JPH0565619B2 - - Google Patents

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JPH0565619B2
JPH0565619B2 JP63308535A JP30853588A JPH0565619B2 JP H0565619 B2 JPH0565619 B2 JP H0565619B2 JP 63308535 A JP63308535 A JP 63308535A JP 30853588 A JP30853588 A JP 30853588A JP H0565619 B2 JPH0565619 B2 JP H0565619B2
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JP
Japan
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cellulose
resin
ceramic particles
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owf
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Michinobu Kaimori
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Publication date
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、綿や再生繊維等のセルロース系繊維
からなる綛染め品もしくは製品染め品に対し、麻
のような風合いもしくはそれに加えて保温性を付
与したセルロース系繊維品およびその製法に関す
るものである。 〔従来の技術〕 合成繊維や、綿、再生繊維等のセルロース系繊
維からなる布帛に麻のようなドライ感、クール感
を与えるために、シリカ粒子等のセラミツク粒子
を含んだ懸濁液、ゾル溶液をウレタン系、シリコ
ン系、尿素ホルマリン系、グリオキザール系、ア
クリル系、エポキシ系、アセタール系等各種の樹
脂および触媒とともに付与し、脱水乾燥後に触媒
および高熱の作用で架橋形成させ(いわゆるキユ
アリング)、形成された樹脂膜にセラミツク粒子
を閉じ込めることが実用化されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このようなドライ感、クール感を与えるための
処理を、布帛の段階ではなく、綛染めされた段
階、あるいは製品染めされた段階で与えることが
検討されている。しかしながら、綛染め品に対し
て上記のような処理を施しても、綛糸の嵩高さや
不定形性のため、乾燥時に水分の移動が大きく、
それにつれて樹脂が流れて樹脂膜にむらができて
しまう。したがつて、得られる製品に風合い差が
生じ、好ましくない。また、製品染め品の場合に
は、繊維の色や風合いを守るために、乾燥後に刺
繍、ボタン付け等を行つたのちスチームでセツト
する工程があるだけで、キユアリング工程がない
ため、セラミツク粒子および樹脂を付与しても、
セラミツク粒子の固着が不充分で、洗濯耐久性が
ない。 また、単なるセラミツク粒子ではなく、遠赤外
線放射性のセラミツク粒子を綛染め品もしくは製
品染め品に固着させると、保温効果の高い衣料用
素材となることが期待されているが、上記と同様
の理由から、実用化されるには至つていない。 本発明は、このような事情に鑑みなされたもの
で、洗濯耐久性に優れたセラミツク処理がなされ
て従来にないドライ感あるいは保温性が付与され
ているセルロース系繊維の綛染め品および製品染
め品と、その製法の提供をその目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本発明は、綛染め
もしくは製品染めされたセルロース系繊維品の繊
維表面に、粒子径5〜50mμのカチオン変性セラ
ミツク粒子が繊維表面の弱アニオン帯電部分と疎
水性結合した状態で保持され、しかもその外側
が、セルロースと共有結合した反応型樹脂膜によ
つて被覆されているセルロース系繊維品を第1の
要旨とし、綛染めもしくは製品染めされたセルロ
ース系繊維品の繊維表面を5〜50mμのカチオン
変性セラミツク粒子含有液で処理する工程と、上
記カチオン変性セラミツク粒子含有液による処理
と同時またはその後に上記セルロース系繊維品
を、セルロースと共有結合しうる反応型樹脂の樹
脂液によつて処理する工程と、上記処理済品を脱
水し予備乾燥したのち引き続きキユアリングを行
う工程とを備え、上記樹脂液に用いる樹脂の配合
量を、純分換算で7.0%owf以下に設定し、かつ
上記予備乾燥およびキユアリングを130℃以下で
行うようにしたセルロース系繊維品の製法を第2
の要旨とする。 〔作用〕 すなわち、本発明者らは、綛染め品および製品
染め品であるセルロース系繊維品に耐久性あるセ
ラミツク処理を施す方法についてさまざまな方向
から研究を進めた。そして、その過程で、セルロ
ース繊維は、水中においてマイナスのζ電位が生
じ弱アニオンに帯電することから、カチオン変性
のセラミツク粒子を用いれば、繊維とセラミツク
粒子間に疎水性結合が生じてある程度セラミツク
粒子が繊維上に固定されるものではないかとの着
想を得た。そして、なかでも粒子径5〜50mμの
カチオン変性セラミツク粒子を供給し、さらにそ
の上を、セルロースと共有結合しうる反応型樹脂
で被覆するようにすると、セラミツク粒子がセル
ロース径繊維表面にむらなく拡散した状態で繊維
表面に保持され、その状態で、共有結合によつて
強固に固着した樹脂膜の三次元架橋構造内に閉じ
込められるため、繊維表面から脱落することがな
いことがわかつた。また、本発明が対象とする綛
染め品や製品染め品では、樹脂の供給量や乾燥・
キユアリングの条件として、織物等の樹脂仕上げ
加工をそのまま適用すると、逆に繊維の損傷や黄
変、染料の色落ち等が生じて品質が低下すること
がわかつた。そこで、さらに研究を重ねた結果、
樹脂の配合量を純分換算で7.0%owf以下に限定
し、乾燥・キユアリングを130℃以下で行うよう
にすると、繊維の風合いを損なうことなく改質さ
れ、その改質が優れた耐洗濯性を示す綛染め品お
よび製品染め品が得られることを見いだし本発明
に到達した。また、セラミツク粒子の中でも、特
に遠赤外線放射効果の高いセラミツク粒子を用い
ると、保温性に優れた綛染め品および製品染め品
が得られることがわかり、その用途が拡大される
ことがわかつた。 つぎに、本発明を詳細に説明する。 本発明は、綛染めされた糸状のセルロース系繊
維もしくは製品染めされた製品形状品を対象とす
る。上記「セルロース系繊維」とは、綿やビスコ
ースレーヨン、銅アンモニアレーヨン等の再生セ
ルロース繊維等、セルロースを主体とする繊維の
ことをいう。また、麻のようなドライ感、クール
感を付与することが本発明の一つの目的ではある
が、麻に対して一層耐久性あるドライ感、クール
感を付与するため、あるいは保温性を高めるため
に本発明を適用してもよい。したがつて、本発明
において、セルロース系繊維とは麻をも含む趣旨
である。なお、上記綛染め品および製品染め品に
は、染料を用いずに精練処理等を行つて得られる
生成り製品も含む。 本発明のセルロース系繊維品は、上記綛染め品
もしくは製品染め品の繊維表面を、例えばつぎの
ようにしてセラミツク処理を施したものである。 (1) セラミツク粒子のセルロース系繊維表面への
結合 綛染め品もしくは製品染め品のセルロース系
繊維表面にカチオン変性したセラミツク粒子を
供給する。セルロース系繊維の表面は、アニオ
ン基を有するものではないが、すでに述べたよ
うに、水中でアニオンに帯電するため、この弱
アニオン帯電部分を利用してセラミツク粒子を
繊維上に固定するには、カチオン変性セラミツ
ク粒子を用いることが必要である。そして、そ
の供給方法は、染色において染液を供給するの
と同様の要領でカチオン変性セラミツク粒子含
有液を供給すればよい。上記カチオン変性セラ
ミツク粒子含有液とは、カチオンセラミツク粒
子が水等の分散媒に懸濁状態もしくはゾル状態
で分散する分散液、もしくはコロイド溶液等の
水溶液である。セラミツク粒子としては、
TiO2、SiO2、ZrO2、ZnO、Al2O3、SnO2等が
あげられ、特に製品に保温性を与えたい場合に
は、これらの中でも遠赤外線放射効果の高い
Al2O3やZrO2等が用いられる。なお、用いるセ
ラミツク粒子の粒子径は、5〜50mμ(ミリミ
クロン)に設定することが必要である。すなわ
ち、粒子径が5mμより小さいものでは得られ
る製品の改質効果が充分ではなく、逆に50mμ
より大きいものではセラミツク粒子による凹凸
差が顕著になつて粗剛感が強くなるとともにセ
ラミツク粒子が後述する樹脂膜の三次元架橋構
造によつて閉じ込められにくく繊維表面から離
脱しやすいからである。 このようなセラミツク粒子の市販品として
は、粒子含有液として、例えば市販されている
カチオン変性コロイダルシリカ(CLA−530、
共栄油脂化学工業社製、粒子径5〜30mμ)
や、カチオン変性酸化チタン溶液(PCY、日
興化学研究所製、粒子径5〜30mμ)や、カチ
オン変性酸化アルミニウム溶液(PCY−2、
日興化学研究所製、粒子径5〜30mμ)等があ
げられる。なお、上記カチオン変性セラミツク
粒子含有液に異なる種類のセラミツク粒子を混
入されるようにして2種類以上のセラミツク粒
子を繊維表面に供給するようにしてもよい。ま
た、種類の異なるカチオン変性セラミツク粒子
含有液自体を混合使用するようにしてもよい。 なお、セラミツク粒子の配合量は、純分換算
で、0.02〜4.0%owf(繊維重量に対する重量、
以下同じ)、特に0.2〜3.0%owfに制定すること
が好適である。この範囲内で、特に改質効果が
高い。 (2) 樹脂によるカチオン変性セラミツク粒子の固
定 上記のようにしてカチオン変性セラミツク粒
子が供給された繊維品に、セルロースと共有結
合しうる反応型樹脂およびその樹脂の架橋に適
した触媒を供給する。そして、後述するキユア
リング工程において三次元的に架橋反応を進め
ることにより、セラミツク粒子ごと繊維の非結
晶領域に充填させ、さらには繊維表面を被覆す
る樹脂膜を形成させて、セラミツク粒子を繊維
に強固に固定させる。上記繊維膜を形成させる
には、用いる樹脂の配合量を、7.0%owf以下
に設定することが必要で、なかでも2.0〜7.0%
owf(いずれも純分換算)に設定することが好
適である。すなわち、樹脂量が7.0%owfを超
えると、後述する予備乾燥・キユアリング工程
時に樹脂が流れて動きやすくむらが生じ、繊維
の風合いを損なうからである。 上記樹脂としては、カチオン系のポリアミド
エピクロルヒドリン樹脂、ポリウレタン樹脂、
グリオキザール系樹脂等があげられ、特にグリ
オキザール系樹脂が好適である。しかし、通常
のグリオキザール系樹脂ではセルロースとの反
応でホルマリンが生じるため、衣料に対するホ
ルマリン規制上好ましくない。そこで、本発明
では特に低ホルマリン型グリオキザール系樹脂
が好適である。ちなみに、雑木グリオキザール
系樹脂は、下記のような構造式を有しており、
下記のような反応によりセルロースと共有結合
を形成する。この反応式を後記に示す。 <通常のグリオキザール系樹脂の構造> <低ホルマリン型グリオキザール系樹脂の構造
<グリオキザール系樹脂とセルロースの反応> 通常のタイプ セルロース ――――――――― OH+CH3OCH2−N<→セルロース ――――――――― +CH3OHOCH2−N< 低ホルマリンタイプ セルロース ――――――――― OH+HOCH2−N<→セルロース ――――――――― +H2OOCH2−N< このように、上記樹脂は、セルロース系繊維
表面に供給されると、セルロース系繊維表面と
強力な共有結合を形成して耐久性の高い樹脂皮
膜を形成する。したがつて、前記セラミツク粒
子はこの樹脂膜に包み込まれるため容易に繊維
表面から脱落することがなく、洗濯等を繰り返
してもその特性が変化することがない。 なお、上記樹脂の供給は、前記セラミツク粒
子の供給と別工程で行うようにしても、同時に
行うようにしても何ら差し支えはない。 (3) 脱水および予備乾燥 上記樹脂が供給された繊維品を遠心脱水にか
けたのち、懸垂、ネツトコンベアー、トンネル
式等の熱風乾燥、あるいは高周波乾燥等で予備
乾燥を行う。このとき、予備乾燥の温度は130
℃以下で行うことが必要である。130℃を超え
ると、繊維の損傷、黄変や染料の色落ち等が生
じて品質が悪くなる。 (4) キユアリング 上記予備乾燥後に、さらに一定の条件下で乾
燥を続けてキユアリングを行う。上記乾燥は90
〜130℃程度の熱風乾燥を行うようにする。こ
の乾燥によつて、前記セルロース系繊維表面に
供給された樹脂内で三次元的に架橋反応が進行
して、包み込んだセラミツク粒子を閉じ込めた
状態の樹脂膜となる。キユアリングにおいて
も、上記と同様の理由から、温度を130℃以下
にする。 このようにして得られたセルロース系繊維品
は、セラミツク粒子の固定によつて、綿や再生
繊維であつても麻のようなドライでクールな風
合いを持つようになる。そして、上記セラミツ
ク粒子は、疎水性結合によつて繊維表面に保持
された状態でその外側が、共有結合によつて繊
維に強固に固着する樹脂膜で覆われており脱落
しにくいため、この風合いが洗濯を繰り返して
も損なわれることがないという特長を有する。
また、麻製品に上記処理を施した場合には、麻
製品自身の風合いが一層強められるとともに、
その耐洗濯性が向上するという利点を有する。
さらに、これらの繊維品はセルロース系繊維か
らなるため吸水性にも優れている。したがつ
て、本発明のセルロース系繊維品は、夏物衣
料、スポーツ衣料あるいは肌着等として従来に
ない優れた風合いと機能を備えた素材となる。
また、セラミツク粒子として遠赤外線放射効果
の高いものを用いると、上記風合いが加味され
るのみならず保温性にも富むようになる。した
がつて、肌着等として特に優れた素材となる。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 実施例1〜7、比較例1〜12 まず、試験糸として綿糸(30/1)の綛糸を準
備した。そして、下記の薬剤を用い、通常の手順
に従つて綛染めを行つた。 <薬剤> 精練−35%過酸化水素 5c.c./ 漂白−苛性ソーダ 2g/ ポリオキシエチレンアリルフエニルエーテル型
活性剤 1g/ 染色−Cibacron Yellow F−3R 0.14% owf Scarlet F−3G 0.07% owf Blue F−R 0.05% owf (以上、チバガイギー社製) 金属封鎖剤 2g/ 結晶芒硝 60g/ ソーダ灰 10g/ 洗浄−ポリオキシエチレンアリルフエニルエーテ
ル型活性剤 0.5g/ すなわち、上記薬剤を用い、精練・漂白を100
℃×30分行い、ついで染色を30℃で開始し、30分
で60℃に昇温したのち10分間保持した。そして、
ソーダ灰を徐々に投入して全量投入後30分保持し
た。このあと、洗浄を90℃×10分行つてから湯洗
い・水洗を行つて処理を終了した。 そして、染色に用いた綛糸染色機を利用し、綛
糸の繊維表面にセラミツク粒子を供給すると同時
に樹脂液を供給した。供給は、40℃×10分行つ
た。 なお、セラミツク粒子および樹脂液としては、
下記のものを準備した。なお、物質の名称のあと
に、その物質のイオン的性質を、A(アニオン)、
C(カチオン)、N(非イオン)の記号で区別した。
また、配合量は、全て純分換算で示した。 <セラミツク粒子> コロイダルシリカ: CLA−530(共栄油脂化学工業社製)≪C≫
1.5% owf アニオン変性コロイダルシリカ: Syntharesin K−45(バイエル社製)≪A≫
4.0% owf <樹脂液> ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂: ポーラミン120X(東邦化学社製)≪C≫
2.0% owf ポリウレタン樹脂: M−1041≪C≫ 4.0% owf エラストロンキヤタリスト64 0.1% owf カテオゲンES−L 0.2% owf ユニガードM−13 0.1% owf (以上、第一工業社製) ポリウレタン樹脂: エラストロンH38≪A≫ 2.5% owf エラストロンキヤタリスト64 0.1% owf (以上、第一工業社製) 酢酸ビニル共重合体樹脂: マーボゾールE100(松本油脂社製)≪N≫
4.0% owf 酢酸ビニル共重合体樹脂: ビニライトHS(共栄油脂化学工業社製)≪N≫
4.0% owf ポリアクリレート樹脂: マーボゾールM−1(松本油脂社製)≪A≫
4.0% owf ポリアクリレート樹脂: メイカセツトHA−1(明成化学社製)≪N≫
4.0% owf 変性ポリビニルアルコール樹脂: KYN−187(一方社製)≪N≫ 4.0% owf 水ガラス: 珪酸ソーダ3号(京浜化成社製)≪A≫
6.0% owf グリオキザール系樹脂: スミテツクスレジンNS−19≪C≫ 5.0% owf スミテツクスアクセレレーターX−80
0.6% owf (以上、住友化学社製) グリオキザール系樹脂: リケンレジンMS−5≪C≫ 5.0% owf リケンフイクサーMX−2 0.6% owf グリオキザール系樹脂: リケンレジンMS−71≪C≫ 5.0% owf リケンフイクサーMX−2 0.6% owf グリオキザール系樹脂: リケンレジンMS−26≪C≫ 4.0% owf リケンフイクサーLTC−28 0.4% owf (以上、三木理研社製) グリオキザール系樹脂: Fixapret COC 6.0% owf Condensol FB 0.6% owf (以上、BASF社製) 上記セラミツク粒子および樹脂を供給した綛糸
を綛糸染色機から取り出して下記の条件で脱水お
よび乾燥を行い、目的とする綛染め処理品を得
た。 <脱水条件> 遠心脱水機を用いて脱水を行い、水分率を50%
とした。 <乾燥条件> 熱風乾燥を110℃で30分間行い予備乾燥を終了
したのちさらに30分間維持してキユアリングを行
つた。 そして、各系を、同一編機で同一仕様の編み地
に仕立て、このときの糸解舒性を評価するととも
に、得られた編み地に対し実用洗濯試験(JIS
0217103法)を行つて実用洗濯後の風合いを調べ
た。その結果を下記の第1表に示す。
【表】 上記の結果から、カチオン系樹脂を用いた実施
例品はいずれも良好な風合いを示していることが
わかる。そして、これらの中でも特にグリオキザ
ール系樹脂を用いた実施例3〜7品が糸の解舒性
にも優れており実用的であることがわかる。これ
に対し、アニオン系もしくは非イオン系樹脂を用
いた比較例品はいずれも糸の解舒性もしくは洗濯
後の風合いが悪く、本発明の目的を達し得ないこ
とがわかる。 比較例 13 セラミツク粒子として、カチオン変性コロイダ
ルシリカであつて粒子径が50mμを超え100mμ
以下のものを調製した。これを用い、他の条件は
実施例3と同様にして編み地を仕立て、上記と同
様にして、糸解舒性と実用洗濯後の風合いを評価
した。このものは、糸解舒性は良好であるが、洗
濯後にセラミツク粒子が殆ど脱落してしまい、風
合いの向上効果が得られなかつた。 実施例 8 綿糸(20/2)を丸編みして編み地に編み立て
たのち、型紙に従つて所定形状に裁断し縫製して
婦人用セーター形状の成形品を得た。そして、こ
の成形品をドラム染色機にかけ下記の条件で染色
した。 <薬剤> 精練−精練剤 2g/ 苛性ソーダ 2g/ 漂白−35%過酸化水素 8c.c./ スタビライザーPDN 3g/ 染色−Sumifix Supra Yellow 3RF 0.15% owf Brill.Red 3BF 0.04% owf Blue 8RF 0.07% owf (以上、住友化学社製) 結晶芒硝 50g/ ソーダ灰 15g/ 洗浄−洗浄剤 2g/ すなわち、上記薬剤を用い、精練を95℃×20分
行い、ついで漂白を95℃×45分行つた。そして、
染色を50℃×60分行つたのち洗浄を90℃×15分行
い処理を終了した。 そして、染色に用いたドラム染色機を利用し、
ひき続いて成形品の繊維表面に下記のセラミツク
粒子および樹脂液を供給した。供給は40℃で10分
行つた。なお、配合量は、全て純分換算で示し
た。 <セラミツク粒子> CLA−530 1.5% owf <樹脂液> スミテツクスレジンNS−19 5.0% owf スミテツクスアクセレレーターX−80
1.0% owf そして、湯洗い・水洗後、遠心脱水とタンブラ
乾燥(100℃×30分)とキユアリング(105℃×30
分)を行つて目的とする製品染め処理品を得た。 比較例 14 セラミツク粒子と樹脂液を供給したのちの乾燥
を100℃×30分(通常の乾燥条件)だけにしてキ
ユアリングを行わなかつた。それ以外は上記実施
例8と同様にして目的とする製品染め処理品を得
た。 このようにして得られた実施例8品および比較
例14品について、実用洗濯試験(JIS 0217103法)
を行つて洗濯による風合いと珪素量の変化を調べ
た。 これらの結果を下記の第2表に示す。 なお、上記珪素量は、蛍光X線分析機(理学電
気工業社製)を用いて測定したものである。
【表】 上記の結果から、実施例8品は優れた耐洗濯性
を備えていることがわかる。これに対し、比較例
14品はキユアリングを行つていないので、シリカ
粒子がすぐに脱落して風合いに耐洗濯性がなく、
実用的でない。 なお、実施例3品と実施例8品について、ホル
マリン溶出が問題にならないかどうか、そのホル
マリン溶出量をアセチルアセトン法にしたがつて
測定した。その結果を下記の第3表に示す。
【表】 これに対し、厚生省(第34号)に基づくホルマ
リン規制値は下記の通りであり、実施例品はいず
れも乳幼児用衣料を除いて各種の衣料への適用が
可能であることがわかる。 <ホルマリン規制値> 乳幼児用…A−A0≦0.05 下着用…75PPM以下 中衣用…300PPM以下 外衣用…500PPM以下 *なお、PPM=μg/gである。 実施例 9 綿糸(20/2)を用い婦人用セーター形状の成
形品をつくり、実施例8と同様にして製品染め品
をつくつた。そして、染色に用いたドラム染色機
を利用し、引き続いて成形品の繊維表面に下記の
セラミツク粒子と樹脂液を供給した。供給は40℃
で10分間行つた。なお、配合量は、全て純分換算
で示した。 <セラミツク粒子> カチオン変性酸化アルミニウム溶液(PCY−2、
日興化学研究所製)固形分換算 2.0% owf <樹脂液> スミテツクスレジンNS−19(住友化学社製)
7.5% owf スミテツクスアクセレーターX−80(同上)
1.0% owf そして、湯洗い・水洗後、遠心脱水とタンブラ
乾燥(100×30分)とキユアリング(125℃×10
分)を行つて目的とする製品染め処理品を得た。 実施例 10、11 セラミツク粒子として実施例9で使用したもの
を用い、それ以外は実施例4と同様にして綛染め
処理品を得た(実施例10)。また、同じくセラミ
ツク粒子として実施例9で使用したものを用い、
それ以外は実施例7と同様にして綛染め処理品を
得た(実施例11)。そして、これらをそれぞれ編
み立て(組織:天竺、目付:210g/m2)した。 比較例 15、16 上記実施例9の前段部と同様にして製品染め
し、セラミツク粒子および樹脂液による処理を行
わない未処理の製品染め品(比較例15品)をつく
つた。また、通常の方法に従い、セラミツク粒子
および樹脂液による処理を行わない未処理の綛染
め品(比較例16品)をつくり、これを編み立て
(組織:天竺、目付:320g/m2)した。 これらの製品染め品および綛編み立て品につい
て、下記の試験を行つた。 <保温性評価試験> サーモラボ型(加藤テツク社製)を用い、プ
レート温度を36.5℃に保つてヒータの消費電力を
測定した。環境は20℃×65%RH、無風状態とし
た。したがつて、保温効果の高いものほど小さい
値となる。 <遠赤外線放射能力評価試験> 各製品染め品および編み立て品を、遠赤外線パ
ワーメーター(オプテツクス社製)にかけて製品
から放射される遠赤外線を測定した。測定は、各
製品を28℃に加温した場合と100℃に加温した場
合のそれぞれについて行つた。 <付与されたセラミツク粒子の耐洗濯性> 実用洗濯(JIS 0217103号)前後におけるアル
ミニウム量を、蛍光X線分析機(理学電気工業社
製)にかけて測定した。 これらの試験結果を下記の第4表に示す。
【表】 上記の結果から、実施例品は比較例品に比べ保
温性に優れており、しかも繊維表面に供給された
セラミツク粒子が繰り返し洗濯されても殆ど脱落
しないものであることがわかる。 〔発明の効果〕 以上のように、本発明のセルロース系繊維品
は、カチオン変性セラミツク粒子が弱アニオンに
帯電した繊維表面に分布保持された状態で、繊維
と共有結合して強固に一体化する特殊な樹脂によ
つて被覆されているため、洗濯によつて脱落する
ことがない。したがつて、洗濯を繰り返してもセ
ラミツク粒子に由来する麻のようなドライ感、ク
ール感、あるいは遠赤外線放射による保温性が長
く維持されるという、従来の綛染め品、製品染め
品では実現できなかつた優れた効果を実現するも
のである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 綛染めもしくは製品染めされたセルロース系
    繊維品の繊維表面に、粒子径5〜50mμのカチオ
    ン変性セラミツク粒子が繊維表面の弱アニオン帯
    電部分と疎水性結合した状態で保持され、しかも
    その外側が、セルロースと共有結合した反応型樹
    脂膜によつて被覆されていることを特徴とするセ
    ルロース系繊維製品。 2 上記カチオン変性セラミツク粒子が、遠赤外
    線放射物質である請求項1記載のセルロース系繊
    維品。 3 上記セルロースと共有結合しうる反応型樹脂
    が、低ホルマリン型グリオキザール系樹脂である
    請求項1または2記載のセルロース系繊維品。 4 綛染めもしくは製品染めされたセルロース系
    繊維品の繊維表面を粒子径5〜50mμのカチオン
    変性セラミツク粒子含有液で処理する工程と、上
    記カチオン変性セラミツク粒子含有液による処理
    と同時またはその後に上記セルロース系繊維品
    を、セルロースと共有結合しうる反応型樹脂の樹
    脂液によつて処理する工程と、上記処理済品を脱
    水し予備乾燥したのち引き続きキユアリングを行
    う工程とを備え、上記樹脂液に用いる樹脂の配合
    量を、純分換算で7.0%owf以下に設定し、かつ
    上記予備乾燥およびキユアリングを130℃以下で
    行うようにしたことを特徴とするセルロース系繊
    維品の製法。
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