JPH056146Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、葉書などの通知手段に記載された情
報を第三者には見せないようにする隠蔽情報を有
したカードに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、銀行や保険会社などの金融機関におい
て、顧客側に顧客情報を通知する場合には、葉書
や封書を用いて行われており、特に顧客の私的情
報を通知する場合には、この私的情報が第三者に
見られないようにする必要があるため、顧客への
通知情報を記載した書面を封筒に入れて送るなど
の手段を取つていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、数多くの顧客それぞれに対して
私的情報を通知する必要が生じた場合、上記した
封筒を用いた通知方法では、通知情報を記載した
書面の封入や封緘等の配送業務が極めて煩雑とな
り、また封書の形態を取ることから配送費用が割
高となつてしまういう問題点が生じていた。

そこで葉書による隠蔽された私的情報の通知が
行えるようにすることが課題とされていた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記した従来の課題を考慮してなさ
れたもので、宛名などの表示情報と隠蔽情報とを
有し、前記隠蔽情報の記載面は、透明化剤が浸透
可能なシートからなる上表層と、前記上表層の下
位に少なくとも隠蔽情報記載面に対応して設けら
れ透明化剤を含有するマイクロカプセル剤層と、
前記マイクロカプセル剤層の下位に設けられた透
明樹脂フイルム層と、前記透明樹脂フイルム層の
下位に設けられ前記隠蔽情報記載面に接着する接
着剤層とを有した隠蔽部材で覆われていることを
特徴とする隠蔽情報を有するカードを提供して、
従来の課題を解消するものである。

〔作用〕

本考案においては、隠蔽部材の上表層上から擦
ることによつて下位のマイクロカプセル層が破壊
され、マイクロカプセルから出た透明化剤が上表
層に浸透してこの上表層を透明化し、接着剤層の
下位にあつて覆われていた隠蔽情報が透けて見え
るようになる。

〔実施例〕

つぎに、本考案を第１図から第４図に示す実施
例に基づいて詳細に説明する。

図中１はカードで、該カード１は、第３図に示
すように、一表面に宛名などの表示情報ａを有す
るとともに、第三者などのものには見られないよ
うにした隠蔽情報ｂを有している。そして前記カ
ード１における隠蔽情報ｂの記載面ｃは、第１図
に示すように、隠蔽部材２で覆われている。

上記隠蔽部材２は、第２図に示すように、隠蔽
性を有するシートからなる上表層３と、前記上表
層２の裏面側に位置したマイクロカプセル層４
と、前記マイクロカプセル層４の下位に位置する
透明樹脂フイルム層５と、前記マイクロカプセル
層４および透明樹脂フイルム層５を覆うようにし
て上表層３の裏面側に塗付された接着剤からなる
接着剤層６とからなるものであつて、前記接着剤
層６によつて隠蔽部材２が上記紙面ｃを覆うよう
に接着されている。

上記マイクロカプセル層４は、シリコン、ワニ
スなどの不揮発性溶剤からなる透明化剤を内包し
たマイクロカプセルを上記上表層３の裏面、また
は下位の透明樹脂フイルム層５の表面に塗付した
もので、このマイクロカプセル層４は、少なくと
もこの隠蔽部材２で隠蔽したい情報領域、すなわ
ち記載面ｃに対応している。そして前記透明樹脂
フイルム層５はマイクロカプセル層４からの透明
化剤が下位の接着剤層６および記載面ｃ側に浸透
しないようにするものである。前記接着剤層６を
構成する接着剤おいては通常の接着剤の外に、感
熱接着剤、感圧接着剤、再湿性接着剤、ワツク
ス・シリコンなど通常で剥がれることのない程度
の接着性を有するものであればよい。

上記接着剤層６を介して記載面ｃを覆うように
隠蔽部材２が接着されたカード１において、通知
された隠蔽情報の内容を知りたい場合には、第３
図に示すように、硬質の棒材７などで上表層３を
擦ればよく、透明化剤が上表層３に浸透すると、
隠蔽されていた隠蔽情報ｂが透けて見えるように
なり、一旦透明化剤が浸透した上表層３は元の隠
蔽状態に戻ることがない。

なお上記上表層を構成する用紙に隠蔽性が無い
場合には若干この用紙に着色することも可能であ
る。さらに表面側の表示情報とは異なり隠蔽情報
がカード１の裏面側にある場合には、第４図に示
すように、裏面の隠蔽情報の記載面を隠蔽部材３
で覆うようにすればよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、カード
は、宛名などの表示情報と隠蔽情報とを有するも
のであつて、隠蔽情報の記載面が、透明化剤が浸
透可能なシートからなる上表層と、前記上表層の
下位に少なくとも隠蔽情報記載面に対応して設け
られ透明化剤を含有するマイクロカプセル剤層
と、前記マイクロカプセル剤層の下位に設けられ
た透明樹脂フイルム層と、前記透明樹脂フイルム
層の下位に設けられ前記隠蔽情報記載面に接着す
る接着剤層とを有した隠蔽部材で覆われているの
で、前記隠蔽部材が隠蔽情報の記載面を覆うよう
にして貼着され、隠蔽情報の隠蔽が確実に行える
とともに、上表層の上から擦ることによつてマイ
クロカプセルが破壊し透明化剤の浸透によつて上
表層が透明により、隠蔽していた隠蔽情報が透け
て見えるようになり、この情報確認が容易に行え
るようになる。さらに一旦透明化剤が浸透した上
表層は不透明化することがなく、上表層を擦つた
ことが跡として残り、情報の確認行為の証拠を残
すことができるようになる。よつてこの隠蔽部材
を用いて葉書に記載された私的情報を隠蔽すれ
ば、私的情報を葉書にて低コストで通知できるよ
うになるなど、実用性にすぐれた効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る隠蔽情報を有するカード
の一実施例を示す説明図、第２図は一実施例の要
部を断面で示す説明図、第３図は一実施例におい
て隠蔽された隠蔽情報の現出状態を示す説明図、
第４図は他の実施例を示す説明図である。 １……カード、２……隠蔽部材、３……上表
層、４……マイクロカプセル層、５……透明樹脂
フイルム層、６……接着剤層、ｂ……隠蔽情報、
ｃ……記載面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 宛名などの表示情報と隠蔽情報とを有し、前記
   隠蔽情報の記載面は、 透明化剤が浸透可能なシートからなる上表層
   と、前記上表層の下位に少なくとも隠蔽情報記載
   面に対応して設けられ透明化剤を含有するマイク
   ロカプセル剤層と、前記マイクロカプセル剤層の
   下位に設けられた透明樹脂フイルム層と、前記透
   明樹脂フイルム層の下位に設けられ前記隠蔽情報
   記載面に接着する接着剤層とを有した隠蔽部材で
   覆われていることを特徴とする隠蔽情報を有する
   カード。