JP2516023Y2 - 釣り竿 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、釣り竿に関し、詳しくは竿材に対して位置
固定状態に取付けた固定フードと竿軸芯方向に移動自在
な可動フードとによってリールを支持するリールシート
を構成した釣り竿に関する。

〔従来の技術〕

従来の上記釣り竿としては、例えば実開平１−168166
号公報に示されるように、前記可動フードと一体的にス
ライド移動する回動操作部材を設けると共に、この回動
操作部材と竿材の外周部に固定したボス部分との間に螺
子部を構成し、前記ボス部分に可動フードを回動を阻止
した状態で軸芯方向に移動自在に設け、回動操作部材の
螺進移動に伴い可動フードを移動させるように構成した
ものがあった。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来構造によると、可動フードと前記ボス部分と
の間には必然的に所定の段差が形成されることになる。

ところで、例えばルアーロッドにおいては、釣り糸の
投出し動作前に糸がリールに巻回した状態から緩み出し
てしまうのを阻止するため、リールシート部分を手で握
りながら糸を保持するのが一般的であり、しかも、この
ような動作は頻繁に行われるものである。

しかしながら、上記したような握り操作時に、可動フ
ードとボス部分との間に段差があると、手触りが悪いも
のとなり、この点で改善の余地があった。

本考案は、上記不具合点を解消することを目的として
いる。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、シートベース部材に、魚釣り用
リールの穂先側脚部を係止する固定フードを一体的に形
成すると共に、竿尻側脚部を係止するための竿軸芯方向
に移動可能な可動フードを内装し、前記可動フードを下
向きに設定した姿勢における側面視において、前記シー
トベース部材の前記可動フード内装用の空間の開口縁を
下側ほど竿尻側に向かう傾斜姿勢に成形し、又、前記シ
ートベース部材の前記固定フード形成用の開口縁を下側
ほど穂先側に向かう傾斜姿勢で、かつ、前記可動フード
側の開口縁より急な勾配に成形してある点にある。

〔作用〕

シートベース部材に可動フードを内装してあるので、
リール取付け箇所とは反対側箇所においては、その外周
部分はシートベース部材のみであるから何ら段差が存在
しない。又、シートベース部材の可動フードの側から固
定フードの側に亘って大きく開口が形成されるので、こ
の開口部位が小径となって握りやすくなる。又、固定フ
ード側の開口縁に対して可動フード側の開口縁の傾斜が
緩いので、固定フードと可動フードとの距離を必要な値
に維持しながら、この開口縁の内面と可動フードの側面
との接触面積を大きくして可動フードの支持強度を増大
させ、かつ、可動フードの姿勢を安定させ得るものとな
る。

〔考案の効果〕

従って、シートベース部の外周が滑らかで手触りが良
く、指の位置する側が小径となって握りやすく、しか
も、可動フードの姿勢を安定させ強固にリールを固定で
きるものとなった。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に本考案に係る釣り竿を示している。この釣り
竿は、元竿（１）の後端部にグリップ部（２）を外嵌固
定すると共に、グリップ部（２）の穂先側にスペーサ部
材（３）を介してリールシート（４）を設けて構成して
ある。

前記リールシート（４）は、糸巻き取り用リール
（Ｒ）の穂先側脚部（5a）を係止する固定フード（６）
を一体的に形成すると共に、竿尻側脚部（5b）を係止す
るための可動フード（７）を内装してシートベース部材
（８）を構成し、前記可動フード（７）を竿軸芯（Ｘ）
方向に螺子送りによって移動可能に支持してある。

詳述すると、前記シートベース部材（８）を元竿
（１）の外周部に外嵌固定すると共に、第２図及び第３
図にも示すように、前記可動フード（７）の竿軸芯方向
への移動のみ許容する軸芯方向に沿う案内孔（９）を形
成してある。そして、シートベース部材（８）のグリッ
プ部（２）側の小径部（8a）並びに元竿（１）の外周部
に亘り、可動フード（７）の位置調節を行うための回動
調節部材（10）を遊転外嵌し、この回動調節部材（10）
の前記小径部（8a）に対応する内周部に全周に亘る内螺
子（11）を形成してある。前記可動フード（７）の外周
面側には前記内螺子部（11）に螺合する螺子部（12）を
形成し、回動操作部材（10）の回動操作に伴って可動フ
ード（７）が軸芯方向にスライド移動するよう構成して
ある。

回動操作部材（10）のグリップ部（２）側端部、即
ち、可動フード（７）とは反対側端部と前記スペーサ部
材（３）との間には、回動調節部材（10）の軸芯方向の
移動を規制する金属製の摺接部材（13）を介装し、この
摺接部材（13）のグリップ部（２）側筒状部分（13a）
の内周部には内螺子を形成すると共に、スペーサ部材
（３）の前記筒状部分（13a）対応部位の外周部には前
記内螺子に螺合する螺子部を形成してある。この螺子部
と内螺子とによって、摺接部材（13）を竿軸芯方向に相
対移動させる螺子送り手段（Ａ）を構成してある。

又、可動フード（７）を下向きに設定した姿勢におけ
る側面視において、前記シートベース部材（８）の可動
フード（７）内装用の空間の開口縁（14）を下側ほど竿
尻側に向かう傾斜姿勢に成形し、前記シートベース部材
（８）の固定フード（６）形成用の開口縁（15）を下側
ほど穂先側に向かう傾斜姿勢に成形して夫々の開口縁
（14），（15）を竿軸芯（Ｘ）に傾斜する姿勢に形成す
ると共に、可動フード側の開口縁（14）に対して固定フ
ード側の開口縁（15）が急勾配となるよう設定してあ
る。

このように構成すると、リールシート（４）の上端側
部分は段差のない滑らかな曲面となり、しかも、下端側
部分は上記開口縁（14），（15）による段差は生じるも
のの、滑らかな側面視傾斜状に設けられる結果、違和感
がなく良好な手触りとなるのである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る釣り竿の実施例を示し、第１図は側
面図、第２図は縦断側面図、第３図は縦断正面図であ
る。 （5a），（5b）……脚部、（６）……固定フード、
（７）……可動フード、（８）……シートベース部材、
（14）……開口縁、（15）……開口縁、（Ｒ）……リー
ル。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートベース部材（８）に、魚釣り用リー
   ル（Ｒ）の穂先側脚部（5a）を係止する固定フード
   （６）を一体的に形成すると共に、竿尻側脚部（5b）を
   係止するための竿軸芯方向に移動可能な可動フード
   （７）を内装し、前記可動フード（７）を下向きに設定
   した姿勢における側面視において、前記シートベース部
   材（８）の前記可動フード（７）内装用の空間の開口縁
   （14）を下側ほど竿尻側に向かう傾斜姿勢に成形し、
   又、前記シートベース部材（８）の前記固定フード
   （６）形成用の開口縁（15）を下側ほど穂先側に向かう
   傾斜姿勢で、かつ、前記可動フード（７）側の開口縁
   （14）より急な勾配に成形してある釣り竿。