JPH10168561A - 薄膜形成装置 - Google Patents
薄膜形成装置Info
- Publication number
- JPH10168561A JPH10168561A JP34658096A JP34658096A JPH10168561A JP H10168561 A JPH10168561 A JP H10168561A JP 34658096 A JP34658096 A JP 34658096A JP 34658096 A JP34658096 A JP 34658096A JP H10168561 A JPH10168561 A JP H10168561A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- thin film
- metal material
- vacuum chamber
- diffusion prevention
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
防止する。 【解決手段】真空槽11内に配置されたガス散布装置4
から反応性ガスを導入し、薄膜材料源20から真空槽1
1内に放出させた金属材料物質と反応させ、成膜対象物
65上に反応生成物の薄膜16を形成する際、反応性ガ
スと未反応の状態の金属材料物質が付着しやすい部材に
加熱装置51、52を設け、付着した金属材料物質を再蒸
発させる。真空槽11の壁面にはシャワーノズル61〜
63から安定化ガスを噴霧し、活性な金属材料物質が堆
積しないようにする。未反応の金属材料は堆積しないの
で、真空槽11内に大気を導入しても発火しない。成膜
対象物と薄膜材料源の周囲に防着板を設け、防着板を加
熱してもよい。
Description
かり、特に、金属材料物質と反応性ガスとが反応した反
応生成物の薄膜を形成する際に、安全性の高い薄膜形成
装置に関する。
その大部分を占めているが、近年では、液晶ディスプレ
イやPDP(Plasma Display Panel:フ゜ラス゛マテ゛ィスフ゜レイハ゜ネ
ル)が占める割合が増加している。
ることから、携帯用コンピュータ等の携帯用電子機器に
広く採用され、現在大量生産されるに至っている。しか
しながら視野角が狭く、応答速度が遅く、また、大型化
が困難であるという欠点があるため、最近では、ハイビ
ジョン等の大型ディスプレイ分野については、PDP表
示装置が注目されている。
成された電極間に放電を生じさせ、密閉された希ガスを
プラズマ化し、そのプラズマから発生した紫外線を蛍光
体に照射して可視光を発生させることにあるが、誘電体
や電極膜が発生したプラズマによってスパッタリングさ
れやすという欠点がある。そのため、希ガスが封入され
る部分の表面には、スパッタイールドが小さく、透明な
誘電体の保護膜を形成する必要があるとされている。
から、二次電子放出係数が高いことが求められており、
一般には酸化マグネシウム薄膜(MgO薄膜)が使用され
ている。MgO薄膜は極めてスパッタイールドが低いた
め、MgOをスパッタリングターゲットとしたスパッタ
リング法では、高速成膜は行えない。
は、MgO結晶を蒸発源とし、(Mg+O)蒸気を発生さ
せ、蒸発源に対向配置された基板表面にその(Mg+O)
蒸気を付着させ、MgO薄膜を形成する蒸着装置が用い
られていた。
結晶を加熱し、(Mg+O)蒸気を発生させようとする
と、絶縁物であるMgO結晶がチャージアップし、放電
特性が不安定になるという問題がある。不安定な放電の
下で形成されたMgO薄膜にはムラや欠陥が多く、不良
品が多発してしまう。
グネシウムを蒸発源としたイオンプレーティング法によ
るMgO薄膜形成装置を提案した。その薄膜形成装置を
図3の符号102に示して説明すると、この薄膜形成装
置102は真空槽111を有しており、真空槽111内
には、蒸発源120と基板ホルダー124とが配置され
ている。蒸発源120内には金属マグネシウムから成る
金属材料123が納められており、基板ホルダー124
には基板115が保持されている。
設けられており、真空槽111内を真空排気した後、ホ
ローカソード117に負電圧、蒸発源120に正電圧を
印加し、ホローカソード117先端からアルゴンガスを
噴出させると、最初は蒸発源120近傍にアルゴンガス
プラズマが生成し、やがてホローカソード117内には
大量の熱電子が発生し得る。ホローカソード117内か
ら発する熱電子が正電圧に引きつけられ、蒸発源120
内の金属材料123に入射すると、金属材料123が加
熱され、金属材料物質(Mg)の蒸気が真空槽111内に
放出される。
ー(ガス拡散防止装置)125が設けられており、基板1
15はチムニー125内に配置されている。チムニー1
25内にはガス散布装置104が配置されており、ガス
管126からガス散布装置104内に酸素ガスを導入
し、チムニー125内に散布しておくと、基板115表
面の酸素ガス分圧が高い状態で、金属材料物質の蒸気が
基板115表面に到達し、金属材料物質と酸素ガスの反
応生成物が基板115表面に堆積し、MgO薄膜を形成
することができる。
酸素ガスは、チムニー125内で大半が消費され、チム
ニー125外へは流出しないので、蒸発源120付近の
酸素ガス分圧は低くなり、高温に曝される蒸発源120
やホローカソード117の酸化・消耗が少なく、また、
金属材料123が酸化されないことから、電子ビームを
安定して照射することができる。酸素分圧については、
例えば、下記表1、
合、チムニー125内の酸素分圧は1.0×10-2To
rrであったのに対し、チムニー125の外部において
は、その1/100に当たる1.0×10-4Torr以
下であった。
上述の酸素分圧(1.0×10-2Torr)以下の圧力に
した場合、得られるMgO薄膜の組成は化学量論比と異
なり、酸素欠損になってしまうことが判明している。と
ころが、チムニー125外部の酸素分圧は、MgO薄膜
が酸素欠損になる酸素分圧の値よりも低く、チムニー1
25外部に配置された部材には、酸素ガスとは未反応の
状態の金属材料物質(金属Mg)が多量且つ高速に付着し
てしまう。
に0.5μmのMgO薄膜を形成した後、真空槽111
内に大気を導入してみると、ホローカソード117の支
持部品や真空槽111内壁等の、チムニー125外に位
置し、酸素ガスとは未反応の状態の活性な金属Mg膜が
堆積したところが大気中の酸素あるいは水蒸気と反応し
て一部から出火し、作業上の危険性が問題となってい
た。
ニー125の外部でも、チムニー125の内部と同等の
酸素分圧にして、金属Mg膜ではなく、MgO薄膜が形
成されるようにすればよいが、チムニー125外部の酸
素分圧を高くした場合、高温に曝される蒸発源120や
ホローカソード117を構成する部材が酸化消耗によっ
て著しく劣化するため、MgO薄膜を連続して長期に形
成することはできなくなる。
の不都合を解決するために創作されたもので、その目的
は、真空槽内に活性な金属薄膜が形成されることによる
発火の危険性をなくし、成膜対象物表面に、長期に連続
して反応生成物の薄膜を形成できる技術を提供すること
にある。
に、請求項1記載の発明は、ガス散布装置と、ガス拡散
防止装置と、薄膜形成のための材料源とが真空槽内に配
置され、前記ガス拡散防止装置の内部に前記ガス散布装
置と成膜対象物とを配置し、前記ガス散布装置から前記
ガス拡散防止装置内に反応性ガスを散布し、前記反応性
ガスの分圧が前記ガス拡散防止装置の内部で高く、外部
で低い状態で、前記材料源内に配置された金属材料から
前記真空槽内に金属材料物質を放出させ、前記金属材料
物質と前記反応性ガスとを反応させ、その反応生成物を
含む薄膜を前記成膜対象物表面に形成する薄膜形成装置
であって、前記真空槽内に放出された金属材料物質が付
着し易い部材を加熱する加熱装置が設けられたことを特
徴とする。
置と、ガス拡散防止装置と、薄膜形成のための材料源と
が真空槽内に配置され、前記ガス拡散防止装置の内部に
前記ガス散布装置と成膜対象物とを配置し、前記ガス散
布装置から前記ガス拡散防止装置の内部に反応性ガスを
散布し、前記反応性ガスの分圧が前記ガス拡散防止装置
の内部で高く、外部で低い状態で、前記材料源内に配置
された金属材料から前記真空槽内に金属材料物質を放出
させ、前記金属材料物質と前記反応性ガスとを反応さ
せ、その反応生成物を含む薄膜を前記成膜対象物表面に
形成する薄膜形成装置であって、少なくとも両端に開口
部分が設けられた筒状の防着板が、一方の開口部分を前
記材料源方向に向け、他方の開口部分を前記成膜対象物
方向に向けて設けられ、前記防着板を加熱する加熱装置
が設けられたことを特徴とする。
記載の薄膜形成装置については、請求項3記載の発明の
ように、前記加熱装置は加熱する対象物を、前記金属材
料物質の再蒸発温度以上の温度に加熱できるように構成
することが望ましい。
項記載の薄膜形成装置については、請求項4記載の発明
のように、前記ガス拡散防止装置の外部にシャワーノズ
ルを設け、前記シャワーノズルから前記真空槽壁面に向
けて、前記金属材料物質と反応する安定化ガスを噴霧で
きるように構成することができる。
防止装置の内部にガス散布装置と成膜対象物とを配置
し、それらを薄膜形成のための材料源と共に真空槽内に
配置し、ガス散布装置からガス拡散防止装置内に反応性
ガスを散布すると共に、材料源内に配置された金属材料
から真空槽内に金属材料物質を放出させると、反応性ガ
スの分圧は、ガス拡散防止装置の内部で高く、外部で低
い状態が作られる。従って、放出された金属材料物質と
反応性ガスとが効率よく反応し、その反応生成物を含む
薄膜を成膜対象物表面に形成することができる。
部に設けられた部材のうちには、放出された金属材料物
質が、反応性ガスとは未反応の状態で付着し易い部分が
ある。特に、金属材料が金属マグネシウム等の大気と反
応しやすい物質であった場合には、薄膜形成を行った
後、真空槽内に大気を導入したときに、堆積した金属薄
膜が大気中の酸素や水分と反応し、発火してしまう。
やすい部材のうち、熱容量が小さいものには加熱手段を
設け、一旦部材に付着した金属材料物質を加熱により再
蒸発させるようにすると、未反応の状態の金属材料物質
は堆積しなくなり、発火を防止することができる。
応の金属薄膜が堆積しやすい部分であっても加熱するこ
とが困難である。そこで、真空槽内にシャワーノズルを
設け、金属材料物質と反応して不活性な物質を生成する
安定化ガスを、シャワーノズルから真空槽壁面に向けて
噴霧させると、散布されたところの真空槽壁面には、金
属材料物質と安定化ガスとが反応して生成した反応生成
物が堆積するので、活性な金属薄膜は形成されず、真空
槽内に大気を導入した場合でも、真空槽の壁面は発火し
なくなる。
は、未反応の金属材料物質で消費されてしまうので、高
温になる部材側には拡散せず、消耗や劣化を早めること
はない。なお、このように、安定化ガスを散布する部分
は、未反応の金属材料物質が到達しやすい部分だけでよ
く、必ずしも真空槽の壁面全部に散布する必要はない。
ら成膜対象物へ向かう経路の周囲に防着板を設け、真空
槽の壁面に金属材料物質を到達させないようにすること
もできる。この場合、防着板を、少なくとも両端に開口
部分を設けた筒状に成形し、その一方の開口部分を材料
源方向に向け、他方の開口部分を成膜対象物方向に向け
て真空槽内に設け、その防着板に加熱装置を設け、防着
板の内周面に付着した未反応の金属材料を再蒸発させる
ようにすると、防着板の内周面から発火することがなく
なる。
材や防着板等の加熱対象物を、金属材料物質の真空雰囲
気下での再蒸発温度以上の温度に加熱できるようにして
おくと効果的である。その温度は、例えば金属マグネシ
ウムの場合、300℃〜700℃程度である。
の一実施形態の薄膜形成装置であり、真空槽11内に搬
入された成膜対象物表面にイオンプレーティング法によ
って薄膜形成を行う装置である。
底壁側には、符号20で示した薄膜形成のための材料源
(以下、薄膜材料源と略す)が配置され、天井側に基板ホ
ルダー24が配置されている。
ース21上に設けられた炭素るつぼ22と、炭素るつぼ
22内に納められた、金属マグネシウムから成る金属材
料23とで構成されており、真空槽11内部では、ホロ
ーカソード17が、その先端部分18を金属材料23に
向けて配置されている。
チムニー(ガス拡散防止装置)25が設けられており、チ
ムニー25内の基板ホルダー24表面上には、薄膜材料
源20に対向してガラス基板から成る成膜対象物15が
配置されている。
付近に位置するようにガス散布装置4が配置されてお
り、そのガス散布装置4は、ガス管26によって、真空
槽11に固定されている。
りも大径のリング状パイプで構成されており、そのリン
グ状パイプのうちの成膜対象物15側に向けられた面に
は、孔が複数列設されている。
示しないガスボンベと真空ポンプとが配置されており、
その真空ポンプを起動して、排気口10から真空槽11
内を真空排気した後、ガス管26によってガス散布装置
4内に酸素ガス(反応性ガス)を導入すると、ガス散布装
置4の孔から成膜対象物15に向けて酸素ガスが散布さ
れる。
ダー24とによって周辺への拡散が防止されており、チ
ムニー25内の成膜対象物15表面の酸素ガス分圧が高
く、チムニー24外の酸素ガス分圧が低くなるようにさ
れている。
ハース21に正電圧、ホローカソード17に負電圧を印
加し、ガスボンベ内に充填されたアルゴンガスをホロー
カソード17先端から金属材料13に向けて噴出する
と、薄膜材料源20上にアルゴンガスによるホローカソ
ード放電が発生する。ホローカソード17内の熱電子が
正電圧が印加された薄膜材料源20に引きつけられ、金
属材料23に照射されると、その金属材料23は高温に
加熱され、真空槽11内に金属材料物質の蒸気(Mg蒸
気)が放出される。
チムニー25内から拡散しようとする酸素ガスをチムニ
ー25内に押し戻すと共に、成膜対象物15表面の分圧
が高い状態の酸素ガスと効率よく反応し、成膜対象物1
5表面に反応生成物を堆積させる。
の反応生成物はMgOであり、その堆積の際、基板ホル
ダー24の裏面に設けられたヒーター28に通電し、成
膜対象物15を所定温度に加熱しておくと、成膜対象物
15表面に膜質の良いMgO薄膜16を形成することが
できる。
ー25内に到達すると、チムニー25内の酸素ガスは金
属材料物質の蒸気と反応し、反応生成物となって消費さ
れてしまうので、チムニー25外へ流出する酸素ガスの
量は少ない。
は、酸素ガス分圧は低くなっているが、一般に、薄膜材
料源20から放出された金属材料物質の蒸気は様々な方
向に向かうため、チムニー25の外部にも到達してしま
う。
ニー25の外部にあり、しかもガス散布装置4から離れ
た位置にあるため、酸素ガス分圧は低く、それらの部材
表面には、酸素ガスとは未反応の状態の金属材料物質の
蒸気が到達し、堆積してしまう。
ホローカソード17は、その先端部分18を除いて円筒
形状の赤外線ヒーター51(加熱装置)で覆われており、
また、銅ハース21の周囲と底面は、容器状の赤外線ヒ
ーター52(加熱装置)で覆われている。各赤外線ヒータ
ー51、52は、加熱対象物を真空雰囲気下での金属材料
物質(この例では金属マグネシウム)の再蒸発温度以上に
加熱できるように構成されており、ホローカソード17
と銅ハース21とがその温度に加熱されると酸素ガスと
未反応の金属材料物質の蒸気が付着した場合でも、再蒸
発によって離脱してしまうので、活性な金属材料物質が
堆積することがない。また、赤外線ヒーター51、52自
身についても、再蒸発温度以上の温度になるので、未反
応の金属材料物質が堆積することはない。
度としては、例えば300℃〜700℃の温度範囲が挙
げられる。金属材料がマグネシウムの場合、赤外線ヒー
タ51、52の温度は600℃程度に設定されている。
物質の蒸気が未反応の状態で到達し、堆積しやすい部分
の近傍には、シャワーノズル61〜63が配置されてお
り、各シャワーノズル61〜63に列設された孔71〜73
から真空槽11の壁面に向けて、金属材料物質と反応
し、不活性な反応生成物を生成する安定化ガスを噴霧で
きるように構成されている。ここでは、安定化ガスとし
て酸素ガスをシャワーノズル61〜63から流量 40s
lmで噴霧した。
態では、真空槽11壁面付近に飛来した金属材料物質の
蒸気や、表面に到達した金属材料物質の蒸気は酸素ガス
と反応するので、真空槽11壁面には、その反応生成物
である金属酸化物(ここではMgO)が堆積され、酸素ガ
スと未反応の状態で活性な金属材料物質は堆積されな
い。
置2によれば、真空槽11内に配置された部材のうち、
金属材料物質の蒸気が付着しやすい部分は赤外線ヒータ
ー51、52によって加熱されているので、一旦付着した
未反応の金属材料物質は再蒸発によって除去される。ま
た、真空槽11の壁面のうち、未反応な状態の金属材料
物質が付着する部分にはシャワーノズル61〜63が設け
られ、安定化ガス(この例では酸素ガス)の噴霧によっ
て、不活性な反応生成物が堆積されるので、活性な金属
材料物質は堆積しない。いずれにしろ、未反応の状態の
活性な金属材料物質は堆積せず、真空槽11内を大気に
曝しても、酸素や水分と反応する物質がないため、出火
することはない。
ソード17の先端部分18は加熱していないが、その部
分は金属材料23を加熱する際に2000℃程度の高温
になるため、赤外線ヒーターで加熱しなくても付着した
金属材料物質は再蒸発により除去される。
形態の薄膜形成装置を示す。この薄膜形成装置3は、真
空槽61内に搬入された成膜対象物表面にスパッタリン
グ法によって薄膜形成を行う装置であり、上述の薄膜形
成装置2と同様に、真空槽61内の底壁側に薄膜材料源
70が配置され、天井側に基板ホルダー74が配置され
ている。
1と、ターゲットホルダー71上に設けられた金属マグ
ネシウムから成るスパッタリングターゲット73とで構
成されており、ターゲットホルダー71は、真空槽61
外に配置された直流電源69の負電位側に接続されてい
る。
ムニー(ガス拡散防止装置)75が設けられており、チム
ニー75内の基板ホルダー74表面上には、スパッタリ
ングターゲット73に対向して成膜対象物65が配置さ
れている。また、基板ホルダー74の裏面にはヒーター
78が設けられている。
4と同じ構造のガス散布装置54が配置されており、ガ
ス管76内に導入された酸素ガスを、ガス散布装置54
の孔から成膜対象物65表面に向けて散布できるように
構成されている。
部分が設けられた中空円錐台形状の筒状の防着板7が配
置され、小さい方の開口部分を薄膜材料源70の方向に
向け、大きい方の開口部分を成膜対象物65の方向に向
けて固定されている。この防着板7により、薄膜材料源
70から放出された薄膜材料物質の粒子が成膜対象物6
5に到達する経路の周囲が防着板7で覆われ、防着板7
外部には到達しないように構成されている。
68が突き出されており、真空槽61内を真空排気した
後、スパッタリングガス(Arガス)をガス導入管67内
に導入すると、先端部分68から防着板7内に、スパッ
タリングガスが噴出される。その状態で直流電源69を
起動し、接地電位に置かれた真空槽61に対して薄膜材
料源70側に負電圧を印加すると、スパッタリングター
ゲット73表面近傍にスパッタリングガスプラズマが発
生し、スパッタリングターゲット73がスパッタリング
される。
73を構成する金属材料物質の粒子が放出され、チムニ
ー75内に到達すると、チムニー75内から拡散しよう
とする酸素ガスをチムニー75内に押し戻し、チムニー
75内の酸素ガス分圧が高くなる。
物65を所定温度に加熱しておくと、成膜対象物65表
面に到達した金属材料物質は、分圧が高い状態の酸素ガ
スと効率よく反応し、成膜対象物65表面に、反応生成
物から成るMgO薄膜66が形成される。
布されており、チムニー75内の酸素ガスは金属材料物
質で押し戻され、また、金属材料物質との反応で消費さ
れてしまうため、チムニー75外の酸素ガス分圧は低く
なっているため、防着板7の内周面には酸素ガスと未反
応の金属材料物質が付着し、堆積してしまう。
には抵抗加熱体(加熱装置)8が巻き回されており、抵抗
加熱体8に通電して発熱させ、防着板7を金属材料物質
の再蒸発温度に加熱すると、一旦防着板7の内周面に付
着した金属材料物質は再蒸発によって除去される。
に位置する部材には、金属材料物質は防着板7で遮蔽さ
れ、到達しないので、未反応の状態の金属材料物質が付
着することはない。
積しないので、真空槽61内に大気を導入しても発火す
ることはない。例えば、成膜対処物65表面に所定膜厚
(0.5μm)のMgO薄膜66を形成した後、真空槽6
1内に大気を導入してみたところ、真空槽61内部は発
火しなかった。
ーターを用いなかったが、防着板7の内側に抵抗発熱体
8では加熱できない部材がある場合には、その部材に赤
外線ヒーターを配置して再蒸発温度以上の温度に加熱す
ることもできる。
を設けなかったが、赤外線ヒーターによる加熱が困難な
場所には防着板を設け、その防着板を加熱して金属材料
物質を再蒸発させるようにしてもよい。
であったが、本発明の薄膜形成装置は、未反応の状態で
大気に曝されると発火する金属一般に効果的である。ま
た、また、シャワーノズル61〜63からは反応性ガスと
して酸素ガスを噴霧させたが、本発明はそれに限定され
るものではなく、金属材料物質と反応し、大気中で発火
しない反応生成物にできるガスであれば安定化ガスとし
て広く用いることができる。
反応生成物の薄膜を安定に形成できるようになり、特性
の良い薄膜を形成することができる。また、成膜対象物
表面の反応性ガスの分圧を高くできるので、薄膜形成速
度が速くなる。
なくても済むので、部品の消耗が少なくなり、薄膜の連
続形成を行えるようになる。この場合にも、真空槽内に
は、未反応の状態で活性な金属薄膜が形成されないの
で、真空槽内に大気を導入しても発火する危険性はな
い。
成装置を示す図
を示す図
51、52、8……加熱装置 61〜63……シャワ
ーノズル 7……防着板 11、61……真空槽
15、65……成膜対象物 20、70……薄膜形
成のための材料源 25、75……ガス拡散防止装置(チムニー)
Claims (4)
- 【請求項1】 ガス散布装置とガス拡散防止装置と薄膜
形成のための材料源とが真空槽内に配置され、 前記ガス拡散防止装置の内部に前記ガス散布装置と成膜
対象物とを配置し、前記ガス散布装置から前記ガス拡散
防止装置内に反応性ガスを散布し、前記反応性ガスの分
圧が前記ガス拡散防止装置の内部で高く、外部で低い状
態で、前記材料源内に配置された金属材料から前記真空
槽内に金属材料物質を放出させ、 前記金属材料物質と前記反応性ガスとを反応させ、その
反応生成物を含む薄膜を前記成膜対象物表面に形成する
薄膜形成装置であって、 前記真空槽内に放出された金属材料物質が付着し易い部
材を加熱する加熱装置が設けられたことを特徴とする薄
膜形成装置。 - 【請求項2】 ガス散布装置と、ガス拡散防止装置と、
薄膜形成のための材料源とが真空槽内に配置され、 前記ガス拡散防止装置の内部に前記ガス散布装置と成膜
対象物とを配置し、前記ガス散布装置から前記ガス拡散
防止装置の内部に反応性ガスを散布し、前記反応性ガス
の分圧が前記ガス拡散防止装置の内部で高く、外部で低
い状態で、前記材料源内に配置された金属材料から前記
真空槽内に金属材料物質を放出させ、 前記金属材料物質と前記反応性ガスとを反応させ、その
反応生成物を含む薄膜を前記成膜対象物表面に形成する
薄膜形成装置であって、 少なくとも両端に開口部分が設けられた筒状の防着板
が、一方の開口部分を前記材料源の方向に向け、他方の
開口部分を前記成膜対象物方向に向けて設けられ、 前記防着板を加熱する加熱装置が設けられたことを特徴
とする薄膜形成装置。 - 【請求項3】 前記加熱装置は加熱する対象物を、前記
金属材料物質の再蒸発温度以上の温度に加熱できるよう
に構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2の
いずれか1項記載の薄膜形成装置。 - 【請求項4】 前記ガス拡散防止装置の外部にシャワー
ノズルが設けられ、 前記シャワーノズルから前記真空槽壁面に向けて、前記
金属材料物質と反応する安定化ガスを噴霧できるように
構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
ずれか1項記載の薄膜形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34658096A JP3853449B2 (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 薄膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34658096A JP3853449B2 (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 薄膜形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10168561A true JPH10168561A (ja) | 1998-06-23 |
JP3853449B2 JP3853449B2 (ja) | 2006-12-06 |
Family
ID=18384390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34658096A Expired - Fee Related JP3853449B2 (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 薄膜形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3853449B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007086560A1 (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-02 | Rohm Co., Ltd. | パージ機能を有する分子線セル |
WO2012073908A1 (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-07 | シャープ株式会社 | 蒸着装置および回収装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2953222B1 (fr) * | 2009-12-02 | 2011-12-30 | Commissariat Energie Atomique | Depot d'une couche mince de cu(in,ga)x2 par pulverisation cathodique |
-
1996
- 1996-12-10 JP JP34658096A patent/JP3853449B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007086560A1 (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-02 | Rohm Co., Ltd. | パージ機能を有する分子線セル |
WO2012073908A1 (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-07 | シャープ株式会社 | 蒸着装置および回収装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3853449B2 (ja) | 2006-12-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6365016B1 (en) | Method and apparatus for arc plasma deposition with evaporation of reagents | |
US4112137A (en) | Process for coating insulating substrates by reactive ion plating | |
US6570172B2 (en) | Magnetron negative ion sputter source | |
WO2002031215A9 (en) | Method of forming indium tin oxide film | |
EP0319347A2 (en) | Vacuum depositing apparatus | |
GB881458A (en) | Method for heating materials by electron bombardment in a vacuum | |
JPH10168561A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP4142765B2 (ja) | 昇華性金属化合物薄膜形成用イオンプレーティング装置 | |
JP4969832B2 (ja) | 成膜装置、パネルの製造方法 | |
JP4982004B2 (ja) | 防着板装置 | |
JP3775851B2 (ja) | 蒸着装置、保護膜製造方法 | |
JPH0570931A (ja) | 真空蒸着装置および防着板 | |
JP2002294436A (ja) | 酸化窒化シリコンの成膜方法 | |
GB2323855A (en) | Depositing a coating on a conductive substrate using positive bias and electron bombardment | |
KR200194656Y1 (ko) | 유리코팅을 위한 스패터링 인라인시스템 | |
KR20000044655A (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널의 보호막 증착용 산화마그네슘 증착재의 탈가스 방법 | |
EP0949351A1 (en) | Process for depositing magnesia | |
KR100724599B1 (ko) | 박막형성장치 | |
JP2008001976A (ja) | 真空蒸着装置及びその装置を用いて形成された保護膜並びにその保護膜の形成方法 | |
JPH04274127A (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
JPH07122131B2 (ja) | ア−ク式蒸発源 | |
JPS5859509A (ja) | 透明導電膜の製造方法 | |
JPH01188669A (ja) | 反応性スパッタリング装置 | |
JPH01234558A (ja) | 透明導電膜の形成方法 | |
JPS596374A (ja) | 金属化合物薄膜を付着する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060606 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060804 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060804 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060905 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060906 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |