１０８はCPU１０２からのデータに従つて外部
の表示装置（CRT）１０９をコントロールし制
御情報等の表示を行なうCRTコントローラ、１
１０は外部のキーボード１１１のデータキー部１
１１ａよりデータを入力する為のキーボード入力
回路、１１２は既述のパルス発生器PHS１ない
しPHS８よりパルス信号を入力するパルス入力
回路、１１４は主モータＭ及び制御モータPM１
ないしPM５を正転・逆転いずれにも駆動する電
力出力回路、１１６はCPU１０２，ROM１０
４，RAM１０６，CRTコントローラ１０８、キ
ーボード入力回路１１０、パルス入力回路１１
２、電力出力回路１１４を相互に接続するデータ
バス、を各々表わしている。又、キーボード１１
１は、カツトピツチ等のデータの設定を行なうテ
ンキーや包装機の動作モードを指定するモード設
定キー（REQ，SET，START）とからなるデ
ータキー部１１１ａと、回転シールカツタ５の回
転角度の手動補正指令を入力する指令キー部１１
１ｂとから構成されている。前者データキー部１
１１ａは制御回路１００と共に本発明構成におけ
る包装形状入力手段として働き、後者指令キー部
１１１ｂは直接制御モータPM４を正転・逆転さ
せるスイツチであつて、手動補正手段として働
く。

次に、第５図、第６図に示すフローチヤートを
用いて、包装機用回転加工具の回転角度調整装置
の動作について説明する。第５図は電源投入時か
ら自動運転開始までの制御回路１００の行なう処
理の概略を示すフローチヤートである。制御回路
１００は電源が投入されると第５図Ａより処理を
開始し、まず初期化のステツプ200を実行し、
CPU１０２の内部レジスタのクリアや包装機用
回転加工具の回転角度調整装置における各種制御
に必要な定数の設定や各種フラツグ、例えば後述
の補正計測フラツグＦのリセツト（Ｆ＝０）等の
処理を行ない、CRT１０９上に被包装物１ｂに
関するデータの入力を求めるといつた初期のメツ
セージを表示する。この状態で横型ピローの包装
機の主モータＭ及び制御モータPM１ないしPM
５は停止している。続くステツプ210では、キー
ボード１１１からの入力があるか否かをキーボー
ド入力回路１１０を介してチエツクし、入力があ
るまで同じステツプ210の実行を繰返す。ステツ
プ210においてキーボード１１１より入力があつ
た場合には、処理はステツプ220へ進み、キーボ
ード１１１より入力されたキーデータから、包装
を行なう被包装物１ｂが新規な包装形状をしてい
るか、既に包装を行なつたことのある包装形状を
しているかの判断が行なわれる。本実施例では、
ステツプ210で入力されたキーデータが
「START」と呼ばれるキーのデータである時に
は、既に包装を行なつたことがありその包装形状
に関するデータが登録されている被包装物の包装
であると判断して処理はステツプ230へ、キーデ
ータが「REQ」と呼ばれるキーのデータである
時に、以前に包装を行なつたことのない新規な被
包装物の包装であると判断して処理はステツプ
235へ、キーデータが「SET」と呼ばれるキーの
データである場合には、直前に自動包装を行なつ
た被包装物についての種々の設定量の登録を行な
うと判断してステツプ240へ、各々移行する。こ
こで「SET」キーが押された場合の種々の設定
量の登録には、カツトピツチや被包装物の高さの
他に、被包装物の位置に対する回転シールカツタ
５の回転角度やその手動補正量等が含まれてい
る。

既に包装を行なつたことのある被包装物の包装
形状とその包装に必要なデータ、例えばカツトピ
ツチｒや被包装物の高さｈ，あるいはこれから算
出された被包装物の位置に回転シールカツタ５の
回転角度や回転シールカツタ５の回転角度を手動
で補正した場合の補正値等は、バツクアツプ
RAM１０７に格納されており、その内容は電源
の投入・切断に無関係に保持されている。

ステツプ220でのキーデータに関する判断が
「SET」であつた時には続くステツプ240で補正
計測フラツグＦを１にセツトした後、ステツプ
220でのキーデータに関する判断が「START」
であつた場合と同様ステツプ230へ処理は移行す
る。ステツプ230ではテンキー部１１１ａより包
装形状の登録番号の入力が行なわれる。登録番号
とは、包装機が記憶する各々の包装形状に対して
与えられる番号であつて、ある登録番号Ｎを入力
した場合、既に入力されたことのあるカツトピツ
チや被包装物の高さといつた包装形状に対応する
データがバツクアツプRAM１０７から読み出さ
れ、このデータに従つて包装が行なわれるような
パラメータとして用いられている。キーデータが
「SET」であつた場合には、登録番号Ｎは、今か
ら補正計測されるデータを登録する番号に相当す
る。ステツプ230で登録番号Ｎが入力されると、
続くステツプ238では、既に包装が行なわれたこ
とがあり、その包装形状に関するデータ（登録番
号Ｎに対応）がバツクアツプRAM１０７内に保
持されているような何種類かの被包装物からいず
れかひとつを選び出し、その被包装物に関する包
装の為のデータをバツクアツプRAM１０７より
読み出す処理が行なわれる。一方、ステツプ235
では新規な被包装物１ａの包装が行なわれるとし
て、キーボード１１１より包装形状に関するデー
タ（カツトピツチや被包装物の高さｈ、あるいは
包装紙に模様があるか否かのデータ）を入力する
処理が行なわれる。ステツプ235に続くステツプ
245では、ステツプ235で入力された被包装物の包
装形状に基づいて、回転シールカツタ５の周速度
や被包装物に対するカツタタイミングを意味する
その回転角度等の設定値の算出が行なわれる。ス
テツプ245において行なわれることからの周速度
や回転角度の演算の詳細は公知のもの（例えば特
開昭57−47626、特開昭58−183432号公報）なの
で特に詳解はしないが、本発明に関与する回転シ
ールカツタ５の被包装物１ｂの位置に対する回転
角度の調整について、以下簡単に説明する。

回転シールカツタ５の切断のタイミングの調整
は、被包装物１ｂを所定の位置とした時の回転シ
ールカツタ５の回転角度を所定の角度とすること
によつて調整される。即ち、第３図において回転
シールカツタ５から距離ｌだけへだたつた供給コ
ンベア１の位置に被包装物を供給コンベア１の所
定位置にセツトし搬送するアタツチメント１ａが
来た時、主モータＭを停止させ、その状態で回転
シールカツタ５の回転角度αを設定する処理が行
なわれる。ここで回転角度αは上下の回転シール
カツタ５が丁度噛合つた点を原点として反時計回
りに定義され、その単位はdegreeである。被包
装物１ｂの基準位置に対する回転シールカツタ５
の回転角度αは横型ピロー包装機では次式(1)によ
り求められる。

α＝360×｛（ｒ−ｍ）／ｒ−0.5×ｈ／ｒ−12／
ｒ｝ ……(1) ここでｒはカツトピツチ、ｈは被包装物１ｂの
高さ、ｍは、前記距離ｌをカツトピツチｒで除し
た余りである。

尚、回転シールカツタ５の周速度についても包
装形状より同様に算出される。

ステツプ245に続くステツプ250では、所謂合わ
せ運転の処理が行なわれる。即ち、ステツプ235
で入力された包装形状に基づいて、設定すべき回
転シールカツタ５の周速度やその回転角度の設定
値をステツプ245で算出した上で、あるいはステ
ツプ238で既に記憶されていたデータを読み出し
た上で、これらの設定値に基づいて、 (1) カツトピツチを合わせる運転、 (2) 回転シールカツタ５の周速度を調整する為
に、一旦、不等速回転機構２４を初期位置とす
るよう即ち偏心クランクの偏心量が零となる位
置まで制御モータPM５を逆転させる運転、 (3) 偏心量零の位置から、モータPM５を駆動
（正転）して、所定の偏心位置に設定する運転、 (4) 制御モータPM４を駆動して、被包装物１ｂ
の基準位置に対する回転シールカツタ５の回転
角度αを設定する運転、 (5) 包装紙に付された模様（レジマーク）に合わ
せた切断が行なわれるように、レジマークの位
置と回転シールカツタ５の回転角度とを同期さ
せる運転、 が続々と行なわれ、指定された包装形状で包装を
行なうのに最適な状態にまで、回転シールカツタ
５の周速度や被包装物１ｂに対する回転角度等の
調整が行なわれる。

一方、被包装物１ｂの包装形状がすでに以前包
装を行ない、その包装形状に対する回転シールカ
ツタ５の周速度や被包装物１ｂの基準位置に対す
る回転角度αの設定及び手動補正がなされている
ものであれば、ステツプ230においてそれらのデ
ータをバツクアツプRAM１０７より読み出した
後、処理はステツプ250へ移行し、前述の合わせ
運転を行ない、回転シールカツタ５の周速度と被
包装物１ｂの基準位置に対する回転角度αを、前
回その包装形状で包装した時の状態に設定する処
理が行なわれることになる。

ステツプ250に続くステツプ260では、キーボー
ド１１１からの入力をチエツクして、自動運転開
始を意味するキー入力（例えば、データキー部１
１１ａから入力される００のキーデータや、ある
いは図示しない自動運転開始スイツチの入力）が
あるまで同じステツプ260を繰返し、該キー入力
があつた時に、Ｂへ抜けて、上述した設定で包装
を行なう自動運転の制御ルーチン（図示せず）へ
と移行する。

自動運転を行なう図示しない制御ルーチンで
は、制御回路１００は主モータＭを回転させ、パ
ルス発生器PHS１ないしPHS８からのパルス信
号をパルス入力回路１１２を介して読み込みつ
つ、必要に応じて制御モータPM１ないしPM５
を制御し、第５図に示した制御ルーチンにおいて
設定された条件で、被包装物１ｂの自動包装を予
め定められた包装回数だけ行なう制御・処理を繰
返す。こうして行なわれる自動運転中に操作者に
より次のような回転加工具としての回転シールカ
ツタ５の回転角度の手動補正が行なわれることが
ある。操作者は包装機の自動運転中に包装された
包装物の封着位置や切断位置を目視確認し、被包
装物１ｂの位置に対する回転シールカツタ５の回
転速度が最適角度より大きく、被包装物１ｂの位
置に対してカツト位置が進む位置にズレた場合に
は、手動補正手段として指令キー部１１１ｂのう
ちの遅れ補正キー１１１ｄを押し、回転シールカ
ツタ５の回転速度が小さく、カツト位置が遅れる
方向へズレた場合には、進み補正キー１１１ｆを
押し、カツト位置の確認を繰返して最適なカツト
位置が得られるように補正する。被包装物１ｂの
位置に対する回転シールカツタ５の回転角度の設
定を行なう制御モータPM４は、自動運転中には
制御回路１００によつて駆動されることはないの
で、上記指令キーを押すことにより、遅れキー１
１１ｄの場合には制御モータPM４は直ちに逆転
して回転シールカツタ５の回転角度αを小さく
し、進み指令キー１１１ｆの場合には制御モータ
PM４は正転して、回転角度αを大きくする。こ
れらの調整は制御回路１００の動作には無関係
に、手動により行なわれる。

上述の自動運転による包装は、運転前に設定さ
れた包装個数の包装を図示しないカウンタでカウ
ントしたところで終了し、制御回路１００の処理
は再び第５図に示したステツプ２１０の処理に戻
つてくる。

次に第６図にフローチヤートを用いて、上述の
回転シールカツタ５の回転角度の手動補正後の回
転角度の登録処理について説明する。第６図は、
第５図のフローチヤートにおいて合わせ運転（ス
テツプ２５０）として説明した処理のうち、回転
シールカツタ５の回転角度αを調整する為に、回
転シールカツタ５を初期位置（カツタ角度零）に
運転し、その後、回転角度αを設定する処理を示
している。回転角度の手動補正後の設定量の登録
を行なう場合には、第６図に示す処理に先立つ第
５図のステツプ２１０ないしステツプ２４５の処
理において、キーデータは「SET」であつて補
正計測フラツグＦは１にセツトされている。

合わせ運転中、回転シールカツタ５の周速度を
設定する合わせ運転の終了後、制御は第６図のＣ
より入り、ステツプ３００でまず主モータＭを低
速回転させる。これは続くステツプ３１０でパル
ス発信器PHS２の出力を検出して、供給コンベ
ア１上の被包装物１ｂを回転シールカツタ５から
距離ｌだけ離れた基準の位置で止めるために低速
で運転されるものである。パルス入力回路１１２
を介して入力されるパルス発信器PHS２の出力
から、パルス発信器PHS２がオンとなつたか否
かを判断するステツプ３１０の処理はパルス発信
器PHS２がオンとなるまで繰返され、パルス発
信器PHS２がオンとなつたところで次のステツ
プ３２０へ進み、主モータＭを停止した上で、ス
テツプ３３０へ移行する。ステツプ３３０では、
パルス発信器PHS３の出力がオンが否かを判断
する。パルス発信器PHS３は、中間軸２７によ
り差動歯車機構２２を介して最終的には回転シー
ルカツタ５の回転に連動してパルスを発生するよ
う構成されており、上下の回転シールカツタ５が
丁度噛合つた時、即ちその回転角度が零の時、オ
ンとなるよう調整されている。供給コンベア１が
基準位置で止まつた時、通常、回転シールカツタ
５は所定の回転角度の位置にあるので、ステツプ
330での判断は本制御ルーチンに入つた直後には
「ON」となり、処理はステツプ340へ移行する。
ステツプ340では、以下で、回転シールカツタ５
の回転角度αの測定や設定を行なう為に、回転シ
ールカツタ５の回転角度を零にとするように、つ
まり上下の回転シールカツタ５が丁度噛合う位置
まで、電力出力回路１１４を介して制御モータ
PM４に制御信号を出力し、該モータPM４を正
転運転する処理が行なわれる。続くステツプ350
では、補正測定を行なうか否かの判断、即ち、フ
ラツグＦ＝１？の判断が行なわれる。既に述べた
ようにフラツグＦは第５図のステツプ220で入力
されたキーデータが「SET」である時のみ１に
セツトされるようになつており、この時、回転シ
ールカツタ５の周角度の登録を行なうことを意味
している。ステツプ350の判断においてＦ＝１が
成立していれば補正計測を行なうとして、処理は
ステツプ360へ進み、制御モータPM４によつて
回転される回転シールカツタ５の回転角度を、1°
毎にひとつのパルスを発生するパルス信号器
PHS７からのパルス信号をカウントすることに
よつて検出する処理が行なわれる。実際には、制
御モータPM４による回転シールカツタ５の回転
速度に較べて、制御回路１００において行なわれ
る一連の処理は充分に高速なので、ステツプ360
ではパルス発信器PHS７の状態が前回ステツプ
360の処理が行なわれた時の状態と較べてその状
態がロウレベルからハイレベルへ変化している
時、CPU１０２内のカウンタの値（初期値＝０）
を１だけインクリメントする処理が行なわれる。
ステツプ360の処理の後、あるいはステツプ350で
の判断において、Ｆ＝０の時、処理はステツプ
370へ進み、本制御ルーチンに入つてからの処理
時間が予め定められた処理時間を上回つているか
否かの判断が行なわれる。例えば制御モータPM
４が故障していて正常に動作しないような時に
は、ステツプ330ないしステツプ370を繰返すうち
に所定の処理時間を越えてしまい、処理はステツ
プ380へ進んで、制御系に異常ありと判断し、全
てのモータ等の電源をおとし、包装機を停止され
る。所定時間内であればステツプ370での判断は
「NO」となつて、処理はステツプ330へ戻り、こ
こでの判断が「YES」となるまで、前述の
「PHS３オンか？」の判断以下、ステツプ370ま
での処理を繰返すことになる。制御モータPM４
の回転によつて回転シールカツタ５はやがて原点
位置へ移動し、パルス発信器PHS３の出力はオ
ンとなるが、パルス信号PHS７は1°毎にひとつの
パルスを発生し続けるので、補正計測の時（Ｆ＝
１の時）には、パルス発信器PHS３がオンとな
つた時点では、CPU１０２内のカウンタに、被
包装物１ｂの基準位置に対する回転シールカツタ
５の回転角度αを反映する値、即ち（360−α）
°の値が残されることになる。

ステツプ330での判断が「YES」となつた時、
処理はステツプ390へ移り、制御モータPM４を
停止する処理が行なわれる。続くステツプ400で
は再び補正計測であるか否かの判断（Ｆ＝１？）
が行なわれ。フラツグＦ＝１の時には、処理はス
テツプ410へ進み、ステツプ330ないし、ステツプ
370の処理を繰返すことによつてCPU１０２内の
カウンタにセツトされたパルス発信器PHS７か
らの入力されたパルス数（360−α）からの回転
シールカツタ５の回転角度αを求めた上で、該回
転角度αをRAM１０７の所定のエリアに登録番
号Ｎの包装形状のデータのひとつとして格納する
処理が行なわれる。

以上のステツプ330ないしステツプ410の処理に
よつて、フラツグＦ＝０の時には、単に回転シー
ルカツタ５を原点リセツト（噛合う位置へ移動）
するような処理が行なわれ、フラツグＦ＝１の時
（キーデータが「SET」であつた時）には偏心ク
ランクの原点リセツトに加えて、すでに行なわれ
た自動運転において行なわれた回転角度の手動補
正分を含めて被包装物１ｂの位置に対する回転シ
ールカツタ５の回転角度の最適角度αをバツクア
ツプRAM１０７の所定のエリアに格納する処理
が行なわれたことになる。

ステツプ410の処理の後、あるいはステツプ400
における判断が「NO」（Ｆ＝０）の時、処理は
ステツプ420へ進み、回転シールカツタ５の回転
角度の設定が行なわれる。ステツプ410までの処
理が正常に行なわれておれば、回転シールカツタ
５は原点リセツトされており、上下の回転シール
カツタが丁度噛合つた位置にきているので、この
位置から制御モータPM４を正転させ、パルス発
信器PHS７からのパルスをカウントしつつ、所
定の回転角度αとなる位置まで回転シールカツタ
５を送つてやれば、回転角度αの設定が行なわれ
たことになる。ステツプ420の処理において、回
転シールカツタ５の回転角度αは、新規の包装形
状によつて包装を行なう時（即ち、第５図ステツ
プ220での入力キーデータが「REQ」の時）には
式(1)によつて求められた値である。また、すでに
包装が行なわれたことがあり、その包装形状に対
する回転シールカツタ５の最適回転角度への手動
補正がなされ、その時上述の制御が行なわれてい
て回転シールカツタ５の回転角度αがバツクアツ
プRAM１０７に記憶されている時（第５図のス
テツプ220で入力されたキーデータが「SET」で
あつて、回転角度αの登録が行なわれていた時）
には、バツクアツプRAM１０７に記憶された該
回転角度αの値である。第５図のステツプ220で
の入力されたキーデータが「START」であつた
時には、上述の第６図においてフラツグＦは零と
なつており補正計測は行なわないが、キーデータ
が「START」である場合には第５図のステツプ
230において、すでに登録されていた包装形状に
対応するデータのひとつとして、上記回転シール
カツタ５の周速度を設定する回転角度αが読み出
されているので、該回転角度αに従つて回転シー
ルカツタ５の回転角度の設定が行なわれる訳であ
る。ステツプ420において回転シールカツタ５を
回転角度αとする設定がなされた後、処理はＤへ
抜けて本制御ルーチンを終了し、次の合わせ運
転、例えば包装紙上の位置合わせ用の模様（レジ
マーク）と切断位置を合わせる運転等を行なう。

以上のように構成された本実施例においては、 (a) 初期に入力されたキーデータが「REQ」で
あつて新規な形状をした被包装物１ｂの包装を
行なう場合には、入力された包装形状から、被
包装物１ｂの位置に対する回転シールカツタ５
の回転角度を演算して、該回転角度の設定を行
い、 (b) キーデータが「SET」の場合には、直前の
自動運転中に手動により補正された後の回転シ
ールカツタ５の回転角度を読み込んでこれを登
録し、 (c) キーデータが「START」の時には、すでに
登録された包装形状による包装であるとして、
入力された登録番号に対応する被包装物１ｂの
カツトピツチや被包装物１ｂの高さと共に、以
前手動補正が行なわれて最適の封着・切断状態
が得られた時の回転角度をバツクアツプRAM
１０７から読みだして、該回転角度の設定を行
なうように構成されている。

従つて、既に一度自動運転によつて包装が行な
われ、回転シールカツタ５の回転角度の手動補正
が行なわれた時、その時の回転角度を記憶してお
くことができるので、再び同一の包装形状による
包装を行なう場合には、回転シールカツタ５の最
適な回転角度を登録番号によつて呼びだし、回転
シールカツタ５の回転角度の設定を行なうことが
できる。この結果、同一の包装形状を有する被包
装物１ｂに対して回転シールカツタ５の回転角度
を容易に同一に設定することができ、段取工数が
著しく低減されると共に、回転シールカツタ５に
よる切断や封着も同一の条件で行なわれることに
なつて、包装ミスやカツト位置、シール位置の不
良を生じることもない。又、同一の包装状態のも
のを包装・切断を行なう場合の品質のバラつきも
低減される。

又、本実施例では、登録番号によつて複数の包
装形状についてのデータを記憶しているので、何
種類もの包装形状とそれに対応した回転角度とを
記憶しておけば、煩わしい手動補正なしで次々と
自動運転を行なうことができる。

尚、本実施例においては、封着と切断とは回転
シールカツタ５により同時に行なわれるが、封着
機と切断機とを別個に有する包装機にも本発明
を、各々適用することができる。更に、封着や切
断といつた加工以外の加工、例えば包装紙への穴
明けやラベル貼付といつた加工を行なう回転加工
具の回転角度調整装置にも、本発明を適用するこ
とができる。又、本実施例では手動補正手段とし
てキーボード１１１内の所定のキーにより直接制
御モータPM４を駆動するよう構成したが、遅れ
指令キー１１１ｄ、進み指令キー１１１ｆのキー
データを一旦、キーボード入力回路１１０から制
御回路１００にとり込んで、制御回路１００によ
り制御モータPM４を駆動して、手動補正を行な
うようにすることも、制御の一元化の面から好適
である。

尚、本実施例中においては、被包装装物Ｍ１は
被包装物１ｂが該当し、包装形状入力手段Ｍ２は
データキー部１１１ａと制御回路１００（処理と
してはステツプ230及びステツプ235）とが該当
し、回転加工具Ｍ３は回転シールカツタ５が該当
し、回転角度設定手段Ｍ４は制御モータPM４と
差動歯車機構２２とが該当し、回転制御手段Ｍ５
は制御回路１００（処理としてはステツプ250）
が該当し、手動補正手段Ｍ６は指令キー１１１ｂ
が該当し、回転角度検出手段Ｍ７はパルス１発生
器PHS７と制御回路１００（処理としてはステ
ツプ360）とが該当し、そして回転角度記憶手段
Ｍ８はバツクアツプRAM１０７が該当する。

以上本発明の実施例について説明したが、本発
明はこの実施例に何等限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上詳述したように、本発明の包装機用回転加
工具の回転角度調整装置は、被包装物の包装形状
によつて被包装物の位置に対する回転加工具の回
転角度を設定し、手動によつて該回転角度が補正
された時に、補正後の該回転角度を記憶してお
き、次に包装形状を等しくする被包装物の包装が
行なわれる時には、その記憶しておいた回転角度
となるよう被包装物にたいする回転加工具の回転
角度を調整するように構成されている。

従つて、従来は被包装物を取り替える度に必要
であつた被包装物の位置に対する回転加工具の回
転角度の調整は、同一の包装形状を有する被包装
物に対して、初回に行なうだけでよく、段取り工
数が大幅に削減できると言う効果を有する。この
結果、同一包装形状の被包装物の包装における加
工は同一の条件で行なわれることになり、良好な
加工位置が常に得られる上、品質の面からも加工
位置のバラツキがなくなるという優れた効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の基本的構成図、第２図および
第３図は本発明一実施例の横型ピロー包装機の概
略構成図、第４図は制御回１００を中心とする制
御系の構成を示すブロツク図、第５図は制御回路
１００の行なう制御の概略を示すフローチヤー
ト、第６図は手動で行なわれる補正後の被包装物
の位置に対する回転シールカツタ５の回転角度を
記憶する処理を示すフローチヤートである。 １……供給コンベア、１ｂ……被包装物、２…
…繰出ローラ、５……回転シールカツタ、２２…
…差動歯車機構、２４……不等速回転機構、１０
０……制御回路、１０２……CPU、１０７……
バツクアツプRAM、１１１……キーボード、１
１１ａ……データキー部、１１１ｂ……指令キ
ー、PM１〜５……制御モータ、PHS１〜８……
パルス発信器、Ｍ１……被包装物（被包装物１ｂ
が該当）、Ｍ２……包装形状入力手段（データキ
ー部１１１ａと制御回路１００［処理としてはス
テツプ230及びステツプ235］とが該当）、Ｍ３…
…回転加工具（回転シールカツタ５が該当）、Ｍ
４……回転角度設定手段（制御モータPM４と差
動歯車機構２２とが該当）、Ｍ５……回転制御手
段（制御回路１００［処理としてはステツプ250］
が該当）、Ｍ６……手動補正手段（指令キー１０
０ｂが該当）、Ｍ７……回転角度検出手段（パル
ス発生器PHS７と制御回路１００［処理として
はステツプ360］とが該当）、Ｍ８……回転角度記
憶手段（バツクアツプRAM１０７が該当）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被包装物の包装形状を入力する包装形状入力
   手段と、 包装用シートに連続して包装された被包装物の
   間を加工する回転加工具の、被包装物の位置に対
   する回転角度を設定する回転角度設定手段と、 前記包装形状入力手段から入力された被包装物
   の包装形状に基づいて、前記回転角度設定手段を
   制御して、被包装物の基準の位置に対する前記回
   転加工具の回転角度を目標角度に調整する回転制
   御手段と、 手動により前記回転角度設定手段を制御して、
   回転加工具の回転角度を前記目標角度から補正す
   る手動補正手段と、 を備えた包装機用回転加工具の回転角度調整装置
   において、 前記回転制御手段及び手動補正手段によつて設
   定された回転加工具の被包装物の位置に対する回
   転角度を検出する回転角度検出手段を備えるとと
   もに、 前記回転制御手段が、 前記回転角度検出手段によつて検出された被包
   装物の位置に対する回転加工具の回転角度を被包
   装物の形状に対応して記憶する回転角度記憶手段
   を有し、 前記包装形状入力手段によつて以前に包装が行
   われた被包装物の形状の内の一つが選択指示され
   た場合に、前記回転角度設定手段を制御して被包
   装物の位置に対する回転加工具の回転角度を前記
   回転角度記憶手段によつて前記被包装物の形状に
   対応して記憶された回転角度に調整することを特
   徴とする包装機用回転加工具の回転角度調整装
   置。 ２ 回転加工具が、封着を行なう回転封着機であ
   る特許請求の範囲第１項記載の包装機用回転加工
   具の回転角度調整装置。 ３ 回転加工具が、切断を行なう回転切断機であ
   る特許請求の範囲第１項記載の包装機用回転加工
   具の回転角度調整装置。 ４ 回転加工具が、封着と切断とを行なう回転封
   着切断機である特許請求の範囲第１項記載の包装
   機用回転加工具の回転角度調整装置。 ５ 包装形状が、カツトピツチである特許請求の
   範囲第１項ないし第４項のいずれかの項に記載の
   包装機用回転加工具の回転角度調整装置。 ６ 包装形状が、カツトピツチと被包装物の厚み
   とである特許請求の範囲第１項ないし第４項のい
   ずれかの項に記載の包装機用回転加工具の回転角
   度調整装置。