JPH0570433U - 容器のフック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋を容器本体に係合させるフック装置におい
て複数のフックを用いた場合に各フックを確実に連動さ
せることにより蓋の係合を安定確実にすることである。 【構成】 蓋２にフックつまみ２１を回動自在に取付
け、該フックつまみ２１に設けた複数の突片２３をそれ
ぞれ上記フック８に係合せしめた構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ポット、炊飯ジャーのように蓋を容器本体に係合させる蓋のフッ ク装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ポットや炊飯ジャーのように容器本体の開口部を開閉する蓋を容器本体に係合 させるために、従来から蓋にフック装置が設けられる。このフック装置は、一般 に容器本体に対して出没するフックをスライド自在に設け、そのフックをスライ ドせしめるフックつまみを蓋に設けた構造である。また、容器本体に係合したフ ックの外れを防ぐために、フックを突出方向に付勢するばねが付設される。

【０００３】 上記のごときフック装置において、フックの幅が小さいと、容器本体に対する 係合が不完全となり、その結果蓋が傾いたり、蓋と容器本体との間のすき間が大 きくなることがある。また容器が転倒した場合に、蓋が不意に開くおそれもある 。

【０００４】 このような問題を解決するために、フックの掛り幅を増やしたり、或いは実公 平３−５０８３４号公報に開示されているようにフックを複数にしてフック間の 間隔を広くする手段が考えられる。

【０００５】 しかし、フックの掛り幅を増やすことは、フックが大形になるためコストアッ プになるとともに、変形量も大きくなり、フックの作動不良の原因になる。また 、複数のフックを設ける手段は、各フックごとにフックつまみが設けられ、各フ ックが独立して作動するので、１つのフックだけが掛った状態であっても見かけ 上蓋は完全に係合されたように見える。しかし、係合が不完全であるため、容器 が転倒した場合に、蓋が開くおそれがある。

【０００６】 そこで、この考案は、フックのコストアップや作動不良を発生させず、蓋を容 器本体に確実に係合させることができるフック装置を提供することを課題とする 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案は容器本体の開口部を開閉する蓋に該 容器本体に対して係脱する複数のフック爪をスライド自在に取付け、上記フック をスライドせしめるフックつまみを上記蓋に設けてなる容器のフック装置におい て、上記フックつまみを蓋に対して回動自在に取付け、該フックつまみに設けた 複数の突片をそれぞれ上記各フックに係合せしめた構成としたものである。

【０００８】

【作用】

フックつまみを操作すると、これに連動して複数のフックが同時にスライドし、 該フックが容器本体に対して係脱する。

【０００９】

【実施例】

添付の図面に示した実施例は、エアーポットのフック装置である。このエアー ポットは、図１に示すように容器本体１に蓋２を開閉自在に取付けたものであり 、その蓋２にエアーポンプのプッシュボタン３が設けられ、そのプッシュボタン ３を押下げることにより、吐出口４から湯を吐出させるようになっている。

【００１０】 上記の蓋２は、図２に示すように、蓋カバー５と下板６とから成る。下板６の 前縁には、比較的広い間隔をおいて一対のフック穴７が設けられ、各フック穴７ の内側にそれぞれフック８がスライド自在に挿入される。各フック８は、下板６ の前部中央に突設された突出部９の両側面１０と、各側面１０と所要の間隔をお いて突設された位置決め突起１１との間で前後方向に案内され（図３参照）、更 に前記位置決め突起１１の逆Ｌ形突出部１２と下板６の面とにより上下方向の位 置決めがなされる。

【００１１】 フック８はその内側辺に上面開放の係合溝１３を有し、係合溝１３の前後に内 側辺より上方に突出する突出壁１３ａ、１３ｂを有する。また、フック８の後端 面と、下板６の段部１４との間にコイルばね１５が介在され、そのコイルばね１ ５によりフック８の先端がフック穴７から突出する方向に付勢される。フック８ にはフック穴７の内側面に係合してその抜止めを図る係合段部１６が設けられる （図３参照）。

【００１２】 蓋カバー５の前部中央にほぼ四角形の凹所１７が形成され、その凹所１７の前 縁に沿って、前記下板６の両方のフック穴７間にわたる長さの開口１８が形成さ れ、その開口１８の両端の壁面にヒンジ穴１９が設けられる。

【００１３】 上記凹所１７のほぼ前半部分にフックつまみ２１が挿入される。フックつまみ ２１は、ほぼ四角形をなし、その両側面の前端寄りにヒンジピン２２が設けられ 、前記のヒンジ穴１９に回転自在に挿入される。また各ヒンジピン２２の下方に 突片２３が下向きに突出して設けられる。

【００１４】 上記の各突片２３は前記の開口１８に挿入され、その下端は各フック８の係合 溝１３に挿入される（図３、図４参照）。

【００１５】 実施例のフック装置は以上のごときものであり、蓋２を閉めた状態では、図４ に示すように、両方のフック８の先端がコイルばね１５の付勢力により各フック 穴７から突出し、容器本体１の係合部２４に嵌り、蓋２がみだりに開放しないよ うにしている。

【００１６】 この状態から、フックつまみ２１の後端に指先を掛け、これを前方に回転させ ると、フックつまみ２１はヒンジピン２２を中心に回転し、その回転に伴いフッ クつまみ２１の各突片２３が後方へ移動するので、各突片２３と係合した各フッ ク８がコイルばね１５を圧縮させながら後退する。フック８の先端が、図５に示 すようにフック穴７の部分まで後退すると、フック８と容器本体１との係合が外 れる。これにより、蓋２を自由に開放することができる。

【００１７】 また、フック８の容器本体１に対する係合が不完全な場合、フックつまみ２１ の突片２３が係合溝１３の前方の突出壁１３ａに半掛りの状態となり、フック２ １が上方に開いた状態となるため、不完全な係合状態であることを外部から判断 することができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように、この考案のフック装置は、フックつまみを蓋に対して回動自在 に取付け、該フックつまみに設けた複数の突片をそれぞれ上記フックに係合せし めたことにより、１つのフックつまみの操作により全てのフックを同時に連動さ せることができ、一部のフックのみが容器本体に係合するというおそれがない。 このため、蓋を容器本体に確実に係合することができ、蓋が不意に開くおそれを 無くすことができる。

【００１９】 また、各フックの幅は従来どおりのものでよいので、フックのコストアップを もたらすことがなく、更に各フック間の間隔も大きくとることができるので、蓋 の傾きや蓋と容器本体間のすき間を小さく抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のエアーポットの斜視図

【図２】同上の一部横断平面図

【図３】同上の一部切欠分解斜視図

【図４】同上の一部縦断側面図

【図５】同上の一部縦断側面図

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 蓋 ３ プッシュボタン ４ 吐出口 ５ 蓋カバー ６ 下板 ７ フック穴 ８ フック ９ 突出部 １０ 側面 １１ 位置決め突起 １２ 逆Ｌ形突出部 １３ 係合溝 １３ａ、１３ｂ 突出壁 １４ 段部 １５ コイルばね １６ 係合段部 １７ 凹所 １８ 開口 １９ ヒンジ穴 ２１ フックつまみ ２２ ヒンジピン ２３ 突片 ２４ 係合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体の開口部を開閉する蓋に該容器
   本体に対して係脱する複数のフック爪をスライド自在に
   取付け、上記フックをスライドせしめるフックつまみを
   上記蓋に設けてなる容器のフック装置において、上記フ
   ックつまみを蓋に対して回動自在に取付け、該フックつ
   まみに設けた複数の突片をそれぞれ上記各フックに係合
   せしめたことを特徴とする容器のフック装置。