本発明の実施の一形態を2条植え苗植機で以下に説明する。尚、以下の説明では、操縦ハンドル8を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン6を配置した側を前とする。そして、機体後部において機体前部側に向って立つ作業者の右手側を右とし、左手側を左とする。
車体2は、主フレーム2aの前部にエンジン6、及びミッションケース7を配置して、主フレーム2aの後端部に操縦ハンドル8を設け、このミッションケース7の両側に張出す左右アクスルハウジング9周りに回動する回動筒部9aに各々上下揺動する左右クローラフレーム1を設け、このクローラフレーム1に軸装した駆動輪1aと後部従動輪1b間にクローラ10を装着して、これら左右クローラ10と、車体2前端部に設けた前輪軸12に軸装した左右の前輪13とで構成した走行装置によって走行する構成にしている。尚、エンジン6の左側面部には該エンジン6の動力で駆動する油圧ポンプ6aが設けられている。また、エンジン6の上側には燃料タンク6bが設けられ、その上部をボンネット6cが覆っている。
ミッションケース7の左右両側には、左右減速ケース7L・7Rの前部が固着され、左右減速ケース7L・7Rの後部はミッションケース7の後部よりも後方に突出しており(または、ミッションケース7よりも下方に突出しており)、左右減速ケース7L・7Rの該突出端部間は連結ケース7aにて連結固着されている。従って、ミッションケース7と左右減速ケース7L・7Rと連結ケース7aで枠組みのフレーム構成となっており、ミッションケース7部の強度が向上して、頑強な走行部のフレーム構成となり、走行安定性が向上する。
ミッションケース7の左右両側部から突出した左右駆動軸7bの先端は、左右駆動輪1aを各々駆動する左右伝達軸7c内側端部内に自由回転自在に挿入した構造になっており、左右駆動軸7bの先端には各々左右第1駆動スプロケット7dが一体回転するように装着されている。
一方、左右減速ケース7L・7Rの突出端部には、各々左右従動軸7eが装着されている。そして、該左右従動軸7eには、第1従動スプロケット7fと第2駆動スプロケット7gが一体回転する状態で装着されている。
また、前記左右伝達軸7c内側端部には、各々左右第2従動スプロケット7hが一体回転する状態で装着されている。
そして、左右第1駆動スプロケット7dと左右第1従動スプロケット7fに各々左右第1伝動チェン7iが掛け回され、左右第2駆動スプロケット7gと左右第2従動スプロケット7hに各々左右第2伝動チェン7jが掛け回されている。
また、左右第1駆動スプロケット7dと左右第2駆動スプロケット7gは同数の歯数を有し、左右第1従動スプロケット7fと左右第2従動スプロケット7hは同数の歯数を有している。そして、左右第1駆動スプロケット7d及び左右第2駆動スプロケット7gの歯数は、左右第1従動スプロケット7fと左右第2従動スプロケット7hの歯数の2倍になっている。
従って、左右駆動軸7bの駆動回転数は、左右減速ケース7L・7R内で1/4に減速されて左右伝達軸7cに各々伝達される構成となっている。
また、左右減速ケース7L・7Rの各外側壁には、前記左右回動筒部9aを回動自在に支持する左右支持フレーム7kの基部が固着されている。
車体2には機体に対し左右のクローラ10を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、ミッションケース7の上に配置した油圧バルブユニットBUから後方に向けて昇降アクチュエータとしての昇降油圧シリンダ15が設けられ、該昇降油圧シリンダ15のピストンロッドの先端部に機体左右方向に長いアームとしての連動アーム16が上下方向の軸まわりに回動自在に取り付けられている。連動アーム16の左右両端部と、回動筒部9aに固着した左右ハウジングアーム14とが、連結体としての左右ロッド18を介して連結されている。左側の左ロッド18は、ローリングアクチュエータとしてのローリングシリンダ17が組み込まれており、該ローリングシリンダ17を伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。
昇降油圧シリンダ15及びローリングシリンダ17は、各々前記油圧ポンプ6aから供給される作動油を油圧バルブユニットBU内の昇降制御バルブ49とローリング制御バルブ48とで制御して作動させられる。昇降油圧シリンダ15を伸縮作動させると、左右クローラ10が同方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ17を伸縮作動させると、左クローラ10が機体に対し上下動し、機体が左右に傾斜する。
5は畝上面を検出する昇降センサであって、該昇降センサ5が上下回動すると、その回動を連結ロッド5dにて昇降制御バルブ49に伝え、昇降センサ5の角度が元に戻る方向に昇降油圧シリンダ15を作動させる(昇降制御)。これにより、畝の上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御し、畝の高さ変更に係わらず常に苗の植付深さが一定になるように制御され、植付後の苗の成育が良い。
なお、油圧バルブユニットBU内のローリング制御バルブ48は後述の左右鎮圧輪4の相対高さの変動による畝A上面の左右傾斜検出に連動して切り替わるようになっており、機体が左右に傾斜するとローリングシリンダ17が適宜作動し、機体を左右水平に戻すように制御する。
一方のハウジングアーム14と連動アーム16の側端部との間を連結する一側部の前記ローリングシリンダ17の伸縮によって、この側のクローラ10を、他側部の前記ロッド18によって連結された側のクローラ10に対して昇降させて、車体2をローリングさせて、車体2の左右傾斜を水平にしたり、土壌面に対して平行状にしたりすることができ、車体2の左右傾斜姿勢を制御することができる。そして、このようなローリング制御は、苗植位置の植付けた苗に対して左右側部から鎮圧作用を行なう鎮圧輪4によって左右傾斜状態を検出して行うものである。
即ち、車体2に対して左右クローラフレーム1を上下揺動可能に設けた苗植機において、機体左右方向に2つ並列して左右苗植付具Uを配置し、該左右苗植付具U各々の左右苗植付ホッパー3による左右各苗植付位置を鎮圧する左右鎮圧輪4の上下揺動によってローリング制御する構成である。苗植付ホッパー3の昇降によって圃場に植付けた苗の左右側方を鎮圧輪4によって鎮圧し、苗植付姿勢を安定した状態とする。このとき、左右の苗植付位置を各々鎮圧する左右鎮圧輪4を、苗植付土壌面の左右傾斜を検出するセンサとして機能する構成にしている。左右の各鎮圧輪4は、左右の苗植位置毎に独立的に上下揺動して、この揺動位置の高さの差異によって植付土壌面の左右傾斜を検出して、これらの土壌面の傾斜検出によって前記一方のクローラフレーム1を上下に揺動させて、車体2を土壌面と左右平行状に維持するようにローリング制御する。
また、前記左右クローラフレーム1の非苗植位置への揺動(左右クローラ10を最下動させて機体を最も上昇させた状態)によって、左右両鎮圧輪4を非接地高さへ上昇するように連動構成している。即ち、機体を高く上昇させるときは、左右クローラフレーム1を最下動させて車体2を非苗植姿勢に上昇させ、左右鎮圧輪4が非作用姿勢位置へ連動して上昇され、車体2の走行旋回の邪魔にならない状態となり、容易に機体の旋回が行える。
また、操縦ハンドル8の基部には操作パネル8aが設けられ、該操作パネル8aに、昇降制御バルブ49を手動操作して機体を手動にて上下動させると共に植付部の駆動を止める植付昇降レバー8bとメインクラッチの入・切操作をするメインクラッチレバー8cが設けられている。
前記苗植付ホッパー3は、左右一定間隔位置に配置の2条植え構成として、左右クローラ10間の後側幅内に配置している。車体2の後部には、ターンテーブル構成に複数の苗カップ19を連接して回転搬送する苗供給装置20を設け、この苗供給装置20の機体後側の下側に苗植付ホッパー3を左右に2つ配置している。この苗カップ19を左右方向へ回転することによって、車体2上部の補助苗受台21に予め搭載されている苗トレイから苗を取出しながら各苗カップ19へ供給する。この各苗カップ19が回転して苗植付ホッパー3の上側に位置したときは、カップ底部のシャッタが開かれて、収容していた苗を下側の苗植付ホッパー3に落下供給する構成である。
この苗植付ホッパー3は、フレーム部としての苗植ブラケット22に対して左右へ開閉回動可能に設けられて、上側に前記苗カップ19から供給される苗を落下案内する苗ガイド23を有し、苗植伝動ケース24に基部が装着された昇降リンク装置としての平行リンクアーム25、26を介して昇降駆動する構成としている。前記苗植伝動ケース24は車体2フレーム部に固着して、前記ミッションケース7部から伝動構成される。この伝動機構の一部によって回転されるクランクアーム軸27によってロッド28を介して上側のリンクアーム25が昇降回動されて、苗植付ホッパー3を上下方向に軌跡Pにて植付作動する。
左右苗植付ホッパー3は、嘴状の形状をしており、その上部が各々前記苗植ブラケット22に機体前後方向の左右回動支持軸3aで枢支されており、その下端が機体左右方向に開閉自在に設けられている。そして、左右苗植付ホッパー3間には引張バネ3bが設けられており、該引張バネ3bの引き力にて左右苗植付ホッパー3は閉じた状態に保持されている。
一方、左右苗植付ホッパー3各々の上端から上方に向けて左右開閉アーム3cが延設されており、該左開閉アーム3cの上部に操作ワイヤ31のアウターワイヤを連結し、右開閉アーム3cの上部に操作ワイヤ31のインナーワイヤを連結して、前記下側のリンクアーム26の基端部に形成のアーム30との間を操作ワイヤ31で連結して、左右苗植付ホッパー3の昇降に伴って、この左右苗植付ホッパー3を開閉する。即ち、前記クランクアーム軸27の回転によって左右苗植付ホッパー3を略楕円形状の植付軌跡Pを描いて昇降させると共に、この上死点直前位置から下降する行程ではこの左右苗植付ホッパー3を閉鎖状態とし、最下降位置で操作ワイヤ31のインナーワイヤがアーム30によって引かれて左右開閉アーム3cが互いに近づく方向に作動して左右苗植付ホッパー3を開き上昇行程の最上昇位置手前まで開いたままである。
次に、左右苗植付ホッパー3の外側面に付着した泥土やごみを掻き落とす清掃装置としてのスクレーパ装置70について説明する。
苗植ブラケット22の前面側中央部にコ字状のスライド案内体71をボルトにて固定している。そして、上下作動体としての丸棒からなる杆体72が、該スライド案内体71に設けた上下貫通孔71aを上下方向にスライド自在に設けており、該杆体72の上部には連結ワイヤ73の下端を装着し、該連結ワイヤ73の上端は機体(苗供給装置20の機枠部)に固着されている。そして、杆体72の下端部に固着した支持板74と前記スライド案内体71の間で杆体72の外周には、杆体72を下動させる方向に付勢する弾性体としての圧縮バネ75が装着されている。
また、杆体72下端部の支持板74には、左右清掃具としての左右スクレーパ76の基部が回動自在に各々左右回動支持軸69に装着されており、且つ、左右スクレーパ76間には引張バネ77が装着され、左右スクレーパ76の各々先端に設けられた左右スクレーパ体78が左右苗植付ホッパー3の外側面に接当する構成となっている。
そして、左右スクレーパ体78は、左右スクレーパ76各々の先端部にく字状板体の取付け部材79中央部を溶接固着し、該取付け部材79にゴム材よりなる弾性スクレーパ部材80が装着されている。該弾性スクレーパ部材80は、取付け部材79から上部に突出した上部突出部80aの方が取付け部材79から下部に突出した下部突出部80bの長さよりも長く設定してあり、且つ、上部突出部80aの苗植付ホッパー3外側面に接当する上端は側面視で緩やかな円弧形状をしており、下部突出部80bの苗植付ホッパー3外側面に接当する下端は側面視でV字状に切り込まれたような形状をしている。
一方、杆体72上部の連結ワイヤ73下端を装着した部位にストッパ体81が固着されており、左右開閉アーム3cの上部には両者が近づいて左右苗植付ホッパー3が開いた時に前記ストッパ体81の下面に接当して杆体72の下動方向の動きを規制する接当部3c’が設けられている。よって、左右苗植付ホッパー3が開いた状態から閉じた時には、左右開閉アーム3c上部の接当部3c’がストッパ体81の下面から外れて、杆体72は圧縮バネ75の付勢力にて下動して杆体72に下端部に装着された左右スクレーパ体78が左右苗植付ホッパー3の外側面に付着した泥土やごみを掻き落とす。
ここで、スクレーパ装置70の作動及び作用について説明する。
左右苗植付ホッパー3がその作動軌跡Pの最下端位置近くまで下動してくると、杆体72は連結ワイヤ73にて上方に引かれて上動し図5に示す位置に左右スクレーパ76は上動してくる。
そして、作動軌跡Pの最下端位置で左右苗植付ホッパー3は、操作ワイヤ31のインナーワイヤがアーム30によって引かれて左右開閉アーム3cが互いに近づく方向に作動して圃場に突入した状態で左右方向に開いて苗を畝Aに植え付ける。この時、杆体72は最も上動した位置にあり、杆体72上部のストッパ体81の下面に左右開閉アーム3cの接当部3c’が接当して杆体72の下動方向の動きを規制する(止める)。
その後、左右苗植付ホッパー3は開いたまま作動軌跡Pの最上動位置近くまで移動した時に、操作ワイヤ31のインナーワイヤがアーム30によって引かれなくなって左右開閉アーム3cが互いに離れる方向に作動して左右苗植付ホッパー3は閉じる。そして、杆体72上部のストッパ体81の下面から左右開閉アーム3cの接当部3c’が外れるので、杆体72は圧縮バネ75の付勢力により速い速度で下動し、杆体72に下端部に装着された左右スクレーパ体78の弾性スクレーパ部材80の取付け部材79から下部に突出した下部突出部80bが左右苗植付ホッパー3の外側面に付着した泥土やごみを掻き落とす。この時、下部突出部80bの突出長さは短くてあまり撓むことなく左右苗植付ホッパー3外側面に強く接当し、且つ、下部突出部80bの下端は側面視でV字状に切り込まれたような形状をしているので、下端が尖った形状の左右苗植付ホッパー3の外側面に適確に沿って下動するので、泥土やごみを適確に掻き落とすことができる。また、左右スクレーパ体78は、図7に示すように、その弾性スクレーパ部材80の取付け部材79から上部に突出した上部突出部80aが左右苗植付ホッパー3に接当した位置まで下動する。
そして、左右苗植付ホッパー3が最上昇位置で苗を苗供給装置20の苗カップ19から受け取って下動するにつれて、杆体72は連結ワイヤ73にて上方に引かれて上動するので、図5に示す位置まで左右スクレーパ76は上動し、左右スクレーパ体78の弾性スクレーパ部材80の取付け部材79から上部に突出した上部突出部80aが左右苗植付ホッパー3の外側面に付着した泥土やごみを掻き落とす。この時、上部突出部80aの突出長さは長くてよく撓み、且つ、上部突出部80aの上端は側面視で緩やかな円弧形状をしているので、上部が太い筒状の形状の左右苗植付ホッパー3の外側面に沿って広く接当して上動し、泥土やごみを適確に掻き落とすことができる。
左右苗植付ホッパー3の後方には、各々、これら左右苗植付ホッパー3によって土壌面(畝)Aに植付けられた苗の左右側方を鎮圧及び覆土する左右鎮圧輪4を設ける。この鎮圧輪4は、各苗植付位置に対して左右一対の、左右対称状構成とし、支軸32の周りに回転自在に構成して、前側及び上側を左右に開くように傾斜させた構成としている。前記車体2には座席33や、ステップ34等を配置して、作業者が搭乗して補助苗受台21の苗を苗供給装置20の苗カップ19へ補給することができる構成としている。尚、鎮圧輪4の前側の開き角度がボルト4aを緩めて調節できる構成としており、圃場条件や苗条件に応じて、鎮圧輪4の圃場に植付けた苗に対する土寄せ量を変更できるようにして、圃場の条件や色々な苗に対応できるようにしている。
次に、左右鎮圧輪4の装着構成及び作用について説明する。
前記車体2の後部に左右取付ブラケット38によって取付ける鎮圧フレーム39に、横方向に沿って外周面が正六角軸で内部に円形状の貫通孔を形成した左右一対の左右鎮圧アーム軸40L・40Rを、内側端を向かい合わせた状態で断面が円形状の回動軸40aに回動自在に設けている。そして、左右鎮圧輪4は、この左右鎮圧アーム軸40L・40Rに各々正六角穴で嵌合した左右アームボス42に前端を溶接固定した左右鎮圧アーム41の後端に設けている。この左右アームボス42を左右セットボルト43の締め付けによって、横軸方向へ移動固定可能に設け、左右鎮圧輪4の鎮圧位置を左右に移動調節することができる。また、左右鎮圧輪4は、上記の構成により各々独立して上下動できる。尚、左右鎮圧アーム軸40L・40Rの内側端を向かい合わせた位置には座金40bを回動軸40aに回動自在に設け、左右鎮圧アーム軸40L・40Rが互いに干渉しないで回動できる構成としている。また、回動軸40aは、鎮圧フレーム39の左右両端部に設けた前記左右取付ブラケット38を下方に延設した左右支持アーム38aにて支持架設して固定している。
左右鎮圧アーム41の後端部を各々背面視で門形状のリヤフレーム44に形成して、このリヤフレーム44の左右両側部に左右一対の鎮圧輪4を配置して、支軸32で回転自在に支持している。このリヤフレーム44は、畝Aに植付けた苗の上部を左右にまたいで前進方向へ移動することができる構成となっている。又、このリヤフレーム44上には支持アーム46によって、複数個のバランスウエイト45を嵌合支持して、バランスウエイト45の装着数を変えて鎮圧圧力を調整できる構成としている。
また、鎮圧アーム41は、前側の基端側アーム41aと後側の主アーム41bとで構成されており、基端側アーム41aの後端部に溶接固着した前支持フランジ41a’と後側の主アーム41bの前端部に溶接固着した後支持フランジ41b’に各々設けた縦長の長孔41cを貫通して設けた固定用ボルト及びナット41dで、前支持フランジ41a’と後支持フランジ41b’を固定して、基端側アーム41aと主アーム41bが一体で作動する構成となっている。従って、固定用ボルト及びナット41dを緩めて、基端側アーム41aに対して主アーム41bの上下位置を調節できる構成となっている。
即ち、前支持フランジ41a’に対して後支持フランジ41b’を下げた位置で固定用ボルト及びナット41dを締付ければ、基端側アーム41aに対して主アーム41bは下がった位置となり、鎮圧アーム41後部に設けた鎮圧輪4は下降した位置で畝A上面に接地する状態となる。逆に、前支持フランジ41a’に対して後支持フランジ41b’を上げた位置で固定用ボルト及びナット41dを締付ければ、基端側アーム41aに対して主アーム41bは上がった位置となり、鎮圧アーム41後部に設けた鎮圧輪4は上動した位置で畝A上面に接地する状態となる。
従って、昇降センサ5の基準位置を変更して苗の植付け深さを変えた場合に、その植付け深さ変更に応じて左右の鎮圧輪4を上下に位置調節することができて、適切な鎮圧作用が行えて苗の植付け姿勢が良くなり、適正な苗の移植作業が行える。
また、左右クローラ10及び左右前輪13が2つの畝Aを跨いで走行して、各畝Aに1条ずつ苗の植付けを行なう場合に、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合、各々の畝Aの高さに合わせて左右の鎮圧輪4を上下に位置調節すると、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合でも、各畝Aに植付けた苗に対して各々適切な鎮圧作用が行えて苗の植付け姿勢が良くなり、適正な苗の移植作業が行える。更に、この実施例では左右鎮圧輪4の接地高さの差で機体をローリング制御する構成であるが、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合、各々の畝Aの高さに合わせて左右の鎮圧輪4を上下に位置調節すると、ローリング制御のローリング基準を同時に変更して跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる状態の基準に変更されることとなり、圃場全体が機体左右方向で傾斜している時に、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる状態の基準で機体のローリング制御が行われて、高さが各々異なる2つの畝Aの両方に適切な苗の植付け深さで適正に苗を移植することができる。
上記のようにして左右鎮圧輪4の左右上下支持装置Sが構成されている。
尚、左右アームボス42を各々左右鎮圧アーム軸40L・40Rに固定する左右セットボルト43をグリスニップルが一体に装備されたボルトにすると、左右アームボス42と左右鎮圧アーム軸40L・40Rとの間にグリスを容易に装填することができ、条間調節時の左右鎮圧輪4の左右移動が容易に行える。
前記左右各鎮圧アーム軸40L・40Rの外端部(左右支持アーム38aの外側に延設した部位)には各々一体回動する左右センサアーム47を設け、各センサアーム47の上端部は各々が平行状になるように構成されており、一方のセンサアーム47にローリング制御バルブ48を切替え作動させるセンサワイヤ50のアウターワイヤ受け50aを装着し、他方のセンサアーム47にセンサワイヤ50のインナーワイヤ受け50bを装着している。従って、左右鎮圧輪4が同方向に上下動する時は、各センサアーム47の上端部間隔が変化しないので、センサワイヤ50はローリング制御バルブ48を切替え作動しない。
また、左右の畝A上面の高さが異なって左右鎮圧輪40の上下移動量が異なる場合には、各センサアーム47の上端部間隔が変化するので、センサワイヤ50はローリング制御バルブ48を切替え作動する。例えば、右鎮圧輪4が左鎮圧輪4の位置よりも上動した場合(畝Aは機体左右方向で右側が高い場合)には、各センサアーム47の上端部間隔が狭まり、センサワイヤ50のインナーワイヤが押されてローリング制御バルブ48を切替え作動して、ローリングシリンダ17を縮小作動させ、左クローラ10を下動させて機体が畝に機体左右方向で平行になるようにローリング制御する。逆に、左鎮圧輪4が右鎮圧輪4の位置よりも上動した場合(畝Aは機体左右方向で左側が高い場合)には、各センサアーム47の上端部間隔が広がり、センサワイヤ50のインナーワイヤが引かれてローリング制御バルブ48を切替え作動して、ローリングシリンダ17を伸ばす方向に作動させ、左クローラ10を上動させて機体が畝に機体左右方向で平行になるようにローリング制御する。
また、各センサアーム47の平行状に設けられた上端部には、各々上下方向の長穴47aが各々設けられており、該各長穴47aに各々上記のアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bが上下方向に移動調節自在且つ締め付けボルト50cにて位置固定自在に設けられている。
従って、締め付けボルト50cを緩めて、各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47の下方向に移動させて固定すると、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化に対して、インナーワイヤの押し引き量が少なくなるので(各センサアーム47の回動支点とアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bとの距離KLが短くなり、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が大きくてもインナーワイヤの押し引き量は小さくなるので)、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が大きくないとローリング制御が作動しないような鈍感なローリング制御状態となり、逆に、締め付けボルト50cを緩めて、各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47の上方向に移動させて固定すると、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化に対して、インナーワイヤの押し引き量が多くなるので(各センサアーム47の回動支点とアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bとの距離KLが長くなり、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が小さくてもインナーワイヤの押し引き量は大きくなるので)、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が小さくてもローリング制御が作動するような敏感なローリング制御状態となる。よって、センサワイヤ50を各センサアーム47から外すことなく、単に各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47上にスライド移動させるだけで簡単にローリング制御の感度調節を行うことができる。尚、各センサアーム47には、感度調節位置を示すマークMが刻印されている。
尚、アウターワイヤ受け50aにはインナーワイヤの張り方向に沿って凹み部50a’が設けてあり、該凹み部50a’にインナーワイヤ受け50bの係合片部50b’が嵌り込んだ状態となっており、左右鎮圧輪4の上下作動量が大きく変動しても、インナーワイヤ受け50bの係合片部50b’がアウターワイヤ受け50aの凹み部50a’の前後端に接当して、各センサアーム47の平行状に設けられた上端部の開き量は規制された構成となっている。即ち、各センサアーム47は、ローリング制御検出に必要な量だけ作動する構成となっている(各センサアーム47が大きく開いて、インナーワイヤを切ってしまうような事態を回避できる)。
上記のように鎮圧フレーム39の左右外側に設けた左右支持アーム38aの内側に左右鎮圧アーム軸40L・40Rを設けて、この左右鎮圧アーム軸40L・40Rに各々嵌合した左右アームボス42に前端を溶接固定した左右鎮圧アーム41の後端に左右鎮圧輪4を設け、この左右アームボス42を左右セットボルト43の締め付けによって、横軸方向へ移動固定可能に設けて、左右鎮圧輪4の鎮圧位置を左右に移動調節することができる構成とし、且つ、左右センサアーム47を左右鎮圧アーム軸40L・40Rの外側端に配置させた構成としたので、左右鎮圧輪4を鎮圧フレーム39の幅内で大きく左右移動調節することができ、条間調節の領域が広がり、色々な畝や色々な苗に対応して苗植付作業が行える。即ち、多様な圃場条件や苗条件に応じた苗植付作業が行える。
また、左右センサアーム47を上方に向けて設けその上端部は各々が平行状になるように構成し、一方のセンサアーム47にローリング制御バルブ48を切替え作動させるセンサワイヤ50のアウターワイヤ受け50aを装着し、他方のセンサアーム47にセンサワイヤ50のインナーワイヤ受け50bを装着してローリング制御バルブ48を切替え作動する構成とし、この左右センサアーム47とセンサワイヤ50の連結部を鎮圧フレーム39の左右中央位置で主フレーム2aの上方位置としたので、左右傾斜を検出する部位の前後長さを短く構成できて機体をコンパクトで簡潔な構成とすることができ、且つ、主フレーム2aが左右センサアーム47とセンサワイヤ50の連結部を保護する作用をし、機体の左右ローリング制御が適切に行える。
また、センサワイヤ50の中途部には、インナーワイヤ50dに対するアウターワイヤ50eの位置を変更して、左右鎮圧輪4の相対上下高さ変動によってローリング制御バルブ48を切替えてローリング制御するローリング制御基準を変更するローリング制御変更操作具50fを設けている。よって、ローリング制御変更操作具50fを機体の左右方向である矢印チ−リ方向に操作してガイド50gにて係止すると、操作した側にローリング制御の基準が移動し(ローリング制御バルブ48の中立位置が移動し)、即ち、左矢印チ方向に操作すると機体の左傾斜を補正するローリング制御が敏感となり、逆に、左矢印リ方向に操作すると機体の右傾斜を補正するローリング制御が敏感となる。
そして、このローリング制御変更操作具50fは、作業者が着座する座席33の後方で苗供給装置20前側の座席側に設けられているので、作業者は苗供給装置20に苗供給作業をしながら容易に圃場条件に応じてローリング制御変更操作具50fを操作してローリング制御基準を変更することができ、適正な苗の移植作業が行えると共に作業性及び作業効率が良い。
一方、昇降油圧シリンダ15を伸縮することによって左右両クローラ10を車体2に対して同時に昇降させる昇降制御は、機体と圃場面(畝A上面)との間隔を検出する昇降センサ5の検出により、昇降制御バルブ49を切替えて行う。
即ち、鎮圧フレーム39の前部に溶接固定した支持アーム39aの先端に昇降センサ支持板5aを機体左右方向に設けた支持軸5bにて回動自在に支持し、該昇降センサ支持板5aの右側に昇降センサ5をボルト5cにて左右位置調節自在に設けている。そして、昇降センサ5の圃場面(畝A面)の高さ変動検出にて、支持軸5b回りに昇降センサ支持板5aが回動すると、その回動を連結ロッド5dを介して昇降制御バルブ49が切替え作動する構成となっている。
即ち、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が圃場面(畝A面)と接地しており、圃場面(畝A面)が高くなると、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が上動して、昇降センサ支持板5aを支持軸5b回りにイ方向に回動させ、連結ロッド5dを押して昇降制御バルブ49を切替え作動し、昇降油圧シリンダ15を伸びる方向に作動させて左右クローラ10を下動させて、機体と圃場面(畝A面)との間隔が適切な位置になるように昇降制御する。逆に、圃場面(畝A面)が低くなると、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が下動して、昇降センサ支持板5aを支持軸5b回りに反イ方向に回動させ、連結ロッド5dを引いて昇降制御バルブ49を切替え作動し、昇降油圧シリンダ15を縮小する方向に作動させて左右クローラ10を上動させて、機体と圃場面(畝A面)との間隔が適切な位置になるように昇降制御する。
そして、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’は、右鎮圧輪4の前方に位置するように左右位置調節して設け、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が接地する圃場面(畝A面)に右苗植付ホッパー3が苗を植付け、その後を右鎮圧輪4が鎮圧作用する。
また、昇降センサ5を機体の左右方向で右側(右苗植付ホッパー3が苗を植付ける位置の前方及び右鎮圧輪4の前方)に位置させた理由は、前記ローリングシリンダ17を機体の左側に配置して左クローラ10を上下動させて機体のローリング制御を行う構成としたので、該ローリングシリンダ17を配置した側と機体左右方向で反対側の右側(機体のローリング制御で上下動する左クローラ10と機体左右方向で反対側の右側)に昇降センサ5を配置することにより、ローリング制御時に機体の右側は大きく上下動しないので、昇降センサ5にて正確な圃場面(畝A面)の検出が行えて、ローリング制御にあまり影響を受けずに適正な機体の昇降制御が行えて、適切な苗植付け深さで適切に苗の植付け作業が行える。
また、支持軸5bと昇降センサ5下端の圃場接地部5’(右鎮圧輪4の鎮圧位置)との距離L1よりも、支持軸5bと左鎮圧輪4の鎮圧位置との距離L2の方が長くなるように、支持軸5bを配置している。これは、ローリングシリンダ17が機体左側に設けられているので、機体左側はローリング制御の影響による上下動の変化量が大きいが、機体右側はローリング制御による影響が少ないことから、支持軸5bを機体左右中央位置から右側に変位して配置することにより、昇降センサ5がローリング制御の影響を受け難くし、適正な機体の昇降制御が行えるようにしたものである。
一方、前記各左右センサアーム47の基端部には、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a後端を連結して、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a前端を機体に固定し、アウターワイヤ51b前端を左右回動筒部9aに基部を固定した左右ハウジングアーム14の中途部に位置調節自在に連結している。尚、各リフトワイヤ51の各アウターワイヤ51bの後端は、各々左右支持アーム38aに位置調節自在に固定されている。
従って、この各リフトワイヤ51の連結によって、前記左右クローラフレーム1の下動(左右クローラ10の下動)により、左右回動筒部9aが回動して左右ハウジングアーム14が後方に回動するので左右インナーワイヤ51aを引き、左右のセンサアーム47がロ方向に回動し、左右各鎮圧アーム41を上方に向けて強制回動することができ、機体旋回時に左右クローラ10を最下動させて機体を上昇させた時、自動的に左右鎮圧輪4が上方に収納回動されて機体の旋回が容易に行える。尚、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a後端と左右センサアーム47の連結部には、長穴51cで構成した融通機構が設けられており、通常の左右クローラ10の昇降制御及びローリング制御による下動では左右鎮圧輪4が上方に収納回動されず、機体旋回時の左右クローラ10を大きく下動させた時にのみ自動的に左右鎮圧輪4が上方に収納回動される構成となっている。
そして、各リフトワイヤ51は鎮圧フレーム39の左右外側に配置した左右センサアーム47に連結しているので、各リフトワイヤ51の調節部が鎮圧フレーム39の左右外側に位置し、左右鎮圧輪4の上動作用位置調節が容易に行えて、作業性が良い。
また、右鎮圧輪4に連結された右センサアーム47を引く右リフトワイヤ51は、左クローラ10を上下動させる左回動筒部9a側に連結されており、左鎮圧輪4に連結された左センサアーム47を引く左リフトワイヤ51は、右クローラ10を上下動させる右回動筒部9a側に連結されている。即ち、左クローラ10の下動で右センサアーム47(右鎮圧輪10)を上動させ、右クローラ10の下動で左センサアーム47(左鎮圧輪10)を上動させる構成としている。これは、前記のように左右鎮圧輪10の相対上下高さ変動による左右センサアーム47の相対位置変動にてローリング制御バルブ48を切替えてローリングシリンダ17を作動させてローリング制御を行なう構成としたから、もし、左クローラ10の下動で左センサアーム47(左鎮圧輪10)を上動させ、右クローラ10の下動で右センサアーム47(右鎮圧輪10)を上動させる構成にすると、右鎮圧輪4が上動して右センサアーム47が変位した状態でローリング制御が作動して機体が水平状態になっている時に、機体旋回の為に左右クローラ10を下動させると前記ローリング制御でローリングシリンダ17が作動したままで左右クローラ10は下動し、機体最上昇時に機体が傾斜した状態となってしまう。そこで、左クローラ10の下動で右センサアーム47(右鎮圧輪10)を上動させ、右クローラ10の下動で左センサアーム47(左鎮圧輪10)を上動させる構成とすることにより、機体旋回又は機体移動の為に左右クローラ10を下動させると、左右リフトワイヤ51にて左右センサアーム47がローリングシリンダ17を中立位置に戻すようにローリング制御バルブ48を切替えて、機体は水平状態で上昇する。従って、旋回時に機体は水平状態となり良好に且つ容易に旋回作業が行える。また、機体をリフトして圃場間を移動する場合(路上走行の場合)も機体は水平状態となり良好に且つ容易に機体を走行させることができる。
前記鎮圧アーム41を左右に移動調節する時は、この調節操作を容易にするために、鎮圧アーム軸40の周りに切欠目印55を形成しておき、この目印55の位置にアームボス42の位置をあわせることによって的確な植付条位置への鎮圧位置決めを行うことができる。
60は左右苗植付ホッパー3の各々の内側に供給する灌水用の水を蓄える左右灌水タンクであって、左右クローラフレーム1に各々固着した左右タンク支持フレーム61内に載置されている。従って、左右灌水タンク60の重量が各々左右クローラフレーム1にて支えられた状態で機体は走行して苗植付け作業を行なうので、灌水タンク60内の水量の変動により重量変化が激しい灌水タンク60の重量が機体本体部に掛からず左右クローラフレーム1に軸架した左右クローラ10にて支えられた構造となり、灌水タンク60の重量変動が機体側に影響を与えることが極力防止されて、良好な走行性能を発揮し適切な苗の植付け作業が行える。
62は左右灌水タンク60内の水を灌水パイプ63を介して吸い上げて左右苗植付ホッパー3の内側に灌水パイプ63で供給する灌水用のプランジャポンプであって、基部を主フレーム2aに枢支し、プランジャポンプ62のピストンロッド62aの先端部をクランクアーム軸27に設けた灌水用駆動クランク27aに係合させている。従って、プランジャポンプ62は左右灌水タンク60から水を吸い上げて左右苗植付ホッパー3の内側に灌水する。その灌水タイミングは、左右苗植付ホッパー3が苗の植付けを終えた上昇初期に左右苗植付ホッパー3の内側に灌水されるようになっており、左右苗植付ホッパー3の内側に付着した泥土を洗い流すと共に、洗い流した水が植付けた苗の上方から灌水できるようになっている。なお、プランジャポンプ62基部を主フレーム2aに枢支する位置を調節可能に構成して、枢支位置とクランクアーム軸27との距離を変更できる構成にすれば、プランジャポンプ62の水の吐出量を変更して苗や圃場条件に応じた適切な灌水が行える。
左右の前輪13の間となる機体の前端部には畝Aの上面に接地して該畝Aの終端を検出する畝終端センサ90を設け、該畝終端センサ90は下方に向けて圧縮ばね91で下方へ付勢した状態となっており、機体の前進により畝Aのないところに到達して畝終端センサ90がバネの付勢力で下動して、畝Aの終端に到達したことを検出する構成となっている。
この畝終端センサ90による畝Aの終端の検出に基づいて、主クラッチを自動的に切って左右のクローラ10の駆動と左右苗植付ホッパー3並びに苗供給装置20の駆動を停止し、機体を停止させると共に、警報(例えばブザー等の警音)を出して作業者に告知する。
これにより、座席33に座る作業者は、機体の進行方向に対して後ろ向きとなり、苗補給作業に集中しているため機体の前方を確認しにくく、機体が畝の終端に達したことに気づかず、周囲の構造物への衝突等の事故を発生させるおそれがあるが、前記畝終端センサ90により畝の終端で機体を自動停止すると共に警報で畝の終端に達したことを告知するため、安全に作業が行え、また機体の前方の状況及び畝の終端の位置を気にせずに苗供給装置20への苗補給作業を集中して行え、植付作業能率が向上する。
図11には、畝終端センサ90の第一実施例が示され、(a)図では車体2のブラケット90aに軸90bで枢支されたセンサアーム90cが圧縮ばね91で下方へ付勢されている。センサアーム90cは下方に向かって円弧状に弯曲して先端が僅かに浮き上がって、前後に並べて複数の接地ローラからなる回転接地体90dを枢支している。
回転接地体90dは(b)図の如く接地ローラに代えて球状の接地球90d2であっても良く、図12の如く、大径の接地ローラを前後に並べたものであっても良い。
図13,14に示す回転接地体90dは、プレート状のセンサアーム90cの先端部90ceの上面に接地ローラ90dを枢支して先端部90ceの切り欠き窓から周面を下方に突出させている。図13のセンサアーム90cは取付部を狭く先端部90ceを畝幅まで広げていて、図14(a)〜(c)では前から先端まで畝幅まで広げていて、接地ローラが凹みに落ちても先端部90ceが畝面に接地してセンサアーム90cが下方へ回動するのを防ぐようになる。この構成では、接地ローラの周面一部を僅かに下方へ突出させる切り欠き窓が接地ローラ90dの周面に付着する泥を掻き落とすスクレーパの機能がある。なお、プレート状のセンサアーム90cは先端部90ceのみを幅広にすることで軽くなり走行抵抗が小さくなる。
図15は、接地ローラ90dを軸支したセンサアーム90cの先端部90ceに左右側部に向けて畝幅に突出する接地ロッド90eを取り付けた構成で、接地ローラ90dが凹みに落ちても接地ロッド90eが畝面に接地してセンサアーム90cが下方へ回動するのを防ぐようになる。
図16,17は、苗トレイからポット苗のポットに突き刺して苗を取り出す取出爪95,96を示し、図16(a),(b)の取出爪95では二股爪95a,95bの対抗側に1、2個の引っ掛け突起95tを交互に設けてポット苗が抜け落ちないようにした構成にしている。
また、図17では、取出アーム97に先の尖った箸状弾性取出杆96a,96bを設けて、ポットに押出体98が当たると取出杆96a,96bの先端が閉じてポット苗を挟み、押出体98で突き刺したポット苗を押し出すようにしている。