JPH0568415A - 水田作業機の施肥装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所期の深さの深層施肥を肥料詰まりの発生少
なく確実に行うことができるようにする。 【構成】 側条施肥機構３ａと深層施肥機構３ｂとを備
えるとともに、前記深層施肥機構３ｂを、ホッパー９か
ら繰り出された肥料ｍを下方に案内する前傾斜姿勢の筒
体１４に強制送り用の螺旋体１５を駆動回転可能に内装
したものに構成し、この筒体１４の下部を圃場Ｐに突入
配備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、田植え作業や湛水直播
作業などの水田作業と施肥作業とを同時に行えるよう構
成した水田作業機の施肥装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】水田作業機の代表である田植機に備えら
れる施肥装置としては、ホッパーから繰り出された肥料
を機体の進行に伴って作溝器で田面に形成した施肥溝に
落下供給する形態が一般化している。上記形態を採用し
た施肥装置は、植付けられた苗列（条）の側部に沿って
肥料を埋設してゆく、いわゆる側条施肥と称されるもの
であり、施肥深さは比較的浅いものである。上記側条施
肥は、苗の育成初期において効果を発揮する基肥を供給
するものであり、追肥作業は苗植付け後に散布形態で別
途行われている。この追肥作業は苗の成育した圃場に対
して行われるものであるために、苗を傷めないように充
分注意して作業者が圃場内に踏み込む必要があり、相当
の重労働であった。また、散布による追肥は圃場の表面
に肥料が供給されるので苗の根に吸収され難い面もあ
り、田植え作業と同時にこの追肥作業をも行えるように
する要望が高まっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】田植え作業と同時に行
う追肥は、植付けから相当日数を経過してから肥料の効
果が発揮されるようにする必要があることから、前記側
条施肥よりも深く施肥することが望ましい。この場合、
側条施肥と同じ形態で深層の施肥を行うとすると、作溝
器を田面に深く突入して深い施肥溝を形成して、繰り出
された肥料を施肥溝に落下案内することになるのである
が、深い施肥溝は概して崩れたり、溝底の泥土の盛り上
がりやすく、実質的な施肥深さが浅くなって所期の深層
施肥が行われなくなることが予想される。また、上記形
態での深層施肥では、ホース等を利用した肥料流下経路
が側条施肥に比較して長いものとなるので、この肥料流
下経路での肥料詰まりが発生しやすくなることも容易に
想像できる。本発明は、このような実情に着目してなさ
れたものであって、所期の深さの深層施肥を肥料詰まり
の発生少なく確実に行うことができるようにすることを
目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、側条施肥機構と深層施肥機構とを備える
とともに、前記深層施肥機構を、ホッパーから繰り出さ
れた肥料を下方に案内する前傾斜姿勢の筒体に強制送り
用の螺旋体を駆動回転可能に内装したものに構成し、こ
の筒体の下部を田面に突入配備した構成とした。

【０００５】

【作用】上記構成によると、圃場内に前傾斜姿勢で突入
された筒体は車体の前進に伴って圃場に施肥溝を形成す
るとともに、ホッパーから繰り出された肥料は螺旋体に
よる強制送り作用を受けて筒体下部に送られ、前記施肥
溝に供給されてゆく。この場合、筒体内面に肥料が付着
しかかっても螺旋体がこれを掻き取って下方に送るの
で、常に詰まりの無い状態での肥料供給が行われる。

【０００６】

【発明の効果】このように、本発明によると、肥料を筒
体内の螺旋体によって強制送りするので、肥料詰まりの
発生なく深い施肥溝にも円滑確実に肥料を送り込むこと
ができるようになった。

【０００７】

【実施例】図１に、水田作業機の一例である乗用型田植
機の後部が示されている。この田植機は、図外左方の乗
用走行車体に備えた昇降リンク機構１の後部に、複数条
植えの苗植付け装置２を連結するとともに、この苗植付
け装置２に施肥装置３を装備して構成されている。前記
苗植付け装置２は、走行車体から動力を受ける伝動ケー
ス４、伝動ケース４から後方に片持ち状に連設した植付
け用チェーンケース５、苗Ｎを載置して一定ストローク
で左右に往復移動する苗のせ台６、チェーンケース５後
部の左右に装備されて苗のせ台６下端より苗を切り出し
て田面に植え付ける植付け用回転ケース７、整地フロー
ト８、等を備えている。尚、図示されていないが、前記
回転ケース７の両端には夫々植付け爪が装着され、回転
ケース７の１回転で２株の植付けが行われるようになっ
ている。

【０００８】前記施肥装置３は、粒状の肥料を貯留する
ホッパー９、該ホッパー９から肥料を植付け作動と同期
して送り出す繰出し装置１０、繰出し装置１０からの肥
料ｍを図２に示すように、各植付け苗Ｗの横側近傍にお
いて圃場Ｐの浅い位置に供給する側条施肥機構３ａと、
繰出し装置１０からの肥料ｍを植付け条の間において圃
場Ｐの深い位置に供給する深層施肥機構３ｂとから構成
されている。側条施肥機構３ａは、各植付け苗Ｗの横側
近傍において圃場Ｐに浅い施肥溝を形成する溝切り板１
１および作溝器１２、前記繰出し装置１０からの肥料ｍ
を作溝器１２に流下案内する浅層施肥用のホース１３、
等からなり、深層施肥機構３ｂは、前記繰出し装置１０
からの肥料ｍが上端部に供給される筒体１４と、この筒
体１４内に沿って配備されて肥料ｍを強制的に下方に送
り出す螺旋体１５からなり、螺旋体１５は前記チェーン
ケース５の後部から動力取り出しケース１６を介して導
出された動力で駆動されるようになっている。前記筒体
１４は、その上部の基端を中心に人為的あるいはアクチ
ュエータを用いて上下揺動可能となっており、圃場Ｐの
所定深さまで前傾斜姿勢で突入する施肥作用レベルＬ₁
と、圃場Ｐから浮上した非作用レベルＬ₂ に高さ変更自
在である。

【０００９】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】乗用型田植機の後部を示す側面図

【図２】施肥状態を示す圃場の断面図

【符号の説明】

３ａ 側条施肥機構 ３ｂ 深層施肥機構 １４ 筒体 １５ 螺旋体 ｍ 肥料 Ｐ 圃場

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 側条施肥機構（３ａ）と深層施肥機構
   （３ｂ）とを備えるとともに、前記深層施肥機構（３
   ｂ）を、ホッパー（９）から繰り出された肥料（ｍ）を
   下方に案内する前傾斜姿勢の筒体（１４）に強制送り用
   の螺旋体（１５）を駆動回転可能に内装したものに構成
   し、この筒体（１４）の下部を圃場（Ｐ）に突入配備し
   てある水田作業機の施肥装置。