JPH0711690Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は化粧用のコンパクト容器に係る。

「従来の技術」 容器本体と蓋体とを各後部で枢着すると共に容器本体前
面に前方および上方開口の凹部を設けて該凹部の後壁面
上部に第一係合突条を付設し、かつ蓋体前部から垂下す
るフック下端の第二係合突条を上記第一係合突条下面へ
係合させて蓋体閉塞状態を保持させ、更に上記凹部の左
右両壁に、左右両端面を枢着させてその凹部内へ回動子
を設け、該回動子前面下部を後方へ押込むことで、該回
動子一部が上記フックないし蓋板前部を押上げて上記第
一、第二係合突条を離脱させて開蓋できるよう設けたも
のが知られている。

「考案が解決しようとする課題」 容器本体前壁に回動子上部を枢着して該回動子下部の後
方押込みにより、容器本体前部に対する蓋体の係合を外
すよう設けた従来コンパクトは、その回動子と容器本体
前部との枢着部の構造が面倒であり、又レバー機能を持
たせて蓋体前部を押上げさるための回動子上部を容器本
体前部に枢着させて、押込み部としての回動子下部を容
器本体前面に沿って垂下するから、容器本体前部の、従
って容器本体全体高さが大となってコンパクト容器が大
形化することとなるものであった。

本案は上記回動子に代えて蓋体前部から作動子を垂下
し、該作動子下部の後方押込みにより開蓋可能にするこ
とで上記従来の欠点を除去できるよう設けたものであ
る。

「課題を解決するための手段」 容器本体１後部に蓋体２後部を枢着させると共に、容器
本体前部に横設した第一係合突条６下面へ、蓋体前部か
ら垂下するフック７下端の第二係合突条８を係合させて
蓋体閉塞状態を保持させたコンパクト容器において、上
記容器本体の前壁４前面に前方および上方開口の凹部５
を設けて該凹部後壁面上部に上記第一係合突条６を付設
すると共に凹部底面を後上方への傾斜面９とし、かつ上
記フック上部前方の蓋体前壁10部分を切欠き11してフッ
ク上部に前後方向への透孔12を穿設し、該透孔内へ、作
動子前壁16の上端部から後方へ突出する複雑弾性差込み
片17…を差込みしてそれ等差込み片後端部に付設した返
し爪18,18を透孔後端縁に係合させ、かつ一部差込み片
上面は透孔上面へ、かつ他の差込み片下面は透孔下面へ
それぞれ弾性圧接させて更に作動子前壁16の下端部を上
記傾斜面９の前部上面へ当接させ、上記作動子前壁16の
後方押込みによる蓋体前部の上昇によって、上記第一、
第二係合突条6,8の係合が離脱可能に形成した。

「作用」 第１図の状態から作動子15の下部を後方へ押込むとが作
動子の下端は容器本体に設けた傾斜面９に沿って上昇す
ることとなるため、作動子15全体が、従って作動子前壁
上端部から後方へ突出する差込み片17をフック上部の透
孔12内へ差込まれた蓋体前部も押上げられることとな
り、よって容器本体前部の第一係合突条６と蓋体前部か
ら垂下するフック７の第二係合突条８との係合が外さ
れ、開蓋できる。

「実施例」 １は容器本体で、該容器本体の後部には容器本体上面を
開閉する蓋体２の後部を枢着３している。又容器本体前
壁４の左右方向中間部には前方および上方開口の凹部５
を穿設して該凹部の後壁面上部には第一係合突条６を横
設し、かつ該第一係合突条下面へは蓋体前部から垂下す
るフック７下端の第二係合突条８を係合させて容器本体
１と蓋体２との閉塞状態が保持されるよう設けている。

上記凹部５の底面は後上方への傾斜面９とし、又上記フ
ック７上部前方の蓋体前壁10部分は切欠き11して、フッ
ク上部に前後方向への透孔12を穿設する。該透孔の後方
側開口の下縁および左右両側縁には、第５図が示すよう
に下板13および側板14,14を付設してそれ等の上面およ
び内面により透孔12下面と側面とを後方へ延長してい
る。

既述凹部５と切欠き11との前面を作動子15の前壁16で閉
塞する。該作動子はその前壁上端部から後方へ複数の差
込み片17を突出するもので、その左右両端差込み片17,1
7の上面には返し爪18,18を付設して該返し爪を透孔後端
上縁の後向き段部19に係合させ、かつその返し爪前方の
差込み片上面部分は透孔12上面へ、又中間差込み片17の
下面は透孔12下面へそれぞれ弾性圧接させる。更に前壁
16下端は凹部の傾斜面９の前部上面へ当接させる。傾斜
面９の傾斜角度は、第１図状態からの前壁16の後方押込
みによって、傾斜面に沿って前壁下端が上昇し、該上昇
による作動子15全体の上昇で差込み片17を介して蓋体２
前部が押上げられ、該押上げにより、既述第一、第二係
合突条6,8の係合を外すことが可能に設けておく。

「考案の効果」 本案は既述構成としたから、回動子を枢着させる従来例
の場合のように、枢着軸およびその軸受穴を回動子およ
び容器本体前部に穿設された凹部内面に設けなくともよ
く、透孔12内へ複数差込み片17を差込むだけでよいから
構造は簡易となり、又作動子15は蓋体に装着するから容
器本体前部に回動子を枢着する場合に比べてその取付け
位置を高くすることが出来、よってコンパクト容器全体
を薄型化してその携帯を容易とすることが出来、更に作
動子前壁16の上端部から複数差込み片を後方へ突出して
その後端部に付設した返し爪18,18を透孔12の後端縁に
係合させたからその抜出しを防止でき、又一部差込み片
上面は差込み片12の上面へ、かつ他の差込み片下面は差
込み孔の下面へそれぞれ弾性圧接させたから、その作動
子が蓋体に対してガタ付くことがなく、作動子り前壁16
下部を後方へ押込む場合も差込み片の弾性変形によって
その押込みが容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案コンパクト容器の断面図、第２図は作動子
を取外した状態で示すそのコンパクト容器の斜視図、第
３図はその要部拡大正面図、第４図は、そのコンパクト
容器に使用する作動子を示すもので、同図Ａは斜視図、
同図Ｂは平面図、同図Ｃは側面図、同図Ｄは正面図、第
５図は蓋体要部を後方からみた拡大斜視図である。 ９……傾斜面、15……作動子 17……差込み片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体１後部に蓋体２後部を枢着させる
   と共に、容器本体前部に横設した第一係合突条６下面
   へ、蓋体前部から垂下するフック７下端の第二係合突条
   ８を係合させて蓋体閉塞状態を保持させたコンパクト容
   器において、上記容器本体の前壁４前面に前方および上
   方開口の凹部５を設けて該凹部後壁面上部に上記第一係
   合突条６を付設すると共に凹部底面を後上方への傾斜面
   ９とし、かつ上記フック上部前方の蓋体前壁10部分を切
   欠き11してフック上部に前後方向への透孔12を穿設し、
   該透孔内へ、作動子前壁16の上端部から後方へ突出する
   複雑弾性差込み片17…を差込みしてそれ等差込み片後端
   部に付設した返し爪18,18を透孔後端縁に係合させ、か
   つ一部差込み片上面は透孔上面へ、かつ他の差込み片下
   面は透孔下面へそれぞれ弾性圧接させて更に作動子前壁
   16の下端部を上記傾斜面９の前部上面へ当接させ、上記
   作動子前壁16の後方押込みによる蓋体前部の上昇によっ
   て、上記第一、第二係合突条6,8の係合が離脱可能に形
   成したことを特徴とするコンパクト容器。