JPH0570041U - Ａｍステレオ受信機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中強電界地域では高音質な放送を聴くことが
でき、弱電界地域ではノイズの少ない明瞭な放送を聴く
ことができるAMステレオ受信機を提供するものである。 【構成】 AMフロントエンド１より出力するＳメータ電
圧SLE の変化を利用してAMステレオデコーダ２より出力
したＬ及びＲチャンネルのオーディオ信号の周波数特性
を自動周波数特性可変器３によって可変させるように構
成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はAMステレオ受信機に係り、特に、中強電界地域における音質の向上 を図るのに好適なAMステレオ受信機に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来のAMステレオ受信機としては、例えば、図５及び図６に示す構成及び特性 のものが提供されていた。

【０００３】 図において、１はAMフロントエンド、２はAMステレオデコーダである。

【０００４】 ブロックの構成としてはAMフロントエンド１とAMステレオデコーダ２とからな り、受信したステレオ放送はAMフロントエンド１で中間周波数信号に変換されて AMステレオデコーダ２によってステレオ信号に復調されＬ及びＲチャンネルのオ ーディオ信号を出力するようになっていた。

【０００５】 上記のように構成されたAMステレオ受信機の復調されたＬ及びＲチャンネルの オーディオ信号は、図６に示すように弱電界地域に於ける聴感上の聴き易さを重 視してノイズ成分を抑えるために高域と低域を落した狭い周波数特性に固定され ていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のAMステレオ受信機においては、図６に示すように復調されたオ ーディオ信号の周波数帯域が狭ばめられていたので、例え強電界地域でステレオ セパレーションの値が大きくとれても音質としては限定されて良くないという欠 点を有していた。

【０００７】 この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは 従来例の欠点を解消し、中電界地域では高音質な放送を聴くことができ、弱電界 地域ではノイズの少ない明瞭な放送を聴けるようにしたAMステレオ受信機を提供 するところにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案のAMステレオ受信機は、受信したAMステレオ放送をミキサ部と局部発 振部とで中間周波数に変換するAMフロントエンドと、増幅された中間周波数を入 力して検波、復調と共にパイロット信号を作り、L,R チャンネルのオーディオ信 号を出力するAMステレオデコーダとからなるAMステレオ受信機において、前記AM フロントエンドより出力し受信する電界強度に応じて連続的に変化するシグナル レベルメータ出力電圧によりオーディオ出力の周波数特性を可変する自動周波数 特性可変器を設けて構成したものである。

【０００９】

【作用】

この考案によれば、受信したAMステレオ放送をミキサ部と局部発振部とで中間 周波数に変換するAMフロントエンドと、増幅された中間周波数を入力して検波、 復調と共にパイロット信号を作り、L,R チャンネルのオーディオ信号を出力する AMステレオデコーダとからなるAMステレオ受信機において、前記AMフロントエン ドより出力し受信する電界強度に応じて連続的に変化するシグナルレベルメータ 出力電圧によりオーディオ出力の周波数特性を可変する自動周波数特性可変器を 設けて構成したので、中強電界地域においてはオーディオ信号の周波数帯域を広 げて高音質な放送を聴くことができ、弱電界地域においてはオーディオ信号の帯 域を挟く固定して雑音の少ない明瞭な放送を聴くことができるようになる。

【００１０】

【実施例】

この考案に係るAMステレオ受信機の実施例を図１乃至図４に基づき説明する。 尚、従来例と同一箇所には同一符号を付してその説明は省略する。

【００１１】 図１はこの考案の実施例を示す構成ブロック図、図２は復調されたオーディオ 信号の周波数特性を示す特性図、図３は電界強度に対するAMフロントエンドより 出力するシグナルレベルメータ電圧の関係を示す特性図、図４はこの考案をAMモ ノラル受信機に応用した実施例を示す構成ブロック図である。

【００１２】 図において、１はAMフロントエンド、２はAMステレオデコーダ、３は自動周波 数可変器、４は検波器である。

【００１３】 ブロックの構成としてはAMステレオデコーダ２の出力にステレオオーディオ信 号のＬ及びＲ信号を入力する自動周波数特性可変器３が接続されていて、更に、 AMフロントエンド１で出力されるシグナルレベルメータ電圧SLE(以下Ｓメータ電 圧と呼ぶ）が自動周波数特性可変器３に接続されている。

【００１４】 上記のように構成されたブロックの動作を説明すると、AMフロントエンド１よ り出力するＳメータ電圧SLE は図３に示すように電界強度にほぼ比例して変化す るので、このＳメータ電圧SLE を加えられた自動周波数特性可変器３は電界強度 が弱い場合は小さいレベルのＳメータ電圧SLE によって図２に示す特性Ａの周波 数特性を持たせたオーディオ信号を出力させ、電界強度が強まるに従って特性B, C,D と周波数帯域を広げたオーディオ信号を出力させるように動作する。

【００１５】 上記のように動作することによって電界強度が弱いときはオーディオ信号の帯 域の低域及び高域を狭ばめ（レベルを下げる）、電界強度が強くなると帯域の低 域及び高域を広げる（レベルを上げる）ようになるので、中強電界では音質が高 められ、弱電界ではノイズ成分を抑えた明瞭なオーディオ信号が得られるように なる。

【００１６】 また、図４に示す例はAMモノラル受信機にこの考案を応用したもので、検波器 ４より出力したオーディオ信号を上記したように自動周波数特性可変器３に通す ことによって中強電界の音質を向上させることができる。

【００１７】

【考案の効果】

この考案に係るAMステレオ受信機によれば、上述のように構成したので、以下 のような効果を奏する。

【００１８】 電界強度が常時変化する例えば、車載用受信機等において、強電界時はステレ オセパレーションが大きくしかも周波数特性の伸びた高音質なAMステレオ放送を 聴くことができ、弱電界時はノイズの少ない明瞭な放送を聴くことができる効果 がある。

【００１９】 しかも、従来の構成を変えることなく機能を追加できるので実施も容易である などの優れた特長を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す構成ブロック図であ
る。

【図２】この考案の復調されたオーディオ信号の周波数
特性を示す特性図である。

【図３】電界強度に対するAMフロントエンドより出力す
るＳメータ電圧の関係を示す特性図である。

【図４】この考案のAMモノラル受信機に対応した実施例
を示す構成ブロック図である。

【図５】従来例のAMステレオ受信機の構成ブロック図で
ある。

【図６】従来のAMステレオ受信機で復調されたオーディ
オ信号の周波数特性を示す特性図である。

【符号の説明】

１ AMフロントエンド ２ AMステレオデコーダ ３ 自動周波数特性可変器 ４ 検波器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 受信したAMステレオ放送をミキサ部と局
   部発振部とで中間周波数に変換するAMフロントエンド
   と、増幅された中間周波数を入力して検波、復調と共に
   パイロット信号を作り、L,R チャンネルのオーディオ信
   号を出力するAMステレオデコーダとからなるAMステレオ
   受信機において、前記AMフロントエンドより出力し受信
   する電界強度に応じて連続的に変化するシグナルレベル
   メータ出力電圧によりオーディオ出力の周波数特性を可
   変する自動周波数特性可変器を設けて構成したことを特
   徴とするAMステレオ受信機。