JPH0565376A - 耐衝撃性ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性ポリプロピレン樹脂組成物

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JPH0565376A
JPH0565376A JP22558391A JP22558391A JPH0565376A JP H0565376 A JPH0565376 A JP H0565376A JP 22558391 A JP22558391 A JP 22558391A JP 22558391 A JP22558391 A JP 22558391A JP H0565376 A JPH0565376 A JP H0565376A
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ethylene
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propylene
polypropylene
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浅沼  正
Kensei Sasaki
建世 佐々木
Shosuke Nakanishi
章介 中西
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Abstract

(57)【要約】 【構成】実質的にシンジオタクティック構造を有するポ
リプロピレン100 重量部とエチレン含量が10wt%以上
50wt%未満であるシンジオタクティック構造のエチレ
ンとプロピレンの共重合体1 〜100 重量部とエチレン含
量が50〜95wt%のエチレンとプロピレンの共重合体1
〜100 重量部からなり2種のエチレン−プロピレン共重
合体の比が1:0.1 〜1: 10である耐衝撃性ポリプロピ
レン樹脂組成物。 【効果】剛性と耐衝撃性のバランスに優れた樹脂組成物
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐衝撃性ポリプロピレン
樹脂組成物に関する。詳しくは実質的にシンジオタクテ
ィック構造のポリプロピレンとエチレンとプロピレンの
共重合体からなり、しかも一部のポリプロピレンとエチ
レンとプロピレンの共重合体が実質的に相溶しているポ
リプロピレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクティックポリプロピレンに
ついては古くよりその存在は知られていたが従来のバナ
ジウム化合物とエーテルおよび有機アルミニウムからな
る触媒で低温重合する方法はシンジオタクティシティー
が悪く、シンジオタクティックなポリプロピレンの特徴
を表しているとは言い難く、ましてやエチレンとプロピ
レンの共重合体は結晶性のポリプロピレンとは言い難い
ものであった。これに対して、J.A.EWENらにより非対称
な配位子を有する遷移金属触媒成分とアルミノキサンか
らなる触媒によってシンジオタクティックペンタッド分
率が0.7 を越えるようなタクティシティーの良好なポリ
プロピレンを得られることが初めて発見された(J.Am.Ch
em.Soc.,1988,110,6255-6256) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記J.A.EWENらによる
方法は遷移金属当たりの活性が良好であり、しかも得ら
れるポリマーのタクティシティーが高く、ポリマーの物
性は比較的バランスの良好なものであるが、低温の耐衝
撃性が不良であるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して耐衝撃性に優れ、しかも透明性の良好な、物性
バランスに優れたポリプロピレンの組成物について鋭意
探索し本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、実質的にシンジオタクティ
ック構造を有するポリプロピレン100 重量部とエチレン
含量が10wt%以上50wt%未満であるシンジオタクテ
ィック構造のエチレンとプロピレンの共重合体1 〜100
重量部とエチレン含量が50〜95wt%のエチレンとプロ
ピレンの共重合体1 〜100 重量部からなり2種のエチレ
ン−プロピレン共重合体の比が1:0.1 〜1: 10である
ことを特徴とする耐衝撃性ポリプロピレン樹脂組成物で
ある。
【0006】以下に、本発明の組成物について、その製
造方法を説明することで詳細に示す。
【0007】本発明の組成物の一成分である実質的にシ
ンジオタクティック構造のポリプロピレンを合成するに
好適な触媒としては、上記文献に記載された化合物が例
示できるが、異なる構造であってもプロピレンの単独重
合体を製造した時、得られる重合体のシンジオタクティ
ックペンタッド分率(A.Zambelliら Macromoleculesvol
6 687(1973),同 vol 8 925(1975)) 0.7 以上程度の比
較的タクティシティーが高い重合体を与える触媒系であ
れば利用可能であり、例えば、非対称な配位子を有する
遷移金属化合物と有機アルミニウムからなる触媒系が有
効である。
【0008】好適な触媒系の例としては上記文献に記載
されたイソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フルオ
レニル) ハフニウムジクロリド、あるいはイソプロピル
(シクロペンタジエニル-1- フルオレニル) ジルコニウ
ムジクロリドなどが例示され、また有機アルミニウムと
してはアルミノキサンあるいはアルキルアルミニウムが
例示でき、アルミノキサンとしては、アルキルアルミニ
ウムを水で縮合した形状のものが例示でき、特にメチル
アルミノキサンが有効であり、重合度として、5 以上好
ましくは10以上のものが利用される。
【0009】上記遷移金属触媒成分に対するアルミノキ
サンの使用割合としては10〜1000000 モル倍、通常50〜
5000モル倍である。またアルキルアルミニウムと安定ア
ニオン、あるいはそれを発生する化合物を組み合わせた
ものも利用できる。
【0010】また重合条件については特に制限はなく不
活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活性媒
体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用できる。
重合温度としては−100 〜200 ℃、重合圧力としては常
圧〜100 kg/cm2 で行うのが一般的である。好ましくは
−100 〜100 ℃、常圧〜50kg/cm2 である。
【0011】また重合に際し10重量%以下の量でエチレ
ン、あるいは炭素数4以上のα−オレフィン、例えばブ
テン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、ヘプテン-1、4-メチ
ルペンテン-1を共重合することは可能であり、10重量%
より多いと組成物の物性が不良となり好ましくない。
【0012】ここで実質的にシンジオタクティック構造
であるとはプロピレンの単独重合体にあってはシンジオ
タクティックペンタッド分率として0.6 以上好ましくは
0.7以上であるものであり、0.6 より小さいものでは、
結晶性のポリプロピレンとしての特性が充分でなく物性
が不良であり好ましくない。
【0013】また他のα−オレフィンとの共重合体にあ
っては1,2,4-トリクロロベンゼン溶液で測定した13C-NM
R で約20.2ppm に観測されるピーク強度がプロピレン単
位の全メチル基に帰属されるピーク強度の0.3 以上、好
ましくは0.5 以上であるものであり、0.3 より小さいと
物性が不良であり好ましくない。
【0014】また分子量としては135 ℃のテトラリン溶
液で測定した極限粘度として0.1 〜20、好ましくは0.5
〜10程度である。
【0015】本発明においてエチレンとプロピレンの共
重合体はエチレン含量として10wt%以上50wt%未満
のものと50〜95wt%のものを併用することが肝要であ
る。ここでエチレンの一部を炭素数4以上のα−オレフ
ィンで代替することも可能であるがその量は多くともエ
チレンの半量である。
【0016】本発明で用いる10wt%以上50wt%未満
のエチレン含量の共重合体は上記シンジオタクティック
構造のポリプロピレンと良く相溶することが必要であ
り、そのためには共重合体のプロピレンの連鎖がラセミ
であることが必要である。このラセミの程度は、ポリマ
ー鎖中の6個のモノマー単位を見た時、2個あるいは3
個のプロピレンの連続のラセミ分率で表され、この値が
0.5 以上であることが好ましい。この構造は、13C-NMR
によって知ることができる。例えば、浅倉らによって報
告された、Polymer,1988、vol29 2208に詳細が示されて
いる。また共重合体の分子量としては135 ℃のテトラリ
ン溶液で測定した極限粘度として0.1 〜20、好ましくは
0.5 〜10程度である。
【0017】該共重合体を製造するに好適な触媒として
は、上記プロピレンの重合を行った時、得られる重合体
が高度にシンジオタクティック構造であって、しかもエ
チレンとの共重合性が良好であるようなものが挙げられ
る。具体的には上記、触媒系が利用され、重合条件につ
いても上記条件がそのまま利用できる。
【0018】本発明においてもう一つの共重合体として
はエチレン含量が50〜95wt%であることが必要であ
り、この成分はシンジオタクティックポリプロピレンと
相溶せずに相分離をおこし特に低温での耐衝撃性を改良
する効果がある。この共重合体の分子量としては135 ℃
のテトラリン溶液で測定した極限粘度として0.1 〜20、
好ましくは0.5 〜10程度である。
【0019】この共重合体を製造するに好適な触媒とし
ては、プロピレンの重合を行った時、得られる重合体が
アイソタクティック構造であれ、シンジオタクティック
構造であれアタクティック構造であれどのようなもので
も利用でき、所望のエチレン含量で所望の分子量の共重
合体を与えるものであれば良い。重合条件については同
様に上記条件がそのまま利用できる。
【0020】本発明においてシンジオタクティックポリ
プロピレンに対する共重合体の量比は、シンジオタクテ
ィックポリプロピレン100 重量部に対し、エチレン含量
が10wt%以上50wt%未満であるシンジオタクティッ
ク構造のエチレンとプロピレンの共重合体1 〜100 重量
部とエチレン含量が50〜95wt%のエチレンとプロピレ
ンの共重合体1 〜100 重量部からなり2種のエチレン−
プロピレン共重合体の比が1:0.1 〜1: 10であること
が必要である。
【0021】共重合体の量が少なすぎると耐衝撃性の改
良効果がなく、多すぎると、剛性が不良となる。また2
種の共重合体の量比はエチレン含量が10wt%以上50w
t%未満であるシンジオタクティック構造のエチレンと
プロピレンの共重合体の量が多すぎると剛性の低下が大
きく、またエチレン含量が50〜95wt%のエチレンとプ
ロピレンの共重合体が多くなりすぎても耐衝撃性の改良
効果が小さい。
【0022】本発明の組成物は上記3成分を良好な混合
が可能な混練機を用いて混合することも可能である。ま
た、はじめにプロピレンを重合しついでエチレンとプロ
ピレンを共重合する、いわゆるブロック共重合法によっ
て製造することができるが、本発明の組成物とするため
には、共重合体をさらに混練するのが好ましい。
【0023】本発明の組成物を製造するに利用する混練
機としては、比較的強度の混練が可能なものが好ましく
利用でき、2軸のスクリューを設けた押出機、バンバリ
ー式混練機などが利用できる。混練の温度としては150
〜350 ℃、好ましくは180 〜300 ℃である。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0025】実施例1 内容積7リットルのオートクレーブで常法に従って合成
したイソプロピルシクロペンタジエニル-1- フルオレン
をリチウム化し、四塩化ジルコニウムと反応し再結晶す
ることで精製して得たイソプロピル(シクロペンタジエ
ニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジクロリド15mgと
東ソ−・アクゾ(株)製メチルアルミノキサン(重合度
16.1)2gをトルエン3リットルに溶解し、20℃でプロピ
レンを4kg/cm2-G まで装入し、4kg/cm2-G になるよ
うにプロピレンを追加しながら2時間重合してシンジオ
タクティックポリプロピレン280 gを得た。このポリマ
ーの135 ℃テトラリン溶液で測定した極限粘度は1.41で
ありシンジオタクティックペンタッド分率は0.923 であ
った。
【0026】また同じ装置を用い同様に触媒を装入した
後、プロピレンを0.5 kg/cm2-G 、エチレンを3 kg/cm
2-G になるように加え30分間重合した。重合後、未反応
のモノマーをパージし多量のメタノールに溶液を入れポ
リマーを析出させた。得られたポリマーは85gでありエ
チレン含量は38wt%,極限粘度は0.78、ラセミ分率は
0.85であった。また市販のエチレン- プロピレン共重合
体( 三井石油化学(株)製のエチレン−プロピレン共重
合体(エチレン含量73wt%、タフマ−P0280))も用
いた。
【0027】シンジオタクティックポリプロピレン100
重量部、エチレン含量38wt%の共重合体15重量部、エ
チレン含量73wt%の共重合体15重量部を池貝鉄工
(株)製の30mmφの押出機(池貝PCM30)を用い210
℃(100rpm)で混練してペレットとした。このペレットを
用いて、大阪精機工作(株)製の40mmφ押出機に幅200m
mのダイを取りつけ、厚さ2 mmのシートを成形した。
【0028】このシートについて以下の物性を測定し
た。 ・曲げ剛性度:kg/cm2 ASTM D747 (23℃) ・引張降伏強さ:kg/cm2 ASTM D638 (23℃) ・伸び:% ASTM D638 (23℃) ・アイゾット (ノッチ付) 衝撃強度:kg・cm/cmASTM D
256 (23℃、−10℃、−30℃) ・ヘイズ:% ASTM D1003に準拠した。
【0029】曲げ剛性度は5600kg/cm2 、引張降伏強さ
は 161kg/cm2 、伸びは420 %、アイゾット衝撃強度は
69、64、50(それぞれ23℃、−10℃、−30℃) kg・cm/
cmであり、ヘイズは38%であった。
【0030】比較例1 共重合体としてエチレン含量38wt%のものだけを用い
た他は実施例1と同様にしたところ、曲げ剛性度は3000
kg/cm2 、引張降伏強さは 139kg/cm2 、伸びは323
%、アイゾット衝撃強度は61、64、5.4 (それぞれ23
℃、−10℃、−30℃) kg・cm/cmであり、ヘイズは35%
であった。
【0031】比較例2 共重合体としてエチレン含量73wt%のものだけを用い
た他は実施例1と同様にしたところ、曲げ剛性度は4500
kg/cm2 、引張降伏強さは 161kg/cm2 、伸びは349
%、アイゾット衝撃強度は69、75、15(それぞれ23℃、
−10℃、−30℃)kg・cm/cmであり、ヘイズは43%であ
った。
【0032】実施例2 共重合体としてエチレン含量38wt%の共重合体を10重
量部、エチレン含量73wt%のものを20重量部用いた他
は実施例1と同様にしたところ、曲げ剛性度は5800kg/
cm2 、引張降伏強さは 182kg/cm2 、伸びは410 %、ア
イゾット衝撃強度は69、64、55(それぞれ23℃、−10
℃、−30℃) kg・cm/cmであり、ヘイズは37%であっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明の共重合体、および組成物は耐衝
撃性に優れ、しかも極めて物性バランスに優れており、
工業的に極めて価値がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にシンジオタクティック構造を有
    するポリプロピレン100 重量部とエチレン含量が10wt
    %以上50wt%未満であるシンジオタクティック構造の
    エチレンとプロピレンの共重合体1 〜100 重量部とエチ
    レン含量が50〜95wt%のエチレンとプロピレンの共重
    合体1 〜100 重量部からなり2種のエチレン−プロピレ
    ン共重合体の比が1:0.1 〜1: 10であることを特徴と
    する耐衝撃性ポリプロピレン樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000061678A1 (fr) * 1999-04-13 2000-10-19 Mitsui Chemicals, Inc. Compositions et objet moule en polymere syndiotactique souple
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