JP7222926B2 - 調節可能なトリガ位置を有するパワーレンチ - Google Patents

Description

本発明は、円筒形ハウジング、モータ、ハウジング上に支持されかつ側方に延びる出力シャフトを備えたアングルヘッドを有するパワーレンチに関する。ハウジングは、その全体が円筒形でありまたは調節可能なトリガの使用および機能を容易にするために必要な領域が円筒形であると理解されたい。

多くのパワーレンチ用途では、オペレータは、締め付けられるべきねじ継手に対するレンチの適正な位置を得るために不自然な作業姿勢を取るという問題に直面している。ハウジング上に支持された電力制御トリガを有するパワーレンチでは、かかる状況は、アングルヘッドの角度位置およびそれゆえに出力シャフトの方向に対するハウジングに設けられているトリガの位置によって悪化する場合がある。これにより、オペレータは、レンチを適正に支持することができるようにすると同時にトリガを操作することができるようにするためにさらに一層不自然な姿勢を取ることが必要とされる場合がある。したがって、ハウジング上の相対的なトリガとアングルヘッドの位置は、人間工学的な視点から判断して望ましくない作業状況を生じさせる場合がある。

この問題は、ねじ継手締め付け作業において明白であり、この場合、ねじ継手は、到達するのが困難な位置に配置され、アングルヘッドは、レンチハウジングの複数の部分がねじ継手の設けられている構造体に接触させるのを回避するよう出力シャフトを方向づけるために調節されなければならず、それによりレンチが適正な作業位置に到達するのが妨害される。かかる場合、トリガは、オペレータが不快でかつ厄介な姿勢を取ることなくトリガを操作しずらい位置で終端している場合がある。

本発明の目的は、円筒形ハウジングに取り付けられた電力制御トリガおよび側方に延びる出力シャフトを備えたアングルヘッドを有するパワーレンチを提供することにあり、このパワーレンチにより、パワーレンチ作業での不自然でかつ厄介なオペレータ姿勢の問題を軽減する。

本発明の別の目的は、円筒形ハウジング、このハウジングに取り付けられた電力制御トリガおよび側方に延びる出力シャフトを備えたアングルヘッドを有するパワーレンチを提供することにあり、このパワーレンチにより、オペレータ作業姿勢が人間工学的に改善される。

本発明のさらに別の目的は、円筒形ハウジング、このハウジングに取り付けられかつ側方に延びる出力シャフトを備えていて、到達するのが困難なねじ継手位置におけるレンチの接近性を改善するアングルヘッドを有するパワーレンチを提供することにある。

不自然なオペレータ姿勢と関連した本発明の上記目的は、円筒形ハウジング、モータ、ハウジング上に支持された電力制御トリガ、および側方に延びる出力シャフトを備えたアングルヘッドを有するパワーレンチであって、トリガの位置がハウジングおよび出力シャフトに対して調節可能であることを特徴とするパワーレンチを提供することによって達成される。

レンチの接近性と関連した本発明の上記目的のうちの他方は、円筒形ハウジング、モータ、および側方に延びる出力シャフトを備えたアングルヘッドを有するパワーレンチであって、アングルヘッド位置がハウジングに対する出力シャフトの互いに異なる角度位置を得るよう調節可能であることを特徴とするパワーレンチを提供することによって達成される。

本発明のさらに別の目的およびさらに別の利点は、以下の説明および図面から明らかであろう。

以下において、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。

本発明の一実施形態に係るパワーレンチの斜視図である。 本発明の変形実施形態に係るパワーレンチの斜視図である。 本発明のトリガの配置状態の分解組立拡大図である。 図３の組み立て状態のトリガの配置状態の縦断面図であり、トリガの不作動位置を示す図である。 図４と同様な断面図であるが、トリガをその作動位置で示す図である。 本発明に係るアングルヘッドの配置状態の分解組立斜視図である。 図６のアングルヘッドの縦断面図であり、アングルヘッドロック装置のロック位置を示す図である。 図７の同様な断面図であるが、アングルヘッドロック装置の解除位置を示す図である。 図６～図８に示されたアングルヘッドの別の断面図である。

図１に示されているパワーレンチは、管状ハンドル１１を備えかつ図示されていない電気モータを支持した円筒形ハウジング１０を有する。ハウジング１０は、別個のプログラム可能な操作制御ユニット１４と通信する電力および信号伝送ケーブルの接続のための接続ソケット１３をその後方端部のところに備えている。制御ユニットの特性および操作順序は、周知の形式のものであり、本発明の何らかの要部をなす。したがって、これについてはこれ以上には詳細に説明しない。

ハウジング１０は、ナットソケットを支持するようになった正方形端部付き出力シャフト１８を備えたアングルヘッド１６をその前方端部のところに支持している。出力シャフト１８は、円筒形ハウジング１０に垂直な側方の方向に延び、この出力シャフトは、アングル駆動装置によりモータに連結されている。アングルヘッド１６は、ハウジング１０に対する多くの択一的な角度位置へのアングルヘッド１６の設定を可能にするためにスイベル軸継手２０を介してハウジング１０に連結されており、その結果、出力シャフト１８をハウジング１０に対して択一的な角度配置状態に方向づけることができるようになっている。

トリガ２４がモータへの電力供給の手動制御のためにハウジング１０上に設けられている。トリガ２４は、環状スリーブ要素２６によって支持され、この環状スリーブ要素２６は、ハウジング１０に対して自由に回転可能である。トリガ２４を回転可能なスリーブ要素２６上に設けることによって、特にアングルヘッド１６の実際の角度位置に関し、不自然な作業位置にあってもトリガ２４を操作するのに望ましい角度位置にトリガ２４を回転させることが可能である。

図３～図５に示されているように、トリガ２４は、フォーク２９のアーム２８に取り付けられ、フォーク２９は、スリーブ要素２６上に回動可能に支持されている。フォーク２９は、ハウジング１０と同軸でありかつ軸方向に突き出たフィンガ３２を備えた作動リング３１と協働するよう配置されている。作動リング３１は、ハウジング１０内に固定された支持スリーブ３３上に支持されるとともにこの支持スリーブ３３に対して軸方向に変位可能であり、ばね３０が作動リング３１を後方不作動位置に向かって付勢するよう設けられている。支持スリーブ３３は、図示していない電力スイッチング装置のシフト動作を達成するための作動手段として作用するホール素子３４を支持し、ホール素子３４の作動は、作動リング３１のフィンガ３２上に支持された磁石３５によって達成される。

図４では、トリガ２４ならびに作動リング３１は、ばね３０によって引っ込められたこれらの休止位置で示されている。作動リング３１のこの位置では、磁石３５は、ホール素子３４と協働関係にはなく、電力スイッチを作動させるために放出される信号が存在しない。

図５では、トリガ２４は、作動位置まで押し下げられており、それによりフォーク２９が作動リング３１をホール素子３４が磁石３５によって作動される位置まで前方に変位させる。この結果、電力スイッチング装置を作動させてレンチを作動のために開始させるための信号がホール素子３４によって放出される。

作動リング３１は、ハウジング１０に対して回転可能ではないが、フィンガ３２がホール素子３４と協働可能な一定の位置にある状態で固定された環状位置を有する。トリガ２４を支持する環状スリーブ素子２６は、ハウジング１０に対して自由に回転可能であるが、トリガ２４がフォーク２９に取り付けられている構成に起因して、作動リング３１をトリガ２４の実際の角度位置とは独立して、その作動位置に変位させることができる。

ハウジング１０の前方端部のところに支持されたアングルヘッド１６は、ケーシング４０を有し、駆動ピニオン４１および出力シャフト１８がこのケーシング内に支承されている。駆動ピニオン４１は、前方支承体４２および後部支承体４３内に支持され、後部支承体４３は、玉軸受であり、外レース４５がアングルヘッドケーシング４０の管状ネック部分４６内に支持されている。

図２では、電池式パワーレンチが示されており、かなり嵩張った電池パッケージ５０がケーブル接続なしでレンチを自由に動くことができるようにするが、このかなり嵩張った電池パッケージ５０は、到達するのが困難なねじ継手存在場所への接近を可能にする際に問題をたまに依然として生じさせる。この種のレンチでは、アングルヘッド１６を調節可能にして出力シャフト１８の望ましい方向を得るための特定の要望が存在する。出力シャフト１８の望ましい度合いの低い方向では、電池パッケージが締め付けられるべきねじ継手に隣接して位置する構造体に接触して適正なレンチ位置を妨害する恐れが存在する。

したがって、アングルヘッド１６を回転可能にし、そしてハウジング１０に対する択一的な角度位置に設定することが可能であるようにすることが有利である。図６～図９に示されているように、アングルヘッドケーシング４０のネック部分４６は、取り付けスリーブ５１に対して自由に回転可能であり、取り付けスリーブ５１は、雌ねじ５２によりレンチハウジング１０に剛性的に連結されている。ネック部分４６は、その周囲に沿ってぐるりと分布して設けられた列状の凹み５３を備え、１対のボール５４がこれら凹み５３に嵌まるよう設けられている。このボール／凹み構成は、アングルヘッド１６をハウジング１０に対して択一的な角度位置にロック可能にするロック装置５５を形成している。ボール５４は、取り付けスリーブ５１に設けられた孔５６内で半径方向に動くことができ、その周りの操作スリーブ５７が、ボール５４が凹み５３から出るのが阻止される後側ロック位置とボール５４が自由に動いて凹み５３から出てアングルヘッド１６を取り付けスリーブ５１およびハウジング１０に対して回転可能にロック解除する解除位置との間で軸方向に変位可能である。多数のばね５９が付勢力をロック位置に向かって操作スリーブ５７に及ぼすよう設けられている。操作スリーブ５７の軸方向可動性は、アングルヘッドケーシング４０のネック部分４６に取り付けられた２つのロックリング６１，６２によって制限される。

ハウジング１０に対するアングルヘッド１６の角度位置を変化させ、それにより到達困難なねじ継手の存在場所への接近性を容易にすることが必要になった場合、操作スリーブ５１をばね５９の付勢力に抗して前方に引き、すると、ボール５４は、凹み５３とのこれらのロック嵌合状態から自由に離脱することができる。今や、アングルヘッド１６は、ハウジング１０に対してロック解除され、このアングルヘッドを所望の角度位置に回転させることができる。これが行われると、操作スリーブ５１は、ばね５９の力によってそのロック位置に戻るようになり、するとボール５４は、凹み５３と再び嵌合してアングルヘッド１０を回転できないようにロックする。

本発明のトリガ配置状態により、オペレータにレンチを種々の作業状態に簡単かつ容易に適合させて不自然でかつ厄介な作業姿勢を回避する可能性を与えるパワーレンチが提供される。

理解されるべきこととして、本発明の実施形態は、説明しかつ図示した実施例には限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で自由に変形可能である。

Claims (7)

1. 円筒形ハウジング（１０）、電気モータ、前記電気モータに連結された出力シャフト（１８）および前記ハウジング（１０）に設けられたトリガ（２４）によって作動される電力スイッチング装置を有するパワーレンチにおいて、
   前記トリガ（２４）は、環状スリーブ要素（２６）によって支持され、
   前記環状スリーブ要素（２６）は、前記ハウジング（１０）に対する前記トリガ（２４）の角度位置を調節できるように、前記ハウジング（１０）に対して同軸配置且つ回転可能に支持されている、
   ことを特徴とするパワーレンチ。
2. 前記トリガ（２４）は、軸方向に変位可能な作動リング（３１）により前記電力スイッチング装置を作動させるよう配置されている、請求項１記載のパワーレンチ。
3. 前記電力スイッチング装置は、前記作動リング（３１）により支持された磁石（３５）によって作動されるよう配置されたホール素子（３４）を含む、請求項２記載のパワーレンチ。
4. 前記トリガ（２４）は、フォーク（２９）により前記作動リング（３１）の変位を達成するよう配置されている、請求項２または３に記載のパワーレンチ。
5. アングルヘッド（１６）が前記ハウジング（１０）に取り付けられるとともに前記出力シャフト（１８）を側方に延びる位置に支持し、前記アングルヘッド（１６）は、前記アングルヘッド（１６）の回転および前記ハウジング（１０）に対する前記出力シャフト（１８）の角度位置の調節を可能にするようスイベル軸継手（２０）により前記ハウジング（１０）に連結されている、請求項１～４のうちいずれか一に記載のパワーレンチ。
6. ロック装置（５５）が前記アングルヘッド（１６）を前記ハウジング（１０）に対する択一的な角度位置に拘束するために前記アングルヘッド（１６）と前記ハウジング（１０）との間に配置されている、請求項５記載のパワーレンチ。
7. 前記ロック装置（５５）は、ロック位置と解除位置との間で手動でシフト可能な操作スリーブ（５７）、および前記操作スリーブ（５７）を前記ロック位置の方へ付勢するよう配置された１つまたは２つ以上のばね（５９）を有する、請求項６記載のパワーレンチ。

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