JPH0568817U

JPH0568817U - バリアー紙カップ容器

Info

Publication number: JPH0568817U
Application number: JP9247692U
Authority: JP
Inventors: 良隆浅井
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1991-12-27
Filing date: 1992-12-24
Publication date: 1993-09-17

Abstract

(57)【要約】【目的】アルミニウム箔を用いないで紙カップにバリ
アー性を付与する。【構成】胴部１と底部２とにバリアー性を有するプラ
スチックス層を設けた紙カップ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バリアー紙カップ容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、紙カップは、両面にポリエチレンを積層した紙をカップ成形したものや、カップ成形した紙製のカップにワックスをディップコートしたもの等が自動販売機等で広く使われている。これ等は食器として、即ち使い捨ての飲料用食器として使われているものである。これに対し、紙カップを、その中に食品等を収納して流通過程に乗せるための容器、即ち食品等の販売用容器として使用することが提案され、胴部にコルゲート条を巻き回したインスタントラーメン用等のいわゆるコルゲートカップや、アルミニウム箔の層を有するヨーグルト用等の紙カップが用いられたりしている。なお、このアルミニウム箔の層を有する紙カップは、ポリエチレン押出ラミネート法などにより紙にアルミニウム箔を積層した積層物を紙を外面側としてカップ成形したものであり、通常、紙に美麗な印刷が施され、かつ紙とアルミニウム箔の両表面にポリエチレンが積層されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の食品等の販売用容器としての紙カップのうち、アルミニウム箔やバリアー性を有するプラスチックフィルムをラミネートしていないコルゲートカップはバリアー性が殆どなく、インスタントラーメンのような乾燥食品の収納には適しても、バリアー性を要求される食品類等の包装には全然使用出来ない。また、従来の食品等の販売用容器としての紙カップのうち、アルミニウム箔の層を有する紙カップは、バリアー性を有してはいるが、アルミニウム箔を含んでいるために完全焼却は不可能で廃棄公害を生ずるという問題がある。また、アルミニウム箔は比較的高価で、コスト高となるという問題もある。更に、この紙カップは全体に脆弱で、特に、底部２の周縁部３の折曲部３０（図１参照）近傍が脆弱であり、この折曲部３０の近傍に外力が加えられると胴部１の下方部が変形してしまう等の問題がある。また、アルミニウム箔は折目線の部分にクラックを生じ易く、折曲部３０近傍にクラックやピンホールを生じ易いという問題もある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記のような問題点を解決し、完全焼却が可能で、安価なバリアー性を有する紙カップを得るために、本考案はバリアー紙カップ容器を、胴部と底部とを、バリアー性を有するプラスチックスの層と紙の層とを有する積層物で形成したものとして構成した。

【０００５】

【作用】

この考案のバリアー紙カップ容器においては、バリアー性を有するプラスチックス層により十分なバリアー性が付与される。

【０００６】

【実施例】

図により本考案の一実施例を説明する。図１は本考案のバリアー紙カップ容器Ａの縦断面を示す。同図に明らかなように、バリアー紙カップ容器Ａは通常の紙カップと層構成以外は全く同じであり、扇形のブランク板を丸めてなる胴部１と、円形の底紙を底付けしてなる底部２とからなる。なお、本実施例においては、図２に示すように、胴部１の胴貼部４の内側端縁４０の肉厚の約半分を削り取り、残った約半分を折り返すいわゆるスカイブ加工を施して内側端縁４０の切断面、即ち紙等の切断面が容器内に露出しないようにしている。

【０００７】胴部１は、図３に示すように、外面側より内面側に向かって次の〜を順に積層したものからなる。厚さ２０μのポリエチレン１１、２８０ｇ／ｍ²の紙１２、厚さ２０μのポリエチレン１３、厚さ２０〜４０μのエチレン−ビニルアルコール共重合体１４、厚さ２０μのポリエチレン１５また、底部２は、図４に示すように、外面側より内面側に向かって次の〜を順に積層したものからなる。厚さ２０μのポリエチレン２１、２８０ｇ／ｍ²の紙２２、厚さ２０μのポリエチレン２３、厚さ２０〜４０μのエチレン−ビニルアルコール共重合体２４、厚さ２０μのポリエチレン２５、厚さ１０〜２０μのポリエステル２６厚さ２０μのポリエチレン２７胴部１のエチレン−ビニルアルコール共重合体１４と、底部２のエチレン −ビニルアルコール共重合体２４及びポリエステル２６は、バリアー性を付与するためのものである。また、底部２のポリエステル２６は底部２を補強する作用も奏する。

【０００８】本考案は上述の実施例に限定されるものではなく、例えば、次のようにしてもよい。（１）底部２の積層物を胴部１に用いてもよく、逆に、胴部１の積層物を底部２に用いてもよい。（２）エチレン−ビニルアルコール共重合体を塩化ビニリデン樹脂に替えてもよい。（３）エチレン−ビニルアルコール共重合体／ポリエチレン／ポリエステルを、塩化ビニリデン樹脂コートのポリエステルに替えてもよい。（４）エチレン−ビニルアルコール共重合体／ポリエチレン／ポリエステルのエチレン−ビニルアルコール共重合体とポリエステルとは、相互に入れ替えてもよい。（５）ポリエステルをポリアミドに替えてもよい。（６）胴部と底部の何れか一方又は双方の全部又は一部に、無機酸化物薄膜を設けてバリアー性を付与するとともに強度を付与してもよい。その一実施例として、図３の符号１４の層をポリエステルの基材にケイ素酸化物（SiＯ_x）薄膜を設けたものとし、胴部１のバリアー性を高めて容器全体のバリアー性の向上を図った紙カップ容器が上げられる。同実施例の紙カップ容器では、ポリエステルにケイ素酸化物（SiＯ_x）を蒸着したが、ケイ素酸化物（SiＯ_x）を蒸着する基材はポリエステルに限定されるものではなく、例えばポリビニルアルコール，ポリアミド，ポリプロピレン等が基材として上げられる。また、同実施例においては無機酸化物薄膜をケイ素酸化物（SiＯ_x）薄膜としたが、無機酸化物薄膜はケイ素酸化物（SiＯ_x）薄膜に限定されるものではなく、例えば酸化アルミニウム（Ａｌ₂Ｏ₃）薄膜等が無機酸化物薄膜として上げられる。（７）胴部及び底部を構成する各層の厚さは適宜に改変し得る。（８）スカイブ加工は行わなくてもよい。

【０００９】

【考案の効果】

本考案のバリアー紙カップ容器は前記のような構成を有するため、十分なバリアー性を有し、食品等の販売用容器としての機能を十二分に奏し得る。また、アルミニウム箔等の金属箔を含まないので完全焼却が可能であり、廃棄公害の問題を生じない。また、底部にポリエステルやケイ素酸化物（SiＯ_x）薄膜を蒸着したポリエステルの層を設ければ、底部に強度が付与され、底部の周縁部の折曲部近傍に外力が加えられても胴部の下方部が変形したりすることはない。また、底部の折曲部にクラックやピンホールを生ずることがない。また、胴部と底部の何れか一方又は双方の全部又は一部に、ポリエステル等の基材に無機酸化物薄膜を設ければ、バリアー性を高めるとともに強度を高めることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の縦断面図である。

【図２】同実施例の胴貼部の一部切欠拡大横断面図であ
る。

【図３】同実施例の胴部の一部切欠拡大断面図である。

【図４】図実施例の底部の一部切欠拡大断面図である。

【符号の説明】

１胴部２底部３周縁部４胴貼部１１ポリエチレン１２紙１３ポリエチレン１４エチレン−ビニルアルコール共重合体，ポリエス
テルにケイ素酸化物（SiＯ_x）薄膜を設けた層１５ポリエチレン２１ポリエチレン２２紙２３ポリエチレン２４エチレン−ビニルアルコール共重合体２５ポリエチレン２６ポリエステル２７ポリエチレン３０折曲部４０内側端縁

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】胴部と底部とを、バリアー性を有するプ
ラスチックスの層と紙の層とを有する積層物で形成した
ことを特徴とするバリアー紙カップ容器。
【請求項２】底部のバリアー性を有するプラスチック
スの層を強度を有するものとしたことを特徴とする請求
項１記載のバリアー紙カップ容器。
【請求項３】無機酸化物薄膜を有することを特徴とす
るバリアー紙カップ容器。