JP2000041540A - リールシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リールシートのダブルナットが緩まないよう
にする。 【解決手段】 パイプ状のリールシート本体２を元竿１
に取り付ける。リールシート本体２に、可動フード４と
固定フード３とを設け、可動フード４のオネジ９を形成
する。可動フード４を移動させるためのダブルナットよ
りなる第１及び第２のナット５，６のメネジ５ａ，６ａ
を同じ螺旋溝で形成し、リールシート本体２のオネジ９
に螺合させる。第１のナット５と第２のナット６との当
接部間に滑り部材１６を介在させ、リール脚１０の取付
後に第１のナット５の回転力が第２のナット６に伝わら
ないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、リール脚の緩みを
防止することができるリールシートに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
シングルナットのリールシートにおいては、リールに道
糸を巻き取る際のハンドルの回転運動による振動、ハン
ドルを回転させる時に竿の軸心回りに作用するこねる力
（捩じり力のようなもの。以下、同様。）、リールの脚
を人差指と中指又は中指と薬指の間に挟んでリールシー
トごと竿を握持した時に手の平、小指等とリールシート
との間に作用する摩擦力等によってナットに緩みが発生
し、リールが竿上でぐらついてしまうという問題があ
る。

【０００３】実開昭５２−１６８８８８号公報、実公昭
６２−３９６７０号公報、実公平８−１６６１号公報
は、そのようなシングルナットの緩みを防止する手段と
してダブルナット構造について開示する。

【０００４】しかし、実公昭６２−３９６７０号のダブ
ルナット構造は、単に同一ネジ形状を持つ外径の異なる
二つのナットを配置しただけのものであり、二つのナッ
トは共回りする可能性があるので、リール脚の締め付け
固定力が不充分となるおそれがある。

【０００５】また、実公平８−１６６１号のリールシー
トの緩み止め構造は、リール載置部のオネジに第１の握
り部を螺合し、その前方に竿に直接または間接に設けた
オネジに第２の握り部を螺合したものであるが、第１と
第２の握り部のネジ方向が同じであるため、片方の握り
部を回すと他方の握り部も共回りして、緩みが発生する
という問題がある。加えて、第１のオネジは大径のリー
ル脚載置部に形成されており、これに螺合する第１の握
り部も含めて径方向に大きくなるという問題がある。

【０００６】実開昭５２−１６８８８８号のリールシー
トは、二つのナットのネジ方向を互いに逆向きにするこ
とで、リールを締め付けた状態で一方のナットが回転し
ても他方のナットが共回りしないようにしているが、二
つのナットの操作方向が逆のため、例えばリールを締め
付けるときは前方のナットを右方向に回し、後方のナッ
トを左方向に回すといった操作をしなければならず、操
作が面倒になる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１に係る発明は、元竿（１）につけるパイプ
状で可動フード（４）と固定フード（３）とを有するリ
ールシート本体（２）に、可動フード（４）の移動用の
メネジ（５ａ，６ａ）の向きが同一なダブルナット
（５，６）が螺合したリールシートであって、リールシ
ート本体（２）に設けられたオネジ（９）と、該オネジ
（９）に螺合するメネジ（５ａ，６ａ）を有する、リー
ルシート本体（２）の軸方向に配列された第１及び第２
のナット（５，６）と、上記第１のナット（５）と上記
第２のナット（６）との当接部（５ｂ，６ｂ）間に介在
する滑り部材（１６）とを備えたリールシートを採用す
る。

【０００８】また、請求項２に係る発明は、上記第１の
ナット（５）と上記第２のナット（６）とが互いに略同
一の外径を有する請求項１に記載のリールシートを採用
する。

【０００９】また、請求項３に係る発明は、上記滑り部
材（１７）が上記第１と第２のナット（５，６）のいず
れか一方に固定された請求項１又は請求項２に記載のリ
ールシートを採用する。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。

【００１１】実施の形態１ 図１乃至図４に示すように、このリールシートは、釣竿
の元竿１上に被せられ固定されるパイプ状のリールシー
ト本体２を有している。リールシート本体２の前部には
固定フード３が一体的に形成され、リールシート本体２
の後部には可動フード４がスライド可能に被せられてい
る。また、リールシート本体２の後部には可動フード４
を締め付けるための第１と第２のナット５，６からなる
ダブルナットが設けられている。このリールシートは釣
竿上において前後逆向きに取り付けられる場合もある。

【００１２】リールシート本体２は、元竿１の表面に密
着する内周面を有した筒体であり、その前部から後部に
向かって固定フード３、リール脚座７、可動フード４の
スライド座８、オネジ９が順次設けられている。

【００１３】固定フード３はリール脚１０の一方の脚片
１０ａが挿入される空洞３ａを有する。リール脚座７は
リール脚１０の前後二つの脚片１０ａ，１０ｂが載せら
れるようになっている。スライド座８には、図２及び図
３に示すように、後述する可動フード４の突起１１が入
り込む案内溝１２が前後方向に伸びるように形成されて
いる。オネジ９は第１と第２のナット５，６のメネジ５
ａ，６ａが螺合するもので、リールシート本体２の上記
スライド座８の後端からリールシート本体２の後端に亘
り形成されている。

【００１４】可動フード４は、図２に示すように、リー
ルシート本体２のスライド座８上に被さる筒体であり、
上記固定フード３の空洞３ａに対向する個所にリール脚
１０の他方の脚片１０ｂが挿入される空洞４ａを有す
る。空洞４ａ内には脚片１０ｂに弾力的に接触するクッ
ション材１３が取り付けられている。可動フード４のそ
の空洞４ａと反対側には、スライド座８の案内溝１２に
嵌まり込む突起１１が形成されている。これにより、可
動フード４は、その空洞４ａが固定フード３の空洞３ａ
に対向した状態でスライド座８上を前後方向にスライド
可能であり、固定フード３側にスライドすることで固定
フード３と共にリール脚１０を把持し、固定フード３か
ら遠ざかるようにスライドすることでリール脚１０を解
放する。

【００１５】ダブルナットを成す第１と第２のナット
５，６のメネジ５ａ，６ａは同じオネジ９に螺合するも
のであり、同じ螺旋状溝を有する。両ナット５，６と
も、望ましくはポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等
で形成される。

【００１６】第１のナット５は可動フード４の移動に直
接関与する主ナットであり、図２乃至図４に示すよう
に、上記リールシート本体２のオネジ９に螺合するメネ
ジ５ａを有する。この第１のナット５は、上記リール本
体２上の可動フード４の一端と継手を介して相対的に回
転可能に連結されている。すなわち、可動フード４の一
端には一方の継手片をなす外向きの環状突起１４ａと環
状溝１４ｂが形成され、第１のナット５の一端には他方
の継手片をなす内向きの環状突起１５ａと環状溝１５ｂ
が形成され、各環状突起１４ａ，１５ａが各環状溝１５
ｂ，１４ｂに嵌まり込んでいる。これにより、第１のナ
ット５がリールシート本体２上をその前後方向に螺進退
すると、可動フード４は第１のナット５と共にリールシ
ート本体２のスライド座８上を前後方向に移動する。こ
の時、可動フード４はその突起１１が案内溝１２に案内
されることから、回り止め状態でリールシート本体２上
をスライドする。

【００１７】第２のナット６は補助ナットであり、図１
乃至図４に示すように、上記主ナットである第１のナッ
ト５と略同一の外径を有するように形成されている。第
２のナット６はその筒状本体内にメネジ６ａを有する。
このメネジ６ａはリールシート本体２のオネジ９に螺合
するもので、第１のナット５のメネジ５ａと向きを同じ
くし、該メネジ５ａが右ネジであれば、第２のナット６
のメネジ６ａも右ネジである。また、ネジ山の形、ピッ
チ等も同じである。このようにダブルナット５，６は相
互に同じ向き向きのメネジを有するので、双方のナット
５，６を同じ向きに回せば良く、可動フード４を最前進
位置すなわち固定フード３と共にリール脚１０を挟む位
置に移動させる操作及び第１と第２のナット５，６を締
め付ける操作が簡易化される。

【００１８】図１乃至図４に示すように、第１のナット
５と第２のナット６の当接部５ｂ，６ｂは第１のナット
５の後端部と第２のナット６の前端部とに夫々嵌め込ま
れたワッシャ１７，１８で形成されている。第２のナッ
ト６の螺進により、両ワッシャ１７，１８の端面同士が
対向することになる。ワッシャ１７，１８は、例えばス
テンレス、アルミニウム、真鍮等の金属により形成され
る。このような素材のワッシャ１７，１８で第１と第２
のナット５，６の当接部５ｂ，６ｂを形成することによ
り、後述する滑り部材１６との間の滑りを良くし、第１
と第２のナット５，６の押圧操作を円滑化することがで
きる。

【００１９】第１のナット５と第２のナット６との当接
部５ｂ，６ｂ間には、滑り部材１６が介装されている。
滑り部材１６は例えばフッ素樹脂により形成されたリン
グ状の部材又は所望の材料よりなるリング状の基材の表
面にフッ素樹脂加工を施した部材である。滑り部材１６
は、リールシート本体２のオネジ９上に遊嵌されてお
り、第１と第２のナット５，６がリールシート本体２の
オネジ９を螺進退するに伴い、該オネジ９のネジ山上で
回転可能でありかつオネジ９の軸方向に移動可能であ
る。

【００２０】次に、上記構成のリールシート緩み止め構
造の作用について説明する。

【００２１】リールシートを図１に示す状態にしてお
き、リール脚１０をリールシート本体２の固定フード３
と可動フード４との間のリール脚座７に当てた上で第１
のナット５を回す。第１のナット５の回転と共に可動フ
ード４がスライド座８上を前方向に移動し、図２のよう
に固定フード３との間でリール脚１０を挟み込む。

【００２２】次に、第２のナット６を回転させて、第１
のナット５の方に移動させる。第２のナット６に押され
て、リールシート本体２のオネジ９に遊嵌されている滑
り部材１６も第１のナット５の方に移動する。これによ
り、可動フード４は第１と第２のナット５，６及び滑り
部材１６を介してリール脚１０及び固定フード３の方に
押し付けられ、リールはリールシート上にしっかりと固
定されることになる。

【００２３】この状態で、第１のナット５に固定フード
３から離れる向きに回転力が加わった場合、第１のナッ
ト５の後端のワッシャ１７と滑り部材１６との接触面に
おける摩擦係数が小さいので、滑り部材１６は回転せ
ず、第２のナット６に回転が伝わらない。従って、第１
と第２のナット５，６は緩まず、リール脚１０はリール
シート上でガタツキを生じない。

【００２４】実施の形態２ 図５乃至図８に示すように、この実施の形態２のリール
シートにおいては、実施の形態１における第１のナット
５の後端部に固定されたステンレス等の金属で出来たワ
ッシャ１７と同様なワッシャがナット５の後端部に滑り
部材１９として用いられ固定されている。実施の形態１
における第２のナット６の前端部のワッシャ１８及びフ
ッ素樹脂製のリング状の部材１６は省略されている。こ
れにより、第１のナット５と第２のナット６の当接部５
ｂ，６ｂは、夫々滑り部材１９の金属面、第２のナット
６の前端のポリアセタール樹脂又はポリアミド樹脂の樹
脂面で形成される。これらの当接部５ｂ，６ｂにおける
摩擦係数は小さく、従って第１と第２のナット５，６の
接触面は滑り易い。

【００２５】このような構成のリールシートにおいて、
ダブルナット５，６でリール脚１０を締め付けた場合、
第１のナット５を固定フード３から離れる方向に回転さ
せようとすると、第１のナット５の回転が第２のナット
６に伝わろうとするが、滑り部材１９であるワッシャと
ポリアセタール樹脂又はポリアミド樹脂の樹脂面との間
が滑りやすいので、第２のナット６は回転しない。従っ
て、第１と第２のナット５，６は緩まず、リール脚１０
はリールシート上でガタツキを生じない。

【００２６】なお、本発明における滑り部材１６，１９
は隣接する第１又は第２のナット５，６に対して滑りや
すい種々の材料で構成することができ、フッ素樹脂の他
シリコン樹脂等を用いても良い。また、実施の形態１に
おいて二つのワッシャ１７，１８を省略してダブルナッ
ト５，６の樹脂面を露出させ、この樹脂面にフッ素加工
した樹脂の滑り部材１６を接触させるようにしても良
い。また、実施の形態２において第２のナット６側にの
みワッシャを設けるようにしても良い。

【００２７】

【発明の効果】請求項ｌに係る発明によれば、可動フー
ドの移動用の第１のナットと第２のナットのメネジを同
一方向にし、第１のナットと第２のナットとの当接部間
に滑り部材を介在させたので、第１のナットと第２のナ
ットとを同一方向に回転させて、操作がしやすい上、こ
の２つのナットの共回りを防止してナットが緩まないよ
うにすることができ、可動フードと固定フードとの間で
のリールの脚のがたつきを抑えることができる。

【００２８】請求項２に係る発明によれば、第１のナッ
トと第２のナットとは略同一外径を有するので、この部
分を把持しやすくし、操作性を高めることができ、また
外観も良くすることができる。

【００２９】請求項３に係る発明によれば、第１のナッ
トと第２のナットのいずれか一方に滑り部材を固定した
ので、滑り部材がオネジ部に引っかかったりすることが
なく、滑り部材は常に第１のナット又は第２のナットと
共に移動する上、滑り部材の一定位置が第１のナット又
は第２のナットと当接するので、操作性がよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１に係るリールシートをリ
ール脚装着前の状態で示す側面図である。

【図２】上記リールシートをリール脚装着後の状態で示
す部分断面図である。

【図３】図２中ＩＩＩ部分の拡大図である。

【図４】図２中ＩＶ部分の拡大図である。

【図５】本発明の実施の形態２に係るリールシートをリ
ール脚装着前の状態で示す側面図である。

【図６】上記リールシートをリール脚装着後の状態で示
す部分断面図である。

【図７】図６中ＶＩＩ部分の拡大図である。

【図８】図６中ＶＩＩＩ部分の拡大図である。

【符号の説明】

１…元竿 ２…リールシート本体 ３…固定フード ４…可動フード ５…第１のナット ５ａ…メネジ ５ｂ…当接部 ６…第２のナット ６ａ…メネジ ６ｂ…当接部 ９…オネジ １６…滑り部材 １７，１８…ワッシャ １９…滑り部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 元竿につけるパイプ状で可動フードと固
   定フードとを有するリールシート本体に、可動フードの
   移動用のメネジの向きが同一なダブルナットが螺合した
   リールシートであって、リールシート本体に設けられた
   オネジと、該オネジに螺合するメネジを有する、リール
   シート本体の軸方向に配列された第１及び第２のナット
   と、上記第１のナットと上記第２のナットとの当接部間
   に介在する滑り部材とを備えたことを特徴とするリール
   シート。
2. 【請求項２】 上記第１のナットと上記第２のナットと
   が互いに略同一の外径を有することを特徴とする請求項
   １に記載のリールシート。
3. 【請求項３】 上記滑り部材が上記第１と第２のナット
   のいずれか一方に固定されたことを特徴とする請求項１
   又は請求項２に記載のリールシート。