JPH0569330U - 車両用ラジエータシャッタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用ラジエータの正面をカーテンによって
開閉する操作を簡便化する。 【構成】 ラジエータサポート８の上端付近にはラジエ
ータ７の正面を開閉するカーテン３が繰り出し可能に巻
装された巻取りローラ５をカーテン３の繰り出し方向へ
の回転駆動可能に設置し、巻取りローラ５の両軸部６に
それぞれ取付けられた１対の上プーリ２８と、この両上
プーリ２８の下方にそれぞれ軸支された１対の下プーリ
２３とに索条２をそれぞれ掛架し、この両索条２とカー
テン３の先端縁３ａに取付けたリテーナ１９とを共動可
能に連繋する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は車両用のラジエータの正面を開閉する車両用ラジエータシャッタ装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の車両用ラジエータシャッタ装置では、例えば図６に示すように、ラジエ ータサポート５０の上部に支持された巻取りローラ５１にはカーテン５２が巻回 され、このカーテン５２の先端縁の中央部にはワイヤ５３が繋止されていて、こ のワイヤ５３を車両の下側から下方へ引っ張ってカーテン５２を繰り出し、ワイ ヤ５３の先端に取付けられたフック５４をボディ側の掛止孔に引っ掛けてラジエ ータ５５の正面に展開されたカーテンによってラジエータ５５の正面を全閉し、 また、フック５４を前記掛止孔から外してカーテン５２を巻取りローラ５１に内 臓されたばねによって巻取りローラに巻戻していた。 なお、従来技術としては例えば実開平２−６００２２号公報がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したラジエータシャッタ装置ではワイヤ５３を車両の下側から引っ張って 前記掛止孔の位置を探りながらフック５４を掛止孔に引っ掛けるので、カーテン ５２によってラジエータ５５を遮蔽する作業が煩雑で簡便性に欠ける問題点があ る。 本考案は上記問題点を解消してカーテンによってラジエータを遮蔽する作業の 作業性を良化することを課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の車両用ラジエータシャッタ装置はラジエータサポートの上端付近には ラジエータの正面を開閉するカーテンが巻装された巻取りローラを前記カーテン の繰り出し方向への回転駆動可能に設置し、前記巻取りローラの軸部に取付けら れた上プーリと、この上プーリの下方に回転可能に軸支された下プーリとには前 記上プーリの回転によって駆動される索条を掛架してこの索条と前記カーテンの 先端縁に取付けたリテーナとを共動可能に連繋した構成を有する。

【０００５】 ラジエータの正面を開閉するカーテンが巻装された巻取りローラを回転駆動し てカーテンを繰り出すと、前記巻取りローラの軸部に取付けられた上プーリと、 この上プーリの下方に軸支された下プーリとに掛架された索条が前記カーテンの 繰り出しと同調して駆動され、前記カーテンの先端縁がこの先端縁に取付けられ て前記索条に連繋されたリテーナとともに前記両索条によって案内されて下降し 、ラジエータの正面が繰り出されたカーテンによって全閉される。

【０００６】

【考案の効果】

本考案は前記したように構成してあるので、巻取りローラを操作し易い位置で 回転駆動してカーテンを繰り出すことができ、カーテンの繰り出し作業を簡易化 してワイヤの引っ張り作業やフックの掛脱作業を排除することができる。 また、カーテンの繰り出しおよび巻き戻しと同調してカーテンの先端縁を索条 によって案内して下方および上方へ並行移動させることができるので、カーテン の繰り出し動作および巻き戻し動作を円滑化してカーテンの繰り出し形態および 巻戻し形態を常に適正化することができ、とくに、カーテンが不正形態に巻回さ れる不具合を排除することができる。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案の車両用ラジエータシャッタ装置の１実施例を図１〜図５にした がって説明する。 クーラコンデンサ１７の若干後方に設置されたラジエータ７を包囲して立設さ れてラジエータ７が支持されたラジエータサポートフレーム８はアッパサポート ９、ロアサポート１０および両サイドサポート１１，１２によってほぼ方形枠状 に枠組みされている。

【０００８】 両サイドサポート１１，１２の前面上端には左右１対の上ブラケット１５，１ ６が取付けられ、ロアサポート１０の前面には左右１対の下ブラケット２５，２ ６が取付けられている。

【０００９】 ラジエータサポートフレーム８の上端付近でアッパサポート９の前下方にはラ ジエータ７の正面を開閉するカーテン３が繰り出し可能に巻装された巻取りロー ラ５が左右方向に沿って回転可能に横架され、この巻取りローラ５の左右の軸部 ６は上ブラケット１５，１６によって回転可能に支持されている。

【００１０】 巻取りローラ５の一方の軸部６は巻取りローラ５の筒体５ａに共転可能に結合 され、巻取りローラの他方の軸部６は筒体５ａと一体に形成された隔壁５ｂと、 筒体５ａにビス止めされた端末ピース５ｃとに回転可能に貫挿されている。

【００１１】 巻取りローラ５の筒体５ａ内の一端部付近には軸部６が挿通されて一端が隔壁 ５ｂに固定されかつ他端が軸部６に固定されたコイルスプリング３４が装入され 、カーテン３が引き出されると、コイルスプリング３４が絞られた状態となって コイルスプリング３４に巻取りローラ５をカーテンの巻戻し方向へ回転させる戻 り弾発力が付与される。

【００１２】 巻取りローラ５の両軸部６の軸端６ａには内外２列の周溝２８ａ，２８ｂを有 する上プーリ２８がそれぞれ取付けられるとともに、一方の軸部６の先端にはス プライン状の噛合部１４が形成されている。

【００１３】 カーテン３の先端縁３ａは２つ折り状に折返され、この先端縁３ａには両外端 部がそれぞれカーテン３の両側縁の外方へ先下り状に突出されたリテーナ１９が 取付けられ、このリテーナ１９の両外端部の先端には筒状に湾曲した繋止部２０ がそれぞれ形成されている。

【００１４】 巻取りローラ５をカーテン３の繰り出し方向へ回転駆動操作するために巻取り ローラ５の噛合部１４に結合された巻取りローラ駆動機構において、一方の上ブ ラケット１６によって回転不能に支持されて巻取りローラ５の一方の軸部６が中 心部に挿通されたギヤケース３２の外端部には巻取りローラ５をカーテン３の繰 り出し方向へ手動で回転操作するためのつまみ１８が同心状で摺転可能に外嵌さ れている。

【００１５】 つまみ１８内にはこのつまみ１８の内壁面に固定されたラチェットギア２９が 同心状に装入され、このラチェツトギヤ２９の内端付近には巻取りローラ５の噛 合部１４に外接して噛合された内歯を有する伝動部２９ａが突出形成され、つま み１８の回転がラチェットギヤ２９の伝動部２９ａおよび噛合部１４を介して巻 取りローラ５および両上プーリ２８に伝達される。

【００１６】 ギヤケース３２内にはラチェットギヤ２９に係脱してラチェットギヤ２９を回 り止めおよび解放するストッパ３０が上下スライド可能に設置されるとともに、 ギヤケース３２内にはラチェットギヤ２９の回り止めを強化するぜんまいばね３ １が装入されている。

【００１７】 ギヤケース３２に傾動操作可能に支持されたノブ２２にはギヤケース３２に貫 挿された軸部２２ａと、ギヤケース３２外に露出された操作部２２ｂとが形成さ れ、軸部２２ａの内端にはストッパ３０の下面に当接してストッパ３０を昇降さ せるカム３３が固定されている。

【００１８】 ノブ２２を一方の傾動端へ傾動操作したときにはストッパ３０がカム３３によ って押上げられてラチェットギヤ２９から離脱し、ラチェットギヤ２９が解放さ れてラチェットギヤ２９および巻取りローラ５が巻取りローラ５内のコイルスプ リング３４の戻り弾発力によってカーテン３の巻戻し方向へ自動回転する。

【００１９】 ノブ２２を他方の傾動端へ傾動操作したときにはストッパ３０が下降してラチ ェットギヤ２９に噛合し、カーテン３の繰出し方向へのラチェットギヤ２９の回 転が許容されてカーテン３の巻戻し方向へのラチェットギヤ２９の逆回転が阻止 される。

【００２０】 巻取りローラ５の下方にはラジエータサポートフレーム８の下端付近に配設さ れた連動軸２４が巻取りローラ５と並行に横架され、この連動軸２４の左右端部 はこの両端部にそれぞれ嵌装されたグロメット２７を介して両下ブラケット２５ ，２６によって回転可能で軸方向への移動不能に支持されている。

【００２１】 連動軸２４の両端付近には１列の周溝を有する左右１対の下プーリ２３がそれ ぞれグロメット２７に隣接して取付けられている。

【００２２】 左側の上プーリ２８と下プーリ２３、および、右側の上プーリ２８と下プーリ ２３とにはそれぞれ索条２が掛架され、この索条２はその一端が上プーリ２８の 内側周溝２８ａに繋止されて内側周溝２８ａから下方へ引出され、下プーリ２３ に掛装された折り返し端で上方へ折り返されて他端が上プーリ２８の外側周溝２ ８ｂに繋止されている。

【００２３】 両索条２には上プーリ２８の内側周溝２８ａと下プーリ２３との間に掛け渡さ れた後側直進部２ａと、上プーリ２８の外側周溝２８ｂと下プーリ２３との間に 掛け渡された前側直進部２ｂとが折り返し端を挟んで形成され、上プーリ２８が カーテン３の繰り出し方向へ回転すると、索条２のうち上プーリ２８の内側周溝 ２８ａに巻回された部分が解舒されて後側直進部２ａへ移行して後側直進部２が 下降し、前側直進部２ｂが上昇して上プーリ２８の外側周溝２８ｂに巻回される 。

【００２４】 両索条２の後側直進部２ａは前記両リテーナ１９の繋止部２０内に挿通される とともに、両索条２の後側直進部２ａには繋止部２０内に挿入不能な外形を有し 、カーテン３の先端縁３ａと索条２の後側直進部２ａとを共動可能に連繋する１ 対のストッパ２１，２１が繋止部２０を間に挟んだ状態でそれぞれ固着されてい る。

【００２５】 カーテン３の先端縁３ａが上昇端へ上昇した状態で、つまみ１８を回転操作し て巻取りローラ５および両上プーリ２８をカーテン３の繰り出し方向へ回転駆動 すると、索条２の後側直進部２ａが下降してカーテン３の先端縁３ａがカーテン ３の繰り出しと同調してリテーナ１９とともに下降し、リテーナ１９の繋止部２ ０が下プーリ２３付近へ下降すると、ラジエータ７の正面がこの正面に展開され たカーテン３によって全閉される。

【００２６】 この状態で、ノブ２２を傾動操作してラチェットギヤ２９とストッパ３０との 噛合状態を解離すると、巻取りローラ５および両上プーリ２８がコイルスプリン グ３４戻り弾発力によって逆回転し、カーテン３が巻取りローラ５に巻戻される とともに、カーテン３の先端縁３ａがカーテン３の巻き戻しに同調してリテーナ １９とともに上昇し、リテーナ１９が上昇端へ上昇してラジエータ７の正面が全 開される。

【００２７】 続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効果を説明する。 本例ではラジエータサポート８の上端付近にはラジエータ７の正面を開閉する カーテン３が巻装された巻取りローラ５をカーテン３の繰り出し方向への回転駆 動可能に設置し、巻取りローラ５の両軸部６にそれぞれ取付けられた１対の上プ ーリ２８と、この両上プーリ２８の下方にそれぞれ回転可能に軸支された１対の 下プーリ２３とには両上プーリ２８の回転によって駆動される索条２をそれぞれ 掛架してこの両索条とカーテン３の先端縁３ａに取付けたリテーナ１９とを共動 可能に連繋してある。

【００２８】 このため、巻取りローラ５をつまみ１８の回転操作によって操作し易い位置で 回転駆動してカーテン３を繰り出すことができ、カーテン３の繰り出し作業を簡 易化してワイヤの引っ張り作業やフックの掛脱作業を排除することができる。

【００２９】 また、カーテン３の繰り出しおよび巻き戻しと同調してカーテン３の先端縁３ ａを索条２によって案内して下方および上方へ並行移動させることができるので 、カーテン３の繰り出し動作および巻き戻し動作を円滑化してカーテン３の繰り 出し形態および巻戻し形態を常に適正化することができ、とくに、カーテンが不 正形態に巻回される不具合を排除することができる。

【００３０】 なお、上記実施例において、つまみ１８をカーテン３の繰り出し方向へ回転駆 動するためのモータを設け、このモータを車室内に設けたスイッチのオンオフに よって起動および停止させるようにしてもよい。 また、巻取りローラ５を直接モータによって順逆に回転駆動するようにしても よい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示すラジエータシャッタ装
置の正面図である。

【図２】巻取りローラの一部の縦断面図である。

【図３】ラジエータシャッタ装置の側面図である。

【図４】巻取りローラ駆動機構の拡大断面図である。

【図５】要部の分解斜視図である。

【図６】従来のラジエータシャッタ装置の正面図であ
る。

【符号の説明】

２ 索条 ３ カーテン ３ａ 先端縁 ５ 巻取りローラ ７ ラジエータ ８ ラジエータサポート １９ リテーナ ２３ 下プーリ ２８ 上プーリ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ラジエータサポートの上端付近にはラジ
   エータの正面を開閉するカーテンが巻装された巻取りロ
   ーラを前記カーテンの繰り出し方向への回転駆動可能に
   設置し、前記巻取りローラの軸部に取付けられた上プー
   リと、この上プーリの下方に回転可能に軸支された下プ
   ーリとには前記上プーリの回転によって駆動される索条
   を掛架してこの索条と前記カーテンの先端縁に取付けた
   リテーナとを共動可能に連繋したことを特徴とする車両
   用ラジエータシャッタ装置。