JPH0570967A - 無電解めつき浴 - Google Patents

無電解めつき浴

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JPH0570967A
JPH0570967A JP26133191A JP26133191A JPH0570967A JP H0570967 A JPH0570967 A JP H0570967A JP 26133191 A JP26133191 A JP 26133191A JP 26133191 A JP26133191 A JP 26133191A JP H0570967 A JPH0570967 A JP H0570967A
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JP
Japan
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acid
mol
film
plating bath
electroless plating
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JP26133191A
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Fumio Goto
文男 後藤
Takehiko Yamamoto
武彦 山本
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな飽和磁化の値を保持したまま十分な垂
直磁気異方性を有する垂直記録媒体を安定に作製できる
無電解めっき浴を提供する。 【構成】 金属イオンとしてCoイオン、Niイオンお
よびZnイオンを含み、添加剤として金属イオンの還元
剤である次亜リン酸塩、錯化剤であるマロン酸基、リン
ゴ酸基およびコハク酸基を含む水溶液において、Co濃
度が0.02<Co<0.12mol/l、Ni濃度と
Co濃度のモル比が1≦Ni/Co≦4の範囲にある無
電解めっき浴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体(磁性
膜)の膜厚方向の磁化によって記録を行う、いわゆる垂
直記録に用いる磁気記録媒体を作製するための無電解め
っき浴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般の磁気ディスク装置、磁気テ
―プ装置などの磁気記録装置においては、磁気記録媒体
の長手方向に磁化することにより記録を行ってきたが、
記録密度の増加に従って媒体内の反磁界が増大して残留
磁化の減衰と回転を生じ、再生出力が著しく減少すると
いう欠点が存在する。このため記録密度が増加するほど
反磁界が小さくなる性質をもつ垂直記録方式が提案さ
れ、この垂直記録に適した磁気記録媒体として膜厚に垂
直な方向に磁化容易なCoCrスパッタ膜が提案されて
いる(特開昭52−134706号公報)。その後この
ような垂直記録媒体として、CoCrスパッタ膜のほか
に、スパッタ、蒸着などの乾式成膜法によるCoM、C
oCrM(Mは第3元素)などのCo合金膜、Fe合金
膜、Os添加フェライト膜、Baフェライト膜などが開
発されてきたが、これらの膜を乾式成膜法によって作製
する場合、真空系内で行うため量産性に問題がある。
【0003】このため、このような製造上の問題点を改
善して、量産性に優れた無電解めっき法により垂直記録
媒体を作製する方法が開発されている。この方法に用い
るめっき浴には、無電解CoMnPめっき浴(特開昭5
7−140869号公報)、無電解CoNiMnPめっ
き浴(特開昭58−058267号公報)、無電解Co
NiMnRePめっき浴(特開昭60−103181号
公報)、無電解CoNiRePめっき浴(特開昭61−
003316号公報)が見い出されている。Co合金磁
性膜において垂直異方性を有するためには、hcpCo
(六方晶)のc軸を主として基板に垂直配向させること
が必要条件であるが、これらの浴ではCoPあるいはC
oNiPのめっき浴にMnあるいはReなどの可溶性塩
を添加し、CoMnP,CoNiMnP,CoNiMn
ReP,CoNiRePなどの合金膜とすることによっ
て良好な垂直配向性が得られている。
【0004】一般に膜面に垂直な方向に磁化容易となる
条件は、媒体の異方性エネルギ―をKu、膜固有の垂直
異方性エネルギ―をK⊥、形状異方性エネルギ―を2π
Ms2(Msは飽和磁化)としたとき、K⊥>2πM
2、あるいはKu=K⊥−2πMs2>0の関係がある
ことである(これは、媒体の垂直異方性磁界Hkと反磁
界の最大値4πMsとの間にHk>4πMsの関係があ
るということと同様である。)。垂直記録媒体において
は必ずしもこの条件を満たす必要はないが、Kuあるい
はHkが大きな値をもつほど媒体特性として好ましいと
いえる。高密度記録を得るためには、通常少なくとも
2.0kOe程度以上のHk値であることが好ましい。
一方、大きな再生出力を得るためにはMs値を大きくす
ることが望ましい。すなわちアイ・イ―・イ―・イ―・
トランザクション・オン・マグネチックス(IEEE T
ransaction on Magnetics)第Mag−18巻,第2
号,第769〜771頁によれば、Ms<(3/4π)
Hc(⊥)(Hc(⊥)は媒体の垂直方向の保磁力)の
条件下において再生出力値はMsに比例するとされてい
る。また前記文献においてMs≧(3/4π)Hc
(⊥)の場合、再生出力はHc(⊥)に比例するとされ
ている。従って、再生出力を大きくするには、Hc
(⊥)を大きくし、十分な垂直磁気異方性を有する範囲
内でMsを大きくする必要がある。実際上は、使用する
磁気ヘッドの種類または記録条件によってHc(⊥)の
値が制限を受けるため、要求される記録密度および出力
に応じて適するHc(⊥)値を選択することが望まし
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の無電解CoMn
Pめっき浴や無電解CoNiMnPめっき浴を用いるこ
とにより、hcpCo六方晶のc軸が基板に垂直配向し
たCoMnPやCoNiMnPの磁性膜が得られるが、
このように得られた磁性膜はMs値に対して垂直磁気異
方性が十分でなく、垂直記録媒体として好ましくなかっ
た。このためCoMnPやCoNiMnPにReを共析
することにより垂直磁気異方性を向上させて垂直磁化膜
が得られるようになったが、Msが150〜350em
u/cc程度に低下した。すなわち大きなMs値を保持
したまま十分な垂直磁気異方性(大きなHk値)を有す
る無電解めっき垂直記録媒体が要望されていたが、これ
までの垂直記録媒体ではいずれも不十分であった。しか
も、媒体特性は膜構造および膜組成と密接な関係があ
り、これらを制御して媒体特性を再現性良く得るための
安定な多元合金無電解めっき浴を作製することは困難で
あった。本発明の目的は、このような従来の問題を改善
して、垂直記録媒体として優れた特性を有する磁気記録
媒体を安定に作製するための無電解めっき浴を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属イオンと
して少なくともCoイオン、NiイオンおよびZnイオ
ンを含み、添加剤として少なくとも前記金属イオンの還
元剤である次亜リン酸または次亜リン酸塩と、前記金属
イオンの錯化剤であるマロン酸基およびリンゴ酸基およ
びコハク酸基とを含む水溶液であって、Co濃度が0.
02〜0.12mol/lの範囲に、Ni濃度とCo濃
度のモル比(Ni/Co)が1≦Ni/Co≦4の範囲
にあることを特徴とする無電解めっき浴である。本発明
において用いられる無電解めっき浴の主要成分として
は、Coイオン、NiイオンおよびZnイオン、これら
の金属イオンの還元剤としての次亜リン酸(塩)、およ
びマロン酸基、リンゴ酸基およびコハク酸基を含むが、
本発明の目的、効果を損なわない範囲において、pH緩
衝剤,光沢剤,平滑剤,励起剤,ピンホ―ル防止剤,界
面活性剤等の添加剤が用いられることがある。
【0007】Coイオン、Niイオン、Znイオンは、
Co、NiまたはZnの硫酸塩,塩化塩,酢酸塩,有機
酸塩等の可溶性塩を無電解めっき浴中に溶解することに
よって供給される。Coイオンの濃度は、0.02〜
0.12mol/lの範囲が用いられる。Niイオンの
濃度は、0.02〜0.48mol/lの範囲が好まし
い。Znイオンの濃度は、0.0002〜0.3mol
/lの範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜0.
07mol/lの範囲である。本発明において用いられ
る金属イオンとしては、Co、Ni、Znを主成分とす
るが、少量の、Be,Mg,Al,Ru,Si,Fe,
Sr,Y,Zr,Nb,Cd,In,Sb,Ta,I
r,Hg,Tl,Nb,Gd,Tb,Ti,V,Cr,
Cu,Ga,Ge,Mn,W,Mo,Rh,Pd,A
g,Au,Pt,Sn,Te,Ba,Ce,Sm,O
s,Pb,Re,Bi等のイオンが本発明の効果に影響
を与えない範囲で含まれていてもよく、これらのイオン
はそれぞれの可溶性塩によって供給される。また、Ni
濃度とCo濃度のモル比(Ni/Co)は1≦Ni/C
o≦4の範囲とする。
【0008】還元剤としては、次亜リン酸またはその塩
が0.01〜0.8mol/l、好ましくは0.05〜
0.35mol/lの範囲で用いられる。還元剤に次亜
リン酸塩を使用するため、得られるめっき膜中にはPが
共析される。電気めっき法によるCoNiZnP膜では
Pが共析しやすく、P含有量が4〜8重量%となってい
る(特開昭59−48904号公報)が、無電解めっき
法ではPを多く共析することが難しく、P含有量は低
い。本無電解めっき浴によって良好な垂直磁気異方性が
得られるめっき膜は、P含有量が0.1〜3.8重量
%、好ましくは1.5〜3.5重量%の範囲である。
【0009】錯化剤としては、マロン酸やマロン酸ナト
リウム等のマロン酸基、リンゴ酸やリンゴ酸ナトリウ
ム,リンゴ酸カリウム,リンゴ酸ジエチル等のリンゴ酸
基およびコハク酸やコハク酸ナトリウム等のコハク酸基
が使用される。マロン酸基は、マロン酸またはマロン酸
の可溶性塩が0.01〜2mol/lの範囲で用いられ
るが、0.1〜0.5mol/lの範囲が好ましい。リ
ンゴ酸基は、リンゴ酸またはリンゴ酸の可溶性塩が用い
られるが、0.2〜0.7mol/lの範囲が好まし
い。コハク酸基は、コハク酸またはコハク酸の可溶性塩
が0.01〜2mol/lの範囲で用いられるが、0.
1〜1.0mol/lの範囲が好ましい。
【0010】また錯化剤としてほかに、ギ酸,酢酸,プ
ロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,イソ吉草酸,シ
ュウ酸,グルタル酸,グリコ―ル酸,マレイン酸,フマ
ル酸,シトラコン酸,イタコン酸,トリカルバリル酸,
酒石酸,チオグリコ―ル酸,乳酸,β−ヒドロキシプロ
ピオン酸,クエン酸,イソクエン酸,アロイソクエン
酸,ピルビン酸,オキサル酢酸,ジグリコ―ル酸,チオ
ジグリコ―ル酸,メルカプトコハク酸,ジメルカプトコ
ハク酸,安息香酸,マンデル酸,フタル酸,サリチル
酸,アスコルビン酸,スルホサリチル酸,トロポロン,
3−メチルトロポロン,タイロン等のカルボン酸、エチ
レンジアミン,ジエチレントリアミン,トリエチレンテ
トラアミン,ピリジン等のアミンおよびその誘導体、イ
ミノジ酢酸,イミノジプロピオン酸,ニトリロトリ酢
酸,ニトリロトリプロピオン酸,エチレンジアミンジ酢
酸,エチレンジアミンテトラ酢酸,エチレンジアミンテ
トラプロピオン酸,ジエチレントリアミンペンタ酢酸等
のアミノポリカルボン酸、アラニン,ザルコシン,バリ
ン,ノルロイシン,チロシン,システイン,グルタミン
酸,グリシン,アスパラギン酸,アスパラギン,ヒスチ
ジン等のアミノ酸、グルコン酸,アロン酸,イドン酸,
ガラクトン酸,グロン酸,タロン酸,マンノン酸等のヘ
キソン酸、ピロリン酸等の弱酸またはそれらの可溶性塩
の1種または2種以上の組み合わせが本発明の効果に影
響を与えない範囲で含まれていてもよい。
【0011】pH緩衝剤としてはアンモニウム塩,炭酸
塩,有機酸塩等が使用され、硫酸アンモニウム,塩化ア
ンモニウム,ホウ酸等を用いることが好ましい。濃度範
囲は0.01〜3.0mol/l、好ましくは0.05
〜0.7mol/lが用いられる。pH調節剤として
は、アンモニアまたは苛性アルカリとしてNaOH,K
OH等の金属の水酸化物が、1種または2種以上を組み
合わせて用いられる。またアンモニアと苛性アルカリを
併用することも行われる。通常、pH調節剤を加えない
建浴前のめっき液は、ほぼ中性ないし酸性域にあり、前
記水酸化物を加えてアルカリ性にpH調節される。所要
のpHを上回った場合、pH降下には塩酸,硫酸,硝
酸,酢酸等の酸が用いられる。pH範囲は7.0〜1
4.5、好ましくは8.0〜11.0の間で用いられ
る。
【0012】
【作用】無電解めっき法によるCoNiZnP垂直記録
媒体において、ZnはhcpCo(六方晶)のc軸を基
板に垂直配向させる作用をもつ。NiはZnを共析する
際の析出速度低下を防ぐ役割をもつ。Pは次亜リン酸還
元の無電解めっきにおいては同時に共析される。これが
CoNiZnP膜の各成分の役割と考えられているが、
このような多元素からなるめっき膜の構造や組成を制御
して媒体特性を再現性良く得るための安定な無電解めっ
き浴を作製することは困難である。無電解めっきは、熱
力学的にはめっき溶液中どこでも起こり得るめっき反応
を、活性の高い基板表面上では実質的な反応速度で進行
し、溶液中ではほとんど反応が進行しないように溶液成
分を調整したものである。このめっき反応の制御により
めっき膜構造や膜特性も変化する。しかし、現在のとこ
ろ、めっき反応と析出合金膜の特性の関係について理論
的に明らかになっていない。そこで、めっき反応に対し
て重要な溶液成分である錯化剤の適切な組み合わせと金
属塩の濃度について、実験的に広範囲に鋭意検討した結
果、長手記録媒体のめっき浴の錯化剤として知られるマ
ロン酸基とリンゴ酸基とコハク酸基を用いて、金属塩の
濃度範囲と比を選ぶことにより、良好な特性の垂直記録
媒体が安定に得られることが明らかとなった。本発明
は、このような知見を得たことによりもたらされたもの
である。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 アルミ合金基板上に非磁性NiP層をめっきし、表面を
鏡面研磨した後、その上に下記のめっき浴を用いて膜厚
0.25μmのCoNiZnP合金磁性膜を形成した。 めっき浴(1) 浴組成 硫酸コバルト 0.01〜0.14 mol/l 硫酸ニッケル 0.16 mol/l 硫酸亜鉛 0.03 mol/l 次亜リン酸ナトリウム 0.24 mol/l 硫酸アンモニウム 0.15 mol/l マロン酸ナトリウム 0.1 mol/l リンゴ酸ナトリウム 0.45 mol/l コハク酸ナトリウム 0.5 mol/l めっき条件 浴温 80℃ めっき浴のpH 9.2(室温にてアンモニア水でpH調節)
【0014】こうして得られた磁性膜の磁気特性を振動
試料型磁力計を用いて測定した結果を図1に示す。硫酸
コバルト濃度が0.01mol/lの場合、異方性磁界
(Hk)は0.5kOeであったが、硫酸コバルト濃度
の増加とともに増加し、硫酸コバルト0.04mol/
lで2.1kOeとなる。硫酸コバルト0.07mol
/lで最大値Hk=6.9kOeとなった後に減少し、
硫酸コバルト0.12mol/lで2.05kOeとな
り、それ以上の濃度ではさらに減少した。保磁力Hc
(⊥)は、硫酸コバルト濃度0.01mol/lで0.
47kOeであるが、硫酸コバルト濃度の増加とともに
増加し、硫酸コバルト0.075mol/lで最大値
1.96kOeとなった後に減少し、硫酸コバルト0.
15mol/lで0.35kOeとなった。Hc(⊥)
については、Hkが2kOe以上の膜において、かなり
広い範囲で変化させることができた。飽和磁化(Ms)
は、硫酸コバルト濃度が増加するほど増大する傾向があ
ったが、Hkが2kOe以上の膜において500emu
/cc以上の大きな値を有していた。次に、このような
特性を示す原因と考えられる磁性膜の構造について、X
線回折および電子線回折により検討した。Hkが2kO
e以上の膜について、X線回折では、hcpCo(六方
晶)のc軸が基板面に垂直配向していることを示す(0
02)面からの回折による鋭いピ―クのみが認められ、
他の格子面からの回折に相当するピ―クは認められなか
った。また、電子線回折結果からもc軸が基板面に垂直
配向したhcpCo構造から構成されており、膜厚0.
05〜1.0μmの各種膜厚について調べても薄膜時よ
り高い配向性を示していることが明らかとなった。すな
わち本実施例で得られた磁性膜は垂直磁気異方性を示
し、垂直記録媒体として好ましい特性を有することが明
らかとなった。
【0015】実施例2 実施例1と同様の手順で磁性膜の作製を行ったが、本実
施例ではめっき浴(2)を用いて膜厚0.25μmのC
oNiZnP合金磁性膜を形成した。 めっき浴(2) 浴組成 硫酸コバルト 0.07 mol/l 硫酸ニッケル 0.03〜0.31 mol/l 硫酸亜鉛 0.03 mol/l 次亜リン酸ナトリウム 0.24 mol/l 硫酸アンモニウム 0.15 mol/l マロン酸ナトリウム 0.1 mol/l リンゴ酸ナトリウム 0.45 mol/l コハク酸ナトリウム 0.5 mol/l めっき条件 浴温 80℃ めっき浴のpH 9.2(室温にてアンモニア水でpH調節)
【0016】こうして得られた磁性膜の磁気特性を振動
試料型磁力計を用いて測定した結果を図2に示す。硫酸
ニッケル濃度が0.03mol/lの場合、Hkは0.
7kOeであったが、硫酸ニッケル濃度の増加とともに
増加し、硫酸ニッケル0.07mol/lで2.05k
Oeとなる。硫酸ニッケル0.16mol/lで最大値
Hk=6.9kOeとなった後に減少し、硫酸ニッケル
0.28mol/lで2.0kOeとなり、それ以上の
濃度ではさらに減少した。Hc(⊥)は、硫酸ニッケル
濃度0.03mol/lで0.79kOeであるが、硫
酸ニッケル濃度の増加とともに増加し、硫酸ニッケル
0.16mol/lで最大値1.94kOeとなった後
に減少し、硫酸ニッケル0.28mol/lで1.17
kOeとなった。Hc(⊥)については、Hkが2kO
e以上の膜において、かなり広い範囲で変化させること
ができた。Msは、硫酸コバルト濃度が増加するほど増
大する傾向があったが、Hkが2kOe以上の膜におい
て500emu/cc以上の大きな値を有していた。次
に、このような特性を示す原因と考えられる磁性膜の構
造について、X線回折および電子線回折により検討し
た。Hkが2kOe以上の膜について、X線回折では、
hcpCo(六方晶)のc軸が基板面に垂直配向してい
ることを示す(002)面からの回折による鋭いピ―ク
のみが認められ、他の格子面からの回折に相当するピ―
クは認められなかった。また、電子線回折結果からもc
軸が基板面に垂直配向したhcpCo構造から構成され
ており、薄膜時より高い配向性を示していることが明ら
かとなった。すなわち本実施例で得られた磁性膜は垂直
磁気異方性を示し、垂直記録媒体として好ましい特性を
有することが明らかとなった。
【0017】実施例3 実施例1と同様の手順で磁性膜の作製を行ったが、本実
施例ではめっき浴(3)を用いて膜厚0.25μmのC
oNiZnP合金磁性膜を形成した。 めっき浴(3) 浴組成 硫酸コバルト 0.01〜0.13 mol/l 硫酸ニッケル 0.01〜0.50 mol/l 硫酸亜鉛 0.03 mol/l 次亜リン酸ナトリウム 0.24 mol/l 硫酸アンモニウム 0.15 mol/l マロン酸ナトリウム 0.1 mol/l リンゴ酸ナトリウム 0.45 mol/l コハク酸ナトリウム 0.5 mol/l めっき条件 浴温 80℃ めっき浴のpH 9.2(室温にてアンモニア水でpH調節)
【0018】硫酸コバルト濃度を0.01〜0.13m
ol/l、硫酸ニッケル濃度を0.01〜0.50mo
l/lの範囲で変化させて得られた磁性膜の磁気特性を
振動試料型磁力計を用いて測定した。その結果、Co濃
度が0.02<Co<0.12mol/lの範囲にあ
り、Ni濃度とCo濃度のモル比(Ni/Co)が1<
Ni/Co<4の範囲にある場合に、Hkが2kOe以
上の膜が得られた。Hc(⊥)は、Hkが2kOe以上
の膜において、0.65〜2kOeの範囲で変化させる
ことができた。Msは、Ni/Coが増加するほど減少
する傾向があったが、Hkが2kOe以上の膜において
500emu/cc以上の大きな値を有していた。ま
た、X線回折および電子線回折によって、Hkが2kO
e以上の膜については、hcpCo(六方晶)のc軸が
基板面に垂直配向し、薄膜時より高い配向性を示してい
ることが明らかとなった。
【0019】以上の実施例は、マロン酸ナトリウム0.
1mol/l、リンゴ酸ナトリウム0.45mol/
l、コハク酸ナトリウム0.5mol/lとしている
が、これらの錯化剤が前述の濃度範囲にあれば、本実施
例と同様の結果が得られた。また、以上の実施例で用い
た無電解めっき浴は、従来のMnないしはReを含む4
元あるいは5元の多元合金無電解めっき浴に比較して浴
管理が容易で著しく安定性に優れ、垂直記録媒体として
優れた特性を有する磁性膜を再現性良く作製することが
できた。同一容量のめっき浴から多数の媒体を作製する
場合、2.0kOe以上の異方性磁界Hk値が得られる
めっき当初から2.0kOe以下の値になるまでのめっ
き処理量を浴寿命とすると、本発明による無電解めっき
浴の浴寿命は従来の多元合金無電解めっき浴に比較して
15倍以上に増加していた。
【0020】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、垂直記録媒体として優れた特性を有するCoNiZ
nP膜を安定に作製することの可能な無電解めっき浴が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無電解めっき浴により得られるCoN
iZnP膜の一例の異方性磁界(Hk)および保磁力
(Hc)と、めっき浴中の硫酸コバルト濃度との関係を
示す図である。
【図2】本発明の無電解めっき浴により得られるCoN
iZnP膜の一例の異方性磁界(Hk)および保磁力
(Hc)と、めっき浴中の硫酸ニッケル濃度との関係を
示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属イオンとして少なくともCoイオ
    ン、NiイオンおよびZnイオンを含み、添加剤として
    少なくとも前記金属イオンの還元剤である次亜リン酸ま
    たは次亜リン酸塩と、前記金属イオンの錯化剤であるマ
    ロン酸基およびリンゴ酸基およびコハク酸基とを含む水
    溶液であって、Co濃度が0.02〜0.12mol/
    lの範囲に、Ni濃度とCo濃度のモル比(Ni/C
    o)が1≦Ni/Co≦4の範囲にあることを特徴とす
    る無電解めっき浴。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6053686A (en) * 1998-02-09 2000-04-25 Asm Japan K.K. Device and method for load locking for semiconductor processing

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6053686A (en) * 1998-02-09 2000-04-25 Asm Japan K.K. Device and method for load locking for semiconductor processing

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