JPH0571033A - 乗用車用ポリエステルタイヤコード及びその製法 - Google Patents

乗用車用ポリエステルタイヤコード及びその製法

Info

Publication number
JPH0571033A
JPH0571033A JP3223819A JP22381991A JPH0571033A JP H0571033 A JPH0571033 A JP H0571033A JP 3223819 A JP3223819 A JP 3223819A JP 22381991 A JP22381991 A JP 22381991A JP H0571033 A JPH0571033 A JP H0571033A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cord
yarn
polyester
elongation
drawn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3223819A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Kurihara
豊 栗原
Jun Tanaka
潤 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP3223819A priority Critical patent/JPH0571033A/ja
Publication of JPH0571033A publication Critical patent/JPH0571033A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/62Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyesters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/0042Reinforcements made of synthetic materials
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/12Stretch-spinning methods
    • D01D5/16Stretch-spinning methods using rollers, or like mechanical devices, e.g. snubbing pins
    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G3/00Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
    • D02G3/44Yarns or threads characterised by the purpose for which they are designed
    • D02G3/48Tyre cords
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/02Carcasses
    • B60C9/04Carcasses the reinforcing cords of each carcass ply arranged in a substantially parallel relationship
    • B60C2009/0416Physical properties or dimensions of the carcass cords
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/02Carcasses
    • B60C9/04Carcasses the reinforcing cords of each carcass ply arranged in a substantially parallel relationship
    • B60C2009/0475Particular materials of the carcass cords
    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2331/00Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products
    • D10B2331/04Fibres made from polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polycondensation products polyesters, e.g. polyethylene terephthalate [PET]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーヨンに匹敵する熱収縮特性を有し、乗用
車用ラジアルタイヤに適したポリエステルタイヤコード
を提供すること。 【構成】 下記特性を満足する固有粘度が0.45〜
0.85のポリエステル繊維からなるタイヤコード。 (a)中間伸度 KE=5.0〜7.5(%) (b)乾熱収縮率 HSc=1.0(%) (c)強度TSc≧4.5(g/d)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乗用車用ポリエステルタ
イヤコード、特にレーヨンに匹敵する超低熱収縮率を有
するラジアルタイヤに好適な乗用車用ポリエステルタイ
ヤコード及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速走行時の操縦安定性及び乗り
心地性に優れ、ラジアルタイヤに適したタイヤコードが
求められてきている。その為、タイヤコードとして用い
たとき、高弾性率で熱収縮特性及び耐疲労性が改善さ
れ、前記高性能タイヤコードに適したポリエステル繊維
が提案されている。例えば特開昭53−58031号公
報、特開昭57−154410号公報、特開昭57−1
6119号公報、特開昭58−98419号公報等に開
示されている様に高重合度のポリエステルを使用し、2
〜5Km/分の紡糸速度、高応力で紡糸することによっ
て比較的高配向の紡出糸(いわゆるPOY)を得てこれ
を延伸する方法が知られている。
【0003】これらの方法によって得られたポリエステ
ル繊維は、確かに従来の方法で得られた繊維と比較する
と、相当の改善が認められる。しかし、これらの方法に
よって得られたポリエステル繊維からなるタイヤコード
は、熱収縮率がレーヨン繊維に比べ未だに劣っている。
これに対して、例えば特開昭61−41320号公報、
特開昭62−69819号公報、特開昭63−1595
18号公報、特開昭63−165547号公報に開示さ
れている様に、3.5〜8.5Km/分の紡糸速度で更
に紡糸時の応力を増大せしめ、より高配向の紡出糸を得
て、これを延伸することにより、レーヨンに近い熱収縮
率を持ったポリエステル繊維とすることも提案されてい
る。
【0004】即ち、これらの方法では、より高配向のマ
ルチフィラメント状紡出糸を得るために、高重合度のポ
リエステルを前記の特開公報に開示されているようによ
り高速度で紡糸することを特徴としている。しかしなが
ら、高重合度ポリエステルをこの様な高速度で紡糸する
と、各単繊維間での冷却不足や紡糸随伴流の増大に伴う
単糸融着や糸ゆれが発生し、糸切れ、毛羽の増加ととも
に各単繊維の均一性が極めて悪くなる。このことは、引
き続き行われる延伸性の悪化につながり、充分な高配向
化も成し得ない。そのために、これらの方法によって得
られたポリエステル繊維からなるタイヤコードは、熱収
縮率を充分に改良することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高速
時の操縦安定性、乗り心地性に優れた高性能乗用車用ラ
ジアルタイヤ用のポリエステルタイヤコードとその製法
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題を解消しようとして鋭意検討した結果、従来に比べて
低重合度のポリエステルを、極めて高い配向性を有する
高結晶ポリエステル紡出糸とし、これを特定倍率で多段
延伸熱処理し、更に特定の撚係数で撚糸処理し、特定の
条件下で熱処理することによってのみ、レーヨンと同程
度の超低熱収縮率を有するポリエステルタイヤコードが
得られことを見い出し、本発明に達した。
【0007】即ち、本発明は、エチレンテレフタレート
を主たる繰り返し単位とする固有粘度〔η〕が0.45
〜0.85の繊維からなり、上記繊維が下記特性を同時
に備えていることを特徴とする乗用車用ポリエステルタ
イヤコード。 (a)中間伸度KE=5.0〜7.5(%) (b)乾熱収縮率HSc≦1.0(%) (c)強度TSc=4.5 g/d その製法として、 エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする
ポリエステルを少なくとも6Km/分の紡糸速度で溶融
紡糸し紡出糸とし、次いで、 上記紡出糸を下記条件(1)〜(3)で熱延伸し、リ
ラックス熱処理することにより下記(d)〜(f)の物
性を有する延伸とした後 (2.05−12.3△n+43.6△n2 )≦DR≦ (2.60−16.5△n+50.0△n2 )…… (1) (Tg−10)≦DT1≦(Tg+100) …… (2) (Tg+100)≦DT2≦Tm2 …… (3) (但し、△nは複屈折率、DRは延伸倍率、DT1は延
伸前記の延伸温度で、DT2は延伸後期の延伸温度、T
gはポリマーのガラス転移点、Tm2はポリマーの融
点) (d)固有粘度〔η〕=0.45〜0.85 (e)2次降伏点での伸度E1に対する2次降伏点以降
切断点までの伸度E2の伸度比 E2/El≦0.49 (f)150℃仕事損失△Eと175℃乾熱収縮率との
積の逆数で示される安定度係数が50以上 上記延伸糸を撚係数1000〜2800で合撚糸して
生コードとなし、 上記生コードを接着剤付与後230〜260℃で30
〜240秒間、実質的に延伸が起こらない条件でリラッ
クス熱処理することにより 中間伸度KE=5〜7.5(%) にすることを特徴とするポリエステルタイヤコードの製
法、である。
【0008】本発明の乗用車用ポリエステルタイヤコー
ドは、先ず第1にエチレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とするポリエステルを少なくとも6Km/分の
紡糸速度で溶融紡糸し紡出糸を得ることが必要である。
ここでいうポリエステルとは分子鎖中に実質的にエチレ
ンテレフタレート繰り返し単位からなるポリエステルを
いうが、5モル%未満、より好ましくは3モル%未満、
更に好ましくは2モル%未満の割合で共重合成分を含ん
でいても差し支えない。
【0009】このような共重合成分としては例えば、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、オ
キシ安息香酸、ジエチレングリコール、1−4ブタンジ
オール等が挙げられる。また、これらのポリエステルに
は、安定剤、艶消し剤、着色剤等を含んでいても差し支
えない。本発明に用いる紡出糸は、以下の方法によって
得られる。即ち、 固有粘度0.50〜0.90より好ましくは0.55
〜0.85のポリエステルポリマーを通常のスクリュー
押し出し機にて310℃以下のポリマ−温度で紡糸口金
から紡糸し、紡出糸を得ること、 上記紡糸口金直下には、5cm以上で且つ内部雰囲気
温度が150〜350℃の過熱域を通過させ、冷風を外
周より吹きつけ冷却固化させること、 収束ガイドとして給油ノズルを用いて所定量の油剤を
付与させた後、6.0Km/分以上の紡糸速度で巻き取
ること、によって得られる。
【0010】ポリマ−の固有粘度、ポリマ−温度、過熱
域温度、冷却条件は、得られる紡出糸の均一性を向上さ
せ、延伸性を高めるのに顕著な効果を有する。なお、上
記方法により得られる本発明で用いられる紡出糸の複屈
折率△nは、0.100以上、好ましくは0.110、
より好ましくは、0.120と従来の「POY−延伸
法」で得られる紡出糸より著しく高い値であることも特
徴的である。
【0011】本発明の方法おいて紡出糸は、一旦ボビン
に巻き取った後別延伸するか、或いは巻き取ることなく
連続的に延伸をしてもよい。なお、別延伸する場合は、
延伸巻き取り速度は、任意であるが、延伸安定性と生産
性を考慮すると500〜3000m/分の範囲が好まし
い。延伸倍率DRは、上記紡出糸の複屈折率△nによっ
て下記の範囲に決められる値である。
【0012】 (2.05−12.3△n+43.6△n2 )≦DR≦ (2.60−16.5△n+50.0△n2 )…… (1) 紡出糸の複屈折率に対して延伸倍率が(1)式より大き
すぎる場合は、毛羽や糸切れが頻発し且つ熱収縮特性の
低下がおこるので好ましくない。また、(1)式より小
さすぎると、タイヤコードとして充分な強度を得られな
いので好ましくない。
【0013】なお、具体的な延伸倍率は、紡糸速度が7
Km/分の場合、1.05〜1.55倍、好ましくは
1.1〜1.4倍、より好ましくは1.2〜1.3の範
囲である。延伸温度は、下記式(2)、(3)の範囲内
で実施することが好ましい。但し、(2)式のDT1は
延伸前記の延伸温度を示し、(3)式のDT2は延伸後
期の延伸温度を示す。また、Tgは繊維のガラス転移点
を示し、Tm2は繊維の融点を示す。
【0014】 (Tg−10)≦DT1≦(Tg+100) …… (2) (Tg+100)≦DT2≦Tm2 …… (3) この延伸温度は、上記の延伸倍率とともにポリエステル
繊維の基本性能を決める上で重要であることはいうまで
もない。以上の延伸を行った糸は、引き続いて連続的に
0.9〜1倍の制限処理下、180〜260℃の温度で
リラックス熱処理することが好ましい。このリラックス
熱処理によって、延伸工程までの応力歪みが均一に緩和
され、本発明の延伸糸の特性がきまる。
【0015】上記の紡糸条件及び延伸条件は相互に関連
ずけて決定し、以下に述べる特徴の延伸糸とすることが
必要である。本発明に用いる延伸糸の固有粘度は、0.
45〜0.85とすることが必要である。固有粘度が
0.45未満では、タイヤコードの強度を充分あげるこ
とができないので、適当でない。
【0016】また、紡糸速度6Km/分以上の高速で溶
融紡糸を行い固有粘度が0.85より大きいポリエステ
ル繊維を得ようとすると、前記したように単繊維間での
冷却不足や紡糸随伴流の増加が起こりこれに伴う単繊維
融着や糸ゆれが発生し、糸切れ、毛羽の増加と共に各単
繊維の均一性が極めて悪い繊維となる。更にこの紡糸性
の悪化は引き続いて行われる延伸工程及びディップ処理
工程にも影響し、その結果強度を保持し、超低熱収縮率
のタイヤコードとすることができない。
【0017】本発明に用いる延伸糸は、応力−伸度曲線
において、 2次降伏点での応力T1が5g/d以上 2次降伏点での伸度E1が6〜13% 2次降伏点での伸度E1に対する2次降伏点以降切断
までの伸度比E2/Elが0.49以下の特徴を同時に
備えており、E2/E1が低いことが極めて特徴的であ
る。
【0018】図1はポリエステル延伸糸の応力−伸度曲
線を示し、図中のaは本発明の応力−伸度曲線であり、
曲線bは従来の技術の「POY−延伸法」によって得ら
れたポリエステル繊維の応力−伸度曲線である。ここ
で、2次降伏点とは、図中(A)点で示される特性値で
あり、上記の2次降伏点前後の曲線状の接点の交線から
上記の応力−伸度の曲線にθ/2の角度で直線を引き、
この直線と応力−伸度曲線との交点で決定される。
【0019】伸度比E2/E1が大きすぎるポリエステ
ル繊維では、タイヤコードにした際の延伸糸に対する強
度低下率が大きくなり、コードをタイヤ加工工程でいわ
ゆる加硫を行った場合の強力低下率も増大するので好ま
しくない。また、E2/E1が小さすぎる場合は、結果
的に延伸配向の過剰な繊維となり、撚糸コードとした際
の強力低下が大きくなるので好ましくない。従って、E
2/E1は0.49以下にする必要があり、好ましくは
0.1〜0.49、0.1〜0.47の範囲である。
【0020】本発明に用いる延伸糸の150℃仕事損失
と175℃乾熱収縮率との積の逆数で示される安定度係
数は50以上であり、好ましくは55以上である。ここ
でいう仕事損失とは、糸長10インチ、歪み速度0.5
インチ/分、温度150℃の条件下に0.6g/dと
0.05g/dの間の応力でヒステリシスロスをインチ
・ポンドの単位で表示したものをいい、その値が低くな
る程微小な伸長・弛緩の繰り返しに対する発熱が少ない
ことを示しており、繊維の耐疲労性の向上に重要な役割
を果たすパラメーターである。
【0021】図2は175℃乾熱収縮率と上記定義によ
る安定度係数との関係をしめしている。図中のAは、本
発明に用いる延伸糸の収縮率−安定度係数の範囲をしめ
し、Bは前記した「POY−延伸法」によって得られた
延伸糸の収縮率−安定度係数の範囲を示している。この
様に、本発明に用いる延伸糸は、乾熱収縮率と仕事損失
の両方を小さくすることを同時に達成している。従っ
て、熱的変化にも、伸長・弛緩変化にも極めて安定な延
伸糸を得られたことになる。この為、本方法により得ら
れるタイヤコードは超熱寸法安定性でしかも、疲労性に
おいても大幅な改善がなしとげられたのである。
【0022】これに対して従来技術による安定度係数は
高々20にすぎず、紡糸延伸工程を安定させて高弾性率
で且つ安定度係数を20以上、更には45以上にするこ
とが非常に困難であったことは、先行技術(例えば特開
昭53−58031号公報)が教えるところである。上
記特徴を有するポリエステル延伸糸は撚係数で1000
〜2800で合撚糸し生コードとされる。ここで撚り係
数KはK=T×√Dで定義される。
【0023】上記式においてTは10cm当たりの撚り
数、Dは生コードのデニールを示す。撚り係数が100
0未満ではタイヤコードの疲労性が低下し、また、28
00以上ではタイヤコードの強力が低下するので好まし
くない。次に上記生コードはそのまま、又は、すだれ状
に製織したのち通常のタイヤコード用接着剤、例えばR
FL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)液とエポ
キシ化合物又は「PEXUL」(ICI社製)を主成分
とする液に浸漬される。接着剤の付着量は通常1〜6%
である。次に過熱炉中を通過させ接着剤を乾燥させたの
ちリラックス熱処理をするが、これらは通常連続処理し
て行う。
【0024】本発明の乗用車用ポリエステルタイヤコー
ドは、超低熱収縮特性に設計するため、中間伸度を5〜
7.5%に設定する。中間伸度はコードを構成している
延伸糸デニール及び合糸本数により実施例の欄に記す式
により算出される測定加重を掛けたときの伸度である。
例えば1000デニールの延伸糸を2本合糸してなるタ
イヤコードのとき4.5Kg、1000デニールの糸を
3合糸又は1500デニールの延伸糸を2本合糸してな
るタイヤコードの場合6.75Kg加重時の伸度をもっ
て表す。中間伸度が5%未満では、超低熱収縮特性は得
られないので好ましくない。また、7.5%以上では強
度が不足するので好ましくない。
【0025】リラックス熱処理はホットゾーン及びノル
マライジングゾーンからなり、両ゾーンとも温度230
〜260℃、好ましくは230〜255℃で処理時間は
30〜300秒間処理される。このとき、実質的に延伸
がおこらないように処理時張力0.025〜0.25g
/dの範囲で行う。処理時張力0.025未満では安定
な処理が行えない。処理張力が0.25g/dを越える
と十分なリラックス処理が行えない為、低熱収縮のタイ
ヤコードが得られない。
【0026】かくして得られる乗用車用ポリエステルタ
イヤコードは次の特性を備えている。 (a)中間伸度KE=5.0〜7.5(%) (b)乾熱収縮率HSc≦1(%) (c)強度TSc≧4.5 g/d 乾熱収縮率は150℃で30分間オーブン中で自由収縮
処理させた時の収縮率である。
【0027】上記のようなレーヨン並みの超低収縮特性
を有し、然も、レーヨン並み以上の強度を有する乗用車
用ポリエステルタイヤコードは、本発明の方法で用いら
れる延伸糸、及び本発明で特定するディップ処理を行っ
た場合にのみ得られる。例えば前記した高重合度のポリ
マーを使った従来の技術、即ち「POY−延伸法」やそ
の改良技術では、本発明程の低熱収縮率を付与するのが
難しいばかりでなく、本発明と同様に低熱収縮率を付与
しようとリラックス処理を行うと、強度の大幅な低下が
おこり、レーヨン並みの強度も得られないのである。
【0028】上記の特性を有する本発明の乗用車用ポリ
エステルタイヤコードは、乗用車用ラジアルタイヤカー
カス材して用いられたとき、タイヤの均一性がこれまで
のエステルコードで得られなかったレベルまで改善さ
れ、高速走行時の操縦安定性及び乗り心地感に優れた高
性能タイヤとすることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、上記説明及び実施例に記載した特性の定義並
びに測定方法を以下に示す。 (1) 応力−伸度曲線 島津オートグラフSS−100型を使用してJISL−
1017−1983(7.5)に準じて測定を行った。 (2) 固有粘度〔η〕 オストワルド粘度計を用いて、オルソクロロフェノール
100mlに対して1gの試料を溶解した溶液の還元粘
度ηsp/cを35℃の恒温槽中で測定し、次式により
〔η〕を算出した。
【0030】ηsp/c=〔η〕+0.277〔η〕2 (3) 乾熱収縮率HS 延伸糸は175℃で、タイヤコードは150℃でJIS
L−1017−1983(7.10.2)に準拠して測
定した。 (4) 150℃仕事損失△E 糸長10インチ、歪み速度0.5インチ/分、温度15
0℃の条件下に0.6g/dと0.05g/dの間の応
力でヒステリシスループを測定し得られた1000デニ
ール当たりのヒステリシスループをインチ・ポンドで表
わした。詳細な方法は特開昭53−58031号公報に
準拠した。 (5) 複屈折率△n オリンパス製偏光光学顕微鏡を用い、Na−D線を光源
とし、α−ブロムナフタリン/オリーブオイル油を浸漬
液としてベレックコンペンセーターを用いたリターデー
ション法により測定した。 (6) 中間伸度KE 中間伸度はコードを構成している延伸糸デニール及び合
糸本数より下記の式により算出される測定加重を掛けた
ときの伸度として求めた。
【0031】測定加重(kg)=2.25×(延伸デニ
ール)×(合糸本数)/1000 (7) 加硫強力保持率 温度153℃、圧力60Kg/cm2 、処理時間60分
で加硫処理を行い、加硫後にコードを引き剥がし強力を
測定し、処理前のコードに対する強力の割合を100分
率で示した。 (8) 耐疲労性 疲労試験はディスク法JISL−1017−1968
(1.3.2.2)で、72時間疲労試験後にゴムブロ
ックより取り出してコード強力を測定し、疲労試験前に
ゴムブロックよりとりだしたコードの強力に対する割合
を百分率で示した。 (9)紡糸状態 紡糸、延伸時の毛羽発生、糸切発生が3回以下であった
ものを○、10回以上のものを×で示した。(サンプル
100kg得るとき)。
【0032】
【実施例1〜9及び比較例1〜7】表1に示す固有粘度
のポリエチレンテレフタレートチップを表1の紡糸温度
で溶融紡糸した。このとき、紡糸口金は、孔径0.35
mm、同心円状に孔が配列されているものを使用し、口
金より吐出後、長さ100mm、内部表面温度300℃
の加熱域を通過させた後、温度20℃の冷風を糸状の外
周より吹きつけ、オイリングノズルで油剤を付与し、表
1の条件にて巻き取った。
【0033】得られた紡出糸を合糸させながら引取りロ
ーラー、第一延伸ローラー、第2延伸ローラー、リラッ
クスローラー及び巻き取り機からなる延伸機によって1
500m/分の速度で巻き取り、延伸・加熱処理し、1
500デニール/256フィラメントの各延伸糸とし
た。以上の条件によって得られた紡出糸及び延伸糸の物
性を同じく表2に示した。
【0034】表1において、延伸倍率DR1とは上記の
引取ローラーと第1延伸ローラーの周速度の比であり、
DR2とは第1延伸ローラーと第2延伸ローラーの比で
あり、Rとは第2延伸ローラーとリラックスローラーの
比である。また、温度の欄におけるFR、1GD、2G
D、RRとはそれぞれ引取ローラー、第1延伸ローラ
ー、第2延伸ローラー、リラックスローラーの温度を示
す。
【0035】上記の延伸糸を撚糸機で下撚りをZ方向に
400T/m、2本合糸し上撚りをS方向に400T/
mかけ、撚り係数を2312の生のコードとした。得ら
れた生コードにRFL及びICI社製「PEXUL」を
主成分とする接着剤を付与したのち、表3に示す条件で
処理しタイヤコードとした。得られたタイヤコードの物
性を表3に示した。本発明の乗用車用ポリエステルタイ
ヤコードは、強度を保持し、1%以下の熱収縮率を達成
しているのに対し、それ以外の方法では、強度が低かっ
たり、熱収縮率が高かったりして、目的の物性は得られ
なかった。
【0036】
【実施例10】実施例5で使用した延伸糸を表4の実施
例10に示す条件で撚糸及びディップ処理を行った。得
られた処理コードの物性を同じく表5に示す。得られた
コードは、本発明の条件を満足するものであった。
【0037】
【実施例11〜16】実施例9で使用した延伸糸を表4
の実施例11〜16に示す条件で撚糸及びディップ処理
を行った。得られた処理コードの物性を同じく表5に示
す。得られたコードは、本発明の条件を満足するもので
あった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【発明の効果】本発明の乗用車用ポリエステルタイヤコ
ードは、レーヨン並の超低熱収縮率となる為、乗用車用
ラジアルタイヤカーカス材として用いられたとき、タイ
ヤゴム加硫冷却時の歪み修正工程であるいわゆるポスト
キュアーインフレーション工程を省略でき、タイヤの均
一性がこれまでのエステルコードで得られなかったレベ
ルまで改善され、高速時の操縦安定性と乗り心地性に優
れた高性能乗用車用ラジアルタイヤを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエステル延伸糸の応力−伸度曲線図。
【図2】ポリエステル延伸糸の乾熱収縮率と安定度係数
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
a 本発明に用いるポリエステル延伸糸の応力−伸度曲
線 b 従来技術の「POY−延伸法」によって得られたポ
リエステル延伸糸の応力−伸度曲線 E1 2次降伏点での伸度 E2 2次降伏点以降切断点までの伸度 T1 2次降伏点での応力 θ 降伏点前後での接線の交わる角度 (A)降伏点前後での接線の交点からθ/2の角度で直
線を引いた時、応力−伸度曲線と交わる点 A 本発明に用いる延伸糸の乾熱収縮率と安定度係数の
範囲 B 従来技術の「POY−延伸法」の乾熱収縮率と安定
度係数の範囲

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
    し単位とする固有粘度〔η〕が0.45〜0.85の繊
    維からなり、上記繊維が下記特性を同時に備えているこ
    とを特徴とする乗用車用タイヤコード。 (a)中間伸度KE=5〜7.5(%) (b)乾熱収縮率HSc≦1 (%) (c)強度TSc≧4.5 g/d
  2. 【請求項2】 エチレンテレフタレートを主たる繰り
    返し単位とするポリエステルを少なくとも6Km/分の
    紡糸速度で溶融紡糸し紡出糸とし、次いで、 上記紡出糸を下記条件(1)〜(3)で熱延伸し、リ
    ラックス熱処理することにより下記(d)〜(f)の物
    性を有する延伸とした後、 (2.05−12.3△n+43.6△n2 )≦DR≦ (2.60−16.5△n+50.0△n2 )…… (1) (Tg−10)≦DT1≦(Tg+100) …… (2) (Tg+100)≦DT2≦Tm2 …… (3) (d)固有粘度〔η〕=0.45〜0.85 (e)2次降伏点での伸度E1に対する2次降伏点以降
    切断点までの伸度E2の伸度比 E2/E1≦0.49 (f)150℃仕事損失△Eと175℃乾熱収縮率との
    積の逆数で示される安定度係数が50以上 上記延伸糸を撚係数1000〜2800で合撚糸して
    生コードとなし、 上記生コードを接着剤付与後230〜260℃で30
    〜300秒間、実質的に延伸が起こらない条件でリラッ
    クス処理することにより 中間伸度KE=5〜7.5% にすることを特徴とする乗用車用ポリエステルタイヤコ
    ードの製法。
JP3223819A 1991-09-04 1991-09-04 乗用車用ポリエステルタイヤコード及びその製法 Withdrawn JPH0571033A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3223819A JPH0571033A (ja) 1991-09-04 1991-09-04 乗用車用ポリエステルタイヤコード及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3223819A JPH0571033A (ja) 1991-09-04 1991-09-04 乗用車用ポリエステルタイヤコード及びその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0571033A true JPH0571033A (ja) 1993-03-23

Family

ID=16804221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3223819A Withdrawn JPH0571033A (ja) 1991-09-04 1991-09-04 乗用車用ポリエステルタイヤコード及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0571033A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5906693A (en) * 1995-06-28 1999-05-25 Bridgestone Corporation Pneumatic radial tire with specified organic fiber carcass cords
JP2012036521A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Teijin Fibers Ltd 伝動ベルト補強用ポリエステルコード
EP3095899A4 (en) * 2014-01-16 2016-12-14 Hyosung Corp POLYESTER CABLE FOR TIRES HAVING EXCELLENT DIMENSIONAL STABILITY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5906693A (en) * 1995-06-28 1999-05-25 Bridgestone Corporation Pneumatic radial tire with specified organic fiber carcass cords
JP2012036521A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Teijin Fibers Ltd 伝動ベルト補強用ポリエステルコード
EP3095899A4 (en) * 2014-01-16 2016-12-14 Hyosung Corp POLYESTER CABLE FOR TIRES HAVING EXCELLENT DIMENSIONAL STABILITY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4987030A (en) High-tenacity conjugated fiber and process for preparation thereof
JP2569720B2 (ja) 産業用ポリエステル繊維、その製造方法及びタイヤコード用処理コード
JP5727675B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート延伸糸の製造方法、ポリエチレンテレフタレート延伸糸およびタイヤコード
JP2014148778A (ja) ポリエチレンテレフタレート延伸糸、ポリエチレンテレフタレートタイヤコード、これらの製造方法、およびこれを含むタイヤ
US5547627A (en) Method of making polyester fiber
US6519925B2 (en) Polyester multi-filamentary yarn for tire cords, dipped cord and production thereof
JP5802761B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート延伸糸、タイヤコードおよびこれらの製造方法
JP2006500479A (ja) 高強力ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維
JPS6088120A (ja) ポリエステル繊維
JP4337539B2 (ja) ポリエステル繊維の製造方法、及び溶融紡糸用紡糸口金
KR101878787B1 (ko) 형태안정성이 우수한 폴리에틸렌테레프탈레이트 타이어 코드, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 타이어
KR101338505B1 (ko) 폴리에틸렌테레프탈레이트 연신사의 제조방법, 연신사, 타이어 코오드의 제조방법, 및 타이어 코오드
JPH0733610B2 (ja) ポリエステルタイヤコードの製法
JP2882697B2 (ja) ポリエステル繊維及びその製造法
JPH0571033A (ja) 乗用車用ポリエステルタイヤコード及びその製法
JP3130683B2 (ja) 寸法安定性の改善されたポリエステル繊維の製造法
JPH0559627A (ja) ポリエステルタイヤコード及びその製法
KR20170091968A (ko) 내피로도가 우수한 폴리에틸렌테레프탈레이트 코드의 제조방법
JPH0450407B2 (ja)
JPH0323644B2 (ja)
JP2839817B2 (ja) 熱寸法安定性に優れたポリエステル繊維の製造法
JPS5813718A (ja) ポリエステル繊維
JPH11350249A (ja) Vベルト補強用ポリエステル繊維およびその製造方法ならびにvベルト補強用コード
KR101007331B1 (ko) 폴리에스테르 멀티 필라멘트사의 제조 방법, 이로부터제조된 폴리에스테르 멀티 필라멘트사 및 이를 포함하는폴리에스테르 타이어 코오드
JPH09268471A (ja) ゴム製品補強材用ポリアミド糸及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981203