JPH0569455U - ダイヤフラム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中央凸形状のダイヤフラムの耐圧性及び耐久
性を向上させること。 【構成】 中央凸で中心部から放射状に配置した経糸
（１ａ）と、この経糸（１ａ）に対し螺旋状に織成した
緯糸（１ｂ）とで構成した基布（１）及びこの基布
（１）と一体的に成型された中央凸の膜形状のゴム
（２）とでダイヤフラムを構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、耐圧性を要求される中央凸形状のダイヤフラムに関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

ダイヤフラムは、通常、ゴムで膜形状に成型され、耐圧性を要求される場合に は、ゴムの内部に平織組織の基布を配置して補強させている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ダイヤフラムが中央凸形状の場合、従来は、プレス金型内等に平織組織の基布 とゴムとをセットし、プレスして中央凸形状のダイヤフラムを成型している。

【０００４】 ところが、基布が平織組織であるため、中央凸形状部分及びその周辺部の基布 を構成する経糸及び緯糸は、プレス成型時、中央凸形状部分に向けて引き寄せら れ、経糸及び緯糸の密度に不規則な粗密及びしわ、重なり等が生じ、耐圧強度が 不均一になる。その結果、くり返し振動作用によって基布を構成する糸の一部が 早期破断し、耐久性が低下する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題の解決手段として本考案は、中央凸で中心部から放射状に配置した経 糸と、この経糸に対し螺旋状に織成した緯糸とで構成した基布及びこの基布と一 体的に成型された中央凸の膜形状のゴムとでダイヤフラムを構成したものである 。

【０００６】

【作用】

基布の経糸が中央凸で中心部から放射状に配置してあり、この経糸に緯糸が螺 旋状に織成してあることによって、中央凸形状の立体的な基布となり、ゴムと成 型した状態でも糸密度が不規則とならず、しわや重なりをなくして均一な耐圧強 度を保持させることができ、耐久性が向上する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。

【０００８】 図１は、本考案のダイヤフラムの一実施例を示す縦断側面図であって、（１） は基布、（２）はゴムを示している。尚、図１では、基布（１）は、ゴム（２） の中央にサンドイッチ状に配置した場合を例示しているが、ゴム（２）の表面又 は裏面のいずれかに配置して実施してもよい。

【０００９】 基布（１）は、経糸（１ａ）と緯糸（１ｂ）とからなり、経糸（１ａ）は、図 ２に示すように、中央凸で中心部から放射状に配置してあり、緯糸（１ｂ）は、 経糸（１ａ）に対し螺旋状に織成してある。尚、経糸（１ａ）は、途中から下部 外方裾部へ向けて増加するように配置してもよく、また、図３に示すように中心 部で結束糸（１ｃ）により結束しておいてもよい。さらに、経糸（１ａ）は、図 ２に示すように、中央凸で中心部から放射状に配置するものと、図３に示すよう に、上記中心部で結束糸（１ｃ）により結束するものとを混在させてもよい。

【００１０】 経糸（１ａ）及び緯糸（１ｂ）に使用する繊維は、特に制約はなく、何を使用 してもよい。使用する糸の太さや織密度等については、用途目的等に応じて適宜 選択される。

【００１１】 基布（１）の織成手段は、本考案の要旨ではないが、例えば、経糸（１ａ）を 中央凸で放射状に配置し、緯糸（１ｂ）を上部中心部から下部外方裾部へ螺旋状 に巻き付けて行き、その間、放射状配置の各経糸（１ａ）を１本おきまたは複数 本おきに径方向内外へ交互に移動させて平織における開口運動と同様な動作を行 わせることによって、織成が可能となる。

【００１２】 基布（１）の形状及び大きさは、ダイヤフラムの目的形状に適合させて製作さ れる。

【００１３】 上記基布（１）は、ゴム材料と共に目的形状に適合したプレス金型内等にセッ トされ、プレス成型されて目的形状のダイヤフラムが得られる。

【００１４】 このようにして製造された本考案のダイヤフラムは、中央凸の頂部を中心とし て、基布（１）の経糸（１ａ）が放射状に規則正しく等間隔に配置されており、 かつ、この経糸（１ａ）に対して緯糸（１ｂ）が螺旋状に織り込まれているため 、ダイヤフラムの膜形状に対して、円周方向各部の耐圧強度が均一となる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、基布の経糸が中央凸で中心部から放射状に配置してあり、こ の経糸に緯糸が螺旋状に織成してあることによって、中央凸形状の立体的な基布 となり、ゴムと成型した状態でも糸の配列が規則正しく等間隔となっており、し わや重なりをなくして各部の耐圧強度を均一化することができ、耐久性を大幅に 向上させることができた。（約50〜100倍）また、各糸の配置密度が合理的とな り、従来の平織に比べ糸の使用本数を約10％減少させることが可能となった。さ らに、基布の経糸を放射状に配置し、この経糸に対して緯糸を螺旋状に織成する ことにより、基布の立体織化が可能となり、この種中央凸形状ダイヤフラムを用 途目的に応じて各種の変形形状に成型することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のダイヤフラムの一実施例を示す縦断側
面図である。

【図２】本考案のダイヤフラムに使用する基布の織成組
織の一例を示す概略斜視図である。

【図３】本考案のダイヤフラムに使用する基布の中央凸
の頂部における各経糸の結束状態を例示する概略斜視図
である。

【符号の説明】

１ 基布 １ａ 経糸 １ｂ 緯糸 ２ ゴム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央凸で中心部から放射状に配置した経
   糸と、この経糸に対し螺旋状に織成した緯糸とで構成し
   た基布及びこの基布と一体的に成型された中央凸の膜形
   状のゴムとからなることを特徴とするダイヤフラム。