JPH0571428B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、複数個の車両が連結されたモノレ
ール用軌道車両に関する。

（従来の技術および発明が解決しようとする課
題） 従輪および案内輪用懸架装置を備えた台車を被
連結車両間に配設してなるモノレールは周知であ
る。この台車は末端側に、被連結車両をそれぞれ
垂直なかじ取軸線を中心に旋回自在に保持する継
手装置を各１個有する。２個の継手装置間または
かじ取軸線間の横向き輪軸で従輪が支承されてい
る。

継手装置のこの周知の構造では力を従輪に直接
導入できないことがあり、その結果車両重量が等
しくないとき台車がその横軸を中心に旋回し、バ
ランスを取るためばね装置の付加的負荷が行わ
れ、またこの状態を得るためばね装置を更に適切
に設計する必要が生じる。２本の垂直なかじ取軸
線間のほぼ真中にある縦軸を中心に台車が旋回す
ると車両が横方向に移動し、これにより車両が振
動を起こす。車両に作用する横力も台車の不都合
な回転、従つて車両の走行騒音を惹き起こすこと
がある。台車に２本の垂直なかじ取軸線が離間配
設してあるため、或る車両が垂直運動を行うこと
により残りの車両が不都合なことに長手方向の運
動を起こし、これが原因となつて個々の車両、従
つて列車の走行騒音が生じる。

この発明は、走行動力学において、特に低騒音
走行および直線走行動作の点で向上した、車両間
に軸懸架装置を有する冒頭述べた種類のモノレー
ルを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本発明のモノレール
用軌道車両は、台車３が車両２，２ａの一方に案
内装置８，９；９，２８を介して連結され、前記
台車の上方に車両間を連結する継手装置４の連結
継手２１を配置し、 前記案内装置の台車側支承部としての軸受１
４，１５もしくは継手２９、および前記連結継手
２１は、単一のかじ取り軸線２６上に位置してお
り、 該かじ取り軸線２６は、前記車両２，２ａの中
心線を通る垂直な縦平面Ｘ−Ｘと、前記台車３の
従輪５，５における輪軸２２を通る垂直な横平面
Ｚ−Ｚとが交わる垂直線であり、 前記隣接する車両の一方からの台車の位置を保
持するため、前記一方の車両の端部に離間配置さ
れ、前記台車側支承部から延出する前記案内装置
８，９に連結され、その回転軸が前記一方の車両
の垂直な縦平面Ｘ−Ｘに対して直角の方向に伸び
ている軸受１０，１１，１２，１３を設けたこと
を特徴としている。

（作用） 本発明で主に達成される利点は、連結箇所に単
一のかじ取軸線を有する車両間の軸懸架装置を特
殊構成することにより、複数両の車両からなる列
車の走行動力学上の最適化が達成されることにあ
る。これは主に、力が加わつた場合でも車両を介
してもレールを介しても車両の不利な励振が起き
ることがなく、良好な直線走行性で低騒音走行性
も向上することにある。

即ち、かじ取り軸線は、車両の中心線を通る垂
直な縦平面Ｘ−Ｘと、台車の従輪における輪軸を
通る垂直な横平面Ｚ−Ｚとが交わる垂直線であ
り、しかも連結継手および台車側に配置される室
内装置の軸受もしくは継手、さらには従輪の輪軸
をも通るので、外力により発生された車両の励振
がかじ取り軸線に直線伝達され、負荷または交番
荷重に起因するかじ取モーメントは発生せず、そ
の結果車両のロールステア効果が生じる。

車両に加わる横力、例えば遠心力はかじ取り軸
線の案内棒を介して支持され、ローリングはホイ
ールまたはタイヤサスペンシヨン機構でのみ発生
する。かじ取り軸線を中心としたかじ取り時、か
じ取り軸線がこの１本であるため、互いに連結さ
れた車両のかじ取り軸線を２本離間した周知の実
施態様の場合のように重大な車両運動が惹き起こ
されることはない。かじ取り軸線内の継手の位置
により、例えば１車両がすでに曲線路上にあつて
もその力または運動が後続のなお直線路上を転動
する車両に影響を及ぼすことはない。

被連結車両の支持は特許請求の範囲第２項にあ
るように特殊な仕方で垂直なかじ取り軸線内にあ
る継手を介して行われ、継手は少くとも１個のば
ね要素を介し台車に向かつて支持される。このば
ね要素は特許請求の範囲第４項によれば両車両の
重量により上下方向にのみ負荷され、これにより
ばね率はこの１つの負荷に最適に調整可能であ
る。ばね要素のこの１つの負荷方向は担い板およ
び支持板を１車両に結合することにより達成され
る。付加的に、かじ取り軸線が継手と両案内棒の
台車側軸受と輪軸とを通ると有利である。これら
の条件により下側ブラケツトの支持板と案内棒に
固定された担い板との横方向および長手方向での
相対運動は不可能である。相対回転運動も不可能
である。

案内装置は２本の上下に配設した案内棒から、
または特許請求の範囲第３項に明示したように台
車、車両間に配設した下側案内棒と上側継手とか
ら構成することができる。

本発明の特殊構成において案内棒は被牽引車両
または牽引車両に枢着しておくことができる。更
に、本発明の利点を維持しつつ、車輪回転軸を垂
直なかじ取り軸線の前または後に配設することも
可能である。かじ取り軸線は走行方向に斜めあた
はそれとは逆に傾斜していてもよく、その際かじ
取り軸線は輪軸を通り、継手は第７図に示すよう
に上側案内棒または上側継手の支持継手とともに
車両の中心軸を通る垂直な縦平面上にある。また
継手が走行方向に見てかじ取り軸線の前にあつて
もよい。

（実施例） 本発明の実施例を図面に表し、以下詳しく説明
する。

モノレール１は主に複数量の車両を含み、例え
ば２車両２，２ａ間に各１個の台車３が軸懸架装
置およびクラツチ装置４を備えて設けてある。台
車３で支承された従輪５および案内輪６がレール
７上を走行する。

第１図に詳しく図示したように車両２，２ａは
案内装置８，９または９，２８および継手２１を
介し互いに連結してある。車両２の軸受１０，１
１および１２，１３内で２本の三角形案内棒８
ａ，９ａが三角形底辺部Ｂでもつて枢着してあ
る。この案内棒は上下に水平平面１７，１８上に
配設され、継手または軸受１４，１５を介し例え
ば台車３の台車枠に枢着してある。車両２，２ａ
と結合されそれぞれ前に張り出したブラケツト１
９，２０は末端部が重なり合い、その間にクラツ
チ装置４の継手２１が設けてある。台車３の台車
枠で保持された従輪５は案内棒８ａ，９ａの軸受
１４，１５間に配設された横向き輪軸２２上で回
転自在である。

第７図に示す実施態様では案内装置が下側案内
棒９ａと、台車３の台車枠３ａと車両２または２
ａのブラケツト２０との間に配設された上側継手
２９とから形成してある。この継手２９はカルダ
ン自在継手または垂直回転軸を有する簡単な結合
具で構成することができる。

台車３に向かつての車両２，２ａの支持はばね
要素２３，２３ａを介して行う。これは台車側
の、案内棒と固定結合された担い板２４とブラケ
ツト側の、車両に固定され支持板２５の間に配設
してあり、担い板２４は同時に軸受１５の部品で
もある。第３図には例として２個のばね要素２
３，２３ａが示してあるが、３個以上のばね要素
も考えられ、これになお付加的にダンパを設けて
おくことができるよう。第４図が示すように担い
板２４も支持板２５もかじ取り軸線２６のほぼ中
心に配設され、案内棒８ａ，９ａおよびブラケツ
ト２０を介し同一車両２に結合してある。従つて
案内棒８ａ，９ａを介し自由度を制限された台車
３が動くと担い板２４および支持板２５は垂直方
向に動くことができ、軸受および継手内の弾性に
基づき、場合によつては限定された横方向および
長手方向の運動も確実に可能となる。ばね要素２
３，２３ａがこのように横方向および長手方向に
僅かに摺動する部品２４，２５間に配設してある
ことにより、例えばかじ取り時ばねは上下方向Ｈ
にのみ負荷され、この１つの負荷方向に関しばね
率の最適調整が可能である。

上側継手２１と案内棒用軸受１４，１５（第１
図）、そして案内棒用軸受１４と継手２９（第７
図）は、かじ取り軸線２６が主に垂直に整列しま
たは垂直線から僅かにずれて延びることができか
つ車両２，２ａの中心線を通る垂直な縦平面Ｘ−
Ｘ上に位置するよう、配設してある。更にこのか
じ取り軸線２６は従輪５の輪軸２２を通過すべき
である。

第２図に示すように継手２１、案内棒用軸受１
４と１５または案内棒用軸受１４と継手２９、お
よび輪軸２２は、かじ取り軸線２６が中心線を通
る垂直な縦平面Ｘ−Ｘ輪軸２２を通る垂直な横平
面Ｚ−Ｚとの交線上に位置するように、互いに整
列している。かじ取り軸線２６のかかる位置は最
適に定められており、構造上の条件からかじ取り
線軸２６の位置が交線から僅かにずれることは可
能である。

上側案内棒８はその車両側枢着箇所に一定の弾
性を有するカルダン自在継手として構成された軸
受１２，１３を有する。台車側継手１５は担い板
２４を受容する単体継手からなる。この継手１５
も一定の弾性を有する。下側案内棒９は車両側に
案内棒８と同じカルダン自在継手１０，１１を備
えており、台車側にもカルダン自在継手１４が設
けてある。

本発明の更に別の変形態様によれば軸輪２２は
走行方向Ｆに見てかじ取り軸線２６の僅かに前ま
たは後に配設することもでいる。更に、案内棒８
ａ，９ａを牽引車両２ではなく被牽引車両２ａに
枢着することも可能である（第６図）。

（発明の効果） 本発明は、一方の車両が台車によりその動きを
規定されているため、他方の車両は一方の車両に
その方向が一致するように作用し、かつかじ取り
軸線も１つのみであり、車両間は１つの連結継手
で連結されるので、前後方向および横方向への動
きを規定することができる。

その結果、台車に対して２本のかじ取り軸線が
離間配置されることによる車両の相対的な横方向
および垂直方向の運動を発生させることができな
くなり、モノレール用軌道上の車両は直線走行を
向上させ、低騒音走行性を向上することができ
る。

さらに、このかじ取り軸線は、連結継手および
台車側に配置される案内装置の軸受もしくは継手
をも通るので、より一層かじ取り軸線の垂直安定
性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はモノレールの車両間の軸懸架装置を示
す側面概要図。第２図は第１図の平面図。第３図
は車両の軸懸架装置を第１図の矢印Ｚ方向に見た
図。第４図は案内棒、ブラケツトおよびかじ取り
軸線を有する軸懸架装置を図解した図。第５図は
複数両の車両を備えたモノレールの側面図。第６
図は被牽引車両に枢着された案内棒を有する軸懸
架装置の別の実施例を示す。第７図は下側案内棒
と、上側案内棒の代わりに上側継手とを有するモ
ノレールの更に別の実施例を示す。 ２，２ａ……車両、３……台車、４……継手装
置、５……従輪、６……案内輪、７……レール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 継手装置を介し結合された複数両の車両を有
   し、レール上を走行する従輪および案内輪用の軸
   懸架装置を備えた台車を車両間に配設してなるモ
   ノレール用軌道車両において、 前記台車３が車両２，２ａの一方に案内装置
   ８，９；９，２８を介して連結され、前記台車の
   上方に車両間を連結する継手装置４の連結継手２
   １を配置し、 前記案内装置の台車側支承部としての軸受１
   ４，１５もしくは継手２９、および前記連結継手
   ２１は、単一のかじ取り軸線２６上に位置してお
   り、 該かじ取り軸線２６は、前記車両２，２ａの中
   心線を通る垂直な縦平面Ｘ−Ｘと、前記台車３の
   従輪５，５における輪軸２２を通る垂直な横平面
   Ｚ−Ｚとが交わる垂直線であり、 前記隣接する車両の一方からの台車の位置を保
   持するため、前記一方の車両の端部に離間配置さ
   れ、前記台車側支承部から延出する前記案内装置
   ８，９に連結され、その回転軸が前記一方の車両
   の垂直な縦平面Ｘ−Ｘに対して直角の方向に伸び
   ている軸受１０，１１，１２，１３を設けたこと
   を特徴とする車両。 ２ 案内装置８，９が、上下でほぼ水平面１７，
   １８上に配設された三角形案内棒８ａ，９ａを含
   み、該案内棒が三角形底辺部Ｂでもつて車両２ま
   たは２ａの軸受１０，１１および１２，１３内で
   自在に支持されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載の車両。 ３ 案内装置９，２８が、下側の三角形案内棒９
   ａと、台車３と車両２のブラケツト２０との間に
   配設された上側継手２９とを含むことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の車両。 ４ 継手装置４の連結継手２１が、２個の軸受１
   ４，１５の上方でブラケツト２０とそれを上から
   把持するブラケツト１９との間に配設してあり、
   下側ブラケツト２０の支持板２５と案内棒に固着
   した担い板２４との間に少なくとも１個以上のば
   ね要素２３，２３ａが配設してあることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載の車両。 ５ 支持板２５を受容するブラケツト２０と案内
   棒８ａ，９ａまたは台車３とが同じ車両２に結合
   してあつて、支持板２５と担い板２４とが互いに
   上下方向Ｈでのみ調整可能であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の車両。 ６ 案内棒８ａ，９ａが、走行方向Ｆに見て、被
   牽引車両２ａの軸受１０〜１３内に保持されてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   の車両。 ７ 案内棒８ａ，９ａが、走行方向Ｆに見て、牽
   引車両２の軸受１０〜１３内に保持されているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の車
   両。