JPH0569228U - パネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パネルの取付け、取外しが簡易である上、熱
膨脹や自重によるパネル表面の歪みを発現させることな
く、しかも水密性の極めて良好なパネルの取付構造を提
供することを本考案の目的とする。 【構成】 断面輪郭矩形状の部材から成る外形矩形状の
周枠１に表面板６を被蓋してパネル７を形成し、該パネ
ル７を躯体１３に接合するパネルの取付構造において、
前記周枠１の外周に所要幅の開口溝５を周設し、該開口
溝５よりＴ字状のパネル固定具８の取付け孔１１を有す
る垂直部９を突出させ、水平部１０を周枠断面内の外周
側内面に摺動自在に遊嵌し、周枠１の背面外端部を下地
構造体１２に水密的に当接し、前記開口溝５より突出す
るパネル固定具８の垂直部９を下地構造体１２に固定す
るとともに、下地構造体１２に位置決め自在に固定する
ハンガー２７に周枠１の上部横枠３の下面を載置し、周
枠１の内端に水切り縁３３を周設するとともに下部横枠
３の上面には所要の排水孔４を貫設して成るものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建築構造一般の分野に属し、主として建築物の外装に使用されるパネ ルの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の外装パネルの取付構造は、パネル自体の周辺に折曲端辺、すなわちフラ ンジを周設し、該フランジを躯体に取り付けた下地構造体にビス止めしたり、パ ネルの周辺にＬ形状の取付け片を複数個溶接又はビス止めし、該取付け片を躯体 に取り付けた下地構造体にビス止めしていたものである。

【０００３】 したがって、前者の場合では、パネルの加工工程が多くなるばかりでなく、加 工中にパネル表面に歪みや傷がつき易く、また、パネル相互の接合部はフランジ が相互に重なり合う接続状態であるから、パネルの取付け順序が限定される上、 破損時での交換などに手間取るものである。さらに、コーキングなどの施工が不 完全だったり破損が生じた場合は、侵入した水がバックアップ材に停留し、やが て風圧によって発生するパネル表裏の圧力差によって、水はパネル裏側（室内側 ）に押し込まれるなどの欠点があった。

【０００４】 また、後者の場合では、パネルの加工工程が短縮され、どこからでもパネルの 取付け、取外しができるなど生産性、作業性の面では良好であるが、コーキング が不備の場合には直ちにパネル裏面（室内側）に漏水する欠点があった。 加えて、両者ともビスで下地構造体に固定しているため、取付け後、温度差に より熱膨脹を生ずると、パネル表面に歪みが発生する欠点を内在するものであっ た。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記に鑑み、パネルの取付け、取外しが簡易である上、熱膨脹や自重 によるパネル表面の歪みを解消するとともに、水密性の極めて良好なパネルの取 付構造を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のパネルの取付構造は、断面輪郭矩形状の部材から成る外形矩形状の周 枠に表面板を被蓋してパネルを形成し、該パネルを躯体に接合するパネルの取付 構造において、前記周枠の外周に所要幅の開口溝を周設し、該溝よりＴ形状のパ ネル固定具の取付け孔を有する垂直部を突出させ、水平部を周枠断面内の外周側 内面に摺動自在に遊嵌し、周枠の背面外端部を下地構造体に水密的に当接し、前 記開口溝より突出するパネル固定具の垂直部を下地構造体に固定するとともに、 下地構造体に位置決め自在に固定するハンガーに周枠の上部横枠の下面を係載し て成るものである。ここに、周枠とは、周枠の内周内端に水切り縁を周設すると ともに下部横枠の上面に排水孔を所要数貫設して成るものをも含む。

【０００７】

【作用】

周枠の開口溝はパネル固定具を介してパネルを下地構造体に間接的に固定し、 ハンガーと上部横枠の開口溝に嵌着するパネル固定具はパネルの自重を支持し、 周枠の背面と下地構造体の接合面は水密性を確保する。

【０００８】

【実施例】

本考案を実施例により説明すると、図４に示すように、所要のスペースを枠取 りする周枠１は断面輪郭矩形状にして中空の所要高さの左右の縦枠２と該縦枠２ に一体の所要幅の上下の横枠３から成り、周枠１の内周内端に水切り縁３３を周 設するとともに、下部横枠３の上面に所要の排水孔４を貫設し、縦枠２と横枠３ の外周面にはそれぞれ所要幅の開口溝５を連続して周設し、該周枠１の外面には 仮想線で示すように表面板６を被蓋してパネル７を形成し、開口溝５よりＴ字状 のパネル固定具８の垂直部９を上下及び左右において、それぞれ相互に所要の位 相差を配して突出させるとともに、一端を長く、他端を短尺とした水平部１０を 周枠１の断面内の外周側内面に摺動自在に遊嵌し、前記垂直部９には取付け孔１ １を貫設して成る。

【０００９】 一方、下地構造体１２は図３に示すように所要のピッチで躯体１３に対して配 設される縦骨１４と該縦骨１４間に上下方向所要のピッチで横設される横骨１５ とから成り、縦骨１４は両側板にボルトヘッドを嵌入してネジ軸を突出する案内 溝１６を縦設し、両側板を接合する頂板の中央部にはボルトヘッドを嵌入してネ ジ軸を突出する案内溝１７を突設するとともに両側板の上端と案内溝１７を形成 する両側部間にそれぞれ嵌入溝１８を縦設して成り、横骨１５は取付状態で説明 すると、上下端に一側方向へ所要の高さに折曲した折曲辺を配設し、上下方向中 央部に一側方向へボルトヘッドを嵌入してネジ軸を突出する案内溝１９を横設す るとともに該案内溝１９を形成する両側部間と前記折曲辺間に嵌入溝２０を横設 して成る。

【００１０】 このようにして成る縦骨１４と横骨１５は該横骨１５の左右端をその中央部の 案内溝１９において、左右の縦骨１４のそれぞれ右方と左方の嵌入溝１８にクロ スして両者をビス止めし、両者の嵌入溝１８、２０にはそれぞれ所要のパッキン グ２１、２２を嵌入して成り、躯体１３に対しては、それぞれ躯体１３に一体の Ｌ形のファスナー２３において、縦骨１４の案内溝１６にボルトヘッドを嵌入し たボルト２５とナット２６により縦骨１４を接合し、ファスナー２４においては 、横骨１５の案内溝１９においてビス止めした補強下地３２を溶着するかビス止 めするなどで横骨１５を接合して成るものである。また、各縦骨１４の左右側板 には図１、図２に示すようにクランク形のハンガー２７が所要の配設位置に固着 されて成る。

【００１１】 このようにして成る下地構造体１２に対してパネル７は上部横枠３の下面をハ ンガー２７の頂部に載置するとともに、上下の横枠３に遊嵌したパネル固定具８ の垂直部９をその取付け孔１１において、横骨１５の案内溝１９にそのボルトヘ ッドを嵌入したボルト２８を挿通し、ナット２９にて両者を接合し、縦方向も同 様に左右の縦枠２に遊嵌したパネル固定具８の垂直部９をその取付け孔１１にお いて、左右の縦骨１４の案内溝１７にそのボルトヘッドを嵌入したボルト３０を 挿通し、ナット３１にて締結することにより両者を間接的に接合するものである 。すなわち、パネル７の横枠３と横骨１５との接合においては、ナット２９を締 結することによりパネル固定具８の水平部１０の短尺側前端と横枠３の垂直壁内 面が当接し（垂直部９の前面と開口溝５の前側端面との当接でもよい）、横枠３ の背面外端部が横骨１５の嵌入溝２０に嵌入したパッキング２２に圧接され、水 密的に接合されるものである。同様にパネル７の縦枠２と下地構造体１２の縦骨 １４との接合においても、ナット３１を締結することによりパネル固定具８を介 して縦枠２の背面外端部が縦骨１４の嵌入溝１８に嵌入したパッキング２１に圧 接され、縦枠２と縦骨１４は水密的に接合されるものである。

【００１２】 以上のようにパネル固定具８を介して間接的に下地構造体１２に接合されるか ら、熱膨脹による変形はパネル７の周枠１とパネル固定具８との接合面における スライド機構により解消されるため、表面板６に歪みが発現せず、また自重もハ ンガー２７と上部のパネル固定具８の水平部１０とで支持されるから、該自重に よる歪みも解消される上、コーキング不良による侵入水は縦横のパッキング２１ 、２２によりシールされ、周枠１の中空部に侵入して縦枠２の中空部より下方へ 流下し、表面板６を含む周枠１の内面に発生する結露水は下部横枠３の上面に貫 設した排水孔４より横枠３の中空部に案内され、同様に縦枠２の中空部より下方 へ流下し、室内側に押し込まれることがない。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案のパネルの取付構造によれば、パネルの取付け、取外しが 簡易である上、熱膨脹や自重によるパネル表面の歪みが解消されるとともに水密 性の確保と万一の侵入水と結露水を室内側に押し込むことなく処理できるなどの 効果を呈するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】パネルを下地構造体に取り付けた状態の要部の
縦断面図である。

【図２】パネルを下地構造体に取り付けた状態の要部の
横断面図である。

【図３】下地構造体の部分斜視図である。

【図４】周枠の斜視図である。

【符号の説明】 １ 周枠 ２ 縦枠 ３ 横枠 ４ 排水孔 ５ 開口溝 ６ 表面板 ７ パネル ８ パネル固定具 ９ 垂直部 １０ 水平部 １２ 下地構造体 １４ 縦骨 １５ 横骨 １６ 案内溝 １７ 案内溝 １８ 嵌入溝 １９ 案内溝 ２０ 嵌入溝 ２１ パッキング ２２ パッキング ２７ ハンガー ３２ 補強下地 ３３ 水切り縁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面輪郭矩形状の部材から成る外形矩形
   状の周枠に表面板を被蓋してパネルを形成し、該パネル
   を躯体に接合するパネルの取付構造において、前記周枠
   の外周に所要幅の開口溝を周設し、該開口溝５よりＴ字
   状のパネル固定具の取付け孔を有する垂直部を突出さ
   せ、水平部を周枠断面内の外周側内面に摺動自在に遊嵌
   し、周枠の背面外端部を下地構造体に水密的に当接し、
   前記開口溝より突出するパネル固定具の垂直部を下地構
   造体に固定するとともに、下地構造体に位置決め自在に
   固定するハンガーに周枠の上部横枠の下面を載置して成
   り、熱膨脹による歪みや自重による歪みをパネル表面に
   発生させないことを特徴とするパネルの取付構造。
2. 【請求項２】 周枠の内周内端に水切り縁を周設すると
   ともに下部横枠の上面に所要の排水孔を貫設して成る請
   求項１記載のパネルの取付構造。