JPH057130Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、スタンデイングパウチ等の袋状の包
装体を複数個集積して収納するための紙箱に関す
る。

〈従来の技術〉 スタンデイングパウチのような、上部の厚さと
下部の厚さが異なる袋状の包装体を集積して箱に
収納すると、下部は隙間を生じないように詰めて
も上部に空間ができてしまい、輸送中に横方向に
揺動する結果、最悪の場合には破袋するという問
題点を有していた。

そこで、スタンデイングパウチを１個おきに上
下互い違いに収納する方法も考えられたが、奇数
個を収納する場合には、正立した袋の数と倒立し
た袋の数が異なるために、箱によつて収納状態が
違つてしまうし、又、箱を開封し、そのまま展示
することもできないという問題点を有している。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案は以上のような従来技術の問題点を解消
し、箱の上部と下部に各々仕切片を形成して収納
された袋の揺動を防止し、かつ箱を開封してその
まま展示できるようにした紙箱を提供するもので
ある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、このような問題点を解決するために
なされたものであつて、紙箱の構成を、 横断面方形の胴部、この胴部の下方の底部、同
じくその上方の蓋部からなる四角柱状の紙箱であ
つて、 左側面板、前側面板、右側面板、後側面板及び
貼着板が順次連設されてなる胴部形成予定部と、 このいずれかの側面板の下方には下蓋板が連設
され、この下蓋板の胴部形成時に対向する側面板
の下方に、両側に先端に貼着片を有する複数の帯
状の仕切片を設けた貼着板からなる仕切形成板が
連設されてなる底部形成予定部と、 前記いずれか一つの側面板の上方に上蓋板が連
設され、この上蓋板の胴部形成時に両側に位置す
る側面板の上方に一対の折込片が連設され、この
折込片の一方には、半円形状に切込んだ係止部を
有する貼着片が、他の一方の折込片には、この折
込片から離れる従つて序々に先細りとなり、その
途中に設けた折り線を対称軸として序々に先太り
となつた複数の内容物固定片と、貼着片とが順次
連設されてなる蓋部形成予定部とからなる一枚の
ブランク板より、 胴部形成予定部の貼着板を他端の側面板の端部
に貼着して胴部を形成し、 底部形成予定部の貼着板を胴部の内側に折曲て
側面板の内側に貼着後、仕切片を引起こしてその
先端の貼着片を対向する側面板に貼着して下部に
帯状の複数の仕切を形成しすると共に、下蓋板を
折曲げて施蓋して底部を形成し、 且つ、蓋部形成予定部の折込片を略水平に折曲
げ、内容物固定片を途中の折り線で内側に谷折し
て、貼着片を係止部に差込んで上部に仕切を形成
すると共に、上蓋板を折曲げて施蓋して蓋部を形
成してなる上部と下部に仕切りを有するものであ
る。

〈作用〉 本考案によれば、偏平に折り畳んだ状態より、
胴部を四角柱状に引起こすと同時に、底部の仕切
片が引起こされて、下部の対向する側面板の間に
帯状の仕切が形成される。

そして、蓋部の折込片を略水平に折曲げ、内容
物固定片を途中の折り線で内側に谷折し、貼着片
を係止部に差込むと、内容物固定片が下方に突出
して上部の仕切りが形成される。

なお、上部の仕切によつて得られる袋収納部分
の数と、下部の仕切によつて得られる袋収納部分
の数を一致させることは言うまでもない。

〈実施例〉 以下実施例に従つて本考案を詳細に説明する。

第１図は、本考案の一実施例のブランク板を示
した説明図であつて、胴部形成予定部Ａ、底部形
成予定部Ｂ、及び蓋部形成予定部Ｃとからなる。

先ず、胴部形成予定部Ａは、左側面板、１１前
側面板１２、右側面板１３、後側面板１４及び貼
着板１５が順次連設されて構成されている。図
中、１６は開封用のミシン目である。

次に、底部形成予定部Ｂは、左側面板１１の下
方から延設された差込片３５を有する下蓋板３１
と、右側面板１３の下方から延設された仕切片形
成板３２と、前側面板１２及び後側面板１４から
各々延設された折り込み片３３，３４とで構成さ
れている。前記仕切片形成板３２は、右側面板１
３から延設された貼着板３２ａと、この貼着板３
２ａから折り線を介して左右方向にそれぞれ２枚
づつ形成した帯状の仕切片３２ｂ，３２ｂ，３２
b′，３２b′と、この左右それぞれの２枚の仕切片
３２ｂ，３２ｂ及び３２b′，３２b′のそれぞれの
先端に連設した左右の貼着片３２ｃ及び３２c′か
ら構成される。

そして、蓋部形成予定部Ｃは、後側面板１４の
上方に連設された差込片２８をを有する上蓋板２
１と、左側面板１１及び右側面板１３の上方に連
設された左右の折込片２２，２３で構成されてい
て、右側の折込片２３には、半円形状に切り込ん
だ係止部２５を有する貼着片２４が、左側の折込
片２３には、４枚の内容物固定片２６と貼着片２
７が順次連設されている。それぞれの内容物固定
片２６は、折込片２２から離れるに従つて序々に
先細りとなり、その途中に設けた折り線２９を対
称軸として序々に先太りになつている。

ここで、以上に述べた構成のブランク板より本
願考案の紙箱の組立るには、先ず、胴部形成予定
部Ａの貼着板１５を左側面板１１の左端部に貼り
合わせて胴部を筒状に形成する。

次に、底部形成予定部Ｂの貼着板３２ａを右側
面板１３との間の折り線に沿つて山折りしてこの
右側面板１３の内面に貼り合わせ、帯状の仕切片
３２ｂ，３２ｂ，３２b′，３２b′をそれぞれ折り
線に沿つて谷折りして貼着板３２ａから垂直に立
ち上げ、貼着片３２ｃ，３２c′を折り線に沿つて
右側面板１１に貼り合わせる。

このようにすると、４枚の帯状の仕切片３２
ｂ，３２ｂ，３２b′，３２b′は，左側面板１１と
右側面板１３との間を平行に横断して胴部の下部
を５区画に仕切る４枚の仕切りが形成される。そ
して、折り込み片３３，３４及び差込板３５下蓋
板３１をそれそれれ折り線に沿つて山折りし、差
込板３５を右側面板１３の内側に差込んで底部を
形成する。

次に、蓋部形成予定部Ｃの折込片２２，２３を
略水平に折曲げ、４枚の内容物固定片２６を途中
の折り線で２９内側に谷折して、貼着片２７を半
円状の係止部２５に差込むと（この後、貼着片２
４と２７を貼り合わせてもよい。）、４枚の内容物
固定片２６がそれぞれ断面Ｖ字形状となり、上部
を５区画に仕切る４枚の仕切が形状される。そし
て、上蓋板２１及び差込片２８を山折りし、この
差込片２８を前側面板１２の内側に差込んで蓋部
を形成する。

〈考案の効果〉 本考案は以上に述べたような構成よりなり、以
下のような効果を奏する。

収納される袋の上下を固定できるので、輸送
時の袋の揺動がない。

収納される袋は総て正立状態となつているの
で、箱の上部を開放してそのまま展示すること
ができ、しかも下部の仕切片によつて袋が倒れ
るのを防止できる。

上下の仕切片は何れも紙箱に一体に形成され
ているので、袋の充填作業が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の紙箱の一実施例のブランク
板を示した説明図、第２図は、第１図のブランク
板より組立てた状態の断面を示した説明図、第３
図は、上部の仕切の説明図、第４図は、下部の仕
切りの説明図である。 Ａ……胴部形成予定部、Ｂ……蓋部形成予定
部、Ｃ……底部形成予定部、１１……左側面板、
１２……前側面板、１３……右側面板、１４……
後側面板、１５……貼着板、１６……開封線、２
１……上蓋板、２２，２３……折込片、２４……
貼着片、２５……係止部、２６……内容物固定
片、２７……貼着片、２８……差し込み片、２９
……折り線、３１……下蓋板、３２……仕切片形
成板、３３，３４……折込片、３５……差込片、
３２ａ……貼着板、３２ｂ，３２b′……仕切片、
３２ｃ，３２c′……貼着片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 横断面方形の胴部、この胴部の下方の底部、同
   じくその上方の蓋部からなる四角柱状の紙箱であ
   つて、 左側面板、前側面板、右側面板、後側面板及び
   貼着板が順次連設されてなる胴部形成予定部と、 このいずれかの側面板の下方には下蓋板が連設
   され、この下蓋板の胴部形成時に対向する側面板
   の下方に、両側に先端に貼着片を有する複数の帯
   状の仕切片を設けた貼着板からなる仕切形成板が
   連設されてなる底部形成予定部と、 前記いずれか一つの側面板の上方に上蓋板が連
   設され、この上蓋板の胴部形成時に両側に位置す
   る側面板の上方に一対の折込片が連設され、この
   折込片の一方には、半円形状に切込んだ係止部を
   有する貼着片が、他の一方の折込片には、この折
   込片から離れる従つて序々に先細りとなり、その
   途中に設けた折り線を対称軸として序々に先太り
   となつた複数の内容物固定片と、貼着片とが順次
   連設されてなる蓋部形成予定部とからなる一枚の
   ブランク板より、 胴部形成予定部の貼着板を他端の側面板の端部
   に貼着して胴部を形成し、 底部形成予定部の貼着板を胴部の内側に折曲て
   側面板の内側に貼着後、仕切片を引起こしてその
   先端の貼着片を対向する側面板に貼着して内部に
   複数の帯状の仕切を形成しすると共に、下蓋板を
   折曲げて施蓋して底部を形成し、 且つ、蓋部形成予定部の折込片を略水平に折曲
   げ、内容物固定片を途中の折り線で内側に谷折し
   て、貼着片を係止部に差込んで内部に仕切を形成
   すると共に、上蓋板を折曲げて施蓋して蓋部を形
   成してなる上部と下部に仕切りを有する紙箱。