JPH0563121B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は対地作業機の左右傾斜変更装置に関
するものである。

従来の技術 例えば圃場の外側縁附近を、牽引機はこの附近
から離れた位置を走行させて充分に処理できるよ
うに牽引機の機体中心に対して対地作業機を左右
１方に偏寄させたオフセットタイプに連結したも
のが使用されている。

ところが、このオフセットタイプに連結された
ものでは、圃場の小さい凹凸等によつて牽引機の
左右部が上下に傾くと、対地作業機のオフセット
側ではこの牽引機の傾きが極めて大きく拡大され
た状態となつて、大きく上下するものであり、傾
斜の際に、対地作業機の例えばカバー等の下位部
材が圃場に極めて接近することになり、例えば枕
地附近等における旋回動作と競合するときは、さ
らに牽引機及び対地作業機の上記傾斜が一そう大
きくなつて、遂に下部部材が圃場に接触して破損
したり、或いは、接触動作のためにオフセット側
が逆に持上げられて牽引機に不正な持上力が作用
する等の危険がある。そして、かかる危険を避け
るために旋回動作の際に、対地作業機を作業機吊
持機構の吊上限度附近まで上昇させると、重心が
高くなり過ぎて不安定となり、しかも、作業部駆
動用の自在接手軸のジヨイント部分の折れ角が過
大となつて自在接手軸が破損する等の危険もある
ので、吊上高さはなるべく高くしなくても済むよ
うに工夫する必要がある。

発明が解決しようとする問題点 そこでこの発明は、オフセットして連結される
対地作業機の例えば回向動作時における吊上高さ
が低くて済むように工夫したものである。そし
て、この為、次の技術的手段を講じた。

発明の構成 即ち、作業機吊持機構１２を介して牽引機１に
連結している対地作業機２を、牽引機１の機体中
心に対して左右１方の方向にオフセットしたもの
において、作業機吊持機構１２又は対地作業機２
の上昇動作位置を、或いは作業機吊持機構１２に
対するリフト指示位置の少くとも１を検出するリ
フトセンサS₁と、作業機吊持機構１２の上記オフ
セット側Ｐを他側Ｑに対して昇降させるためのオ
フセット側昇降手段Ａとを設け、リフトセンサS₁
により上昇位置検出値Ｈが所定の上昇位置設定値
Ｒ以上となつたとき、上記オフセットＰ側を所定
高さに引上げるべく、オフセット側昇降手段Ａを
制御するよう構成したことを特徴とする対地作業
機の左右傾斜変更装置である。

発明の一実施例と作用 次にこの発明を図示の一実施例に基づいて説明
する。第１図のように、牽引機１の後部にロータ
リ耕耘装置の如き対地作業機２の装置機枠３を、
左右１対のロワーリンク４，５と中央のトツプリ
ンク６によつて連結し、図示外のリフト指示機構
にて圧力油を給排し、油圧シリンダ７によつて上
下回動する左右のリフトアーム８，９とロワーリ
ンク４，５をリフトロツド１０，１１によつて連
結し、対地作業機２をリフト指示機構が指示する
任意の高さに昇降して保持できる作業機吊持機構
１２としている。対地作業機２は、牽引機１の機
体中心に対して左右１方の方向にオフセットして
連結したものであつて、図示例では、耕耘体１３
とこれを駆動するための耕耘体駆動機構１４を、
左右移動シリンダ１５によつて装置機枠３に対し
て例えば右方へオフセットできるようにし、牽引
機１のPTO軸１６の動力を、装置機枠３のギヤ
ボツクス１７内のギヤ機構と伸縮自在な伝導軸１
８を介して耕耘体駆動機構１４に伝えるようにし
ている。

図示例では作業機吊持機構１２のオフセット側
Ｐを、他側Ｑに対して昇降できるようにするため
のオフセット側昇降手段Ａとしてオフセット側Ｐ
のリフトロツド１１を伸縮するリフトロツドシリ
ンダ１９を設け、作業機吊持機構１２又は対地作
業機２の昇降位置を、或いは作業機吊持機構１２
に対するリフト指示位置の少くとも１つを検出す
るリフトセンサS₁として例えば、リフトアーム
８，９の牽引機１機体に対するリフト角を検出す
る回動型のポテンシヨメータを設け、オフセット
側昇降手段Ａの昇降動作位置を検出するオフセッ
ト側昇降位置センサS₂として、例えばリフトロツ
ドシリンダ１９の基準長さ（左右のリフトロツド
１０，１１が共に等長時のリフトロツドシリンダ
１９長さ）に対する伸縮量を検出する直線スライ
ド型のポテンシヨメータを用いる。

そして、第３図に制御回路のブロツク図を示し
たが、リフトセンサS₁によつて検出される上昇位
置検出値Ｈに対応するリフト電圧V_Hと、オフセ
ット側昇降位置センサS₂によつて検出されるオフ
セット側高さ検出値Ｌに対応するオフセット側高
さ電圧V_Lと、オフセット側昇降手段Ａのリフト
ロツドシリンダ１９の縮少動作を行わせるべき対
地作業機２の所定の上昇位置、即ち、牽引機１の
回向動作に必要な高さを設定するための、例えば
ポテンシヨメータの如きものからなる上昇位置設
定器２０によつて上昇位置設定値Ｒに対応する設
定リフト電圧V_Rと、リフトロツドシリンダ１９
の縮少動作によつて引上げられるべきオフセット
側Ｐの所定高さＬに対応する所定高さ電圧V_Lを
設定するために設けているポテンシヨメータの如
きものからなる所定高さ設定器２１の所定高さ電
圧V_Lを、マイクロコンピユータ２２のマルチプ
レクサ２３に入力し、Ａ／Ｄコンバータ２４によ
つてデジタル値に変換して、制御計算機２５はリ
フト電圧V_Hが設定リフト電圧V_R以上となるとき、
縮少用の駆動回路２６を動作させて電磁切替弁２
７によつてリフトロツドシリンダ１Ｈを縮少制御
し、これによつてオフセット側高さ電圧V_Lが所
定高さ電圧V_Lに等しくなると、縮少用の駆動回
路２６の上記動作の停止を指令するものであり、
又、このようにオフセット側Ｐが所定高さに引上
げられた状態のとき、作業器吊持機構１２がリフ
ト指示機構の下げ指示によつて下降すれば、伸長
用の駆動回路２８が動作して電磁切替弁２７によ
つてリフトシリンダ１９を基準長さに戻すように
制御計算機２５による制御が行われる。

尚、オフセット側昇降手段Ａの上記動作を開始
させるリフトセンサS₁と上昇位置設定器２０のほ
か、例えば牽引機１のステアリングハンドルの操
作角設定器２９によつて設定した設定操作角、即
ち、牽引機１の回向操作に必要な操作角にステア
リングハンドル操作角センサS₃にて検出した検出
操作角が到達したとき、制御計算機２５による縮
少用の駆動回路２６の上記動作が行われるように
構成することも可能である。又、この発明は、牽
引機１が左右方向に傾斜しても、対地作業機２が
例えば一定の水平姿勢に維持されるようにしたロ
ーリング制御を行うようにしたローリング制御可
能な対地作業機２にも、そのリフトロツドシリン
ダ１９を活用することによつて適用できるもので
ある。

発明の効果 そして、かかる構成によつてこの発明は次の技
術的効果を得ることができた。即ち、作業機吊持
機構１２又は対地作業機２が所定の上昇位置設定
値Ｈにまで上昇動作したとき、又は、作業機吊持
機構１２が所定の上昇位置設定値Ｈに上昇指令さ
れたとき、オフセット側昇降手段Ａが動作して所
定高さに作業機吊持機構１２のオフセット側Ｐを
上昇させるので、例えば旋回動作の際のように、
作業機吊持機構１２又は対地作業機２を上昇させ
るか、或いは作業機吊持機構１２に上昇指令を与
えるかしたときは、これに連動してオフセット側
Ｐが上昇動作することになり、従つて、旋回動作
と圃場の凹凸による傾斜が競合して対地作業機２
のオフセット側Ｐが圃場に衝突する如き危険な状
態となるのを、良く防止することができたのであ
り、しかも、上記のように自動制御されるので、
動作が容易、確実となつたのである。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例を示し、第１図は全体
側面図、第２図は第１図の後面図、第３図は装置
のブロツク図である。 符号説明、１……牽引機、２……対地作業機、
１２……作業機吊持機構、Ａ……オフセット側昇
降手段、Ｈ……上昇位置検出値、Ｒ……上昇位置
設定値、Ｐ……オフセット側、Ｑ……他側、S₁…
…リフトセンサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 作業機吊持機構を介して牽引機に連結してい
   る対地作業機を、牽引機の機体中心に対して左右
   １方の方向にオフセットしたものにおいて、（作
   業機吊持機構又は対地作業機の昇降動作位置を、）
   或いは作業機吊持機構に対するリフト指示位置の
   少くとも１の位置を検出するリフトセンサと、作
   業機吊持機構の上記オフセット側を他側に対して
   昇降させるためのオフセット側昇降手段とを設
   け、リフトセンサによる上昇位置検出値が所定の
   上昇位置設定値以上となつたとき、上記オフセッ
   ト側を、所定高さに引上げるべくオフセット側昇
   降手段を制御するよう構成したことを特徴とする
   対地作業機の左右傾斜変更装置。