JPH0563272U - リールシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型化を抑制し、構造が簡単で、リールの着
脱操作をネジ式に楽に行えるリールシートを構成する。 【構成】 リール３の脚部４を嵌合保持するフード２を
シートベースＳの軸芯Ｘ方向にスライド移動自在、か
つ、軸芯Ｘ周りで回動自在に構成し、このフード２の嵌
合面を、脚部４が挿入される開口の側ほど大径化するホ
ーン状に形成し、この嵌合面の内周にフード２の回転操
作で脚部４に係合する螺旋溝状の係合部２Ａを形成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リールシートに関し、詳しくは、リールの脚部を嵌合支持する一対 のフードのうちの少なくとも一方を回動操作によってリールの脚部を支持するよ う構成して成るリールシートの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記のように構成されるリールシートとして実公昭５１−５４５５６号 公報に示されるものが存在し、この従来例では、一方のフードがリールシートに 固定されると共に、他方のフードを、リールシートの外面に形成されたネジ部に 螺合するナット状部材の回動により、リールの脚部に嵌合させる方向と、離間さ せる方向とに操作できるよう構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ここで、この従来例について考えるに、この従来例では、ナット状部材の回動 でフードの移動操作を行えるので、比較的軽い操作でフードを強力にリールの脚 部に嵌合させてリールの固定を確実に行えるという良好な面を有するものとなっ ている。

【０００４】 しかし、この従来例では、シートベースにネジ部を形成し、しかも、このネジ 部に係合するナット状部材をフードに対して回動自在に備えるのでシートベース が大径化し、又、このシートベースに外嵌するフード類も大径化するばかりで無 く、釣り竿を強く握った場合等にはシートベースのネジ部に手が触れて痛みを感 ずることもある。

【０００５】 更に、この構造ではフードとナット状部材とを相対回転自在に連結する必要性 から構造が複雑で大型化しやすいものとなっており、又、ナット状部材の回動操 作量に対するフードの移動量が比較的小さいことから、リールの着脱時には、前 記ナット状部材を多く回動操作する必要があり、構造上の面、及び、操作性の面 で改善の余地がある。

【０００６】 特に、フライロッド、バスロッドのように、フライ、ルアー等の仕掛けを頻繁 にキャストする形態で用いる釣り竿では、前述したようにリールを確実に固定で きるリールシートの良好な面を利用したいものの、ロッドの大型化、軽量化の観 点からこのような構造のリールシートを採用することができず適切な改善手段が 望まれている。

【０００７】 本考案の目的は、ネジ式にリールを固定するという良好な面を損なうこと無く 、大型化を抑制し、構造が簡単で、しかも、リールの着脱操作を簡単に行えるリ ールシートを合理的に構成する点にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴は、リールの脚部を嵌合支持する一対のフードをシートベースに 形成すると共に、これらフードのうちの少なくとも一方をシートベースの軸芯方 向にスライド移動自在、かつ、シートベースの軸芯周りで回動自在に構成し、又 、このフードの嵌合面を、リールの脚部が挿入される開口の側ほど大径化するホ ーン状に形成し、この嵌合面の内周に、該フードの回転操作によりリールの脚部 に係合する螺旋溝状の係合部を形成して成る点にあり、その作用、及び、効果は 次の通りである。

【０００９】

【作用】

上記特徴を例えば図１乃至図３に示すように構成すると、このリールシートに リール３を装着する場合には、可動型のフード２をリール３の脚部４と嵌合する 位置まで送り込み、この位置で回動操作することにより、フード２の係合部２Ａ と脚部４との係合によって、このシートベースＳの軸芯Ｘ方向での夫々の相対距 離が短縮する方向に力が作用すると共に、この操作時には、操作を行うほどフー ド２の係合部２Ａの小径部の側に脚部４が係合することになるので、脚部４がシ ートベースＳに強く圧接すると同時に、フード２の内周面もシートベースＳに強 く圧接するものとなり、この圧接力による摩擦力により、フード２、脚部４とも シートベースＳに強力に固定されるものとなる。

【００１０】 又、このリールシートからリール３を取り外す場合には、フード２の回動操作 によって、このフード２をリール３の脚部４から離間させる方向に操作すること により、前述とは逆にフード２、脚部４ともシートベースＳに対する圧接力が弱 まって操作が軽くなると共に、この操作によって係合部２Ａと脚部４とが離脱す ると、フード２と脚部４とが重複する位置にあっても、スライド操作によってフ ード２を脚部４から分離できるものとなる。

【００１１】 つまり、このリールシートでは、ネジ式に構成して、比較的軽い操作力でリー ル３の脚部４を強力に固定する構造でありながら、シートベースＳにネジ部を形 成しないので、シートベースの部位を平滑な外面形状に仕上げ得るものとなり、 しかも、脚部４とフード２の係合部２Ａとが非係合状態にある場合には、フード ２のスライド操作が可能になるのである。

【００１２】

【考案の効果】

従って、ネジ式にリールを固定するという良好な面を損なうこと無く、大型化 を抑制し、構造が簡単で、しかも、リールの着脱操作を簡単に行えるリールシー トが合理的に構成できたのである。

【００１３】 特に、図１に示すように、夫々のフードをシートベース部に対してスライド移 動自在、かつ、回動自在に構成した場合には、シートベースに対するリールの装 着位置を自由に設定できるという効果も奏する。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図３にはフライロッド、バスロッドのように比較的軽量に構成された釣り竿の リールシートを表し、このリールシートは元竿１のグリップ部Ｇをシートベース Ｓに兼用すると共に、このシートベースＳに対して、一対のフード２，２夫々を シートベースＳの軸芯Ｘ方向にスライド移動自在、かつ、この軸芯Ｘ周りで回動 自在に構成し、又、夫々のフード２，２の嵌合面を、リール３の脚部４が挿入さ れる開口の側ほど大径化するホーン状に形成し、この嵌合面の内周に、該フード ２の回転操作によりリール３の脚部４に係合する螺旋溝を有した係合部２Ａを形 成している。

【００１５】 図１及び図２に示すように、このフード２の反脚部の側に位置する部位の内周 にはゴム等比較的良好に弾性変形する樹脂リング５備えて、このフード２の固定 性能の向上を図ってあり、又、リール３の脚部４には前記係合部２Ａに係合する ようテーパ状にネジ部４Ａを形成してある。

【００１６】 そして、このリールシートにリール３を装着する場合には、リール３の脚部４ を装着すべき位置に配置した状態で、夫々のフード２，２を脚部４と嵌合する位 置まで送り込み、この位置で回動操作することにより、フード２，２の係合部２ Ａ，２Ａと脚部４のネジ部４Ａとの係合によって、このシートベースＳの軸芯Ｘ 方向での夫々の相対距離が短縮するすると共に、この回動操作を行うほどフード ２の係合部２Ａの小径部の側に脚部４が係合することになるので、脚部４がシー トベースＳに強く圧接すると同時に、フード２の樹脂リング５もシートベースＳ に強く圧接するものとなり、この圧接力による摩擦力により、フード２、脚部４ ともシートベースＳに強力に固定されるものとなる。

【００１７】 又、このリールシートからリール３を取り外す場合には、フード２の回動操作 によって、このフード２を脚部４から離間させる方向に操作することにより、前 述とは逆にフード２、脚部４ともシートベースＳに対する圧接力が弱まって操作 が軽くなると共に、この係合部２Ａと脚部４とが離脱すると、フード２と脚部４ とが重複する位置にあっても、スライド操作によってフード２を脚部４から分離 できるようになっている。

【００１８】 〔別実施例〕 本考案は上記実施例以外に、以下のように構成しても良い。 （イ） 図４に示すように、従来からの形状の脚部４を有したリール３の装着 に用いることも可能であり、このように用いる場合には脚部４の端部のエッジ等 がフード２の係合面２Ａに係合するものとなる。

【００１９】 （ロ） 図５に示すように、リール３の脚部４にピンを突設する、あるいは、 プレス加工によって突出部４Ｂを形成し、前述のようにネジ部を形成せずに、フ ード２の係合面２Ａに係合可能な構造を形成する。

【００２０】 （ハ） 図６に示すように、一方のフード２を固定型に構成し、他方のフード ２をスライド、かつ、回動自在に構成することも可能である。

【００２１】 又、この考案は、リールの脚部が接触する位置のリールシート部を平坦面に成 形して、リールの装着姿勢の安定性の向上を図るよう実施することが可能であり 、更に、この考案はどのような種類の釣り竿にも適用でき、グリップ以外に元竿 そのものに対してフードを外嵌するよう構成することも可能である。

【００２２】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】リールシート部の縦断側面図

【図２】リールシート部の縦断正面図

【図３】リールシート部の側面図

【図４】別実施例（イ）のリールシート部の縦断正面図

【図５】別実施例（ロ）のリールシート部の縦断正面図

【図６】別実施例（ハ）のリールシート部の側面図

【符号の説明】

２ フード ２Ａ 係合部 ３ リール ４ 脚部 Ｓ シートベース Ｘ 軸芯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リール（３）の脚部（４）を嵌合支持す
   る一対のフード（２),（２）をシートベース（Ｓ）に形
   成すると共に、これらフード（２),（２）のうちの少な
   くとも一方をシートベース（Ｓ）の軸芯（Ｘ）方向にス
   ライド移動自在、かつ、シートベース（Ｓ）の軸芯
   （Ｘ）周りで回動自在に構成し、又、このフード（２）
   の嵌合面を、リール（３）の脚部（４）が挿入される開
   口の側ほど大径化するホーン状に形成し、この嵌合面の
   内周に、該フード（２）の回転操作によりリール（３）
   の脚部（４）に係合する螺旋溝状の係合部（２Ａ）を形
   成して成るリールシート。