JPH0566139U - 木目を有する化粧材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木口面に美麗な木目が表されるとともに、一
体化して壁状にした壁の立体感を表して美観を向上する
ことができる木目を有する化粧材を提供する。 【構成】 化粧材１の木口面に表される木目の走る方向
と、化粧材２の木口面に表される木目の走る方向が交互
になるように化粧材１，２を順次並列配置し、化粧材１
の側面周囲の嵌合溝３が化粧材２の側面周囲の嵌合溝４
に嵌合するように積層組構造として化粧板６を形成す
る。 【効果】 一体化して壁状にした場合壁の立体感を表し
て美観を向上でき、美的に表される表裏面の木目模様を
利用でき、日本間のみならず洋間の壁や天井等の内装建
築材、家具等の装飾材など本物趣向の化粧材を得ること
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は壁、天井等２×４などの住宅等建築物、船舶、車両等の内装用建材あ るいは机、戸棚、扉等の家具類に装飾的に使用される木目を有する化粧材に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、木質材料を基材とした内装用建材としては、基材に化粧紙を貼着し上塗 り塗料を塗布したラミネートプリント板材、基板に目止塗料を，下塗り塗料を塗 布した後、模様印刷し上塗り塗料を塗布したダイレクトプリント板材、基材に天 然銘木単板オーバーレイ板材、基板に樹脂含浸紙を貼着した樹脂含浸紙オーバー レイ板材、あるいは基板に合成樹脂フィルムを貼着した樹脂フィルムオーバーレ イ板材等種々あるが、いずれも基材上面に合成樹脂層が形成されており、この合 成樹脂層により基材の木質材料が本来持っている湿度調節機能が阻害されている とともに、木材の質感が得られず、近年の本物趣向に則さないという難点があっ た。

【０００３】 そこで、本物の年輪を美麗に表することのできる化粧材が特開平２−１５７３ ５６号公報で提案されている。これは、十分に乾燥した木材を丸鋸，プレーナ等 で仕上げて木材製材を形成し、この木材製材の軸方向に対し斜めに適宜の厚さに 横切断することによってブロック体を形成し、木材製材の軸方向に対し斜めに横 切断することにより年輪が木口面に大きく太く表され、湿度調節機能を有し、接 着剤により取付け材に接着して化粧板を形成したものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術においては、木材製材の軸方向に対し斜めに横切断して形成するブロ ック体を接着剤によって取付け材に接着して化粧板を形成するもので、多数のブ ロック体を一体化して壁状にした場合、木目による美感には優れるものではある が、全体としては平面的であり、加飾性に劣ることが懸念される。

【０００５】 本考案は、前記問題点を解決して、木目による美観の他に、一体化して壁状に した場合壁の立体感を表して美観を向上することができる木目を有する化粧材を 提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、木材を平板状に切断してなる木口面の木目を化粧面として形成した 化粧材において、この化粧材の側面周囲に嵌合溝を設けたものである。

【０００７】

【作用】

本考案は、平板状に切断された化粧材の側面に設けられる嵌合溝同士を組み合 わせ化粧板を構成することにより、木目模様を表して美観の向上を図るとともに 立体感をも表すことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。第１図乃至第４図は本 考案の第１実施例を示しており、１及び２は十分に乾燥した木材を丸鋸、プレー ナ等で仕上げ角材形状にした木材製材Ｗをスライサー等で一定の厚さに横切断し た後に一定の長さに切断して平板状に仕上げた化粧材である。この場合製材前の 木材を一定の厚さに横切断した後に平板状に仕上げても良い。第１図に示すよう に化粧材１の側面周囲には嵌合溝３が設けられている。この嵌合溝３は溝３Ａと 溝縁３Ｂの幅が等しくなるように設けられている。また、化粧材１の四隅の角を 切削し当接部４が形成される。この当接部４は化粧材１，２を並列配置した場合 に対角線上に配置される化粧材１の当接部４同士が当接するようになっている。 第２図に示すように化粧材２の側面周囲には嵌合溝５が設けられている。この嵌 合溝５は二条の嵌合溝５Ａ，５Ｂが溝間５Ｃの幅をもって設けられている。この 嵌合溝５Ａ，５Ｂの幅と溝間５Ｃの幅は等しく設けられており、化粧材１の嵌合 溝３を構成する溝３Ａと溝縁３Ｂの幅と等しくなるように形成されている。

【０００９】 このようにして得られた二種類の厚さ及び大きさを有する化粧材１群，２群を 第３図に示すように化粧材１の当接部４同士が当接するように化粧材１を対角線 上に配置し、化粧材１の木口面に表される木目の走る方向と化粧材２の木口面に 表される木目の走る方向が交互になるように化粧材１，２を順次並列配置して化 粧材１の溝縁３Ｂが化粧材２の嵌合溝５Ａ，５Ｂに嵌合し、化粧材２の溝間５Ｃ が化粧材１の溝３Ａに嵌合させ積層組構造として化粧板６を形成したものである 。

【００１０】 上記のように本実施例においては、第４図に示すように木材製材Ｗを平板状に 切断した化粧材１，２の側面周囲に嵌合溝３，５Ａ，５Ｂを設け、化粧材１の木 口面に表される木目の走る方向と化粧材２の木口面に表される木目の走る方向が 交互になるように前記嵌合溝３，５Ａ，５Ｂを嵌合させ積層組構造として配列し たものであるため、木目模様を表して美観の向上を図るとともに化粧板５に立体 感を表すことができる。また木材製材Ｗを平板状に切断するものであるため、木 材の廃材から化粧材を得ることができ経済的であるとともに、湿度調節機能を有 し、化粧板５の表裏面に表れる木目や凹凸等が装飾的であり、日本間のみならず 洋間の壁や天井等の内装建築材、家具等の装飾材など本物趣向の質感を有する化 粧材を得ることができる。

【００１１】 第５図乃至第７図は本考案の第２実施例を示しており、前記第１実施例と同一 部分には同一符号を付しその詳細な説明を省略する。第５図に示すように第２実 施例においては、十分乾燥させた木材製材Ｗをスライサー等で一定の厚さにスラ イスしたものを一定の長さに切断して平板状の化粧材７を形成する。また、同様 の製法にて化粧材７の四隅の角部を切削して当接部４を設けた平板状の化粧材８ を形成する。この化粧材７，８の側面周囲には嵌合溝９，10が設けられ、この嵌 合溝９は溝９Ａと溝縁９Ｂの幅が等しくなるように、また嵌合溝10は溝10Ａと溝 縁10Ｂの幅が等しくなるように設けられている。第６図に示すように隣合う化粧 材７，８の表面に表れる木目の走る方向が交互になるように、また当接部４同士 が当接するように化粧材７，８が並列配置される。また第７図に示すように化粧 材７の嵌合溝９の溝９Ａと隣合う化粧材８の溝縁10Ｂを嵌合させ、化粧材７の溝 縁９Ｂと隣合う化粧材８の嵌合溝10の溝10Ａを嵌合させ、または化粧材７の溝９ Ａと隣合う化粧材８の嵌合溝10の溝縁10Ｂを嵌合させ積層組構造として化粧板11 を形成したものであり、この例においても木目模様を表して美観の向上を図ると ともに化粧板５に立体感を表すことができ、湿度調節機能を有し、化粧板11の表 裏面に表れる木目や凹凸等が装飾的であり、本物趣向の化粧材を得ることができ る。

【００１２】 第８図乃至第９図は本考案の第３実施例を示しており、前記第１実施例と同一 部分には同一符号を付しその詳細な説明を省略する。第７図に示すように第３実 施例においては、十分に乾燥した木材を丸鋸、プレーナ等で仕上げ角材形状にし た木材製材Ｗを軸方向Ｘに対し一定の角度をもってスライサー等で一定の厚さに スライスしたものを一定の長さに切断して平板状の化粧材12を形成する。また、 同様の製法にて化粧材12の四隅の角部を切削して当接部４を設けた平板状の化粧 材13を形成する。第８図に示すようにこの化粧材12，13の側面周囲には嵌合溝14 ，15が設けられており、この嵌合溝14は溝14Ａと溝縁14Ｂの幅が等しくなるよう に、また嵌合溝15は溝15Ａと溝縁15Ｂの幅が等しくなるように設けられている。 また隣合う化粧材12，13の木口面に表れる年輪の方向が同一とならないようにす るとともに、当接部４同士が当接するように化粧材13が対角線上に配置され、化 粧材12の嵌合溝14の溝14Ａと隣合う化粧材13の溝縁15Ｂを嵌合させ、あるいは化 粧材12の嵌合溝14の溝縁14Ｂと隣合う化粧材13の溝15Ａを嵌合させ積層組構造と して化粧板16を形成したものである。

【００１３】 このように第３実施例においては、この化粧材12，13は表裏面の木口面に年輪 17が部分的に表れ、木材製材Ｗの軸方向Ｘに対し直角に切断した木口面の年輪よ り大きな木目間隔で表されるとともに強度が得られる。また隣合う化粧材12，13 の木口面に表れる年輪の方向が同一とならないように、当接部４同士が当接する ように化粧材13が対角線上に配置され、化粧材12の嵌合溝14の溝14Ａと隣合う化 粧材13の溝縁15Ｂを嵌合させ積層組構造として化粧板16を形成したものであるた め、この例において木口面に年輪を表して美観の向上を図るとともに化粧板16に 立体感を表すことができ、湿度調節機能を有し、化粧板16の表裏面に表される美 麗な年輪や凹凸等が装飾的であり、日本間のみならず洋間の壁や天井等の内装建 築材、家具等の装飾材など高級感のある木質感を有する本物趣向の化粧材を得る ことができる。

【００１４】 尚、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、本考案の範囲内において 種々の変形実施が可能である。例えば化粧材は平板状のものを示したが三角形状 など任意に選定することができる。また、嵌合溝は一条若しくは二条のものを示 したが、溝の数を増やしても良く、化粧板が平面となるように嵌合溝を形成して も良い。溝の嵌合方法は接着剤等を用いて嵌合しても良い。また他の材質の材料 、例えば吸音効果の高い化粧材と組み合わせて用い、オーディオルーム用などの 内装材としてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、木材を平板状に切断してなる木口面の木目を化粧面として形成した 化粧材において、この化粧材の側面周囲に嵌合溝を設けたもので、一体化して壁 状にした壁の立体感を表して美観を向上することができ、嵌合溝同士を積層組構 造にすることにより化粧板を形成することができ、美的に表される表裏面の木目 模様を利用することができる木目を有する化粧材を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の化粧材を示す斜視図であ
る。

【図２】本考案の第１実施例の化粧材を示す斜視図であ
る。

【図３】本考案の第１実施例の化粧板を示す斜視図であ
る。

【図４】本考案の第１実施例の化粧板のＡ−Ａ線断面図
である。

【図５】本考案の第２実施例の化粧材を示す斜視図であ
る。

【図６】本考案の第２実施例の化粧板を示す斜視図であ
る。

【図７】本考案の第２実施例のＢ−Ｂ線断面図である。

【図８】本考案の第３実施例の木材製材の斜め横切断状
態を示す概略説明図である。

【図９】本考案の第３実施例の化粧板を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 化粧材 ２ 化粧材 ３ 嵌合溝 ３Ａ 溝 ３Ｂ 溝縁 ４ 当接部 ５ 嵌合溝 ５Ａ 溝 ５Ｂ 溝 ５Ｃ 溝間 ６ 化粧板 17 年輪 Ｗ 木材製材 Ｘ 軸方向

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 木材を平板状に切断してなる木口面の木
   目を化粧面として形成した化粧材において、この化粧材
   の側面周囲に嵌合溝を設けたことを特徴とする木目を有
   する化粧材。