JPH0570931A - 真空蒸着装置および防着板 - Google Patents

真空蒸着装置および防着板

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JPH0570931A
JPH0570931A JP23191091A JP23191091A JPH0570931A JP H0570931 A JPH0570931 A JP H0570931A JP 23191091 A JP23191091 A JP 23191091A JP 23191091 A JP23191091 A JP 23191091A JP H0570931 A JPH0570931 A JP H0570931A
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evaporation source
holder
evaporation
vacuum container
vacuum
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JP23191091A
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Sai Hayakawa
菜 早川
Makoto Kameyama
誠 亀山
Junji Terada
順司 寺田
Hiroyuki Suzuki
博幸 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】比較的低温で真空蒸着を行なう場合に、真空容
器内に吸着されたガスの再放出による成膜される薄膜の
品質低下を防ぎ、真空容器内の汚れを防ぎ、被着基板上
へのゴミの付着を防ぐことができるようにする。 【構成】蒸発源3の上方に近接して、開口部5を有する
取外し可能な防着板4を設ける。この防着板4は、蒸発
源3を含む側と被着基板8を保持するドーム状の保持具
2を含む側とに真空容器1内を分割する。開口部5の形
状は、蒸発源3から保持具2を見通したときに保持具2
と重畳するようなものとし、蒸発源3からの蒸発粒子の
うちこの開口部5を通過したものは必ず保持具2もしく
は被着基板8に到達するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的低い温度で真空
蒸着を行なう真空蒸着装置と、この真空蒸着装置で用い
られる防着板に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズなどの被着基板の表面に薄膜を形
成するための真空蒸着装置は、一般に、真空容器と真空
容器内に設けられた蒸発源とを有している。そして被着
基板は、真空容器内において蒸発源の上方に取外し可能
に設けられたドーム状の保持具に保持されて、真空蒸着
されるようになっている。蒸発源からの蒸発粒子(蒸発
原子や蒸発分子など)のうちの被着基板や保持具に到達
しなかったものが真空容器の内壁などに直接付着するの
を防ぐため、従来は、これら蒸発粒子を捕捉するための
防着板が真空容器の内壁に沿って設けられるようになっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した従来の
真空蒸着装置では、被着基板やドーム状の保持具に到達
しなかった蒸発粒子は、結果として真空容器の内壁に沿
った広い範囲に膜として付着することになり、真空容器
内に空気をリークしたときにこの膜にガス(主としてH
2O)が吸着されてしまう。この膜に吸着されたガス
は、次の成膜時に蒸発源からの輻射熱などによって真空
容器中に放出され、真空容器内の真空度が安定しなかっ
たり、真空容器内の残留気体の組成が変動してしまい、
成膜される薄膜の特性が変化してしまうという問題点が
ある。このような吸着ガスの問題は、プラスチックレン
ズなどの表面に薄膜を形成するために蒸発源を無加熱あ
るいは低温にして真空蒸着を行なう場合に顕著である。
成膜、リークを何度も繰り返すにつれ、真空容器の内壁
に沿って堆積する膜も厚くなり、吸着ガスの量も増加し
ていくため、真空容器のホーニング直後と何度も成膜を
行なった後とでは、被着基板に成膜される薄膜の屈折率
が変化し、成膜のバッチ間にばらつきが生じ、品質が一
定しなくなるという問題点がある。さらに、真空容器の
内壁に沿って付着・堆積した膜が剥離してゴミとなり、
真空容器内に飛散して被着基板表面に付着し、不良発生
の原因となるという問題点もあった。
【0004】このような問題点を解決するためには、真
空容器のホーニングの間隔を短くし、また真空容器の内
壁部をベーキングするなどの方法があるが、このような
方法を実施するためには成膜を中断してかなりの時間を
割かざるを得ず、結果として生産性が低下してしまうと
いう問題点がある。
【0005】本発明の目的は、真空容器内に吸着された
ガスの再放出による成膜される薄膜の品質低下を防ぎ、
真空容器内の汚れを防ぎ、被着基板上へのゴミの付着に
よる不良発生を防ぐことのできる真空蒸着装置と、この
真空蒸着装置で使用される防着板とを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の真空蒸着装置
は、真空容器と、前記真空容器内に設けられた蒸発源
と、前記真空容器内において前記蒸発源の上方に設けら
れ被着基板を保持するドーム状の保持具とを有する真空
蒸着装置において、前記蒸発源を含む側と前記保持具を
含む側とに前記真空容器内を分割し、前記蒸発源の上方
にあたる位置に開口部を有し、前記開口部は前記蒸発源
から前記保持具を見通したときに前記保持具と重畳する
形状である、取外し可能な防着板が設けられ、前記蒸発
源からの蒸発粒子のうち前記開口部を通過したものが前
記保持具および前記被着基板に到達するようにしたこと
を特徴とする。
【0007】本発明の防着板は、真空容器と、前記真空
容器内に設けられた蒸発源と、前記真空容器内において
前記蒸発源の上方に設けられ被着基板を保持するドーム
状の保持具とを有する真空蒸着装置に取外し可能に取り
付けられる防着板でにおいて、前記真空蒸着装置に取り
付けた状態において、前記真空容器内を前記蒸発源を含
む側と前記保持具を含む側とに分割し、前記蒸発源の上
方に位置する開口部を有し、前記開口部の形状は前記蒸
発源から前記保持具を見通したときに前記保持具と重畳
するものであり、前記蒸発源からの蒸発粒子のうち前記
開口部を通過したものが前記保持具および前記被着基板
に到達するようにしたことを特徴とする。
【0008】
【作用】蒸発源を含む側と保持具を含む側とに真空容器
内を分割し、蒸発源の上方にあたる位置に開口部を有
し、この開口部は蒸発源から保持具を見通したときに保
持具と重畳する形状である、取外し可能な防着板が設け
られているので、蒸発源からの蒸発分子のうち防着板の
開口部を通過したものは必ず保持具あるいは被着基板上
に到達する。一方、この防着板に遮られた蒸発粒子は、
防着板がなかったとすれば保持具や被着基板以外の部分
すなわち真空容器内壁に付着したはずのものであって、
このため防着板を設けたことにより、少なくとも防着板
より上側の真空容器の内壁への膜の堆積が防がれ、低温
で真空蒸着を行なう場合であっても真空容器の内壁部か
らの吸着ガスの放出が抑えられ、安定した真空度、ガス
組成の下で真空蒸着を行なえるようになる。また、真空
容器の内壁部に付着する膜が減少してほとんどなくなる
ので、この内壁部からの膜の剥離・飛散が防がれ、剥離
した膜の被着基板への付着が防止される。
【0009】一般に蒸発源からの蒸発粒子は、上方を向
いたある一定の立体角内に放出され側方および下方には
ほとんど放出されないから、蒸発源に近接して防着板を
設ければ、保持具および被着基板に到達しない蒸発粒子
のほとんどがこの防着板に付着することになる。したが
って、真空蒸着の1回のバッチごとに防着板を交換し、
防着板を常に清浄な状態としておくことにより、バッチ
間のばらつきのない安定した品質の薄膜の成膜ができる
ようになる。なお、プラスチックレンズへの被膜形成な
ど比較的低い温度で蒸着を行なう場合には、このように
蒸発源に近接させて防着板を設けたとしても、防着板の
温度上昇はほとんど問題とはならない。防着板の形状
は、防着板の開口部以外を通過して蒸発粒子が真空容器
内の保持具を含む側に到達し得ない形状であればどのよ
うなものでもよいが、蒸発源の側方にも延びて設けら
れ、この側方の位置において防着板は蒸発源からの蒸発
粒子の流れの方向に対して概ね平行になっているように
してもよい。このように蒸発源の側方にも防着板が延び
ている場合には、保持具および被着基板に到達しなかっ
た蒸発粒子のほぼ全部を防着板に付着させることがで
き、バッチごとに防着板を交換することによって、真空
容器内の清浄な環境をより一層達成することができる。
【0010】また、真空容器内に複数の蒸発源を設ける
場合には、各蒸発源ごとに上述の側壁を有する防着板を
設けるようにするとよい。このように蒸発源ごとに防着
板を設けることによって、各蒸発源の加熱方法、蒸発材
料あるいは形状などによって蒸発分布が異なる場合に、
蒸発源と防着板との間隔をそれぞれの蒸発源について最
適な値とすることができる。また、複数の蒸発源に共通
に防着板を設ける場合に比べ、ある蒸発源からの蒸発粒
子が対応しない開口部からもれ出して真空容器の内壁部
に付着するということを防ぐことができる。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。 [実施例1]図1は、本発明の第1の実施例の真空蒸着
装置の構成を示す模式縦断面図、図2は防着板および蒸
発源の間隔と開口部の直径との関係を説明する模式縦断
面図、図3はこの真空蒸着装置の構成を示す模式横断面
図である。
【0012】この真空蒸着装置は、図示しない排気手段
が接続された概四角形の筒状の真空容器1、この真空容
器1の底部中央に設けられた蒸発源3、蒸発源3に対向
するように真空容器1内の中央より上方に取外し可能に
設けられたドーム状の保持具2とからなっている。保持
具2は、例えばプラスチックレンズなどの被着基板8を
蒸発源3に対向するように保持させるためのものであ
り、ドーム状となっているのは、蒸発粒子が保持具2を
通過して真空容器1の天井部に付着するのを防ぎ、また
蒸発源3からの距離が保持具2上の位置によらずほぼ一
定となるようにするためである。被着基板8は、保持具
2の内面に保持され、蒸発源3から見通したとき、保持
具2の形成する円の内側にあるようになっている。一
方、蒸発源3はその上面が蒸発物質9を保持するるつぼ
部となっており、電子ビームあるいは抵抗加熱などの公
知の方法によって、図において矢印で示すように、蒸発
物質9の蒸発粒子流を一定の立体角内に発生させるもの
である。
【0013】また、蒸発源3からの蒸発粒子流を制御す
るためのシヤッター板6が、真空容器1の底面を回転可
能かつ気密を保持して貫通するシヤッター軸10の先端
に取り付けられている。このシヤッター板6は、シヤッ
ター軸10を回転させることにより、蒸発源1に近接し
てその直上にあたる位置と、蒸発源1の直上から外れた
位置との間を交互に移動できるようになっている。
【0014】さらに、シヤッター板6の上方には、真空
容器1内を蒸発源3を含む側と保持具2を含む側とに分
割する防着板4が、保持つめ7によって真空容器1に対
して取外し可能に設けられている。この防着板4は平板
状の部材であって中央部に円形の開口部5が設けられ、
防着板4の周縁部は真空容器1の内壁とほぼぴったりと
接するようになっている。開口部5の形状は、蒸発源3
から保持具2を見通したときに保持具2と重畳するもの
であり、蒸発源3からみた開口部5の立体角が、蒸発源
3からみた保持具2の立体角と等しくなるようになって
いる。防着板4は、蒸発源3からの蒸発粒子が、シヤッ
ター板6やシヤッター軸10に付着するものを除いて防
着板4に付着するか開口部5を通過するかのいずれかと
なるように、蒸発源3に近接して設けられている。
【0015】ここで、防着板4と蒸発源3との間隔と、
開口部5の直径との関係について、図2により説明す
る。
【0016】蒸発源3での蒸発部分(加熱されている蒸
発物質9の蒸発表面)が実質的に点とみなせる場合、蒸
発源3からみた開口部5の立体角が蒸発源3からみた保
持具2の立体角と等しくなっているから、蒸発源3の前
記蒸発部分と防着板4との間隔をh、開口部5の直径を
φ、保持具2の直径をR、保持具2の下端部の形成する
面と蒸発部分との距離をLとすると、 L/R = h/φ の関係が成立する。さらに、防着板4によって真空容器
1の内壁部への膜の堆積を防ぐためには、防着板4と蒸
発源3との間隔hはできるだけ小さい方がよく、シヤッ
ター板6の動きを妨げない範囲でなるべく小さくする。
例えば防着板4はシヤッター板の直上10〜50mm程
度の範囲のところに位置するようにする。一般に蒸発源
3からの蒸発粒子流は、蒸発源3の直上の方向におい
て、均一かつ強度が大きいから、蒸発源3の真上に保持
具2が位置し、蒸発源3と保持具2のそれぞれ中心を結
ぶ直線上に開口部5の中心が位置するようにするとよ
い。例えば、L=600mm、R=500mmとし、シ
ヤッター板6が蒸発源の上方80mmのところに設けら
れているとすれば、h=100mmとすると、上式よ
り、開口部5の直径φを約83.3mmとすればよいこ
とがわかる。
【0017】次に、この真空蒸着装置の動作について説
明する。
【0018】被着基板8を保持具2に装着し、保持具2
ごと真空容器1内に取り付ける。一方、蒸発源3には蒸
発物質9を装填する。シヤッター軸10を操作してシヤ
ッター板6が蒸発源3の直上にある状態(閉じた状態)
にし、この真空容器1内を排気する。続いて蒸発源3を
加熱して蒸発物質9からの蒸発粒子流を発生させる。蒸
発粒子流の発生が安定したら、シヤッター軸10を操作
して、シヤッター板6を蒸発源3の直上からそれた位置
(開いた状態)にし、被着基板8への成膜を開始する。
この状態でのこの真空蒸着装置の模式横断面図が図3に
示されている。図に示すように、開口部5の中央に、蒸
発源3に装填された蒸発物質9が見えている。
【0019】開口部5を有する防着板4が蒸発源3の上
方に設けられているから、蒸発源3からの蒸発粒子は、
防着板4に付着するか、開口部5を通過するかのいずれ
である。前述のように、開口部5の形状は、蒸発源3か
ら保持具2を見通したときに保持具2と重畳するもので
あり、蒸発源3からみた開口部5の立体角が、蒸発源3
からみた保持具2の立体角と等しくなるようになってか
ら、開口部5を通過した蒸発粒子は、保持具2か保持具
2に装着された被着基板8のいずれかに必ず到達し、被
着基板8の表面に薄膜が形成される。そして、防着板5
より上方の真空容器1の内壁に蒸発粒子が到達すること
はない。
【0020】所定の厚さの薄膜が被着基板8上に形成さ
れたら、シヤッター板6を閉じた状態とし、蒸発源3の
加熱を停止し、真空容器1内に大気をリークし、被着基
板8を保持具2ごと真空容器1から取り出す。また防着
板4も清浄なものと交換する。続けて次のバッチの成膜
を行なうときは、以上の動作を繰り返せばよい。
【0021】以上の真空蒸着において、防着板4が設け
られたことにより、少なくとも防着板4より上側の真空
容器1の内壁への膜の堆積が防がれ、低温で真空蒸着を
行なう場合であっても真空容器1の内壁部からの吸着ガ
スの放出が抑えられ、安定した真空度、ガス組成の下で
真空蒸着を行なえるようになる。したがって、バッチ間
での成膜された薄膜の特性のばらつきも抑えられる。ま
た、真空容器1の内壁部に付着する膜が減少してほとん
どなくなるので、この内壁部からの膜の剥離・飛散が防
がれ、剥離した膜の被着基板8への付着が防止される。
なお、防着板4より下側の真空容器1の内壁へは、蒸発
源3からの蒸発粒子流が上向きであることによりほとん
ど膜の堆積はなく、また膜の堆積があったとしても防着
板4が存在することにより、剥離した膜が被着基板8に
達することはほとんどない。 [実施例2]次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図4は本実施例の真空蒸着装置の構成を示す模式
縦断面図である。
【0022】この実施例では、真空容器11の底部に複
数の蒸発源13が設けられ、これら蒸発源13に共通の
防着板14が設けられ、さらにこの防着板14には下方
に延びた側壁部14aが設けられており、これら以外の
ことは上述の実施例1と同様である。なお、蒸発源13
は、図示するように、それぞれ異なる形式のものであっ
てもよい。この場合、防着板14には複数の蒸発源13
に対応して複数の開口部15が設けられている。この開
口部15の形状は対応する蒸発源13から保持具2を見
通したときにこの保持具2と重畳するものであり、当該
蒸発源13からみた開口部15の立体角が、当該蒸発源
13からみた保持具2の立体角と等しくなるようになっ
ている。また防着板14の側壁部14aは、この防着板
14の水平部分より下側の真空容器11の側面内壁の全
周に沿うようにして真空容器11の底壁にまで達してい
る。このため防着板14は側壁部14aによって自立
し、上述の実施例1における保持つめ7のような機構は
必要としない。
【0023】この真空蒸着装置では、側壁部14aが設
けられていることにより、蒸発源13から側方に向かっ
た蒸発粒子はこの側壁部14aに付着するので、防着板
14の水平部分よりも下側の真空容器11の内壁にも膜
が付着することが完全に抑止され、吸着ガスの減少にさ
らに効果がある。 [実施例3]次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図5は本実施例の真空蒸着装置の構成を示す模式
横断面図である。この実施例は、上述の実施例2が複数
の蒸発源に対し共通の防着板を用いていたのに対し、蒸
発源ごとに防着板を設けた例である。
【0024】真空容器21の底部には、4個の蒸発源2
1〜234が設けられている。各蒸発源231〜234
加熱方法(電子ビーム加熱なのか抵抗加熱なのかな
ど)、装填される蒸発材料9あるいは形状などはそれぞ
れ異なっている。各蒸発源231〜234ごとにそれぞれ
防着板241〜242が設けられている。これら防着板2
1〜244は、それぞれ真空容器21の底壁にまで至る
側壁部を有する、底面のみを欠く箱型のものであり、上
面にはそれぞれ開口部251〜254が設けられている。
各開口部251〜254の形状は、上述の各実施例と同様
に、対応する蒸発源231〜234から保持具(図5には
不図示)を見通したときに保持具と重畳するものであ
り、それぞれの蒸発源231〜234からみた開口部25
1〜254の立体角が当該蒸発源231〜234からみた保
持具の立体角と等しくなるようになっている。さらに、
各蒸発源231〜234と対応する防着板241〜244
水平部分(すなわち上面)との間隔は、その蒸発源23
1〜234の加熱方法、蒸発物質9あるいは形状によって
それぞれ最適なものとされている。
【0025】このようにこの真空蒸着装置では、蒸発源
231〜234ごとに側壁部を有する防着板241〜244
を設けているので、ある蒸発源からの蒸発粒子が対応し
ない開口部からもれ出して真空容器の内壁に付着するこ
とを防ぐことができ、さらに各蒸発源231〜234と対
応する防着板241〜244との間隔をそれぞれ最適のも
のとしているので、被着基板に成膜される薄膜の厚さや
特性を均一なものとすることができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、蒸発源を
含む側と保持具を含む側とに真空容器を分割し、蒸発源
の上方にあたる位置に開口部を有し、この開口部は蒸発
源から保持具を見通したときに保持具と重畳する形状で
ある、取外し可能な防着板を設けることにより、生産性
を低下させることなく、真空容器の内壁への膜の堆積
が防がれ、低温で真空蒸着を行なう場合であっても真空
容器の内壁部からの吸着ガスの放出が抑えられ、安定し
た真空度、残留気体の組成の下で真空蒸着を行なうこと
ができて成膜される薄膜の特性が安定し、バッチごと
に防着板を交換することで真空容器内の汚れの変化を低
く抑えることができて成膜される薄膜の特性のばらつき
が減少して品質が向上し、真空容器の内壁部から剥離
・飛散がするゴミが減少するのでゴミの付着による不良
品の発生が防がれる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の真空蒸着装置の構成を
示す模式縦断面図である。
【図2】防着板および蒸発源の間隔と開口部の直径との
関係を説明する模式縦断面図である。
【図3】図3は図1の真空蒸着装置の模式横断面図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施例の真空蒸着装置の構成を
示す模式縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例の真空蒸着装置の構成を
示す模式縦断面図である。
【符号の説明】
1,11,21 真空容器 2 保持具 3,13,231〜234 蒸発源 4,14,241〜244 防着板 4,14,251〜254 開口部 6 シャッター板 7 保持つめ 8 被着基板 9 蒸発物質 10 シヤッター軸
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 博幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、前記真空容器内に設けられ
    た蒸発源と、前記真空容器内において前記蒸発源の上方
    に設けられ被着基板を保持するドーム状の保持具とを有
    する真空蒸着装置において、 前記蒸発源を含む側と前記保持具を含む側とに前記真空
    容器内を分割し、前記蒸発源の上方にあたる位置に開口
    部を有し、前記開口部は前記蒸発源から前記保持具を見
    通したときに前記保持具と重畳する形状である、取外し
    可能な防着板が設けられ、 前記蒸発源からの蒸発粒子のうち前記開口部を通過した
    ものが前記保持具および前記被着基板に到達するように
    したことを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 【請求項2】 蒸発源と防着板との間隔は、前記蒸発源
    からの蒸発粒子のうち開口部を通過しないものの実質的
    に全てが前記防着板に付着するようなものである請求項
    1に記載の真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】防着板は蒸発源の側方にも延びて設けら
    れ、前記側方の位置において前記防着板は前記蒸発源か
    らの蒸発粒子の流れの方向に対して概ね平行になってい
    る請求項1または2に記載の真空蒸着装置。
  4. 【請求項4】複数の蒸発源を有し、防着板は前記各蒸発
    源ごとに設けられてそれぞれ当該蒸発源を含む側と保持
    具を含む側とに前記真空容器内を分割するものである請
    求項3に記載の真空蒸着装置。
  5. 【請求項5】 真空容器と、前記真空容器内に設けられ
    た蒸発源と、前記真空容器内において前記蒸発源の上方
    に設けられ被着基板を保持するドーム状の保持具とを有
    する真空蒸着装置に取外し可能に取り付けられる防着板
    において、 前記真空蒸着装置に取り付けた状態において、前記真空
    容器内を前記蒸発源を含む側と前記保持具を含む側とに
    分割し、前記蒸発源の上方に位置する開口部を有し、前
    記開口部の形状は前記蒸発源から前記保持具を見通した
    ときに前記保持具と重畳するものであり、前記蒸発源か
    らの蒸発粒子のうち前記開口部を通過したものが前記保
    持具および前記被着基板に到達するようにしたことを特
    徴とする防着板。
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Cited By (1)

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