JPH0531567U - リールシートの可動フードネジ送り構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動フードのネジ送り調節を円滑に行うとと
もに、ネジへの調節操作を容易に行えるようにする。 【構成】 リール脚部２を支持する可動フード３をシー
トリング部５に外嵌するとともに、可動フード３を竿心
方向に移動させるナットリング８を、シートリング部５
に形成した雄ネジ７Ａに螺合し、雄ネジ７Ａを、シート
リング部５の外周面における略三分の一に亘る範囲で刻
設してある。ナットリング８の内周面をシートリング部
５における雄ネジ７Ａを形成した部分以外の平滑外周面
に摺接させている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はリールの脚部前後端の少なくとも一方を支持する可動フードと、前記 可動フードを外嵌させているシートリング部と、前記可動フードを竿心方向に前 後移動させるネジ送り機構を設けてあるリールシートの可動フードネジ送り構造 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、前記ネジ送り機構を、前記シートリング部の外周全面に亘って形成され た雄ネジと、前記雄ネジに螺合して前記可動フードを竿心方向に前後移動させる ナットリングとで形成してあった（実公昭５７−２７２４５号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ここに、前記雄ネジがシートリング部全周に亘って形成してあるので、ナット リング内周面に形成されている雌ネジと歯面全面に亘って略接触する状態で螺合 するので、ナットリング回転時の回転抵抗が大きく成りがちで、操作しにくい面 もあった。そこで、回転抵抗を弱めるために、雄ネジとナットリングとの螺合状 態を接触度合いの低い状態のものに設定することも考えられるが、この場合には 、ナットリングの雄ネジに対する螺合状態がガタツキの多いものとなり、操作が 遣りにくく、いずれにしても、操作性の悪いものであった。 また、雄ネジを全面に亘って形成すると、ネジ高さの分だけはシートリング部 の径が大径化し、重量的にも重いものとなり、改善の余地があった。 本考案の目的はシートリング部に形成する雄ネジの形成形態に簡単な改造を施 すことによって、操作性の向上を図れるものを提供する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案による特徴構成は前記ネジ送り機構を、前記シートリング部の外周面に おける半周以下の範囲に形成された雄ネジと、前記雄ネジに螺合して前記可動フ ードを竿心方向に前後移動させるナットリングとで形成し、前記シートリング部 における雄ネジ形成部分とは異なる平滑外周面に前記ナットリングの内周面を摺 接させてある点にあり、その作用効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】

雄ネジの形成域を半周以下に限ることによって、ナットリングのシートリング 部における螺合移動を維持しながら、雄ネジとナットリング雌ネジとの接触面積 を従来に比べて大幅に少なくでき、ナットリングの回転抵抗を低減できる。 しかも、前記シートリング部における雄ネジ形成部分とは異なる平滑外周面に 前記ナットリングの内周面を摺接させてあるので、ナットリングの姿勢を倒れの ない姿勢に規制でき、ナットリングに対する操作が遣りやすくなる。

【０００６】

【考案の効果】

ナットリングの回転抵抗を低減する観点から、雄ネジ形成部位を半周以下に設 定する方法を採択することによって、その目的を効果的に達成できるものである が、反面、ナットリングと雄ネジとの接触面積が少ない分ナットリングが倒れを 生じ安くなる面を、ナットリングの内周面をシートリング部に摺接させる作用に よって抑えることができ、両者の協働によって、操作性の良好な軽量リールシー ト構造を提供できるに至った。

【０００７】

【実施例】

図１に示すように、リール脚部２の後端部を差し込み装着する可動フード３と 、リール脚部２の前端部を差し込み装着する固定フード４と、両フード３，４の 間に位置するシートベース部５とを、有するリールシート６を、元竿１に形成す る。固定フード４をシートベース部５に一体成形すべく、その所定位置にザグリ 部を形成し、そのザグリ部に固定フード４を接着固定する。シートベース部５に おける可動フード３の装着部分にネジ部７を一体成形するとともに、このネジ部 ７に可動フード３を外嵌し、その可動フード３の竿尻側にナットリング８を螺着 し、ナットリング８と可動フード３とを相対回転可能でかつ一体移動可能に構成 してある。 図１及び図２に示すように、ネジ部７に、シートリング部５の外周面における 略三分の一円周の範囲に亘って、雄ネジ７Ａを形成する。この雄ネジ７Ａとナッ トリング８の雌ネジとの嵌合によって、ナットリング８の螺進移動を許容すると ともに、ナットリング８に対する操作性を高めている。

【０００８】 図３に示すように、雄ネジ７Ａを形成したシートリング部５の下面側外周面に 、竿心方向に沿った細幅凹入溝９を形成するとともに、可動フード３の対応する 下面に、押し出し形成した突起３Ａを内向きに突出させて、その突起３Ａを細幅 凹入溝９に係合させ、可動フード３の回り止め構造を形成してある。 また、雄ネジ７Ａの形成部位としては、可動フード３におけるリール脚部２の 受け止め部と同一側に形成されているので、可動フード３にかかる荷重を、雄ネ ジ７Ａで直接的に受け止めることができ、強度的に強い構成とすることができる 。 以上、雄ネジ７Ａとナットリング８とを、ネジ送り機構と称する。

【０００９】 〔別実施例〕 雄ネジ７Ａをシートリング部５の外周面に形成する形態としては、半周以下 であれば、いかなる範囲に亘る長さであってもよい。 雄ネジ７Ａとしては必ずしも連続するものでなくてもよく、途中で分割され たものでもよい。 可動フード３に対する細幅凹入溝９はなくてもよい。 固定フード４とシートリング部５を竿素材に対してインジェクション成形に よって一体形成してもよい。 可動フード３、固定フード４、及び、シートリング部５をリールシート６と して別体で構成し、このリールシート６を竿素材に後付けする構成を採ってもよ い。 図４に示すように、可動フード３の姿勢を規制する細幅凹入溝９を、雄ネジ ７Ａの一部を切り欠いて形成してもよい。細幅凹入溝９に係入する可動フード３ の突起３Ａを、図１に示すように、可動フード３の後基端部３Ｂに形成する。こ のように、雄ネジ７Ａに細幅凹入溝９を形成することによって、図１の位置に形 成する場合に比べて肉厚の低下が薄くなるのを抑えれる。 図５に示すように、可動フード３の姿勢を規制するに、雄ネジ７Ａの両横側 端７Ｂを垂直面に形成し、これに対応させて、可動フード３の両側壁を垂直面に 当接する構成をとってもよい。

【００１０】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体縦断側面図

【図２】ネジ部の縦断正面図

【図３】細幅凹入溝の形成状態を示す底面図

【図４】細幅凹入溝を雄ネジに形成した状態を示す縦断
正面図

【図５】可動フードの姿勢を規制する機構を示す縦断正
面図

【符号の説明】

２ リール脚部 ３ 可動フード ５ シートリング部 ７Ａ 雄ネジ ８ ナットリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リールの脚部（２）前後端の少なくとも
   一方を支持する可動フード（３）と、前記可動フード
   （３）を外嵌させているシートリング部（５）と、前記
   可動フード（３）を竿心方向に前後移動させるネジ送り
   機構を設けてあ るリールシートの可動フードネジ送り構造であって、前
   記ネジ送り機構を、前記シートリング部（５）の外周面
   における半周以下の範囲に形成された雄ネジ（７Ａ）
   と、前記雄ネジ（７Ａ）に螺合して前記可動フード
   （３）を竿心方向に前後移動させるナットリング（８）
   とで形成し、前記シートリング部（５）における雄ネジ
   形成部分とは異なる平滑外周面に前記ナットリング
   （８）の内周面を摺接させてあるリールシートの可動フ
   ードネジ送り構造。