JP4993069B2 - 苗移植機 - Google Patents
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Description
請求項1記載の発明は、走行部(1a)と植付部(1b)を設けた苗移植機(1)において、前記植付部(1b)には苗を圃場に植え付ける苗植付け体(60)を設け、前記走行部(1a)には、前記苗植付け体(60)の苗移植機(1)の機体前進方向前方位置に、圃場面から前記機体下面までの高さを検出するセンサとしての機能を有する接地面(28a)を備えた上下動自在な接地体(28)と、該接地体(28)の下方に該接地体(28)と一体的に上下動可能であって、前記苗植付け体(60)が苗を植付ける際の圃場の位置を作溝する作溝体(70)とを設け、接地体(28)の、平面視でU型の形状である接地面(28a)に、作溝体(70)を一体に固着し、作溝体(70)の先端の溝切り部(70a)は、機体の進行で作溝体(70)を土中に潜らせる作用をするための潜入角θを有し、作溝体(70)の左右両側に接地面(28a)を配置したことを特徴とする苗移植機である。
また、作溝体(70)の左右両側の接地面28aで溝の両脇の圃場面を押さえ付けることで、作溝体70が潜り過ぎるのを抑え、さらに接地体28の接地面28aを平面視でU型の形状にしているので、作溝体70によって形成される溝の両側の山部を平らにできる。
図1には、本実施形態のねぎなどの移植用の苗移植機の全体構造図の側面図を示し、図2には、図1の平面図を示す。
この苗移植機1は、後輪2、2と前輪3、3を有する走行部1aによって圃場面に機体を進行させながら、苗供給装置4、苗植付装置5等からなる植付部1bでねぎのポット苗(イ)を圃場に植付ける構成となっている。作業者は、機体後方に設けた操縦ハンドル6で適宜機体を操向操作すると共に、植付作業時には機体側方を歩きながら苗供給装置4へ苗(イ)を補給する。以下、各部の構成について説明する。なお、苗移植機1の前進方向を前、後進方向を後といい、前進方向に向いて左側、右側をそれぞれ左、右という。
走行部ミッションケース7の前側にエンジン9が配置されており、エンジン9の左側面部には該エンジン9の動力で駆動する油圧ポンプ10が設けられている。また、エンジン9の上側には燃料タンク11等が設けられ、その上側をボンネット12が覆っている。走行部ミッションケース7の背面部に側面視長方形の左右に長い連結フレーム13が一体に設けられており、この連結フレーム13の背面右端部に走行部1aと操縦ハンドル6をつなぐメインフレーム14の前端部が固着連結されている。メインフレーム14は、植付部1bの平面視右側を通って後方に延び、途中で斜め上向きに湾曲し、そのまま植付部1bの後方位置まで延びている。そして、その後端部に操縦ハンドル6が固着して取り付けられている。
一対の前輪3、3は、エンジン9の下方の左右中央位置から左右に伸びる支持軸20に取り付けた前輪支持フレームの左右両側部の下方に延びるアーム部分の下端部側方に固定した車軸17に回転自在に取り付けている。アーム部分17aは機体に対する上下支持位置を変更可能な取付穴を有し、その上下支持位置を変えることで、前輪3の接地高さを調節できる。
連結フレーム13の上面に走行部ミッションケース7から伝動される植付部ミッションケース30の下部が固着され、該植付部ミッションケース30の上部に第一植付伝動ケース31の基部が固着され、更に該第一植付伝動ケース31の先端部に第二植付伝動ケース32の基部が固着されている。そして、第一植付伝動ケース31と第二植付伝動ケース32に後述する苗植付装置5の作動機構が連結されている。苗植付装置5の苗植付具60は、走行部1aよりも後側に位置している。また、植付部ミッションケース30に基部を固着した上部フレーム34に苗載台55が取り付けられ、苗供給装置4は苗載台55の後方に配置され、また苗供給装置4と苗載台55は苗植付具60の上方に位置するように配置されている。
図3に示すように、植付部ミッションケース30の入力軸30aは該ケース30の下端部から前方に突出しており、これを走行部ミッションケース7のPTO取出部7aに挿入することにより、該PTO取出部7a内の走行部側の軸(図示せず)に伝動連結するようになっている。また、植付部ミッションケース30は、前記連結フレーム13にボルト38、…によって着脱自在に取り付けられている。このため、ボルト38、…を外し、PTO取出部7aから入力軸30aを抜くことにより、走行部1aから植付部1bごと取り外すことができ、植付部1bのメンテナンスが容易に行える。
また、植付部ミッションケース30、第一植付伝動ケース31及び第二植付伝動ケース32を左右に振り分けて配置することにより、左右の重量バランスが良好となる。
苗植付装置5は、先端が下方に向かうくちばし状の前後苗植付け体からなる苗植付具60と、該苗植付具60の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに苗植付具60を上下動させるリンク機構45と、くちばし状の苗植付具60の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能とする閉状態と苗植付具60の下端部が前後に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能する開状態とに苗植付具60を開閉する開閉機構(図示せず)を備えている。
苗植付装置5は、苗植付具60を左右に設定間隔で複数体並べて配備した複数条植の構成としている。本例では、苗植付具60を左右に設定間隔で二体並べて配備した二条植えの構成としている。
人手により、苗載台55に載置されている育苗トレイのポット苗を各苗供給カップ40、…に補給する。移動機構61により苗の入った苗供給カップ40が苗供給位置まで回転移動すると、シャッタ(図示せず)が開き苗が苗植付装置5の苗植付具60の中に落下する。
揺動フレーム87は機体の右側に配置されているので、機体の左側を歩行する作業者がこの揺動フレーム87に接触することがなく、確実な鎮圧を行えると共に、機体の昇降を正確に行える。
本実施形態によれば、接地体28はメインフレーム14に取り付けアーム23(図1)を介して連結しており、圃場に接する接地面28aと接地面28aから立ち上がった立ち上がり部28b(これらを本体部分という)などからなり、圃場面に対する機体の高さを検出する上記感知リンク機構29を設けている。図4及び図5に示すように接地板28の上部右側の取付片28dの先端ピン28d1は、ロッド24の一端部に連結しており、ロッド24の他端部は油圧バルブユニット35に連結している。すなわちロッド24が接地板28の動きに連動して油圧バルブユニット35内の伝動機構を作動させて圃場から機体までの高さを検出する。また、接地板28の上部左側の取付片28cの回動中心部28c1に取り付けアーム23(図1)が取り付けられ、上述のようにメインフレーム14に連結している。そして、図5(a)に示す接地体28と図5(b)に示す作溝体70は、苗を植え付ける圃場の位置を作溝する作溝体70が接地体28と一体的に連動するように接地体28の接地面28aに溶接により両者が一体となるように固着されている。
接地板28が一枚の水平な板でしかない場合は、作溝体70によって掘った溝の土がそのまま残って接地板28の前方に溜まってしまうが、図4(b)に示すように、溝切り部70aにより圃場面を掘ると、矢印S方向に土(ロ)が流れ、接地面28a以外の部分に土を逃がして矢印R付近に土は溜まりにくくなる。
図6に示すように、植付け深さを検知する接地板28の接地面(センサー)28aを上向きに長くして、苗植付具60が苗の姿勢を矯正装置にする際に、跳ねる土が機体に当たらないようにすると良い。図6(a)に示すように、苗植付具60がカップから苗を植え付け、植え付けが終わると苗植付具60は上方に移動するが、そのときに土を矢印H方向に跳ね上げる。跳ね上げられた土は、接地面28aに当たって跳ね返され、機体内部には入り込まない。
図7の苗移植機1は、図1の苗移植機1に薬剤散布用のホッパ83を設けた点で相違するがその他の構成については、図1等で示す同一部材は同一符号を付して、その説明は省略する。
本構成を採用することにより、作溝体70で溝を形成させた後、該溝に薬剤を散布して苗を植え付けるという一連の操作が容易に行える。
また、図8(a)に示すように、接地体28の接地面28aを、作溝体70によって形成される溝を崩さないように平面視でU型の形状にしても良い。U型の形状とすれば、溝の両側の山部を平らにしながら圃場面を感知できる。以上は接地体28と作溝体70とが一体でない構成について説明したが、作溝体70と一体である接地体28を上述の構成としても良い。
図9に示すように、前輪3、3と後輪2、2の間に作溝体70を設けると、作溝体70が機体内に収まり、前輪3、3や後輪2、2よりも下方に突出する部分が少なくなる。したがって、作溝の際の溝切りによる舵取りの影響が少なく、機体が安定する。
本参考例では、あらかじめ作ってある畝溝Uに苗を植えていく場合の植付方式を示している。本参考例では作溝体を設けていない例を示しているが、この溝も前述のように作溝体により苗移植機1を走行させながら作溝しても良い。
左右一対のガイド輪8、8はガイド輪軸36bに支持されるが、ガイド輪軸36bには左右方向に複数の取付穴があり、ガイド輪8、8の取付位置を変更できる構成になっている。このようにガイド輪軸36bのガイド輪取付位置は左右方向に変更可能であるので、畝溝Uの幅に合わせてガイド輪軸36bの左右方向幅を調整して、ガイド輪8、8の左右側部を畝溝Uの傾斜面の下端部に当接させた状態で、機体を畝溝Uに沿って前方に案内することができる。機体前方に畝溝Uに沿って走れるように溝幅に合ったガイド輪8、8を設けると、後輪2が畝溝Uの上面を走行する構成でありながら、前輪3及びガイド輪8、8により、精度良く機体の進行方向を維持できる。
そして、図11に示すように、接地体28の接地幅を畝溝Uよりも狭い幅とし、畝溝U内の底面に確実に接地体28が接地面が接地できるようにすると溝底面から機体までの正確な高さが分かる。
図12のローラ形状のセンサー73はローラ73aの回転する外周部に接するようにスクレーパー73bを設けると、ローラ73aの前方に土が溜まらないように後方に払い落とすことができる。ローラ73aの取付けステー73cは、ローラ73aとの間に空間Mがあるため、土が前記空間Mに溜まりにくい。以上は作溝体を設けていない場合について説明したが、作溝体を設け、図1に示す作溝体70と一体である接地体28を上述の構成としても良い。
そして、図13に示すように、苗植付具60の仕切り板77の反対側のカップの膨らみ部分60bの膨らみを厚くして、その厚みを利用することで溝を形成させている。図13では、圃場面が平らな場合を示しており、このように苗の植付穴の外周に形成される溝を苗植付具60によって形成させることができる。カップ状の苗植付具60は図10の一点鎖線Xに示す軌跡で動くが、その下死点近傍で開いて中の苗が畝溝に植え付けられる際に、カップの下部中間付近から厚くすることで、カップが土に入って開くとカップが位置する部分の土が押しのけられて溝が出来る。したがって、作溝体70により溝を形成しなくても、溝植した状態になる。また、深い溝を形成させる必要のない浅植えの苗の対応も可能である。また、カップの内側は通常の太さ・形状であるから苗の植付け姿勢は変わらない。
図14に示す苗移植機1には、機体前方にタイヤを設けて苗を植え付ける際の溝を作るガイド輪50としている。ガイド輪50のタイヤの幅は植え付ける条間よりも広くすると、2条の植付位置を確実に整地できる。そして、そのタイヤの形状を図14の丸枠部分の正面図に示すようにソロバン玉のような形状にする事で崩れにくい台形形状になる。また、溝の側面が押し固められやすく、溝が崩れにくくなる。
図16に示す苗移植機1には、機体の前方中央付近に作溝体65を設けている。すなわち、図1に示す苗移植機1のように、作溝体65を用いて圃場面に溝を付け、その溝に苗を植える構成である。図17に示すように、作溝体65は前方に突出した三角形状であり、機体が前進すると、矢印W方向に土を左右に寄せて溝を形成する。
2 後輪 3 前輪
4 苗供給装置 5 苗植付装置
6 操縦ハンドル 6a グリップ
7 走行部ミッションケース 8 ガイド輪
9 エンジン 10 油圧ポンプ
11 燃料タンク 12 ボンネット
13 連結フレーム 14 メインフレーム
15 回動筒部 16 走行伝動(チェーン)ケース
17 車軸 17a アーム部
18 車軸 19 軸
20 支持軸 22 天秤杆
23 取り付けアーム 24 ロッド
25 スイングアーム 26 連結ロッド
27 ローリングシリンダ 28 接地体
28a 接地面 28b 立ち上がり部
28c 上部左側の取付片 28d 上部右側の取付片支点
28c1 回動中心部 28d1 先端ピン
29 感知リンク機構 30 植付部ミッションケース
30a 入力軸 31 第一植付伝動ケース
32 第二植付伝動ケース 34 上部フレーム
35 油圧バルブユニット 36a 支持軸
36b ガイド輪軸 38 ボルト
39 取付部材 39a 取付部材円筒部
40 苗供給カップ 42 スプロケット
42a 回転軸 43a 自在継ぎ手
43b 伝動軸 45 リンク機構
46 昇降アーム 50 ガイド輪
51 支持部材 51a 穴
52 車軸 53 スプリング
54 機体取付部 54a 回動支点
55 苗載台 57 機体取付部
58 機体取付部 60 苗植付具
60a 植付体 60b カップの膨らみ部分
61 移動機構 65 作溝体
67 支持軸 68 支持部材
70 作溝体 70a 溝切り部
73 ローラセンサ 73a ローラ
73b スクレーパ 73c 取付けステー
77 仕切板 79 屋根
80 鎮圧輪 81 重り
83 ホッパ 84 排出ホース
84a 排出口 85 フィーダ
87 揺動フレーム 88 伝導軸
90 鎮圧輪固定レバー 92 ロッド
100 サイドクラッチレバー 101 操作パネル
102 植付昇降レバー 103 メインクラッチレバー
Claims (1)
- 走行部(1a)と植付部(1b)を設けた苗移植機(1)において、
前記植付部(1b)には苗を圃場に植え付ける苗植付け体(60)を設け、
前記走行部(1a)には、前記苗植付け体(60)の苗移植機(1)の機体前進方向前方位置に、圃場面から前記機体下面までの高さを検出するセンサとしての機能を有する接地面(28a)を備えた上下動自在な接地体(28)と、該接地体(28)の下方に該接地体(28)と一体的に上下動可能であって、前記苗植付け体(60)が苗を植付ける際の圃場の位置を作溝する作溝体(70)とを設け、
接地体(28)の、平面視でU型の形状である接地面(28a)に、作溝体(70)を一体に固着し、
作溝体(70)の先端の溝切り部(70a)は、機体の進行で作溝体(70)を土中に潜らせる作用をするための潜入角θを有し、作溝体(70)の左右両側に接地面(28a)を配置した
ことを特徴とする苗移植機。
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