JPH0564884U - 照明式インジケータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 透過照明の必要な表示部分にだけ、より多く
の光を導いて、透過照明の輝度を増やし、かつ輝度を均
一にすることにより、照明品質を向上させる。 【構成】 照明用光源５の光は、プリズム７内を導光さ
れて、シンボル表示色印刷部１３に吸収され、シンボル
意匠１２を透過照明する。そして、シンボル意匠１２と
ポジション表示枠１１とからなる表示部を形成する黒色
印刷部１０は、表示パネル１５に印刷されている。ま
た、シンボル表示色印刷部１３は、プリズム７の表面に
直接印刷されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一対の表示の一方を常時透過照明させ、他方を選択的に透過照明さ せる照明式インジケータに関し、特にその照明の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６および図７は、オートマチック車のトランスミッションにおけるギヤのポ ジションを表示するインジケータの構造を示すもので、図中、符号１で示すもの は、仕切壁２に囲まれ一方が開口した箱状を呈する一列に配列された複数の光源 収納部３、４を有するケースである。 図中、最上位の光源収納部３には、照明用光源５が収納され、また２番目以降 の複数の光源収納部４には、ポジション光源６が、それぞれ１つづ収納されてい る。

【０００３】 ケース１の開口部には、この開口部を覆うようにして、平板細長矩形状のプリ ズム７が取付けられており、このプリズム７の一端には、前記照明用光源５の位 置に対応して配設され、照明用光源５から発光された光がプリズム７内に導入さ れる光導入部７ａが突出形成されている。 また、２番目以降の複数の光源収納部４の開口部には、この開口部を覆うよう にしてレンズ８が取付けられており、このレンズ８の裏面には、光源収納部４の それぞれの開口部に対応して、透過性のポジション表示色印刷部８ａが印刷され 、このポジション表示色印刷部８ａを縁取りするようにして黒色枠印刷部８ｂが 印刷されている。

【０００４】 前記プリズム７の表面には、直接、全面に亘って黒色印刷部１０が印刷され不 透過処理が施され、この黒色印刷部１０には、前記光源収納部４、５に対応した 位置に黒色抜き印刷による透過処理が施され、複数のシンボル意匠１２と、この シンボル意匠の周りを囲むポジション表示枠１１とがそれぞれ形成されており、 それぞれのシンボル意匠１２には、矩形状のシンボル表示色印刷部１３が、プリ ズム７の表面に直接印刷されている。

【０００５】 従来の照明式インジケータは以上のように構成されており、以下に動作を説明 する。 プリズム７の光導入部７ａからプリズム７内に導入された照明用光源５の光Ｌ ₁ 、Ｌ₂は、プリズム７内を反射を繰り返して進み、シンボル表示色印刷部１３に それぞれ入射角θ₁、θ₂で入射する。（θ₁＜臨界角、θ₂＞臨界角） 入射角θ₁の光Ｌ₁は、そのままシンボル表示色印刷部１３を透過してｌ₁ とし てシンボル意匠１２を透過照明する。 入射角θ₂の光Ｌ₂は、θ₂＞臨界角にもかかわらず、シンボル表示色印刷部１ ３が、プリズム７の表面に直接印刷されているので、プリズム７内に全反射せず 、相当量がシンボル表示色印刷部１３に吸収されて、シンボル意匠１２を透過照 明する。 このように、照明用光源５の点灯によって、照明用光源５の光はプリズム７内 を導光されて、すべてのシンボル意匠１２を透過照明させて、運転車にギヤの選 択位置を知らせている。

【０００６】 このとき、トランスミッションのギヤの位置が最上位のＰ（パーキングを示す ）にあると、シンボル意匠１２のＰに対応したポジション光源６が点灯し、この ポジション光源６からの光Ｌ₃、Ｌ₄は、ポジション表示色印刷部８ａを透過して 所定の表示色に着色され、プリズム７を透過して、それぞれシンボル意匠１２と ポジション表示枠１１を透過照明する。 このポジション表示枠１１の透過照明によって、ギヤがＰの位置にあることを 運転手に知らせるものである。

【０００７】 ところで、上述した従来の照明式インジケータにおいては、プリズム７の表面 に黒色印刷部１０を印刷した構造としているために、プリズム７内を導光するθ ₂ ＞臨界角の照明用光源５の光Ｌ₂は、黒色印刷部１０との反射点Ａにおいて、全 反射せずに、黒色印刷部１０に一部が吸収される吸収光ｌ_A が発生する。 このために、プリズム７内を導光される光Ｌ₂ は減衰して、シンボル意匠を充 分に透過照明させることができないといった欠点がある。

【０００８】 そこで、この欠点を補うものとして、図８および図９に示す第２の従来例があ る。 この第２の従来例では、シンボル表示１２とポジション表示枠１３とから構成 される表示部を透明な表示パネル１５に形成したものである。 すなわち、シンボル意匠１２とポジション表示枠１３を形成する黒色印刷部１ ０を表示パネル１５の裏面に印刷すると共に、シンボル意匠１２に対応する表示 パネル１５の裏面にシンボル表示色印刷部１３を印刷したものである。

【０００９】 このように、シンボル意匠１２とポジション表示枠１３からなる表示部を構成 する表示パネル１５をプリズム７と別体に設け、プリズム７と離間して配設する ことにより、プリズム７の表面から黒色印刷部１０が離間し、このため、プリズ ム７内を導光する照明用光源５の光Ｌ₂ は、プリズム７の反射面の反射点Ａにお いて、外部に漏洩することなく全反射するので、プリズム７内での減衰を防止す ることができるものである。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した第２の従来例においては、表示パネル１５をプリズム ７から離間して配設するため、表示パネル１５に印刷したシンボル表示色印刷部 １３がプリズム７の表面から離間しているので、シンボル表示色印刷部１３への 吸収による透過光は無い。 このため、シンボル意匠１２における透過光として利用できる光は、シンボル 意匠１２に対応したプリズム７の反射面に導光されてきた光のうち、反射面での 入射角θが臨界角よりも小なる光のみで、この光がプリズム７の反射面を透過し てシンボル意匠１２を透過照明させるもので、透過光が限られており、このため 、透過照明量が少なくなり、シンボル意匠１２の透過照明は充分ではないといっ た問題がある。

【００１１】 そこで、シンボル意匠１２での透過光量を増加させるために、図８に示すよう に、シンボル意匠１２に対応する位置のプリズム７の裏面にシボ処理７ｂを施し て、乱反射を利用する方法もある。 しかしながら、この方法では、シンボル意匠１２に近接したポジション表示枠 １１にも乱反射による光ｌ₃ が透過してしまい、照明用光源５でポジション表示 枠１１まで透過照明することとなり、ギヤの選択位置を示す（シンボル意匠１２ に近接した）ポジション表示枠を選択的に表示することができなくなるといった 本考案の基本的な目的が達成できないといった不都合が生じるものである。

【００１２】 したがって、本考案は、上記したような従来の欠点、問題あるいは不都合に鑑 みてなされたものであり、その目的とするところは、透過照明の必要な表示部分 にだけ、より多くの光を導いて、透過照明の輝度を増やし、かつ輝度を均一にす ることにより、照明品質を向上させた照明式インジケータを提供することにある 。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案に係る照明式インジケータは、不透過印刷 部が印刷された表示面に部分的に透過処理が施されて形成されたシンボル意匠と このシンボル意匠の周りを囲むポジション表示枠とを有する表示部と、この表示 部の裏面に配置したプリズムと、このプリズム内に光を導入する照明用光源と、 前記シンボル意匠の裏面に対応して印刷され前記プリズム内に導入した照明用光 源をシンボル意匠に導くシンボル表示色印刷部と、前記表示部の裏面側に配置さ れ前記シンボル意匠およびポジション表示枠の両方を透過照明させるポジション 表示用光源とからなり、このポジション表示用光源を選択的に点灯、消灯させる ことにより前記ポジション表示枠を選択的に透過照明させる照明式インジケータ であって、前記不透過印刷部が印刷されこの不透過印刷部が前記プリズムの表面 から離間するように配設された表示パネルを備えると共に、前記シンボル表示色 印刷部を前記プリズムの表面に印刷したものである。 また、本考案に係る照明式インジケータは、不透過印刷部が表示パネルの裏面 に印刷されているものである。

【００１４】

【作用】

本考案においては、プリズム内に導光される照明用の光源の光は、黒色印刷に よって吸収されず、プリズム内で減衰することがなく、また、シンボル表示色印 刷部で臨界角よりも大なる入射光の相当量も吸収してシンボル意匠を透過照明す る。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。図１は本考案に係る照明式 インジケータの側断面図、図２は同じく要部の分解斜視図である。 これらの図において、従来技術と同一の構成については同一の符号を付し、詳 細な説明は省略する。 本考案の特徴とするところは、黒色印刷部１０を表示パネル１５の表面に印刷 し、シンボル意匠１２とポジション表示枠１１からなる表示部を形成すると共に 、プリズム７の表面のシンボル意匠１２に対応した位置に直接シンボル表示色印 刷部１３を印刷した点にある。

【００１６】 このような構成とすることにより、プリズム７内を導光されるθ₂＞臨界角 で 入射した照明用の光源５の光Ｌ₂ は、プリズム７の反射点Ａで反射するが、プリ ズム７の反射面は、表示パネル１５と離間しており、Ａ点において、プリズム７ の外部に漏洩する光はなく、全反射するので、光Ｌ₂ はプリズム７内で減衰する ことはない。

【００１７】 また、ポジション表示色部１３に対応したプリズム７の反射面に θ₂＞臨界角 で入射した光Ｌ₂ は、シンボル表示色印刷部１３がプリズム７の表面に直接印刷 されているので、すべてが全反射せず、一部がこのポジション表示部１３に吸収 されて透過光ｌ₂となって、シンボル意匠１２を透過照明する。 したがって、シンボル意匠１２は、この透過光ｌ₂ の他に従来と同様にプリズ ム７の反射面にθ₁＜臨界角で入射した光Ｌ₁がシンボル表示色印刷部１３に吸収 されて透過する透過光ｌ₁が透過照明するので、輝度を高くすることができる。

【００１８】 図３は本考案の第２の実施例を示す側断面図、図４は同じく要部分解斜視図で ある。 この第２の実施例においては、黒色印刷部１０を表示パネル１５の裏面に印刷 し、この黒色印刷部１０をシンボル意匠表示色印刷部１３に接触させ、もしくは 近接させた点に特徴を有している。なお、黒色印刷部１０をプリズム７の表面か ら離間させて、プリズム７の表面には接触する部材がない点は前述した第１の実 施例と同様である。

【００１９】 このように、黒色印刷部１０をシンボル意匠表示色印刷部１３に接触させた第 ２の実施例と表示パネル１５の厚み分だけ黒色印刷部１０をシンボル意匠表示色 印刷部１３から離間させた図５に示すような第１の実施例とを比較すると、シン ボル意匠表示１２からシンボル意匠表示色印刷部１３へ入射する外光の入射範囲 角度がθ₃＞θ₄となり、第２の実施例の方が、シンボル意匠表示色印刷部１３へ の外光の入射量が多く、このため、照明用光源５が消灯しているときに、第２の 実施例の方がシンボル意匠１２が明るく、見やすいといった利点がある。

【００２０】 また、第１の実施例においては、ポジション表示枠１１を通して、斜めから見 たときにシンボル表示色印刷部１３が見えやすくなる。このため、シンボル意匠 １２とポジション表示枠１１とをある程度離間させる必要がある。 これに対して、第２の実施例では、シンボル意匠１２とポジション表示枠１１ とを必要最小限離間していれば、ポジション表示枠１１を通して、シンボル表示 色印刷部１３を見ることができず、このため、インジケータ全体を小型化するこ とができる。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、シンボル意匠とポジション表示枠とを形 成する不透過印刷部を、照明用光源をシンボル意匠に導光するプリズムの表面か ら離間させた構造としたので、プリズム内を導光される照明用光源の光はプリズ ム内で減衰することがなく、このため、照明用光源によって透過照明されるシン ボル意匠は常に安定した透過照明がなされるので、シンボル意匠を均一な明るさ で表示できる効果がある。 また、プリズム内に導入した照明用光源の光をシンボル意匠に導くシンボル表 示色印刷部をプリズムの表面に印刷したので、シンボル表示色印刷部に臨界角よ りも大なる角度で入射した第１の光源の光も、シンボル表示色印刷部で吸収され て、シンボル意匠に透過照明されるので、透過照明として利用できる光量が増し 、この結果、透過照明を明るくできて、シンボル意匠を見やすくして表示効果を 高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る照明式インジケータの側断面図で
ある。

【図２】本考案に係る照明式インジケータの要部分解斜
視図である。

【図３】本考案に係る照明式インジケータの第２の実施
例の側断面図である。

【図４】本考案に係る照明式インジケータの第２の実施
例の要部分解斜視図である。

【図５】本考案に係る照明式インジケータの第１の実施
例の要部側断面図である。

【図６】従来の照明式インジケータを示し、（ａ）は要
部正面図、（ｂ）は側断面図である。

【図７】従来の照明式インジケータの要部分解斜視図で
ある。

【図８】従来の照明式インジケータの第２の例の側断面
図である。

【図９】従来の照明式インジケータの第２の例の要部分
解斜視図である。

【符号の説明】

５ 照明用光源 ６ ポジション光源 ７ プリズム ８ レンズ １０ 黒色印刷部 １１ ポジション表示枠 １２ シンボル意匠 １３ シンボル表示色印刷部 １５ 表示パネル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 不透過印刷部が印刷された表示面に部分
   的に透過処理が施されて形成されたシンボル意匠とこの
   シンボル意匠の周りを囲むポジション表示枠とを有する
   表示部と、この表示部の裏面に配置したプリズムと、こ
   のプリズム内に光を導入する照明用光源と、前記シンボ
   ル意匠の裏面に対応して印刷され前記プリズム内に導入
   した照明用光源をシンボル意匠に導くシンボル表示色印
   刷部と、前記表示部の裏面側に配置され前記シンボル意
   匠およびポジション表示枠の両方を透過照明させるポジ
   ション表示用光源とからなり、このポジション表示用光
   源を選択的に点灯、消灯させることにより前記ポジショ
   ン表示枠を選択的に透過照明させる照明式インジケータ
   において、前記不透過印刷部が印刷されこの不透過印刷
   部が前記プリズムの表面から離間するように配設された
   表示パネルを備えると共に、前記シンボル表示色印刷部
   を前記プリズムの表面に印刷したことを特徴とする照明
   式インジケータ。
2. 【請求項２】 請求項１記載の照明式インジケータにお
   いて、前記不透過印刷部が前記表示パネルの裏面に印刷
   されていることを特徴とする照明式インジケータ。