JPH0563209B2 - - Google Patents

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JPH0563209B2
JPH0563209B2 JP59166873A JP16687384A JPH0563209B2 JP H0563209 B2 JPH0563209 B2 JP H0563209B2 JP 59166873 A JP59166873 A JP 59166873A JP 16687384 A JP16687384 A JP 16687384A JP H0563209 B2 JPH0563209 B2 JP H0563209B2
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JP
Japan
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membrane
water
polysulfone
solution
sulfonated
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JP59166873A
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JPS6146207A (ja
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Kenichi Ikeda
Shoichi Yamamoto
Hiroyoshi Ito
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Publication of JPH0563209B2 publication Critical patent/JPH0563209B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/12Composite membranes; Ultra-thin membranes
    • B01D69/1213Laminated layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/12Composite membranes; Ultra-thin membranes

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は複合半透膜の製造方法に関し、詳しく
は、基材膜の有する微孔の大きさによらずに、こ
の基材膜上に任意の分子量の重合体からなる特性
にすぐれた薄膜状の半透膜を生産性高く形成し得
る複合半透膜の製造方法に関する。 予め形成された基材としての支持用乾燥膜、例
えば、乾燥させた異方性限外濾過膜上に、逆浸透
膜のような薄膜状の半透膜を形成し得る重合体の
溶液を塗布し、溶剤を蒸発させて、基材膜上に半
透膜を形成させてなる複合半透膜を得る方法は、
例えば、特開昭50−99973号公報や特開昭51−
146379号公報に記載されているように既に知られ
ている。しかし、このように乾燥限外濾過膜上に
半透膜形成能を有する重合体の溶液を塗布する方
法においては、欠陥のない薄膜を形成するために
は、上記重合体が少なくとも基材膜の有する微孔
に入り込まない程度に所定の分子量を有すること
が必要であり、用いる重合体がその分子量におい
て制限を受けることとなる。 そのために、従来より、複合半透膜を得るため
の方法として、含水限外濾過膜を加熱処理した
後、グリセリンのような目詰め剤の水溶液に浸漬
し、次いで、グリセリンを膜の微孔中に残存させ
るように膜を乾燥し、このように目詰めした乾燥
限外濾過膜上に重合体溶液を塗布し、溶剤を蒸発
させて、複合半透膜を製造する方法が知られてい
る。 しかし、上記の方法による場合は、膜特性を向
上させるには、含水限外濾過膜の熱処理、目詰め
剤水溶液への浸漬及び膜乾燥という多数の処理を
長時間をかけて行なうことが必要とされているの
で、生産性に劣る問題がある。 本発明者らは、上記した問題を解決するために
鋭意研究した結果、含水基材膜を目詰め剤水溶液
中で加熱処理した後、乾燥して基材膜とすること
により、膜特性にすぐれる複合半透膜を生産性高
く得ることができることを見出して、本発明に至
つたものである。 本発明による複合半透膜の製造方法は、含水基
材膜を水溶性で且つ低揮発性の有機化合物からな
る目詰め剤の水溶液中で加熱処理した後、乾燥し
て、目詰めした後、半透膜形成能を有する重合体
の溶液を上記基材膜上に塗布し、溶剤を蒸発させ
ることを特徴とする。 本発明の方法においては、用いる基材膜は特に
制限されるものではないが、その上に形成される
半透膜に要求される分離性能等を考慮して選ばれ
る。例えば、大きい透水速度を有する複合半透膜
を得るためには、基材膜としては、分画分子量の
大きい限外濾過膜であることが好ましく、また、
基材膜を構成する重合体も、この限外濾過膜上に
塗布する重合体溶液に溶解しないように選ばれ
る。本発明の方法においては、通常、分画分子量
が1000〜200000の範囲にあり、好ましくは約
100000程度の分画分子量を有する限外濾過膜が用
いられる。 本発明の方法においては、含水限外濾過膜を複
合分離膜のための基材膜として用いるに際して、
含水基材膜を目詰め剤水溶液中で加熱処理した
後、乾燥する。即ち、含水限外濾過膜の加熱処理
と目詰め剤水溶液への浸漬とを同時に行なうこと
によつて、膜製造における生産性が高まるのみな
らず、得られる複合半透膜における膜特性が向上
する。 上記目詰め剤としては、水溶性で且つ低揮発性
の有機化合物が用いられるが、特に、本発明に従
つて膜特性のすぐれた複合半透膜を得るために
は、多価アルコール又はヒドロキシカルボン酸が
好ましく用いられる。かかる目詰め剤として、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、グリセリン、乳酸、ヒド
ロキシ酪酸等を例示することができる。特に、
1,4−ブタンジオール又は乳剤が好ましく用い
られる。目詰め剤水溶液の濃度は、通常、1〜80
重量%の範囲であり、特に、2〜60重量%の範囲
が好ましい。 含水基材膜の目詰め剤水溶液への浸漬温度40℃
以上、好ましくは60℃以上であり、上限は通常
100℃である。このように含水基材膜を目詰め剤
水溶液中で加熱処理することにより、含水基材膜
中の水が目詰め剤水溶液中で速やかに且つ完全に
置換されるので、後述する乾燥によつて一様に目
詰めされた乾燥基材膜を得ることができ、かくし
て、本発明の方法によれば、膜欠陥のないすぐれ
た複合半透膜を高生産性にて得ることができるの
である。 次いで、本発明の方法においては、上記のよう
に含水基材膜を目詰め剤水溶液に浸漬加熱した
後、目詰め剤が膜の微孔中に実質的にとどまるよ
うに、必要に応じて加熱して水を蒸発させ、乾燥
限外濾過膜を得る。乾燥は自然乾燥及び強制乾燥
を含み、従つて、乾燥温度は0〜100℃、好まし
くは20〜80℃の範囲の温度であり、乾燥時間は、
通常、数分乃至数時間である。 このようにして得られる基材膜としての乾燥限
外濾過膜上に半透膜を形成し得る重合体の溶液を
塗布し、溶剤を蒸発させれば、本発明による複合
分離膜を得ることができる。 上記半透膜形成性重合体としては、例えば、逆
浸透膜としての分離活性を有すると共に、その溶
液が上記乾燥限外濾過膜を溶解させ、或いは膨潤
させない限りは特に制限されないが、例えば、ス
ルホン化ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリア
ミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリキナ
ゾロン、ポリアリレート等を用いることができ
る。 重合体溶液のための溶剤は、前記したように、
基材膜としての乾燥限外濾過膜を溶解しないもの
であれば特に制限されず、用いる重合体に応じて
適宜に選ばれる。重合体溶液における重合体の濃
度は、通常、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜
5重量%の範囲であるが、但し、この範囲に限定
されるものではない。 本発明の方法は、特に、スルホン化された水不
溶性のポリスルホン重合体の均質膜からなる半透
膜が基材膜としての異方性限外濾過膜上に一体に
積層されてなる耐塩素性、耐PH性、耐熱性及び耐
圧密化性にすぐれた限外濾過膜乃至は逆浸透膜と
して有用である複合半透膜の製造方法として有用
である。 本発明において好ましく用いることができるス
ルホン化ポリスルホンは、次式Aで表わされる繰
返し単位を有するポリスルホンを部分スルホン化
することによつて得られる部分スルホン化ポリス
ルホン、並びに次式A及び次式Bで表わされる繰
返し単位からなる線状ポリスルホン共重合体をス
ルホン化してなるスルホン化ポリスルホン共重合
体である。これらのスルホン化ポリスルホンはい
ずれも親水性であるが、水不溶性である。 上式A及びBとを繰返し単位として有する線状
ポリスルホン共重合体は、カナダ特許第847963号
明細書に既に記載されており、また、この共重合
体のスルホン化物も既に特開昭55−48222号公報
に記載されている。即ち、この公報には、上記ポ
リスルホン共重合体を濃硫酸に溶解させてスルホ
ン化することによつて、式Aの繰返し単位は実質
的にすべてスルホン化されているが、式Bの繰返
し単位は実質的にすべてが非スルホン化状態で残
存している親水性のスルホン化ポリスルホンが生
成することが記載されている。更に、このスルホ
ン化ポリスルホン共重合体が限外濾過膜として潜
在的に有用であることにも言及されている。ま
た、同時に式Aの繰返し単位のみからなるポリス
ルホンを同様に濃硫酸中に溶解させるとき、この
ポリスルホンは速やかにスルホン化されて、完全
に水溶性のスルホン化ポリスルホンを生成するこ
とが記載されている。 しかしながら、本発明者らは、前記式Aの繰返
し単位のみからなるポリスルホンを、そのスルホ
ン化条件を制御することにより、親水性ではある
が、水不溶性であるように、部分スルホン化し得
ることを見出した。即ち、例えば、ポリスルホン
を比較的粗大な粒子のまま、97〜98%濃硫酸中に
加え、当初はポリスルホンが未溶解のままに常温
にて数時間緩やかに攪拌することによつて行なう
ことができ、この後、得られた粘稠な反応液を水
中に投じることによつて、水不溶性の部分スルホ
ン化ポリスルホンを単離することができる。 本発明においては、かかる部分スルホン化ポリ
スルホンは、乾燥樹脂1gについて、イオン交換
容量が2ミリ当量/g以下であり、且つ、N−メ
チル−2−ピロリドン100mlにこの重合体0.5gを
溶解した溶液について、30℃において測定した対
数粘度(以下、スルホン化ポリスルホンの対数粘
度の測定方法は同じである。)が0.5以上、好まし
くは0.7以上であることが必要である。 繰返し単位が式Aのみからなるポリスルホンに
おいて、二つのエーテル基に挟まれた芳香環のす
べてがモノスルホン化されたとき、かかるスルホ
ン化ポリスルホンの理論イオン交換容量は2.4ミ
リ当量/gであるが、本発明において好ましく用
い得る部分スルホン化ポリスルホンは、そのイオ
ン交換容量が2ミリ当量/g以下であることが必
要である。イオン交換容量が2ミリ当量/gを越
えるときは、部分スルホン化ポリスルホンが水溶
性を有するに至り、水性媒体を含む液体を処理す
ることが多い半透膜として不適当であり、また、
対数粘度が0.5よりも小さいときは、基材膜上に
ピンホール等の欠陥のない均一な薄膜に製膜する
ことが困難であるからである。 また、前記式AとBとを繰返し単位として有す
る線状ポリスルホン共重合体をスルホン化してな
るスルホン化ポリスルホン共重合体は、線状ポリ
スルホン共重合体を濃硫酸に溶解させ、常温にて
数時間攪拌した後、得られた粘稠な反応液を水中
に投じることによつて、容易に単離することがで
きる。スルホン化の程度は、前記したように、式
Aの繰返し単位は実質的にすべてスルホン化され
るが、式Bの繰返し単位は実質的にすべてが非ス
ルホン化状態で残存するので、式Aと式Bとの繰
返し単位の比率を変えた共重合体を用いることに
よつて、容易に制御することができる。また、ス
ルホン化条件を制御することによつて、式Aの繰
返し単位のスルホン化自体をも制御することがで
きる。 本発明において好ましく用い得るスルホン化ポ
リスルホン共重合体、繰返し単位Aが10モル%以
上と、繰返し単位Bが90モル%以下とからなる。 上記した部分スルホン化ポリスルホン及びスル
ホン化ポリスルホン共重合体(以下、これらをス
ルホン化ポリスルホンと総称することがある。)
が有するスルホン酸基は、式−SO3M表わされ、
ここに、Mは水素、アルカリ金属又はテトラアル
キルアンモニウムを示す。例えば、ポリスルホン
をスルホン化した後、このスルホン化ポリスルホ
ンを水洗し、乾燥すれば、遊離のスルホン酸基を
有するスルホン化ポリスルホンを得ることができ
る。 また、このスルホン化ポリスルホンを水酸化ア
ルカリ金属又はアルカリ金属アルコラートの水溶
液やメタノール、エタノール溶液等にて処理すれ
ば、スルホン酸基をアルカリ金属塩とすることが
できる。水酸化アルカリ金属としては、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム等が、また、アルカリ金属アルコラートとし
ては、例えば、ナトリウムメチラート、カリウム
メチラート、カリウムエチラート等が用いられ
る。また、テトラアルキルアンモニウム、例え
ば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テ
トラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピル
アンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム
等の上記と同様の溶液で処理すれば、対応するテ
トラアルキルアンモニウム塩とすることができ
る。 上記のようなスルホン化ポリスルホンを含む製
膜溶液を調製するための有機溶剤としては、アル
キレン基の炭素数が2又は3であり、アルキル基
の炭素数が1〜4であるアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテルが好ましく用いられる。この
溶剤は、一般にスルホン化ポリスルホンに対する
溶解性にすぐれると共に、高揮発性である一方、
後述するように、支持膜として有用であるポリス
ルホン限外濾過膜を溶解しないからである。上記
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとし
ては、例えば、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル等を挙
げることができる。特に、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルがスルホン化ポリスルホンの溶
解性にすぐれるのみならず、高揮発性であるため
に好ましく用いられる。 しかし、用いるスルホン化ポリスルホンのスル
ホン化の程度によつては、上記アルキレングリコ
ールモノアルキルエーテルに溶解しないか、又は
膨潤のみする場合もあるが、このようなスルホン
化ポリスルホンも、上記アルキレングリコールモ
ノアルキルエーテルに少量の非プロトン性極性有
機溶剤を添加してなる混合溶剤にはよく溶解す
る。かかる非プロトン性極性有機溶剤としては、
ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等が好ましく用いられる。
かかる混合溶剤において、非プロトン性極性有機
溶剤の混合割合は、上記アルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル100重量部について、5重量
部以下、特に、2重量部以下とするのがよい。混
合溶剤において、上記アルキレングリコールモノ
アルキルエーテル100重量部について、非プロト
ン性極性有機溶剤が5重量部よりも多いときは、
製膜溶液を乾燥ポリスルホン限外濾過膜上に塗布
したとき、この限外濾過膜が溶解し、又は膨潤
し、膜性能の良好な複合分離膜を得ることが困難
となるからである。 上記のように、製膜溶液の溶剤として、上記ア
ルキレングリコールモノアルキルエーテル又はこ
れと少量の上記非プロトン性極性有機溶剤との混
合溶剤を用いることは、後述する溶剤の蒸発除去
において、常温乃至僅かの加熱によつて実質的に
すべての溶剤を除去することができ、且つ、欠陥
のない均一な薄膜を得ることができる点からも有
利である。 製膜溶液におけるスルホン化ポリスルホンの濃
度は、この重合体に基づく半透膜の膜厚にも関係
するが、通常、0.05〜10重量%、好ましくは0.1
〜5重量%の範囲である。 製膜溶液を塗布するための異方性限外濾過膜
は、前記したように特に制限されないが、好まし
くは、次式Cの繰返し単位からなるポリスルホン
限外濾過膜が用いられる。この限外濾過膜は、分
画分子量が1000〜200000の範囲にあるものが好ま
しく、特に、100000程度のものがよい。 上記のポリスルホン限外濾過膜を本発明に従つ
て乾燥基材膜とするには、前記したように、その
含水膜を前記した目詰め剤の水溶液に浸漬加熱
し、含水膜中の水と置換し、その後、膜から水を
蒸発させて、膜を乾燥させる。即ち、含水膜中の
微孔内に含まれる水を上記目詰め剤水溶液と置換
すると同時に膜を加熱処理した後、必要に応じて
加熱して、目詰め剤水溶液から水を蒸発乾燥さ
せ、上記目詰め剤を膜中に残存させて、微孔の収
縮を抑えるのである。次いで、このような乾燥限
外濾過膜上に前記製膜溶液を塗布し、溶剤を蒸発
除去して、本発明による複合半透膜を得る。 前記したように、製膜溶液の溶剤として、少量
の非プロトン性極性有機溶剤を含んでもよいアル
キレングリコールモノアルキルエーテルを用いる
ことにより、通常、加熱を要せずして、常温にて
実質的にすべての溶剤を蒸発させることができる
ので、有利である。この後、必要に応じて、加熱
によつて溶剤を完全に蒸発除去する。この加熱温
度は、通常、150℃以下で十分である。尚、製膜
溶液を乾燥膜上に塗布した後の溶剤の蒸発を促進
するために、製膜溶液を予め加熱しておいてもよ
い。 このようにして得られる複合半透膜におけるス
ルホン化ポリスルホンに基づく半透膜の厚みは、
製膜溶液におけるスルホン化ポリスルホン濃度
や、乾燥膜への製膜溶液の塗布量にもよるが、膜
の透水速度を高くするには薄いほうがよく、強度
を高めるために厚いほうがよい。従つて、特に、
制限されるものではないが、通常、0.01〜5μmの
範囲にあるのが好ましい。 また、スルホン化ポリスルホンに基づく半透膜
は、異方性をもたず、厚み方向に均質な膜であ
り、膜表面には電子顕微鏡による観察によつて
も、微孔は認められない。 以上のように、本発明の方法によれば、複合半
透膜の製造において、含水基材膜を目詰め剤水溶
液中で加熱し、基材膜を加熱処理すると同時に目
詰め処理するので、基材膜中の水は目詰め剤水溶
液にて完全に置換されて、基材膜が一様に目詰め
処理され、かくして、これを乾燥してなる基材膜
に製膜溶液を塗布し、溶剤を蒸発させることによ
り、膜欠陥のない特性のすぐれた複合半透膜を得
ることができ、しかも、従来、長時間を要した含
水基材膜の加熱処理、目詰め剤水溶液への浸漬処
理及びその後の乾燥工程からなる基材膜の調製の
生産性が著しく高められる。 更に、このようにして得られる複合半透膜は、
耐塩素性、耐PH性、耐熱性等にすぐれ、限外濾過
膜乃至は逆浸透膜として使用するのに好適であ
り、更に、長期間にわたる連続使用によつても、
圧密化することなく、当初の高い透水速度を維持
する。特に、式Aの繰返し単位が50〜10モル%の
範囲にあり、式Bの繰返し単位が50〜90モル%の
範囲にあるポリスルホン共重合体のスルホン化物
からなる複合半透膜は、塩化ナトリウムに対する
除去率が93%以上、好ましい場合には、99%以上
にも達し、且つ、透水速度も実質的に十分に大き
い。 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。尚、実施例において、得られた半透膜の
溶質除去率及び透水速度の測定は、濃度5000ppm
の塩化ナトリウム水溶液を原液として、温度25
℃、圧力50Kg/cm2で透過実験を行ない、それぞれ
次式により求めたものである。 除去率= (1−膜透過液中の溶質濃度/膜供給液中の溶質濃度
)×100(%) 透水速度=透過水量(m3)/有効膜面積(m2)×透過時
間(日) 実施例 1 (1) ポリスルホンの製造 特公昭46−21458号に記載されている方法に従
つて、繰返し単位が式A1 であるポリスルホンを製造した。 即ち、ヒドロキノン13.2g(0.12モル)攪拌
器、窒素ガス導入管、水抜き管及び温度計を備え
たフラスコに入れ、これにスルホラン100mlとキ
シレン50mlを加えた。マントルヒーターによる加
熱下に攪拌しながら、150℃で1時間還流を行な
い、この際、水約3mlを抜き出した。 次いで、温度を110℃まで下べ、4,4′−ジク
ロルジフエニルスルホン34.5g(0.12モル)と炭
酸カリウム20.7g(0.15モル)を加えて重合反応
を開始した。155℃で50分間還流した後、50分間
の間に水を抜きながら、200℃まで昇温し、更に、
200〜215℃で30分間還流を続けた。この反応の間
に抜き出された水量は3.6mlであつた。 反応液の一部をガラス板に塗布し、水中に浸漬
したとき、フイルムを形成し得ることを確認した
後、反応液にスルホラン80mlを加え、100℃まで
温度を下げ、ジクロルメタン20mlを加えた。この
ようにして得た反応混合物を純水中に投じて、ポ
リスルホンを凝固させ、一晩放置した。これを分
離し、ミキサーで粉砕し、純粋とイソプロピルア
ルコールで洗浄した後、80℃の温度で6時間乾燥
した。 このようにして得られたポリスルホンは、小豆
色粒状物であつて、この重合体0.5gをp−クロ
ルフエノール100mlに溶解した溶液として、47℃
において測定した対数粘度(以下、ポリスルホン
の対数粘度の測定条件は同じである。)は1.40で
あつた。 (2) 部分スルホン化ポリスルホンの製造 上記のようにして得たポリスルホン10gを比較
的粗大な粒子状のままで97%濃硫酸80mlに加え、
当初はポリスルホンが未溶解のままで、常温にて
緩やかに4時間攪拌反応させて、黒褐色の粘稠な
反応液を得た。これを氷浴中に投入して、部分ス
ルホン化ポリスルホンを凝固させた。水にて洗浄
後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液800ml中に一晩
放置した。次いで、洗浄液が中性になるまでこの
重合体を洗浄した後、30℃で7時間真空乾燥し
た。このようにして得られた淡黄色粒状の部分ス
ルホン化ポリスルホンは、水不溶性であつて、対
数粘度が3.00、イオン交換容量は1.92ミリ当量/
gであつた。 (3) 複合半透膜の製造 前記式Cの繰返し単位からなり、平均分子量
20000のポリエチレングリコールについての除去
率が10%であつて、分画分子量が100000である前
記式Cの繰返し単位を有する異方性限外濾過膜を
60℃の10%1,4−ブタンジオール水溶液に1時
間浸漬し、次いで、約60℃の乾燥器中に5分間放
置して、乾燥限外濾過膜を得た。 上記部分スルホン化ポリスルホンをエチレング
リコールモノメチルエーテルに溶解して、1.0重
量%の重合体溶液を調製し、これを上記乾燥限外
濾過膜上に塗布し、室温にて放置して、殆どすべ
ての溶剤を蒸発させて除去した後、60℃の温度で
5分間加熱して、本発明による複合半透膜を得
た。 この複合半透膜は、除去率47.2%、透水速度
5.7m3/m2・日であつた。 比較例 1 比較のために1,4−ブタンジオール水溶液に
よる目詰めを行なうことなしに実施例1と同様に
して複合半透膜を得た。膜性能は除去率50.0%透
水速度1.3m3・日であつた。 実施例 2 特公昭46−21458号に記載されている方法に従
つて、前記式A1の繰返し単位43モル%と、式B
の繰返し単位57モル%とからなる線状ポリスルホ
ン共重合体を製造した。 即ち、4,4′−ジヒドロキシジフエニルスルホ
ン20.0g(0.08モル)及びヒドロキノン6.6g
(0.06モル)を攪拌器、窒素ガス導入管、水抜き
管及び温度計を備えたフラスコに入れ、これにス
ルホラン200mlとキシレン100mlを加えた。マント
ルヒーターによる加熱下に攪拌しながら、150℃
で1時間還流を行ない、この際、水5.6mlを抜き
出した。 次いで、温度を110℃まで下げ、4,4′−ジク
ロルジフエニルスルホン40.2g(0.14モル)と炭
酸カリウム27.6g(0.20モル)を加えて重合反応
を開始した。150℃で1時間還流した後、1.5時間
の間に水を抜きながら、200℃まで昇温し、更に、
200〜230℃で5時間還流を続けた。この反応の間
に抜き出された水量は2.0mlであつた。 反応液の一部をガラス板に塗布し、水中に浸漬
したとき、フイルムを形成し得ることを確認した
後、100℃まで温度を下げ、ジクロルメタン20ml
を加えた。このようにして得た反応混合物を純水
中に投じて、ポリスルホン共重合体を凝固させ、
純粋、次にイソプロピルアルコールで洗浄した
後、80℃で6時間乾燥した。 このようにして得られたポリスルホン共重合体
(収率100%)は、淡黄色粒状物であつて、この共
重合体の対数粘度は0.64であつた。 (2) スルホン化ポリスルホン共重合体の製造 上記のようにして得たポリスルホン共重合体10
gを97%濃硫酸80mlに加えて溶解させ、常温にて
4時間攪拌反応させて、黒褐色の粘稠な反応液を
得た。これを氷浴中に投入して、スルホン化ポリ
スルホン共重合体を凝固させた。水にて洗浄後、
0.5N水酸化ナトリウム水溶液800ml中に一晩放置
した。次いで、洗浄液が中性になるまでこの重合
体を洗浄した後、60℃で7時間真空乾燥した。 このようにして得られたスルホン化ポリスルホ
ン共重合体は、対数粘度が1.04、イオン交換容量
は1.0ミリ当量/gであつた。 (3) 複合半透膜の製造 実施例1において用いたのと同じポリスルホン
限外濾過膜を60℃の10重量%乳酸水溶液中に所定
時間浸漬した後、約60℃の乾燥器中に5分間放置
して、乾燥基材膜を得た。 上記スルホン化ポリスルホン共重合体をエチレ
ングリコールモノメチルエーテルに溶解して、
1.0重量%の重合体溶液を調製し、これを上記乾
燥限外濾過膜上に塗布し、室温にて放置して、殆
どすべての溶剤を蒸発させて除去した後、60℃の
温度で5分間加熱して、本発明による複合半透膜
を得た。 このようにして得られた複合半透膜の性能を表
に示す。 比較例 2 比較のために、実施例2の複合半透膜の製造に
おいて、含水限外濾過膜を80℃の熱水中に1時間
浸漬した後、25℃の温度にて乳酸水溶液に所定時
間浸漬し、次いで、約60℃の乾燥器中に5分間放
置して、乾燥基材膜を得、この基材膜を用いた以
外は、実施例2と同様にして複合半透膜を調製し
た。この複合半透膜の性能を表に示す。 本発明の方法によれば、目詰め剤水溶液中に短
縮時間浸漬加熱処理することにより、透水速度の
大きい複合半透膜が得られるのに対して、含水基
材膜を予め加熱処理した後、目詰め剤水溶液に浸
漬し、乾燥して調製した基材膜を用いる方法によ
れば、目詰め剤水溶液に非常に長時間浸漬しなけ
れば、透水速度の大きい複合半透膜を得ることが
できない。 実施例 3 実施例2に記載した方法と同様にして、前記式
A1の繰返し単位17モル%と式Bの繰返し単位
【表】 83モル%とからなる線状ポリスルホンを調製
し、これをスルホン化した。このようにして得ら
れたスルホン化ポリスルホン共重合体は、対数粘
度が0.75、イオン交換容量が0.3ミリ当量/gで
あつた。 このスルホン化共重合体はエチレングリコール
モノメチルエーテル単独には溶解しないが、これ
と極性有機溶剤との混合溶剤には溶解するので、
エチレングリコールモノメチルエーテル10gと
N,N−ジメチルホルムミド0.1gとからなる混
合溶剤にこの共重合体0.1gを溶解して共重合体
溶液を調製した。 実施例1において用いたのと同じポリスルホン
限外濾過膜を80℃の10重量%乳酸水溶液中に1時
間浸漬した後、約60℃の乾燥器中に5分間放置し
て、乾燥基材膜を得た。 上記スルホン化ポリスルホン共重合体溶液をこ
の乾燥基材膜上に塗布した後、60℃の乾燥器中で
30分間乾燥して溶剤を除去して、本発明による複
合半透膜を得た。 この複合半透膜の性能は、除去率98.2%、透水
速度0.2m3/m2・日であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 含水基材膜を水溶性で且つ低揮発性の有機化
    合物からなる目詰め剤の水溶液中で加熱処理した
    後、乾燥して、目詰めした後、半透膜形成能を有
    する重合体の溶液を上記基剤膜上に塗布し、溶剤
    を蒸発させることを特徴とする複合半透膜の製造
    方法。
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