JPH02188204A

JPH02188204A - 溝付き化粧板の製造方法

Info

Publication number: JPH02188204A
Application number: JP941089A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Enomoto; 弘榎本; Hiroaki Sawashita; 澤下　浩明
Original assignee: Asahi Woodtec Corp
Current assignee: Asahi Woodtec Corp
Priority date: 1989-01-17
Filing date: 1989-01-17
Publication date: 1990-07-24
Anticipated expiration: 2010-11-08
Also published as: JPH07102533B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野この発明は、建築物の壁面内装材、天井材等に使用され
る溝付き化粧板の製造方法に関する。

従来の技術と問題点主に壁面内装用に用いられるような化粧板として、表面
に多数の平行する細い溝を形成することにより、立体感
を付与し意匠性の向上をはかった溝付き化粧板が多く用
いられている。

か−る溝付き化粧板は、従来最も一般的には切削加工に
よって表面に溝を削成することによって製造されていた
。ところがこの場合、切削後の溝内面の仕上りに難点が
あるところから、近時、溝の内面に表面の化粧層を連続
状に存在せしめたものとする溝付き化粧板の製造方法が
種々提案されている。

この先行提案技術の１つは、実公昭５９−１７６５号に
見られるように、所要の基板面にＶ溝を削成したのち、
このＶ溝上に側縁部が重なり状に突出する状態に、各Ｖ
溝間の平面部上に化粧用木質単板を貼着したのち、この
単板の上記側縁部をＶ溝の両側面部に折込んで貼着する
ものである。しかしながら、この方法による場合、化粧
溝の数に応じた個々独立状の多数の化粧単板を必要とし
、しかもそれらを個々に正確な配置において基板上に配
列して貼着しなければならない。加えて、各化粧単板自
体も、その幅寸法に相当厳密な精度が要求されるため、
実際上工業的生産には不向きであり、コスト高につ（と
いう根本的な問題点を有している。

また、他の先行提案技術として特開昭６１−２９５４１
号公報では基板に化粧シートを貼着したのち、断面Ｖ字
状等の型押し凸条を有する型押しロールまたは型押し盤
で板面を型押しすることにより、上記凸条に対応した細
溝を圧入形成せしめる方法が提示されている。しかしな
がら、この方法による場合、化粧用の溝の形成部分にお
いて化粧シートを破断させないことが必要であり、その
ことを前提として型押しを行うものであるから、畢覚溝
の深さは０．４ｗａからせいぜい０．６ａｍ程度の極く
浅いものにしかつくることができず、十分に立体感に富
む化粧板を提供することができないという別の問題点が
あった。

この発明は、上記のような従来技術の背景のもとにおい
て、溝の深さ、幅を充分に大きく形成することが可能で
あり、それでいて溝部分の表面の仕上り状態を美しく保
つことができ、しかも製造工程が簡易で生産性の良い溝
付き化粧板の製造方法を提供しようとするものである。

問題点を解決するための手段この発明は、型押しの技法を用いて溝の形成を行うが、
従来の考え方から脱却してむしろ逆に、溝の中央部にお
いて表面の化粧シートをまっすぐに切断し、溝の上部両
側面のみにそれを被覆せしめるものとすることにより、
十分に深い溝の形成を可能にしながら、溝の下部内面に
基板素地を露出せしめることで他の副次的な利点を享受
しうるようにしたものである。

即ち、この発明は、平板状基板の上面に化粧シートを貼
着し、得られた化粧板の表面の溝付予定位置に対応して
、先端を押切刃とする断面略７学状の溝付は凸条を有す
る型押しロールまたは型押し盤で化粧板表面を押圧する
ことにより、前記化粧シートを切断すると同時に、化粧
板の表面に、下部内面において基板素地が露出した断面
略７学状の複数本の凹溝を並列状に圧入形成せしめるこ
とを特徴とする溝付き化粧板の製造方法を要旨とする。

以下、この発明を添附図面に基いて説明すれば次のとお
りである。

先ず、第１図に示すように厚さ２．０〜３５履程度、特
に好適には５〜２０ａｉｇ程度の平板状基板（１）の上
面に、接着剤（３）を介して化粧シート（２）を貼着し
、平板状の化粧板（Ａ）とする。

上記基板（１）としては、型押しにより溝の釘形が可能
であるものであれば何でも良く、その材質が特に限定さ
れるものではない。例えば合板、中質繊維板（ＭＤＦ）
、パーティクルボード、軽量パーティクルボード、ハー
ドボード、インシュレージうンボード、ウェハーボード
（ＷＢ）、オリエンテッドストランドボード（Ｏ５Ｂ）
、単板積層材（ＬＶＬ）　、単板積層板（ＬＶＢ）　、
集成板、連続網状繊維板（ゼファーウッド）、無機質含
浸木質板等の木質材料板のほか、ロックウール板、ガラ
ス繊維板、金属繊維板等の無機質繊維板を用いることが
できる。

化粧シート（２）は、最も一般的かつ好適には、厚さ０
．２〜１．０＃程度の木質単板が用いられるが、その池
中刷紙、合成樹脂含浸化粧紙、合成樹脂シート等の従来
公知の化粧材料を用いることもできる。木質単板は、通
常の突き板のほか、積層材をスライスして得られる積層
単板を用いても良く、またそれは予め染色したものを用
いても良い。更にまた、木質単板は、必ずしも基板の大
きさに対応した１枚物を用いる必要はなく、複数枚の単
板を基板上に隙間を生じないように並べて貼着するもの
としても良い。この場合、単板のジヨイント部は、なる
べく後述の凹溝の中央部に配置せしめるようにすること
が好ましい。

また、化粧シート（２）を基板（１）に貼着する接着剤
（３）としては、常用の各種接着剤を適宜選択使用でき
る。例えば尿素樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢
酸ビニル樹脂系、ゴム系、メラミン樹脂系、尿素・メラ
ミン共縮合樹脂系、フェノール樹脂系、水性ビニルウレ
タン樹脂系、エポキシ樹脂系、ゴム系、アクリル系ある
いはそれらを適宜組合わせたもの等を使用できる。接着
剤（３）は、無着色のものＮほか、着色のものを用いて
も良い。化粧シート（２）に木質単板を用いる場合、そ
れを青色接着剤で基板（１）に接着すると、単板の導管
部分を接着剤の浸透による着色によって強調することが
できる。

なお、化粧シート（２）の貼着は、必要に応じて補強用
の介挿シートを介して行うこともある。即ち、特に化粧
シートに木質単板を用いるような場合、そのヒワレ防止
をはかるべく、紙、不織布、樹脂シート、金属箔等より
なる補強用シートを介して基板（１）に貼着することも
ある。

次に、必要に応じて化粧板（Ａ）の表面を常法に従った
サンディング等の方法により研磨し、更に必要に応じて
化粧シート（２）に着色を施す。そしてまた、透明また
は着色透明の下塗り塗料を用いて下塗り塗装（４）（第
１図参照）を施し、再びサンディング等により表面を研
磨する。

上記下塗り塗装（４）は、常用の塗料、たとえばアミノ
アルキッド、ポリウレタン、ラッカ、ポリエステルなど
のほか、要すれば紫外線製化型塗料、電子線硬化型塗料
などを用いて行うが、該塗装をこの段階で施すことによ
り、後述するように化粧シート（２）を硬化し、次工程
の溝付けのための型押し加工を正確に行い品いものとす
ることができる。

次いで、化粧板（Ａ）の表面に所要の凹溝（５）を何形
するための型押し加工を行う。

この型押し加工は、第２図に示すように、化粧板（Ａ）
の溝付は予定位置に対応して、断面略Ｖ字状の溝付は用
凸条（６）を備えた型押し盤（７）または型押しロール
を用いて行うものであり、上記溝付は用凸条（６）の先
端には、第３図に示すように脱失な切断刃（８）を有す
るものとする。そして、この型押し盤（７）または型押
しロールで化粧板（Ａ）を表面側から所要圧力で押圧す
ることにより、切断刃（８）をもって化粧シート（２）
及び続いて基板（１）を切込むと同時に、凸条（６）を
もって化粧板表面に対応形状の凹溝（５）を圧入形成す
るものである。従って、形成される凹溝（５）は、第３
図に示すように、切断刃（８）によって付与される切目
が両側方に押し拡げられ、基板（１）の組織が圧密化さ
れて溝側面が滑らかな状態になるど共に、溝側壁の上部
が化粧シート（２）で覆われ、溝の下部内面には基板（
１）の素地が露出したものとなる。

上記の型押し加工は、釘形安定性を良好なものとするた
めに加熱下に行うことが好ましく、その温度及び型押し
時間は基板（１）の種類や比重、及び化粧シート（２）
の種類に応じて適宜に設定するが、一般的には温度７０
〜３００℃、Ｕ空間１〜１０分程度の範囲内で設定する
ことができる。なお、上記の加熱は、化粧板（Ａ）及び
押型のいずれか一方を加熱するものとしても良いし、両
者を共に加熱するものとしても良い。

また、溝付は用凸条（６）の形状は、基本的に略Ｖ字状
のものであることを要し、第４図に示すように両側面が
真直ぐな断面三角形のものでも良いが、好ましくは第３
図に示すように、切断刃（８）に続く先端部が鋭角をな
し、両側面が内方になだらかに湾曲した断面Ｙ状のもの
とする方が形成される凹溝（５）に外観形態の点で良好
なものを得ることができる。

上記型押し加工によって形成される凹溝（５）の形状は
、第３図に示されるような溝付は用凸条（６）の形状に
対応した形状のものに形成される場合のほか、第５図（
イ）に示すように溝底（５ａ）に若干の丸味をもった形
態、あるいは同図（ロ）に示すように溝の下部側面に僅
かな屈折部（５ｂ）を有し、溝底（５ａ）にかすかに丸
味のついた形態に形成されることもある。

もとより、第４図に示すような凸条（６）で型押し加工
した場合も、その形状をはり再現した第５図（ハ）に示
すようなシャープな角張りをもった断面Ｖ字状に形成さ
れる場合のほか、その溝底及び溝の上縁部に丸味のある
形態に形成されることが多い。

凹溝（５）の幅（Ｗ）及び深さ（Ｄ）は、特に限定され
るものではないが、十分な立体感を表出するためには幅
（Ｗ）を３．０履以上、深さ（Ｄ）を２．　５ｍｍ以上
とするのが良い。特に好ましくは幅（Ｗ）を５〜１０ｊ
ＩＩＩ＋程度、深さ（Ｄ）を３〜５１程度に形成すべき
であり、例えば厚さ５履のＭＤＦＭ板（１）　ｌ：ｌ：
０．２履の木質単板（２）を貼着した化粧板（Ａ）にお
いて、幅（Ｗ）７．０ｍ、深さ（Ｄ）３．５ｍの第３図
に示すような凹溝（５）を２．０ｃｍ間隔に形成した場
合、表面に優れた立体感を付与しながら併せて化粧板（
Ａ）に若干の撓曲性を付与し、曲面にも施工可能なもの
を得ることができる。なお、もとより凹溝（５）の間隔
、すなわちピッチは任意であり、何ら限定されるもので
はない。

続いて、凹溝（５）に着色剤を塗布して着色を施したの
ち、あるいは該着色を施すことなく、第６図に示すよう
に凹溝内部に透明または着色透明な塗料を塗布して溝塗
装（９）を施す。この塗装（９）は、溝内下部側面及び
底面において基板素地の露出部分から塗料がよく浸透し
これが硬化することにより、凹溝（５）部分の基板（１
）を強化すると共に、吸湿、吸水等による凹溝（５）の
弾性復元を防止するのに有効であり、更には凹溝（５）
の内面の仕上り状態を良好なものとするのに役立つ。

そして最後に、凹溝（５）が形成された化粧板（Ａ）の
表面全体に上塗り塗装（ｌＯ）を施し乾燥して製品とす
る。この上塗り塗料には、下塗り塗料と同様に、アミノ
アルキッド、ポリウレタン、ラッカー、ポリエステル、
紫外線硬化型塗料、電子線硬化型塗料など適宜のものを
用いることができる。

上記により製造した製品において、これに反りが発生す
るおそれがあるような場合、従来の常法に応じて基板（
１）の裏面側に適゛宜所定間隔に切込みとか細溝をつけ
ても良い。また、裏面からの吸水、吸湿、乾燥等によっ
て反りを生じることが懸念されるような場合には、裏面
に樹脂含浸紙、バルカナイズドファイバー紙、合成樹脂
フィルム、合成樹脂独立発泡シート等を貼着したり、裏
面に前記上塗り塗料と同様の塗料を塗布する等の防水、
防湿処理を施すものとすることが好ましい。

ところで、前記凹溝（５）の着色は、前述のように必要
に応じて行うものであるが、着色する場合、化粧シート
（２）の色調と異った色調に溝を着色することで、凹溝
を強調することができ、また化粧シート（２）と同じ色
調のものに着色することで、全体に自然な感じを出すこ
とができ、いずれかを適宜に選択すれば良い。

また、化粧シート（２）には、化粧板の外観に高級感を
与える上から、天然木のツキ板からなる木質単板を用い
るのが最も好適である。この場合、該木質単板の着色や
塗装は、溝付は型押し加工工程の前後いずれにおいて行
ってもよく、また両方で行っても良い。もつとも、着色
は、型押し加工前の段階に行うことによって、凹溝（５
）の底部を基材色に保ち、溝底が濃くなるのを防いで、
全体に自然な外観を与えうる点である意味では好適であ
る。しかし逆に、型押し加工後に着色を行う場合、む色
剤の吸い込みが溝の下部の基材露出部分においてよいの
で、溝底部が表面の化粧面より濃色となり、それが細く
てシャープな陰影を出し、立体感を高めたものとするこ
とができる。

更にまた、化粧用シートに木質単板を用いる場合の表面
塗装、とくに下塗り塗装は、型押し加工工程の前後いず
れの段階で行っても良いが、これを型押し加工前の段階
で行うことにより、塗料の硬化で木質単板を硬化し、型
押し時において切断刃（８）により化粧木質単板を切断
し易いものとして、それに裂けや割れを生じるのを防止
し、所期する正確な態様の凹溝（５）の形成を確実に行
い得るものとなしうる点で好ましい。

第７図には、この発明によって製造される溝付き化粧板
の好適な一例として、断面Ｙ状の凹溝（５）を比較的狭
い間隔に平行に、かつ板の長平方向に真直ぐに形成した
場合の外観を示す。

凹溝（５）の配列形態は上記に限られるものではなく、
第８図（イ）に示すように斜行状あるいは同図（ロ）に
示すような波状等、任意の変形配列形態に形成すること
もできる。

実施例以下、この発明の具体的な実施例を示す。

実施例１板状基板（１）として、厚さ５．０調、比重０．６５の
中質繊維板（ＭＤＦ）を用い、一方化粧シートとして厚
さ０．２５ａｍの天然木質中板（２）を用いた。そして
、上記ＭＤＦ基板上に木質単板を無色透明な尿素・メラ
ミン共縮合樹脂と酢酸ビニル樹脂との混合接着剤を用い
て常法により貼着したのち、この得られた化粧板の表面
をサンディングしたのち茶褐色の着色剤を用いて着色し
た。

次いで、同化粧板の表面全体に透明なポリウレタン系下
塗り塗料を５０ｇ／ＴＩｔ程度に塗布し、乾燥後再びサ
ンディングを行った。

次に、第２図に示すような先端に切断刃（８）を有する
溝付は用凸条（６）を備えた型押し盤（７）を用いて、
化粧板の表面を所定圧力で押圧する型押し加工を施し、
前記溝付は用凸条（６）の部分においてそれぞれ深さ３
，５＃、ピッチ２０馴に断面Ｙ状の凹溝（５）を圧入形
成した。この型押し加工は、型押し盤（８）を１２５℃
に加熱し、型押し時間を３分に設定して行った。

次いで、上記凹溝部分に、ポリウレタン系の透明塗料を
用いて溝塗装を施したのち、化粧板の表面全体に、ポリ
ウレタン系の透明上塗り塗料を５５ｇ／ｒＩｔ程度に塗
布し、乾燥して求める溝付き化粧板を得た。

この溝付き化粧板は、第６図に示すような形態をもち、
凹溝（５）部分においてその両側面上部が木質単板で被
覆され、下部側面に基板の素地が露出し、該露出部分の
色調が表面の単板（２）の色調よりも淡く、凹溝の存在
によって全体が立体感に富みながらも凹溝に自然な彫り
込み状の外観を有する美麗なものであった。

実施例２実施例１と同様の板状基材、化粧シート及び接着剤を用
いて化粧板をつくり、その表面をサンディングしたのち
、着色を施すことなく、実施例１と同様にして型押し加
工を施して凹溝の何形を行った。然るのち、表面の全体
を茶褐色の着色剤を用いて着色し、下塗り塗装を施して
から、以降実施例１と同様に溝塗装及び上塗り塗装を施
して製品としたところ、凹溝部分の溝底が濃く細い線と
なつてあられれ、強い陰影を形成して溝部分が一層強調
された溝付き化粧板を得ることができた。

実施例３基板に厚さ１２＃のラワン合板を用い、これの表面に化
粧シートとして木目模様の印刷紙を常法に従って貼着し
化粧板とした。そして、この化粧板の表面全体にポリウ
レタン系の透明塗料を４０ｇ／−程度の割合に塗布し、
乾燥後凹溝間のピッチを７５ｊＩｌとしたほかは前記実
施例１と同様にして溝付は型押し加工を実施した。

この場合、型押し加工は、型押し盤の温度１３５℃、型
押し時間２分に設定して行った。

次いで、表面の印刷紙の地色と同系色の青色剤を用いて
凹溝の着色を行い、更に前記実施例１と同様に溝塗装、
表面全体の上塗り塗装を順次施し、所期する溝付き化粧
板を得た。

この溝付き化粧板は、やはり凹溝部分に強い陰影をあら
れして凹溝が強調された美麗なものであった。

発明の効果この発明の請求項（１）によれば、表面の化粧シートを
切断した状態において溝底部に基板素地の露出する断面
Ｖ字状の凹溝を型押し加工によって圧入形成するもので
あるから、凹溝を十分に深くかつ広幅なものに形成する
ことが可能であり、板面に凹溝の存在を十分に強調した
溝付き化粧板を得ることができる。しかも、上記凹溝は
、溝付は用凸条の先端に具備する切断刃により化粧板の
表面の化粧シートを切断し、続いて基板をも切込みなが
ら、この切込部分を前記凸条をもうて押し拡げるように
、しかも断面略Ｖ字状に圧入形成するものであるから、
型押し加工時において化粧シートに破れとか１割れを発
生することがなく、凹溝の上部側面が表面の化粧シート
からのきれいな連続した部分で覆われたものとなる。従
って、凹溝部分において薄い化粧シートの厚みが外観さ
れるということがなく、恰も厚物の化粧単板やムク板が
使われているかの如くに外観され高級感のあるものとす
ることができる。かつ、溝の下部側面及び底面は基材素
地が露出するが、これはむしろ溝を着色する場合であっ
てもまた着色しない場合であっても、略Ｖ字状溝の深い
ところに細くてシャープな線となってあられれるため、
凹溝の存在を強調し、立体感を向上しうると共に、殊に
溝を着色する場合にあっては、基材露出部分において着
色剤の付着吸収性が良いので、容品に自由な色合いに着
色でき、愈々凹溝部分の存在を強調した立体感に富むも
のとすることができる。かつ凹溝は、型押し加工によっ
て形成され、その周辺組織が圧密化されるので、凹溝の
表面状態が滑らかできれいなものに仕上り、凹溝の格別
な研磨等の仕上げ加工を必要としない。また、溝塗装を
施すと、溝内面の基材露出部分において塗料の吸収性が
良いので、該塗料の硬化によって凹溝の周辺部分が強化
されると共に、凹溝の弾性復元が防止される。従って型
押し加工によって圧入形成した凹溝であるにもか−わら
ず、その形態保持性に優れたものとすることができる。

かつもとより基板に化粧シートを貼着したのち、凹溝を
付与する単一の型押し加工を施すことによって製造しう
るちのであるから、工程数が少なく、かついずれの工程
も商品であり、生産効率が良い。

また、請求項（２）のように化粧シートに木質単板を用
いることによって、外観１最も高級感のある天然木調の
溝付き化粧板を得ることができると共に、またその場合
、請求項（３）のように化粧板に凹溝を付与する型押し
加工前の段階において化粧板の表面に下塗り塗装を施す
ことで、木質単板を強化し、型押し加工時において化粧
木質単板の不本意な割れや破れの発生を確実に防止する
ことができ、化粧表面の仕上り不良品の発生を防止でき
る。更に請求項（４）のように型押し加工前の段階で表
面の化粧シートに着色を施すものとすることにより、表
面着色を溝付は後に行う場合のように着色剤が凹溝に多
く溜って溝部分が濃色になるという状態の発生を回避し
て、表面全体を自然な感じに仕上げることが容易にでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は基板に化粧シートを貼着した下塗り塗装を施し
た状態の化粧板の断面図、第２図は型押し加工状態を示
す断面図、第３図は凹溝の釘形状態を示す拡大断面図、
第４図は型押し盤の溝付は用凸条の形状の変形例を示す
断面図、ｍ５図（イ）（ロ）　（ハ）は凹溝の形状の各
種変形例を示す断面図、第６図は凹溝に溝塗装を施し更
に化粧板の表面全体に上塗り塗装を施した状態の拡大断
面図、第７図は製品の溝付き化粧板の一例を示す斜視図
、第８図（イ）（ロ）は凹溝の釘形形態の変形例を示す
溝付き化粧板の概略平面図である。（Ａ）・・・化粧板、（１）・・・基板、（２）・・・
化粧シート、（４）・・・下塗り塗装、（５）・・・凹
溝、（６）・・・溝付は用凸条、（７）・・・型押し盤
、（８）・・・切断刃、（９）・・・溝塗装、（ｌＯ）
・・・上塗り塗装。以上（イ）第４図（ワ）第５図（ハ）第６図

Claims

【特許請求の範囲】

（１）平板状基板の上面に化粧シートを貼着し、得られ
た化粧板の表面の溝付予定位置に対応して、先端を押切
刃とする断面略Ｖ字状の溝付け凸条を有する型押しロー
ルまたは型押し盤で化粧板表面を押圧することにより、
前記化粧シートを切断すると同時に、化粧板の表面に、
下部内面において基板素地が露出した断面略Ｖ字状の複
数本の凹溝を並列状に圧入形成せしめることを特徴とす
る溝付き化粧板の製造方法。
（２）化粧シートに木質単板を用いる請求項（１）記載
の溝付き化粧板の製造方法。
（３）凹溝を付与する型押し加工前において、化粧板の
表面に下塗り塗装を施す請求項（１）または（２）に記
載の溝付き化粧板の製造方法。
（４）型押し加工前の段階において、化粧用木質単板に
着色を施す請求項（１）ないし（３）のいずれか１に記
載の溝付き化粧板の製造方法。