JPH0568931A - 塗装方法 - Google Patents
塗装方法Info
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- JPH0568931A JPH0568931A JP23643591A JP23643591A JPH0568931A JP H0568931 A JPH0568931 A JP H0568931A JP 23643591 A JP23643591 A JP 23643591A JP 23643591 A JP23643591 A JP 23643591A JP H0568931 A JPH0568931 A JP H0568931A
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- Japan
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- coating composition
- coating
- coating film
- base
- layer film
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ベースコートに水性の塗料組成物を使用した
場合のクリヤーコートとベースコートとの相溶防止と、
低分子量の塗料組成物をクリヤーコートとして用いた場
合の「たれ」防止とを一挙に解決する方法を提供する。 【構成】 導電体を含有した水性のベースコート用塗料
組成物1を被塗装物表面に塗布して基層塗膜を形成さ
せ、この基層塗膜が固化する前に基層の上に低分子量低
温硬化型のクリヤーコート用無溶剤塗料組成物2を塗布
して中間層塗膜を形成させ、この中間層塗膜の上に低分
子量高温硬化型のクリヤーコート用無溶剤塗料組成物3
を塗布して上層塗膜を形成させ、誘導加熱によって基層
塗膜および中間層塗膜を硬化させ、ついで焼付け処理に
よって上層塗膜を硬化させる。
場合のクリヤーコートとベースコートとの相溶防止と、
低分子量の塗料組成物をクリヤーコートとして用いた場
合の「たれ」防止とを一挙に解決する方法を提供する。 【構成】 導電体を含有した水性のベースコート用塗料
組成物1を被塗装物表面に塗布して基層塗膜を形成さ
せ、この基層塗膜が固化する前に基層の上に低分子量低
温硬化型のクリヤーコート用無溶剤塗料組成物2を塗布
して中間層塗膜を形成させ、この中間層塗膜の上に低分
子量高温硬化型のクリヤーコート用無溶剤塗料組成物3
を塗布して上層塗膜を形成させ、誘導加熱によって基層
塗膜および中間層塗膜を硬化させ、ついで焼付け処理に
よって上層塗膜を硬化させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性のベースコート用
塗料組成物と低分子量の樹脂からなるクリヤーコート用
塗料組成物とを併用する塗装方法に関するものである。
塗料組成物と低分子量の樹脂からなるクリヤーコート用
塗料組成物とを併用する塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年環境保全に対する関心の高まりに起
因して、溶剤の放出について厳しい規制が課される傾向
にある。そこで、溶剤の使用が少なくても所定の目的を
達成することができる塗料の開発が嘱望されることとな
り、種々のものが提案されている。そのような塗料とし
てはまず有機溶剤の使用量が少ない高固形分ペイントが
あげられ、また、有機溶剤をまったく使用しないものと
しては粉体塗料があげられる。一方、塗装の仕上がりに
ついても美麗でなければならず、そのため低溶剤である
と共に、仕上がりがきれいな塗料組成物についての要望
は強い。
因して、溶剤の放出について厳しい規制が課される傾向
にある。そこで、溶剤の使用が少なくても所定の目的を
達成することができる塗料の開発が嘱望されることとな
り、種々のものが提案されている。そのような塗料とし
てはまず有機溶剤の使用量が少ない高固形分ペイントが
あげられ、また、有機溶剤をまったく使用しないものと
しては粉体塗料があげられる。一方、塗装の仕上がりに
ついても美麗でなければならず、そのため低溶剤である
と共に、仕上がりがきれいな塗料組成物についての要望
は強い。
【0003】ところで、高固形分ペイントは従来からあ
る塗料組成物を対象として、ただ単に溶剤の量を少なく
したものであるから、塗布が困難で仕上がりも期待する
ほど美麗ではない。また、粉体塗料については材料その
ものおよび塗装方法に関し解決すべき問題点も多く、未
だ確立した技術ではない。
る塗料組成物を対象として、ただ単に溶剤の量を少なく
したものであるから、塗布が困難で仕上がりも期待する
ほど美麗ではない。また、粉体塗料については材料その
ものおよび塗装方法に関し解決すべき問題点も多く、未
だ確立した技術ではない。
【0004】そのような情況にあって、低分子量の合成
樹脂が塗料組成物として注目されている。というのは、
低分子量の合成樹脂は、常温よりも若干高めの温度で液
状となるため必ずしも溶剤は必要ではなく、その結果溶
剤の使用による環境悪化を根本から断ち切ることができ
るからである。また、溶融したときの粘度が極めて低い
ため塗布が容易であり、硬化開始温度も合成樹脂の塗料
組成物としては、従来のものに比べて低く設定すること
ができるために、焼付け処理も容易であるなどその取扱
い性が優れている。加えて塗装の表面の仕上がり状態も
良好であるため、自動車のクリヤーコート用として好適
に使用される可能性を含んでいる。クリヤーコートとし
て使用する場合、その下層のベースコートは水性の塗料
組成物が採用されることが多い。
樹脂が塗料組成物として注目されている。というのは、
低分子量の合成樹脂は、常温よりも若干高めの温度で液
状となるため必ずしも溶剤は必要ではなく、その結果溶
剤の使用による環境悪化を根本から断ち切ることができ
るからである。また、溶融したときの粘度が極めて低い
ため塗布が容易であり、硬化開始温度も合成樹脂の塗料
組成物としては、従来のものに比べて低く設定すること
ができるために、焼付け処理も容易であるなどその取扱
い性が優れている。加えて塗装の表面の仕上がり状態も
良好であるため、自動車のクリヤーコート用として好適
に使用される可能性を含んでいる。クリヤーコートとし
て使用する場合、その下層のベースコートは水性の塗料
組成物が採用されることが多い。
【0005】上記のような低分子量の塗料組成物に適し
た合成樹脂としては、ポリエステルポリオール系ウレタ
ン樹脂が例示され、例えば特開昭64−69671号公
報に、ひまし油とポリオールとポリイソシアネートとを
反応させてなるウレタン樹脂塗料として開示されてい
る。
た合成樹脂としては、ポリエステルポリオール系ウレタ
ン樹脂が例示され、例えば特開昭64−69671号公
報に、ひまし油とポリオールとポリイソシアネートとを
反応させてなるウレタン樹脂塗料として開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な低分子量の塗料組成物にあっては、軟化溶融したとき
の粘度は従来の高分子の塗料組成物に比べて極めて低い
ために、塗布作業が容易であり、軟化展延しやすいが、
この長所が逆に欠点にもなっている。すなわち、被塗装
物に塗布された組成物は、その粘度の低さから極めて流
動性に富み、塗付面から塗布層の一部が垂れ落ちるいわ
ゆる「たれ」の問題が発生する。特に被塗付面が垂直面
であるときこの傾向は著しい。
な低分子量の塗料組成物にあっては、軟化溶融したとき
の粘度は従来の高分子の塗料組成物に比べて極めて低い
ために、塗布作業が容易であり、軟化展延しやすいが、
この長所が逆に欠点にもなっている。すなわち、被塗装
物に塗布された組成物は、その粘度の低さから極めて流
動性に富み、塗付面から塗布層の一部が垂れ落ちるいわ
ゆる「たれ」の問題が発生する。特に被塗付面が垂直面
であるときこの傾向は著しい。
【0007】この「たれ」は、塗布を行っている間にも
起こるが、焼付け工程に移行させるまでのセッティング
処理の間にも起こる。そのまま引き続いて焼付け処理を
行うと、「たれ」が発生した痕跡を残して硬化するため
仕上がり肌に凹凸が生じる。特に、耐候性を向上させる
目的で塗布層の膜厚を厚めに設定しなければならない場
合にこのような不都合は顕著である。
起こるが、焼付け工程に移行させるまでのセッティング
処理の間にも起こる。そのまま引き続いて焼付け処理を
行うと、「たれ」が発生した痕跡を残して硬化するため
仕上がり肌に凹凸が生じる。特に、耐候性を向上させる
目的で塗布層の膜厚を厚めに設定しなければならない場
合にこのような不都合は顕著である。
【0008】そこで、「たれ」を防止するために、硬化
促進用の触媒が添加される場合もあるが、触媒を添加す
ると今度は焼付けのための昇温時に塗膜の硬化が起こっ
てしまい、被塗付面上において充分な軟化展延が行われ
ることのない状態で被膜が形成されるため、仕上がり肌
は満足のいくものにはならない。
促進用の触媒が添加される場合もあるが、触媒を添加す
ると今度は焼付けのための昇温時に塗膜の硬化が起こっ
てしまい、被塗付面上において充分な軟化展延が行われ
ることのない状態で被膜が形成されるため、仕上がり肌
は満足のいくものにはならない。
【0009】また、ベースコートとして水性の塗料組成
物を使用する場合が多いが、水性の塗料組成物は通常高
分子の有機化合物から構成されている。従って、水性の
ベースコートの上にクリヤーコートとしての上記低分子
量の無溶剤塗料組成物をウエット・オン・ウエットで塗
布した場合、その境界面においては両者の分子量に大き
な差が存在するため、エントロピーが増大する方向に作
用してそれらは互いに相溶する。互いに相溶すると、透
明なクリヤーコートの中に着色したベースコートが不規
則に没入した状態になるため、それが乱反射を起こして
色に濁りを生じ、結局塗装の仕上がりが美麗ではなくな
る。
物を使用する場合が多いが、水性の塗料組成物は通常高
分子の有機化合物から構成されている。従って、水性の
ベースコートの上にクリヤーコートとしての上記低分子
量の無溶剤塗料組成物をウエット・オン・ウエットで塗
布した場合、その境界面においては両者の分子量に大き
な差が存在するため、エントロピーが増大する方向に作
用してそれらは互いに相溶する。互いに相溶すると、透
明なクリヤーコートの中に着色したベースコートが不規
則に没入した状態になるため、それが乱反射を起こして
色に濁りを生じ、結局塗装の仕上がりが美麗ではなくな
る。
【0010】本発明の塗装方法は、ベースコートに水性
の塗料組成物を使用した場合のクリヤーコートとベース
コートとの相溶防止と、低分子量の塗料組成物をクリヤ
ーコートとして用いた場合の「たれ」防止とを一挙に解
決する方法を提供するものである。
の塗料組成物を使用した場合のクリヤーコートとベース
コートとの相溶防止と、低分子量の塗料組成物をクリヤ
ーコートとして用いた場合の「たれ」防止とを一挙に解
決する方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の塗装方法は、導
電体を含有した水性のベースコート用塗料組成物を被塗
装物表面に塗布して基層塗膜を形成させ、この基層塗膜
が固化する前に基層の上に低分子量低温硬化型のクリヤ
ーコート用無溶剤塗料組成物を塗布して中間層塗膜を形
成させ、この中間層塗膜の上に低分子量高温硬化型のク
リヤーコート用無溶剤塗料組成物を塗布して上層塗膜を
形成させ、誘導加熱によって基層塗膜および中間層塗膜
を硬化させ、ついで焼付け処理によって上層塗膜を硬化
させることを特徴とするものである。
電体を含有した水性のベースコート用塗料組成物を被塗
装物表面に塗布して基層塗膜を形成させ、この基層塗膜
が固化する前に基層の上に低分子量低温硬化型のクリヤ
ーコート用無溶剤塗料組成物を塗布して中間層塗膜を形
成させ、この中間層塗膜の上に低分子量高温硬化型のク
リヤーコート用無溶剤塗料組成物を塗布して上層塗膜を
形成させ、誘導加熱によって基層塗膜および中間層塗膜
を硬化させ、ついで焼付け処理によって上層塗膜を硬化
させることを特徴とするものである。
【0012】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明は、特にベースコートとして水溶性
の塗料組成物を用い、クリヤーコートとして低分子量の
無溶剤塗料組成物を用いる場合の塗装方法に関するもの
である。
の塗料組成物を用い、クリヤーコートとして低分子量の
無溶剤塗料組成物を用いる場合の塗装方法に関するもの
である。
【0014】塗料組成物は、通常、着色剤である顔料
と、樹脂や油などの有機化合物(通常「樹脂」とのみ総
称される)と、塗布後樹脂と反応して網の目状の被膜を
形成させる硬化剤と、触媒などの添加剤と、以上の材料
を溶解する溶剤とから構成される。ベースコート用の塗
料組成物の場合は、上記のすべての材料から構成されて
いるが、クリヤーコート用の塗料組成物の場合通常顔料
は使用されない。上記材料のうち溶剤は塗料組成物の濃
度を調整し、塗装性を向上させるためのものである。
と、樹脂や油などの有機化合物(通常「樹脂」とのみ総
称される)と、塗布後樹脂と反応して網の目状の被膜を
形成させる硬化剤と、触媒などの添加剤と、以上の材料
を溶解する溶剤とから構成される。ベースコート用の塗
料組成物の場合は、上記のすべての材料から構成されて
いるが、クリヤーコート用の塗料組成物の場合通常顔料
は使用されない。上記材料のうち溶剤は塗料組成物の濃
度を調整し、塗装性を向上させるためのものである。
【0015】従来のいわゆる油性と称される塗料組成物
においては、ベースコート、クリヤーコートの区別な
く、通常有機溶剤が50重量%以上用いられていた。そ
の理由は、従来の塗料組成物の樹脂成分は、高分子量で
ある有機化合物が用いられ、それらは常温で固体である
か、液体であってもかなり高粘度を呈するものであるた
め、それを溶解する溶剤は必須であり、溶剤の使用量を
上記のように多くしなければならなかったからである。
においては、ベースコート、クリヤーコートの区別な
く、通常有機溶剤が50重量%以上用いられていた。そ
の理由は、従来の塗料組成物の樹脂成分は、高分子量で
ある有機化合物が用いられ、それらは常温で固体である
か、液体であってもかなり高粘度を呈するものであるた
め、それを溶解する溶剤は必須であり、溶剤の使用量を
上記のように多くしなければならなかったからである。
【0016】近年、環境保全上の要請から、有機溶剤の
使用が抑制されるようになり、それを使用しない塗料組
成物が検討されている。有機溶剤を用いない塗料組成物
としては、まず水性塗料をあげることができる。また、
水性でないものとしては低分子量の無溶剤塗料組成物を
あげることができる。
使用が抑制されるようになり、それを使用しない塗料組
成物が検討されている。有機溶剤を用いない塗料組成物
としては、まず水性塗料をあげることができる。また、
水性でないものとしては低分子量の無溶剤塗料組成物を
あげることができる。
【0017】水性塗料を代表するものとしてはエマルジ
ョン塗料があり、それは樹脂成分がコロイドを形成して
水中に浮遊しているものである。加熱による水の蒸発に
よってコロイド膜が破壊し、樹脂成分同士が結合しあっ
て被膜を形成する。スチレンブタジエン系、サク酸ビニ
ル系、ポリアクリル酸エステル系などのエマルジョン塗
料があるが、被膜の明度、被塗装物への密着性、可撓
性、耐薬品性、耐候性の面でアクリル系のものが優れて
いる。
ョン塗料があり、それは樹脂成分がコロイドを形成して
水中に浮遊しているものである。加熱による水の蒸発に
よってコロイド膜が破壊し、樹脂成分同士が結合しあっ
て被膜を形成する。スチレンブタジエン系、サク酸ビニ
ル系、ポリアクリル酸エステル系などのエマルジョン塗
料があるが、被膜の明度、被塗装物への密着性、可撓
性、耐薬品性、耐候性の面でアクリル系のものが優れて
いる。
【0018】このような水性塗料は、有機溶剤を使用し
ないことから、環境保全に対しては好適であるが、塗布
された表面につやがないのが欠点ではある。そこで、こ
れをベースコートとして使用し、その上に表面仕上がり
の美麗な油性の塗料組成物をクリヤーコートとして塗り
重ねる塗装方法が注目される所以である。
ないことから、環境保全に対しては好適であるが、塗布
された表面につやがないのが欠点ではある。そこで、こ
れをベースコートとして使用し、その上に表面仕上がり
の美麗な油性の塗料組成物をクリヤーコートとして塗り
重ねる塗装方法が注目される所以である。
【0019】油性の塗料組成物において、有機溶剤を用
いないで塗布を可能とするためには、常温(25℃)な
いし約50℃の温度範囲で塗料組成物そのものが塗布が
容易な低粘度の液状を呈し、加熱することによって互い
に重合して強固な被膜が形成されるものであることが好
ましい。このような条件を満足する樹脂としては低分子
量の塗料組成物(無溶剤塗料組成物)が選択されるに到
った。
いないで塗布を可能とするためには、常温(25℃)な
いし約50℃の温度範囲で塗料組成物そのものが塗布が
容易な低粘度の液状を呈し、加熱することによって互い
に重合して強固な被膜が形成されるものであることが好
ましい。このような条件を満足する樹脂としては低分子
量の塗料組成物(無溶剤塗料組成物)が選択されるに到
った。
【0020】従って、ベースコートとしては水性塗料組
成物を、その上に塗り重ねられるクリヤーコートとして
は無溶剤塗料組成物を用いる組み合わせが極めて好適な
ものでる。また、その塗装工程においてベースコートの
塗布後引き続きクリヤーコートを塗り重ねる、いわゆる
ウエット・オン・ウエットの塗装が工程数を少なくする
という意味で好ましいものではあるが、そのようにした
とき両者の境界面でベースコートとクリヤーコートとの
相溶が起こり、塗装の美麗な仕上がりを阻害する。
成物を、その上に塗り重ねられるクリヤーコートとして
は無溶剤塗料組成物を用いる組み合わせが極めて好適な
ものでる。また、その塗装工程においてベースコートの
塗布後引き続きクリヤーコートを塗り重ねる、いわゆる
ウエット・オン・ウエットの塗装が工程数を少なくする
という意味で好ましいものではあるが、そのようにした
とき両者の境界面でベースコートとクリヤーコートとの
相溶が起こり、塗装の美麗な仕上がりを阻害する。
【0021】また、無溶剤塗料組成物は粘度が低いため
塗布面における「たれ」が起こりやすい。「たれ」が起
これば、塗布面の塗膜の厚みが均一ではなくなるほか、
滴が垂下した状態となるため仕上がりも美麗ではなくな
る。
塗布面における「たれ」が起こりやすい。「たれ」が起
これば、塗布面の塗膜の厚みが均一ではなくなるほか、
滴が垂下した状態となるため仕上がりも美麗ではなくな
る。
【0022】ところで、たれ速度は通常以下の式で表現
される。 V=ρgd2/2p ここに、Vはたれ速度(cm/sec) ρは塗料組成物の密度(cm) gは重力恒数(980cm/sec2) dは塗料組成物の膜厚(cm) pは塗料組成物の粘度(poise=g/cm.sec)である。
される。 V=ρgd2/2p ここに、Vはたれ速度(cm/sec) ρは塗料組成物の密度(cm) gは重力恒数(980cm/sec2) dは塗料組成物の膜厚(cm) pは塗料組成物の粘度(poise=g/cm.sec)である。
【0023】この式から判る通り、たれ速度Vは、塗料
組成物の密度ρと重力恒数gと膜厚dの自乗とに比例
し、塗料組成物の粘度pの2倍に反比例する。これらの
要因のうち、重力恒数gは980で一定であり、また、
塗料組成物の密度ρは1.0前後であって組成物の種類
によって著しく変化する数値ではない。結局、たれ速度
Vは塗料組成物の膜厚dと粘度ρの値によって左右され
る場合が多いといってよい。
組成物の密度ρと重力恒数gと膜厚dの自乗とに比例
し、塗料組成物の粘度pの2倍に反比例する。これらの
要因のうち、重力恒数gは980で一定であり、また、
塗料組成物の密度ρは1.0前後であって組成物の種類
によって著しく変化する数値ではない。結局、たれ速度
Vは塗料組成物の膜厚dと粘度ρの値によって左右され
る場合が多いといってよい。
【0024】ここで、本発明において使用する無溶剤塗
料組成物について上記の式を基に検討してみるに、無溶
剤塗料組成物は従来のものに比して低分子量であるた
め、従来のものより粘度は低い。しかしながら、表面保
護の観点から膜厚dを従来よりも薄くすることはできな
い。従って、上記の式において、分子の項の値は従来と
あまり変わらないが、分母の項の値は小さくなるため、
たれ速度Vは従来のものより速くなるのである。
料組成物について上記の式を基に検討してみるに、無溶
剤塗料組成物は従来のものに比して低分子量であるた
め、従来のものより粘度は低い。しかしながら、表面保
護の観点から膜厚dを従来よりも薄くすることはできな
い。従って、上記の式において、分子の項の値は従来と
あまり変わらないが、分母の項の値は小さくなるため、
たれ速度Vは従来のものより速くなるのである。
【0025】本発明は、ベースコートとして水性塗料組
成物を用い、クリヤーコートとして無溶剤塗料組成物を
用いた場合に起こる、ベースコートとクリヤーコートと
の相溶とクリヤーコートの「たれ」の問題を解決するべ
くなされたものである。
成物を用い、クリヤーコートとして無溶剤塗料組成物を
用いた場合に起こる、ベースコートとクリヤーコートと
の相溶とクリヤーコートの「たれ」の問題を解決するべ
くなされたものである。
【0026】本発明の塗装方法は、まず、ベースコート
用の水性塗料組成物に導電体を含有させるものである。
そして、この導電体を含有した水性塗料組成物を被塗装
物に塗布して基層塗膜を形成させる。つぎに、この基層
が乾燥する前に基層の上に無溶剤塗料組成物のうちの低
温硬化型のクリヤーコートを塗布して中間層塗膜を形成
させる。そしてその上から更に無溶剤塗料組成物のうち
の高温硬化型のクリヤーコートを塗布して上層塗膜を形
成させる。
用の水性塗料組成物に導電体を含有させるものである。
そして、この導電体を含有した水性塗料組成物を被塗装
物に塗布して基層塗膜を形成させる。つぎに、この基層
が乾燥する前に基層の上に無溶剤塗料組成物のうちの低
温硬化型のクリヤーコートを塗布して中間層塗膜を形成
させる。そしてその上から更に無溶剤塗料組成物のうち
の高温硬化型のクリヤーコートを塗布して上層塗膜を形
成させる。
【0027】上記基層塗膜、中間層塗膜および上層塗膜
が形成されると、誘導加熱によって基層塗膜および中間
層塗膜を硬化させ、ついで焼付け処理によって上層塗膜
を硬化させるのである。
が形成されると、誘導加熱によって基層塗膜および中間
層塗膜を硬化させ、ついで焼付け処理によって上層塗膜
を硬化させるのである。
【0028】ベースコートの水性塗料組成物に混入され
る導電体については、金属粉を用いることが多い。金属
を使用することによっていわゆるメタリック塗装が実現
する。金属の種類は特定しないが、アルミニウムが好適
である。この導電体の含量は、重量割合で5%ないし2
0%とされることが多い。また、このベースコート(基
層被膜)の膜厚は、10μないし40μ、好ましくは2
0μないし30μとされる。塗膜は常温(25℃)にお
いてスプレー塗布によって形成させるのが好ましい。
る導電体については、金属粉を用いることが多い。金属
を使用することによっていわゆるメタリック塗装が実現
する。金属の種類は特定しないが、アルミニウムが好適
である。この導電体の含量は、重量割合で5%ないし2
0%とされることが多い。また、このベースコート(基
層被膜)の膜厚は、10μないし40μ、好ましくは2
0μないし30μとされる。塗膜は常温(25℃)にお
いてスプレー塗布によって形成させるのが好ましい。
【0029】無溶剤塗料組成物としては、低分子量の塗
料組成物が用いられる。そして特に低温硬化型のものと
しては、樹脂成分として以下のポリエステル系の樹脂ま
たはアクリル系の樹脂が好適に使用される。それらと所
定の硬化剤とを混合して低分子量の塗料組成物を得るこ
とができる。
料組成物が用いられる。そして特に低温硬化型のものと
しては、樹脂成分として以下のポリエステル系の樹脂ま
たはアクリル系の樹脂が好適に使用される。それらと所
定の硬化剤とを混合して低分子量の塗料組成物を得るこ
とができる。
【0030】ポリエステル系の樹脂成分としては、カル
ボン酸含有ポリエステル樹脂、水酸基含有ポリエステル
樹脂とメチル無水フタル酸との混合物などが好適であ
る。また、それらと混合される硬化剤としては、エポキ
シ化合物またはメラミンなどが使用される。
ボン酸含有ポリエステル樹脂、水酸基含有ポリエステル
樹脂とメチル無水フタル酸との混合物などが好適であ
る。また、それらと混合される硬化剤としては、エポキ
シ化合物またはメラミンなどが使用される。
【0031】アクリル系の樹脂成分としては、水酸基含
有アクリル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂とメチル無水
フタル酸との混合物、水酸基含有エポキシアクリル樹
脂、エポキシアクリル樹脂と水酸基含有アクリル樹脂と
の混合物、脂環式エポキシモノマー共重合アクリル樹脂
またはカルボン酸含有アクリル樹脂とエポキシ基含有ア
クリル樹脂との混合物などが好適であり、それらと混合
される硬化剤としては、イソシアネート、メラミン、エ
ポキシ化合物、メチル無水フタル酸、酸無水物などが使
用される。
有アクリル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂とメチル無水
フタル酸との混合物、水酸基含有エポキシアクリル樹
脂、エポキシアクリル樹脂と水酸基含有アクリル樹脂と
の混合物、脂環式エポキシモノマー共重合アクリル樹脂
またはカルボン酸含有アクリル樹脂とエポキシ基含有ア
クリル樹脂との混合物などが好適であり、それらと混合
される硬化剤としては、イソシアネート、メラミン、エ
ポキシ化合物、メチル無水フタル酸、酸無水物などが使
用される。
【0032】上記のような樹脂成分は、特に低分子量と
なるように調製される。この場合、低分子量とはその数
平均分子量が300以上、1000未満であることをい
う。この範囲の分子量の樹脂は、その製造条件を適正に
設定することによって容易に得ることができる。
なるように調製される。この場合、低分子量とはその数
平均分子量が300以上、1000未満であることをい
う。この範囲の分子量の樹脂は、その製造条件を適正に
設定することによって容易に得ることができる。
【0033】そして、樹脂成分に硬化剤を混入した塗料
組成物に触媒を混入して低温硬化型の塗料組成物とす
る。なお、同じ樹脂成分を用いた場合であっても、触媒
の種類と量とをコントロールすることによって、低温硬
化型の塗料組成物と高温硬化型の塗料組成物との双方を
製造することもできる。
組成物に触媒を混入して低温硬化型の塗料組成物とす
る。なお、同じ樹脂成分を用いた場合であっても、触媒
の種類と量とをコントロールすることによって、低温硬
化型の塗料組成物と高温硬化型の塗料組成物との双方を
製造することもできる。
【0034】上記触媒としては、4級ホスホニウム塩、
4級アンモニウム塩、スルホン酸、リン酸エステル、イ
ソシアネート、ジフェニルシランまたはアセチルアセト
ンアルミニウムなどが用いられる。これらのうち、イソ
シネートはその種類を変えることによって塗料組成物を
低温硬化型または高温硬化型とすることができるが、そ
の他の触媒についてはその添加量を多くすることによっ
て低温硬化型の塗料組成物とすることができる。なお、
高温型の塗料組成物としては、上記の他ウレタン系のも
のも使用することができる。
4級アンモニウム塩、スルホン酸、リン酸エステル、イ
ソシアネート、ジフェニルシランまたはアセチルアセト
ンアルミニウムなどが用いられる。これらのうち、イソ
シネートはその種類を変えることによって塗料組成物を
低温硬化型または高温硬化型とすることができるが、そ
の他の触媒についてはその添加量を多くすることによっ
て低温硬化型の塗料組成物とすることができる。なお、
高温型の塗料組成物としては、上記の他ウレタン系のも
のも使用することができる。
【0035】本発明で使用する塗料組成物は、上記のよ
うな樹脂成分と硬化剤と触媒との組み合わせを適正なも
のにすることによって得ることができる。その組み合わ
せの一例を表1に示した。この表1は、縦の欄に樹脂の
系を、横の欄にその樹脂成分とそれに添加される硬化剤
および触媒とを表したものである。この表1のような樹
脂と硬化剤と触媒との組み合わせが本発明において用い
る塗料組成物として適している。
うな樹脂成分と硬化剤と触媒との組み合わせを適正なも
のにすることによって得ることができる。その組み合わ
せの一例を表1に示した。この表1は、縦の欄に樹脂の
系を、横の欄にその樹脂成分とそれに添加される硬化剤
および触媒とを表したものである。この表1のような樹
脂と硬化剤と触媒との組み合わせが本発明において用い
る塗料組成物として適している。
【0036】そして、低温硬化型の塗料組成物は、約5
0℃で硬化するように調製され、高温硬化型の塗料組成
物は130℃ないし150℃で硬化するように調製され
ている。
0℃で硬化するように調製され、高温硬化型の塗料組成
物は130℃ないし150℃で硬化するように調製され
ている。
【0037】低温硬化型の無溶剤塗料組成物からなる中
間層塗膜の厚みは20μないし40μとされる。そし
て、そのほぼ4分の1の厚みが高温硬化型の無溶剤塗料
組成物からなる上層塗膜の膜厚とされる。被塗装物への
塗布は、ホットスプレー方式が採用される。この場合、
水性塗料組成物からなる基層塗膜の形成が終了して後、
その表面が乾燥する前に中間層のスプレー塗布を行う。
従って、基層塗膜と中間層塗膜との境界面は、互いにウ
エット状態で接触している。
間層塗膜の厚みは20μないし40μとされる。そし
て、そのほぼ4分の1の厚みが高温硬化型の無溶剤塗料
組成物からなる上層塗膜の膜厚とされる。被塗装物への
塗布は、ホットスプレー方式が採用される。この場合、
水性塗料組成物からなる基層塗膜の形成が終了して後、
その表面が乾燥する前に中間層のスプレー塗布を行う。
従って、基層塗膜と中間層塗膜との境界面は、互いにウ
エット状態で接触している。
【0038】上記基層塗膜、中間層塗膜および上層塗膜
が形成されてのち最初に実施される誘導加熱は、磁力線
が交番で発生している空間に被塗装物を配置することに
よって行うものである。このような磁界内に導電体を置
くと、誘起電圧が発生し、電圧の高低に応じて誘導電流
が流れる。この電流がジュール熱に変換されて導電体に
熱が発生するのが誘導加熱のメカニズムである。
が形成されてのち最初に実施される誘導加熱は、磁力線
が交番で発生している空間に被塗装物を配置することに
よって行うものである。このような磁界内に導電体を置
くと、誘起電圧が発生し、電圧の高低に応じて誘導電流
が流れる。この電流がジュール熱に変換されて導電体に
熱が発生するのが誘導加熱のメカニズムである。
【0039】本発明の場合、水性塗料組成物の中に混入
した金属粉などの導電体が発熱して内部から基層塗膜を
加熱する。この場合の加熱温度は、50℃ないし60℃
とされる。
した金属粉などの導電体が発熱して内部から基層塗膜を
加熱する。この場合の加熱温度は、50℃ないし60℃
とされる。
【0040】その後、被塗装物は通常の乾燥炉に装填さ
れて通常の焼付け処理が行われる。焼付け温度は、13
0℃ないし150℃である。
れて通常の焼付け処理が行われる。焼付け温度は、13
0℃ないし150℃である。
【0041】
【作用】本発明の塗装方法の作用について、図1を基に
説明する。図1は縦軸に本発明で使用する各塗料組成物
の状態を固体と液体とに分けて定性的に示し、横軸に温
度を示したものである。縦軸においては、液体の場合軸
の上に行くほど粘度が大きくなり、固体の場合軸の上に
行くほど硬さが増加することを表す。点線は固体と液体
の境界線である。
説明する。図1は縦軸に本発明で使用する各塗料組成物
の状態を固体と液体とに分けて定性的に示し、横軸に温
度を示したものである。縦軸においては、液体の場合軸
の上に行くほど粘度が大きくなり、固体の場合軸の上に
行くほど硬さが増加することを表す。点線は固体と液体
の境界線である。
【0042】本発明の塗装方法によれば、常温において
被塗装物の表面に導電体混入水性塗料組成物1からなる
基層塗膜が形成され、その上に低温硬化型の無溶剤塗料
組成物2からなる中間層塗膜が、更にその上に高温硬化
型の無溶剤塗料組成物3からなる上層塗膜が形成され
る。この場合、基層塗膜と中間層塗膜とはウエット・オ
ン・ウエットで積層されている。
被塗装物の表面に導電体混入水性塗料組成物1からなる
基層塗膜が形成され、その上に低温硬化型の無溶剤塗料
組成物2からなる中間層塗膜が、更にその上に高温硬化
型の無溶剤塗料組成物3からなる上層塗膜が形成され
る。この場合、基層塗膜と中間層塗膜とはウエット・オ
ン・ウエットで積層されている。
【0043】そして、この状態で被塗装物は交番磁界の
発生している磁界内に配置されるから、水性塗料組成物
内の導電体は発熱して基層塗膜の内部から水性塗料組成
物を誘導加熱する。この熱は境界面を介してそのすぐ上
の中間層塗膜に伝熱する。
発生している磁界内に配置されるから、水性塗料組成物
内の導電体は発熱して基層塗膜の内部から水性塗料組成
物を誘導加熱する。この熱は境界面を介してそのすぐ上
の中間層塗膜に伝熱する。
【0044】この熱を受けた低温硬化型の無溶剤塗料組
成物は、50℃ないし60℃で硬化するように調製され
ているため、図1に示すように固体となって両者の間に
境界をつくるからそれらが互いに相溶することはない。
成物は、50℃ないし60℃で硬化するように調製され
ているため、図1に示すように固体となって両者の間に
境界をつくるからそれらが互いに相溶することはない。
【0045】誘導加熱によって被塗装物の温度が約60
℃に到達したところで、この加熱を中止し、その後は炉
温140℃に設定した乾燥炉に被塗装物を装填して通常
の焼付け処理を施す。炉内の被塗装物が約75℃になる
と基層の水性塗料組成物は硬化を開始する。そして、高
温硬化型の無溶剤塗料組成物は軟化状態を約140℃ま
で継続するが、高温硬化型の組成物はすでに硬化した低
温硬化型の無溶剤塗料組成物の上に極めて薄層の状態で
塗布されているため「たれ」はほとんど起こらない。そ
の後軟化していた高温硬化型の無溶剤塗料組成物が硬化
して被塗装物の表面に3層からなる美麗な被膜が形成す
る。
℃に到達したところで、この加熱を中止し、その後は炉
温140℃に設定した乾燥炉に被塗装物を装填して通常
の焼付け処理を施す。炉内の被塗装物が約75℃になる
と基層の水性塗料組成物は硬化を開始する。そして、高
温硬化型の無溶剤塗料組成物は軟化状態を約140℃ま
で継続するが、高温硬化型の組成物はすでに硬化した低
温硬化型の無溶剤塗料組成物の上に極めて薄層の状態で
塗布されているため「たれ」はほとんど起こらない。そ
の後軟化していた高温硬化型の無溶剤塗料組成物が硬化
して被塗装物の表面に3層からなる美麗な被膜が形成す
る。
【0046】
【実施例】以下本発明を、実施例を基に更に説明する。
【0047】まず、各塗料組成物を調製した。水性塗料
組成物としては樹脂成分としてアクリルエマルジョンを
用い、それに水溶性のメラミンを添加したものを採用し
た。これに導電体としてアルミニウム粉を添加してい
る。
組成物としては樹脂成分としてアクリルエマルジョンを
用い、それに水溶性のメラミンを添加したものを採用し
た。これに導電体としてアルミニウム粉を添加してい
る。
【0048】低温硬化型の無溶剤塗料組成物としては、
水酸基含有のポリエステル樹脂に硬化剤としてイソシア
ネートを混入したものを用いた。
水酸基含有のポリエステル樹脂に硬化剤としてイソシア
ネートを混入したものを用いた。
【0049】また、高温硬化型の無溶剤塗料組成物とし
ては、水酸基含有のポリエステル樹脂に硬化剤としてメ
ラミンを添加したものを使用した。触媒および有機溶剤
はまったく使用していない。
ては、水酸基含有のポリエステル樹脂に硬化剤としてメ
ラミンを添加したものを使用した。触媒および有機溶剤
はまったく使用していない。
【0050】それらの量的な割合は以下の通りとした。
【0051】 水性塗料組成物 アクリルエマルジョン 65重量% 水溶性メラミン 25重量% アルミニウム粉 10重量% 低温硬化型塗料組成物 水酸基含有アクリル樹脂 50重量% イソシアネート 50重量% 高温硬化型塗料組成物 水酸基含有ポリエステル樹脂 70重量% メラミン 30重量% そして、まず上記水性塗料組成物を常温で被塗装物にス
プレー塗布した。その後引き続き低温硬化型の無溶剤塗
料組成物を50℃でホットスプレーし、さらにその上か
ら高温硬化型の無溶剤塗料組成物を50℃でホットスプ
レーした。塗膜の厚みはそれぞれ25μ、30μ、10
μとしている。
プレー塗布した。その後引き続き低温硬化型の無溶剤塗
料組成物を50℃でホットスプレーし、さらにその上か
ら高温硬化型の無溶剤塗料組成物を50℃でホットスプ
レーした。塗膜の厚みはそれぞれ25μ、30μ、10
μとしている。
【0052】上記3層の塗膜を形成させてから、被塗装
物を交番交流による磁界内に配置して誘導加熱を行っ
た。被塗装物の温度が60℃に到達したところでこの加
熱を中止した。
物を交番交流による磁界内に配置して誘導加熱を行っ
た。被塗装物の温度が60℃に到達したところでこの加
熱を中止した。
【0053】その後、被塗装物を通常の炉温140℃に
設定した乾燥炉に移し、30分間焼付け処理を施した。
設定した乾燥炉に移し、30分間焼付け処理を施した。
【0054】焼付け処理完了後、被塗装物の表面に形成
した塗膜の状態を調べたところ、水性塗料組成物の基層
塗膜と低温硬化型の無溶剤塗料組成物の中間層塗膜との
相溶は全く認められなかった。また、「たれ」の発生は
ほとんどなく、表面の仕上がり状態も滑らかで美麗であ
った。
した塗膜の状態を調べたところ、水性塗料組成物の基層
塗膜と低温硬化型の無溶剤塗料組成物の中間層塗膜との
相溶は全く認められなかった。また、「たれ」の発生は
ほとんどなく、表面の仕上がり状態も滑らかで美麗であ
った。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗装方法
は、導電体を含有した水性のベースコート用塗料組成物
からなる基層塗膜と、低分子量低温硬化型のクリヤーコ
ート用無溶剤塗料組成物からなる中間層塗膜と、低分子
量高温硬化型のクリヤーコート用無溶剤塗料組成物から
なる上層塗膜とによる3層塗膜を被塗装物表面に形成さ
せ、まず誘導加熱水性のベースコート中の導電体を発熱
させることによって内部から中間層塗膜を硬化させるも
のであるから、ベースコートとクリヤーコートとの相溶
を防止することができる。
は、導電体を含有した水性のベースコート用塗料組成物
からなる基層塗膜と、低分子量低温硬化型のクリヤーコ
ート用無溶剤塗料組成物からなる中間層塗膜と、低分子
量高温硬化型のクリヤーコート用無溶剤塗料組成物から
なる上層塗膜とによる3層塗膜を被塗装物表面に形成さ
せ、まず誘導加熱水性のベースコート中の導電体を発熱
させることによって内部から中間層塗膜を硬化させるも
のであるから、ベースコートとクリヤーコートとの相溶
を防止することができる。
【0057】また、無溶剤塗料組成物を低温硬化型と高
温硬化型とに2分しているため、最表面の高温硬化型の
ものは薄層とすることができる。従って、つぎの焼付け
処理によって上層塗膜を硬化させるときには中間層塗膜
はすでに硬化しているため、その上に塗布された高温硬
化型の無溶剤塗料組成物は薄層であり、「たれ」は有効
に防止することができる。
温硬化型とに2分しているため、最表面の高温硬化型の
ものは薄層とすることができる。従って、つぎの焼付け
処理によって上層塗膜を硬化させるときには中間層塗膜
はすでに硬化しているため、その上に塗布された高温硬
化型の無溶剤塗料組成物は薄層であり、「たれ」は有効
に防止することができる。
【0058】本発明は、有機溶剤を使用しない水性塗料
組成物と無溶剤塗料組成物とを用いて「相溶」と「た
れ」とのない美麗な塗装を行うことができるので、環境
保全上極めて好ましいものである。
組成物と無溶剤塗料組成物とを用いて「相溶」と「た
れ」とのない美麗な塗装を行うことができるので、環境
保全上極めて好ましいものである。
【図1】縦軸に本発明で使用する各塗料組成物の状態を
固体と液体とに分けて定性的に示し、横軸に温度を示し
たグラフである。
固体と液体とに分けて定性的に示し、横軸に温度を示し
たグラフである。
1 導電体混入水性塗料組成物 2 低温硬化型の無溶剤塗料組成物 3 高温硬化型の無溶剤塗料組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 301 F 8616−4D R 8616−4D
Claims (1)
- 【請求項1】 導電体を含有した水性のベースコート用
塗料組成物を被塗装物表面に塗布して基層塗膜を形成さ
せ、この基層塗膜が固化する前に基層の上に低分子量低
温硬化型のクリヤーコート用無溶剤塗料組成物を塗布し
て中間層塗膜を形成させ、この中間層塗膜の上に低分子
量高温硬化型のクリヤーコート用無溶剤塗料組成物を塗
布して上層塗膜を形成させ、誘導加熱によって基層塗膜
および中間層塗膜を硬化させ、ついで焼付け処理によっ
て上層塗膜を硬化させることを特徴とする塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23643591A JPH0568931A (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23643591A JPH0568931A (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 塗装方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0568931A true JPH0568931A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=17000714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23643591A Pending JPH0568931A (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | 塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0568931A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002035679A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-02-05 | Nippon Paint Co Ltd | 塗膜形成方法及び被塗物 |
-
1991
- 1991-09-17 JP JP23643591A patent/JPH0568931A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002035679A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-02-05 | Nippon Paint Co Ltd | 塗膜形成方法及び被塗物 |
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