JPH0562011U - ラインフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子機器において、コードに固定し易いライ
ンフィルタを提供する。 【構成】 ラインフィルタであるフェライトコア２，３
を保持したコアケースアッセ１は、第１および第２のコ
アケース１ａ，１ｂがヒンジ１ｃで接合され開閉可能に
なっている。両コアケース１ａ，１ｂには電気のコード
を通す凹部１ｄと形状を同じにした溝２ａ，３ａが設け
られ、コードを強く挟み付ける突起１ｅが４個と外周端
部には舌片１ｆ，１ｇが設けられている。この舌片１
ｆ，１ｇには夫々角孔１ｈと係合爪１ｉが設けられてい
る。コードを第１のコアケース１ａの凹部１ｄおよび溝
２ａに嵌め込んで、第２のコアケース１ｂを閉じると、
係合爪１ｉと角孔１ｈは係合する。そして突起１ｅによ
りコードは強く挟まれる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は電子機器の電気用コードのＥＭＩ（Ｅｌｅｃｔｒｏ ｍａｇｎｅｔ ｉｃ Ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ）対策に係り、特にフェライトコアを用いコー ドに取付け易くしたラインフィルタに関する。

【０００２】

【従来技術】

従来、電子機器の電源用コード６に使用するリング状フェライトコア11を用い たラインフィルタは、図４に示す様にコードブッシュ12の左右固定部12ａ，12ｂ を開いてコード６を通し閉じた状態で、固定部材７の孔７ａに嵌合させて固定し 、次にフェライトコア11の孔にコード６を挿通して、接着等によって所定箇所に 固定していた。

【０００３】 これにより、コード６を通して入出するＥＭＩを防止していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来のラインフィルタは、コードをリング状フェライトコア の孔に挿通する作業工数と、動かない様に固定する作業工数が必要であった。

【０００５】 また、上記のフェライトコアは保護部材がないので破損し易かった。

【０００６】 この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは 従来例の欠点を解消し、コードに固定し易いラインフィルタを提供するところに ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案のラインフィルタは、少なくとも一方に電気のコードを通す溝が設け られた第１および第２のフェライトコアと、この第１および第２のフェライトコ アを夫々保持し前記コードを通す凹部およびコードを挟み付ける突起が少なくと も一方に設けられヒンジにより開閉可能に接合された第１および第２のコアケー スとを備え、前記第１および第２のフェライトコアを夫々保持した前記第１およ び第２のコアケースを閉じてコードに挟着する様に構成したものである。

【０００８】 また、前記第１のコアケースの外周端部に係合爪を設け、閉じた場合この係合 爪と係合する様に第２のコアケースに孔を設けたものである。

【０００９】 更に、前記第１および第２のコアケースからなるコアケースアッセの外周に突 出部と、この突出部に近接して係合突起とを備え、前記コアケースアッセを固定 する固定部材の孔に、コアケースアッセを嵌合させ、前記突出部と係合突部間に 固定部材を係合させたものである。

【００１０】

【作用】

この考案によれば、ヒンジにより接合された第１および第２のコアケース夫々 に、少なくとも一方にコードを通す溝を設けた第１および第２のフェライトコア が保持され、第１および第２のコアケースの内少なくとも一方に、この溝に合せ てこの溝と同形状の凹部が設けられている。また、この凹部に向けて突起が設け られ、且つ第１および第２のコアケースに夫々係合爪と孔が設けられているので 、開いたコアケースアッセの溝にコードを通して閉じると、係合爪と孔が係合す る。これと共に突起とコアケース間にコードが強く挟み付けられることにより、 コアケースアッセはコードに挟着される。

【００１１】 また、コードに挟着されたコアケース組立を、固定部材の孔に取付けられる様 に、コアケースアッセには突出部とこの突出部に近接して係合突起が設けられて いるので、コアケースアッセを孔に嵌合すると、突出部と係合突起間に固定部材 が挟さまれ、コアケースアッセはコードを固定した状態で固定部材に係止される 。

【００１２】

【実施例】

この考案に係るラインフィルタの実施例を図１乃至図３に基づき説明する。

【００１３】 なお、従来例と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。

【００１４】 図１は第１の実施例を示す斜視図、図２は第２の実施例を示す斜視図、図３は 第２の実施例においてコードに取付けたラインフィルタと固定部材との関係を示 す斜視図である。

【００１５】 図において、１はラインフィルタであるコアケースアッセであり、樹脂で一体 成形され、半円筒形状の第１のコーアケース１ａと同形状の第２のコアケース１ ｂが薄肉によるヒンジ１ｃにより開閉可能に接合されている。また、第１および 第２のコーアケース１ａ，１ｂの内部の凹部には半円筒形の第１および第２のフ ェライトコア２，３が夫々接着または強嵌合により固定され保持されている。第 １および第２のフェライトコア２，３の内側にはコード６を通すため半円状の溝 ２ａ，３ａと、この溝２ａ，３ａと同形状の凹部１ｄが第１および第２のコーア ケース１ａ，１ｂの両側面（平面部）に設けられている。そして各凹部１ｄの中 央部には先端が斜めカットされた突起１ｅが設けられ、また、第１および第２の コアケース１ａ，１ｂの外周端部に舌片１ｆ，１ｇと、舌片１ｆには角孔１ｈお よび舌片１ｇには角孔１ｈと係合する係合爪１ｉが設けられている。

【００１６】 ４はコード６を固定するコードブッシュの機能を持たせたコアケースアッセで あり、樹脂で一体成形され、第１のコアケース１ａに相当する第３のコアケース ４ａと第２のコアケース１ｂに相当する第４のコアケース４ｂが薄肉による２つ のヒンジ４ｃにより開閉可能に接合されている。４ｄは第３および第４のコアケ ース４ａ，４ｂの外周端部に全周に亘って設けられた突出部である。４ｅは係合 突部であり、突出部４ｄに近接して設けられ、断面が略三角形状をしている。４ ｆは先端部であり、外形が曲面を描いて細くなっている。４ｇはコード６を通す 凹部であり、第３および第４のコアケース４ａ，４ｂに夫々設けられている。４ ｈは凹部であり、第３，第４のコアケース４ａ，４ｂに夫々略同形状に設けられ 、ここに凹凸面を有した突起４ｉが内方向へ向けて凹部４ｇの底面からは突出し て設けられ、コードを強く挟み付ける様になっている。

【００１７】 ５はフェライトコアであり、コード６を通す溝５ａを有し、第３および第４の コアケース４ａ，４ｂの凹部４ｈに設けた凹部４ｉに接着または強嵌合により固 定されている。

【００１８】 以上の様に構成した本考案の組み付けと作用を説明する 図１に示す第１の実施例では、図３に示す電源用のコード６の所定箇所に、こ のコード６を例えば第１のコアケース１ａの凹部１ｄに通し、第２のコアケース １ｂを閉じて係合爪１ｉと角孔１ｈを係合させる。

【００１９】 これによりコード６は第１および第２のコアケース１ａ，１ｂに設けられた４ 個の突起１ｅによって強く挟み付けられ、コード６の所定箇所に固定される。

【００２０】 ここで、コード６を通して入出するＥＭＩは、高透磁率特性を有しリング状に 合されたフェライトコア２，３によって、吸収されカットされる。

【００２１】 図２および図３に示す第２の実施例では、コアケースアッセ４にコードブッシ ュの機能を持たせている。コード６の所定箇所に、このコード６を例えば第３の コアケース４ａの凹部４ｇとフェライトコア５の溝５ａ部に通した後、第４のコ アケース４ｂを閉じて、固定部材７の孔７ａにコード６の端部を挿通し、次に先 端部４ｆを挿入し更に強く押し込んで、孔７ａの縁部が第３および第４のコアケ ース４ａ，４ｂの両面で突出部４ｄと突起４ｅ間に嵌まり込む様にする。

【００２２】 これにより、コード６は第３および第４のコアケース４ａ，４ｂに夫々設けら れた突起４ｉによって強く挟み付けられ、コアケースアッセ４と共に固定部材７ に固定される。

【００２３】 ここで、コード６を通して入出するＥＭＩは、前記第１の実施例と同様にリン グ状に合された２つのフェライトコア５によって吸収されカットされる。

【００２４】 前記第１および第２の実施例において、フェライトコアの特性に合せてコアケ ースの色を変えたり、凸部や凹部を設けることにより、フィルタ特性を容易に識 別できる。

【００２５】

【考案の効果】

この考案に係るラインフィルタによれば、上述のように構成したので、次記の 様な効果がある。

【００２６】 （１）フェライトコアの孔にコードを通す必要がなく、また所定箇所に固定で きるため、コードへの取付け工数を大幅に低減できる。

【００２７】 （２）電子機器の販売先に応じて複数個使ったり、使用しない様にすることが 容易に出来るため、機器の生産性が向上する。

【００２８】 （３）トラブルシューティングとして使用できる。

【００２９】 （４）コアケースに着色できるため、特性判別が容易にできる。

【００３０】 （５）コアケースに保持されるため、フェライトコアの破損を防止できる。

【００３１】 （６）コードブッシュとして使用できるためラインフィルタの組付作業は不要 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案におけるラインフィルタの第１の実施例
を示す斜視図である。

【図２】同ラインフィルタの第２の実施例を示す斜視図
である。

【図３】同ラインフィルタの第２の実施例でコードに取
付けられたラインフィルタと固定部材との関係を示す斜
視図である。

【図４】従来例を示した斜視図である。

【符号の説明】

１ コアケースアッセ １ａ 第１のコアケース １ｂ 第２のコアケース １ｃ ヒンジ １ｄ 凹部 １ｅ 突起 １ｆ，１ｇ 舌片 １ｈ 角孔 １ｉ 係合爪 ２，３ フェライトコア ２ａ，３ａ 溝 ４ コアケースアッセ ４ａ 第３のコアケース ４ｂ 第４のコアケース ４ｃ ヒンジ ４ｄ 突出部 ４ｅ 係合突起 ４ｆ 先端部 ４ｇ 凹部 ４ｈ 凹部 ４ｉ 突起 ４ｊ 凹部 ５ フェライトコア ５ａ 溝 ６ コード ７ 固定部材 ７ａ 孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一方に電気のコードを通す溝
   が設けられた第１および第２のフェライトコアと、この
   第１および第２のフェライトコアを夫々保持し前記コー
   ドを通す凹部およびコードを挟み付ける突起が少なくと
   も一方に設けられヒンジにより開閉可能に接合された第
   １および第２のコアケースとを備え、 前記第１および第２のフェライトコアを夫々保持した前
   記第１および第２のコアケースを閉じてコードに挟着す
   る様に構成したことを特徴とする電子機器におけるライ
   ンフィルタ。
2. 【請求項２】 前記第１のコアケースの外周端部に係合
   爪を設け、閉じた場合この係合爪と係合する様に第２の
   コアケースに孔を設けたことを特徴とする請求項１記載
   のラインフィルタ。
3. 【請求項３】 前記第１および第２のコアケースからな
   るコアケースアッセの外周に突出部と、この突出部に近
   接して係合突起とを備え、 前記コアケースアッセを固定する固定部材の孔に、コア
   ケースアッセを嵌合させ、前記突出部と係合突部間に固
   定部材を係合したことを特徴とする請求項１または２記
   載のラインフィルタ。