JPH0564853U - フイルム収納用紙箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は写真用フイルムを紙材を用いて一重包
装で容易かつ体裁良く収納することが出来るフイルム収
納用紙箱を提供する。 【構成】ブランク板Ａ₁ の側板２ａ，３，４，５，２ｂ
よりなる紙製角筒体１の底部に、ブランク板Ａ₂ よりな
る底板８及び舌片９よりなる紙製底部７を構成し、かつ
蓋板１１の周りに設けた側片１４、妻片１５等よりなる
紙製蓋１０を貼着片１６，１９を介して前記紙製角筒体
１の上端に取り付けて構成した写真用フイルムＢを収納
する紙箱である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は写真用フイルムを収納するフイルム収納用紙箱に係り、特に写真用フ イルムを二重包装することなく、簡単に一重で包装することが出来るフイルム収 納用紙箱を提供するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の写真用フイルムの包装構造は、プラスチックス製円筒ケースと 、このプラスチックス製円筒ケースを収納し得る角筒状紙箱とで構成されていた 。 従って、写真用フイルムは一旦プラスチック製円筒ケースに収納され、かつそ の開口部にキャップを嵌着した後、別に形成された角筒状紙箱内に該プラスチッ クス製円筒ケースを収納し、更に角筒状紙箱の開口部に蓋板を貼着することによ って封印していた。

【０００３】 然るに、前述の従来の包装構造は、プラスチックス製円筒ケースとこのプラス チックス製円筒ケースを収納し得る角筒状紙箱とで構成していたので、二重包装 となり、必要以上の加重包装になっていた。

【０００４】 従って、従来の包装構造では、写真用フイルムの包装が複雑であり手間取ると 共に消費者に渡った後で、消費者が写真用フイルムを取り出す作業が繁雑である 等の問題があった。 また、プラスチックス製円筒ケースが使用されているのでこのプラスチックス 製円筒ケースは使い捨てにした場合には、公害が発生する問題もあった。

【０００５】 本考案に係るフイルム収納用紙箱は、前述の従来の問題点に鑑み開発された全 く新規な技術であって、特に写真用フイルムを一重で、かつ紙箱で簡単確実に収 納することが出来るフイルム収納用紙箱を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るフイルム収納用紙箱は、前述の従来の問題点を根本的に改善した 技術であって、その要旨は、複数個の側板を順に連設して形成した紙製角筒体の 下端に紙製底部を設けてなる写真用フイルムを収納し得る筒状紙箱であって、該 紙製角筒体の開口部に紙製蓋を開閉自在に取り付けて構成したことを特徴とした フイルム収納用紙箱である。

【０００７】

【作用】

本考案に係るフイルム収納用紙箱は、角筒体と、この角筒体の下端に取り付け られた底部と、角筒体の開口部に開閉自在に被蓋し得る蓋とで構成したので、写 真用フイルムを一重包装することが出来る。 従って、写真用フイルムの包装及び取り出しを極めて容易にすることが出来る 。

【０００８】 また、一旦開封した蓋を再び閉鎖することが出来るので、撮影後の写真用フイ ルムを再び収納保管することが出来る。 かつ、本願の紙箱は上述の如く、角筒体、底部及び蓋とが全て板紙で構成され ているので、廃棄が容易で公害問題が発生する恐れがない。

【０００９】

【実施例】

図により、本考案に係るフイルム収納用紙箱の一実施例を具体的に説明すると 、図１は本考案に係る第１実施例の紙箱の斜視図、図２（Ａ），（Ｂ），（Ｃ） は夫々図１の紙箱のブランク板を示す平面図、図３は図２のブランク板を組み立 てた状態の斜視図、図４は本考案に係る第２実施例の紙箱の斜視図、図５は図４ の紙箱のブランク板を示す平面図、図６は図５のブランク板を組み立てた状態の 斜視図である。

【００１０】 図７は本考案に係る第３実施例の紙箱の斜視図、図８（Ａ），（Ｂ）は図７の ブランク板を示す平面図、図９は図８のブランク板を組み立てた状態の斜視図、 図１０は第４実施例の紙箱の斜視図、図１１（Ａ），（Ｂ）は図１０の紙箱のブ ランク板を示す平面図、図１２は図１１のブランク板の組み立て状態を示す斜視 図である。

【００１１】

【第１実施例】 図１乃至図３に於いて、Ａ₁ は紙製角筒体１のブランク板であって、側板２ａ ，３，４，５，２ｂと側板５の上端に設けられた係止片６とより形成されている 。 Ａ₂ は紙製底部７のブランク板であって、底板８の周りに貼着可能な舌片９を 連設することによって形成している。 Ａ₃ は紙製蓋１０のブランク板であって、蓋板１１を中心にして、その両端側 に貼着片１２，１３を有する側片１４を連設し、蓋板１１の上端に妻片１５及び 貼着片１６を連設し、蓋板１１の下端に妻片１７、切取片１８、貼着片１９を順 に連設し、切取片１８の上下には切取ミシン線２０を設けて形成している。

【００１２】 第１実施例に係る紙箱の組立構成に当たっては、図３に示す如く、先ずブラン ク板Ａ₁ を折り曲げ、側板２ａ，２ｂの一部を相互に貼着することによって紙製 角筒体１を構成する。 次にこの紙製角筒板１の下端にブランク板Ａ₂ の底板８を当接し、各舌片９を 紙製角筒体１の表面に貼着することによって、紙製底部７を形成する。この状態 で紙製角筒体１の開口部より写真用フイルムＢをその内部に収納することが出来 る。

【００１３】 更に、ブランク板Ａ₃ の蓋板１１を中心にして、その周りの側片１４及び妻片 １５，１７を起立し、これ等を貼着片１２，１３を介して相互に貼着して紙製蓋 １０を形成した後、この紙製蓋１０を紙製角筒体１の上端部に被蓋し、貼着片１ ６，１９を紙製角筒体１の表面に貼着することによって、紙箱全体を組立構成す ることが出来る。

【００１４】 上述の紙箱から写真用フイルムＢを取り出すに当たっては、図１に示す如く、 紙製蓋１０の切取片１８を切断することによって、紙製蓋１０を上方に開き、紙 製角筒体１より写真用フイルムＢを取り出すことが出来る。 この紙箱は、紙製角筒体１に紙製蓋１０が開閉自在に取り付けられているので 、写真用フイルムＢは撮影後に再度収納することが出来る。

【００１５】

【第２実施例】 上記第１実施例に於いては３枚のブランク板Ａ_1,Ａ_2,Ａ₃ を用いて紙箱を構成 したが、この第２実施例に示す如く、１枚のブランクＣで紙箱を構成することも 可能である。 図４乃至図６に於いて、Ｃは第２実施例の紙箱のブランク板であって、紙製角 筒体１は４枚の側板２，３，４，５と貼着片５ａとで形成されている。 また、紙製底部７は、紙製角筒体１の下端に連設された２枚の底板８と舌片９ とで形成されている。

【００１６】 かつ、紙製蓋１０は、紙製角筒体１の上端に連設された蓋板１１と、この蓋板 １１の左右に連設された上縁に貼着片１２を有する側片１４と、蓋板１１の上端 に連設された妻片１５、切取片１８及び貼着片１９とより形成されている。 この切取片１８の上下には切取りミシン線２０が設けられている。

【００１７】 更に前記紙製角筒体１の上縁の一部には係止片６が連設されている。 この紙箱の組立較正に当たっては、図４及び図６に示す如く、側板２，３，４ ，５等を折り曲げることによって紙製角筒体１を形成し、かつ底板８及び舌片９ を折畳み、これ等を貼着することによって紙製底部７を形成し、更に蓋板１１を 中心に側片１４及び妻片１５を折り曲げ、貼着片１２を介して相互に貼着して紙 製蓋１０を形成する。

【００１８】 その後で、紙製蓋１０を紙製角筒体１の開口部に被蓋した後、貼着片１９を紙 製角筒体１の表面に貼着することによって、紙箱全体を組立構成することが出来 る。 この紙箱の開口及び両封使用等は第１実施例の箱と同様であるので省略する。

【００１９】

【第３実施例】 上記第１実施例及び第２実施例では、紙製角筒体１が一重で形成された紙容器 について説明したが、この紙製角筒体１を後述の第３実施のように二重に構成す ることも可能である。 図７乃至図９に於いて、Ｄ₁ は第３実施例の紙箱の外箱のブランク板であり、 Ｄ₂ はこのブランク板Ｄ₁ で構成される外箱の内側に挿入される挿入内筒のブラ ンク板である。

【００２０】 ブランク板Ｄ₁ の紙製角筒体１は、側板２，３，４，５及び貼着片５ａとより 形成されている。また紙製底部７は上記紙製角筒体１の下端に連接された２枚の 底部８と舌片９とで形成されている。 更に紙製蓋１０は、２枚の蓋板１１と舌片１１ａとによって形成されている。 かつ、前記紙製角筒体１の上部には、紙箱の開口時に切断し得る切取ミシン線 ２０と、この切取ミシン線２０に連通した折曲線２１とが設けられている。 この切取ミシン線２０は側板３に於ける位置が一番低くなるように波形状に形 成されている。

【００２１】 挿入内筒のブランク板Ｄ₂ は、３枚の内側板２２，２３，２４より形成され、 かつ中央部の内側板２３の上縁が両側の内側板２２，２４よりも低く形成されて いる。 第３実施例に係る紙製の組立構成に当たっては、図７及び図９に示す如く、ブ ランク板Ｄ₁ を従来のケース状紙箱と同様に折り曲げて紙製角筒体１を形成した 後で、底板８及び舌片９を折り曲げて紙製底部７を形成する。

【００２２】 その後ブランク板Ｄ₂ を断面コ字状に折り曲げて挿入内筒を形成した後、高さ の小さい内側板２３が外箱の紙製角筒体１の側板３の裏面に当接されるように、 挿入内筒を外箱内に収納し、この状態で挿入内筒に写真用フイルム（図示せず） を挿入し、最後に蓋板１１等を紙製角筒体１の開口部に被蓋貼着することによっ て紙製蓋１０を形成する。 第３実施例に係る紙箱の開封に当たっては、前述の如く、紙製角筒体１の周り に設けられた切取ミシン線２０を切断することによって、紙製角筒体１の上部と 紙製蓋１０とよりなるかぶせ蓋を形成することが出来る。

【００２３】 従って、このかぶせ蓋を紙製角筒体１の折曲線２１を中心にして外方に折り曲 げることによって、かぶせ蓋を開き紙箱内の写真用フイルムを取り出すことが出 来る。 上述のように形成されたかぶせ蓋は、折曲線２１を中心にして閉じることが出 来る。 このようにして閉じられたかぶせ蓋は紙製角筒体１の上部に起立した挿入内筒 に嵌合して、これを安定せしめることが出来る。

【００２４】

【実施例４】 この実施例４に示す紙箱は、前記第３実施例に示す紙箱と外形はほぼ等しいが、 外箱のブランク板Ｅ₁ の構成が前記ブランク板Ｄ₁ と著しく異なっている。 実施例４の外箱のブランク板Ｅ₁ は、紙製角筒体１が上下に並列された側板２ ，３，４と、これ等の側板２，３，４と離れた位置、即ち底板８或いは蓋板１１ を介して連設された側板２５，２６より形成されている。 かつこの側板２５，２６には夫々側板２，４の内面に貼着し得る寸法の小さい 内側板２ａ，２ｂ，４ａ，４ｂが連設されている。

【００２５】 前記側板２，４の両端には夫々舌片２７，２８が連設され、かつ側板２５及び 側板２６の側端縁には夫々折返板２９，３０が連設されている。 ブランク板Ｅ₂ は前記第３実施例のブランク板Ｄ₂ と同形であるので省略する 。 また、前記ブランク板Ｅ₁ の側板２，４には夫々切取ミシン線２０が穿設され 、かつ側板３にはこれ等の切取ミシン線２０に連通した折曲線２１が設けられて いる。

【００２６】 ブランク板Ｅ₁ よりなる外箱の組立に当たっては、図１０及び図１２に示す如 く、底板８を中心にして、その両側に側板３，２５を起立し、折返板２９を側板 ２５の内面に折り重ね、側板２，４及び内側板２ａ，４ａを夫々折り曲げて内側 板２ａ，４ａを側板２，４の内面に接合し、同時に舌片２７を底板８上に折り重 ね、この状態で紙製角筒体１と紙製底部７とを組み立てる。 次に、ブランク板Ｅ₂ よりなる挿入内筒を紙製角筒体１内に挿入した後、挿入 内筒内に写真用フイルムＢを収納する。

【００２７】 紙製蓋１０の構成に当たっては、舌片２７，２８を紙製角筒体１の開口部に折 り曲げた後、折返板３０を側板２６の内面に貼着し、蓋板１１を紙製角筒体１の 開口部に当接し、更に側板２６及び内側板２ｂ，４ｂを夫々側板３，２，４の内 面に当接することによって組立構成することが出来る。

【００２８】 第４実施例に係る紙箱も前記第３実施例に係る紙箱と同様に、切取ミシン線２ ０を切断することによって、紙製角筒体１の上部を切断して紙製角筒体１の一部 と紙製蓋１０とでかぶせ蓋を形成し、これを折曲線２１を中心にして開閉するこ とによって収納した写真用フイルムＢを取り出したり、再収納することが出来る 。

【００２９】

【考案の効果】

本考案に係るフイルム収納用紙箱は上述の構造と作用とを有するので、写真用 フイルムを一重包装で簡単にかつ体裁良く収納することが出来る。 また、紙製角筒体の上部に折り曲げ線を介して紙製蓋が開閉自在に取り付けら れているので、その開閉が容易であり、収納した写真用フイルムを簡単に取り出 したり、再収納することが出来る。また紙箱の開口部のバージン性を保つことが 出来る。 更に全体が紙板で構成されているので、使い捨てが出来、公害の問題が発生す る恐れがない等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る第１実施例の紙箱の斜視図であ
る。

【図２（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）】夫々図１の紙箱のブラ
ンク板を示す平面図である。

【図３】図２のブランク板を組み立てた状態の斜視図で
ある。

【図４】本考案に係る第２実施例の紙箱の斜視図であ
る。

【図５】図４の紙箱のブランク板を示す平面図である。

【図６】図５のブランク板を組み立てた状態の斜視図で
ある。

【図７】本考案に係る第３実施例の紙箱の斜視図であ
る。

【図８（Ａ），（Ｂ）】図７の紙箱のブランク板を示す
平面図である。

【図９】図８のブランク板を組み立てた状態の斜視図で
ある。

【図１０】第４実施例の紙箱の斜視図である。

【図１１（Ａ），（Ｂ）】図１０の紙箱のブランク板を
示す平面図である。

【図１２】図１１のブランク板の組み立て状態を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１ 紙性角筒体 2,3,4,5,25,26 側板 2a,2b,4a,4b 内側板 ６ 係止片 ７ 紙製底部 ８ 底板 9,27,28 舌片 10 紙製蓋 11 蓋板 12,13,16,19 貼着片 14 側片 15,17 妻片 18 切取片 20 切取ミシン線 21 折曲線 22,23,24 内側板 29,30 折返板 Ａ_1,Ａ_2,Ａ_3,Ｃ_1,Ｄ_1,Ｄ_2,Ｅ_1,Ｅ₂ ブランク板 Ｂ 写真用フイルム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数個の側板を順に連設して形成した紙製
   角筒体の下端に紙製底部を設けてなる写真用フイルムを
   収納し得る筒状紙箱であって、該紙製角筒体の開口部に
   紙製蓋を開閉自在に取り付けて構成したことを特徴とし
   たフイルム収納用紙箱。