JPH0561026A - 液晶基板及びそれを用いた液晶デイスプレイ - Google Patents

液晶基板及びそれを用いた液晶デイスプレイ

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JPH0561026A
JPH0561026A JP28950091A JP28950091A JPH0561026A JP H0561026 A JPH0561026 A JP H0561026A JP 28950091 A JP28950091 A JP 28950091A JP 28950091 A JP28950091 A JP 28950091A JP H0561026 A JPH0561026 A JP H0561026A
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liquid crystal
norbornane
resin
polymer
crystal substrate
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JP28950091A
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Tsutomu Hani
勉 羽仁
Shinichi Takahashi
信一 高橋
Teiji Obara
偵二 小原
Yoshio Natsuume
伊男 夏梅
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂から成るシ
ートやそれに透明電極層などを積層したものである液晶
基板、及びそれを用いた液晶ディスプレイ。 【効果】 本発明の液晶基板は熱可塑性飽和ノルボルネ
ン系樹脂から成るシートであるので、透明性、耐熱性、
耐湿性、強度、耐水性、電気絶縁性、耐溶剤性、酸やア
ルカリ等への耐薬品性、低複屈折性に優れ、また、光弾
性係数が小さいため、光学的に均一であり、曲面の液晶
ディスプレイも製造可能である。また、本発明の液晶デ
ィスプレイは軽量であり、液晶基板の平滑性をよくする
ことにより、画像の歪みの小さいものを得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶基板およびそれを
用いた液晶ディスプレイに関し、さらに詳しくは、熱可
塑性飽和ノルボルネン系樹脂から成る液晶基板およびそ
れを用いた液晶ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶基板とは、液晶ディスプレイの構成
部品であり、液晶ディスプレイにおいては、2枚の液晶
基板の間に液晶が封入される。
【0003】従来、液晶基板においては主としてガラス
が使われてきた。しかし、薄いと割れやすく、厚みを持
たせると重くなる、さらに、柔軟性がないため曲面の液
晶ディスプレイ用の液晶基板などには用いることが困難
であるという欠点があった。そのため、これらの欠点を
有さない透明性の高い光学材料用の樹脂が用いられるよ
うになってきた。そのような光学材料用樹脂としては、
ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル
系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂
が主として用いられている。しかしながら、PC系樹脂
は複屈折が大きく、また、アクリル系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂は吸水性が大きく、耐熱性も不十分であるた
め、使用環境によっては、液晶等が劣化しやすく、ます
ます高度化する要求に答えることが困難となってきてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明によれば、透明
性、低複屈折性、耐熱性、耐湿性、耐水性、耐溶剤、酸
やアルカリ等への耐薬品性、加工性、重量に対する強
度、柔軟性に優れた液晶基板が提供される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の有する問題点を克服するために鋭意研究した結
果、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を用いて液晶基板
を成形することにより前記課題を達成できることを見い
だした。
【0006】(熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂)本発
明の熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、特開平3−148
82号や特開平3−122137号などで公知の樹脂で
あり、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合
体、その水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重
合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加型重合
体などが挙げられる。
【0007】ノルボルネン系単量体も、上記公報や特開
平2−227424号、特開平2−276842号など
で公知の単量体であって、例えば、ノルボルネン、その
アルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれ
ら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、
エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミ
ド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボ
ルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメ
チル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネ
ン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノル
ボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル
−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フ
ェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル
−2−ノルボルネン等;ノルボルネンに一つ以上のシク
ロペンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の誘
導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−2,3−シクロ
ペンタジエノナフタレン、6−メチル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−ト
リメタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,
9a,10,10a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペ
ンタジエノアントラセン等;シクロペンタジエンの多量
体である多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体や
置換体、例えば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒ
ドロジシクロペンタジエン等;シクロペンタジエンとテ
トラヒドロインデン等との付加物、その上記と同様の誘
導体や置換体、例えば、1,4−メタノ−1,4,4
a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレ
ン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,
8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフ
タレン等;等が挙げられる。
【0008】ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法
でよく、必要に応じて、水素添加することにより、熱可
塑性ノルボルネン系樹脂水素添加物とすることができ
る。
【0009】なお、本発明においてはノルボルネン系モ
ノマーを公知の方法で開環重合させる場合には、本発明
の効果を実質的に妨げない範囲において開環重合可能な
他のシクロオレフィン類を併用することができる。この
ようなシクロオレフィンの具体例としては、例えば、シ
クロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシ
クロペンタジエンなどのごとき反応性の二重結合を1個
以上有する化合物が例示される。
【0010】本発明で使用する熱可塑性飽和ノルボルネ
ン系樹脂の数平均分子量は、トルエン溶媒によるGPC
(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)法で測
定して、10,000〜200,000、好ましくは2
0,000〜150,000、より好ましくは25,0
00〜120,000である。数平均分子量が小さすぎ
ると機械的強度が劣り、大きすぎると成形性が悪くな
る。
【0011】また、ノルボルネン系モノマーの開環重合
体を水素添加する場合、水素添加率は耐熱劣化性、耐光
劣化性などの観点から、90%以上、好ましくは95%
以上、より好ましくは、99%以上とする。
【0012】なお、液晶基板として、後述のように耐水
性、耐湿性がよいものが好ましく、特に耐水性、耐湿性
がよいものが必要な場合は、極性基を有さない熱可塑性
飽和ノルボルネン系樹脂が好ましい。
【0013】(添加物)本発明で用いる熱可塑性飽和ノ
ルボルネン系樹脂には、所望により、フェノール系やリ
ン系などの老化防止剤、耐電防止剤、紫外線吸収剤など
の各種添加剤を添加してもよい。液晶は紫外線によって
変質するので、紫外線吸収剤を添加することは好まし
い。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸
収剤、ベンゾトリアゾル系紫外線吸収剤、アクリルニト
リル系紫外線吸収剤などを用いることができ、添加量
は、通常10〜100,000ppm、好ましくは10
0〜10,000ppmである。溶液流延法で基板を成
形する場合には、表面粗さを小さくするため、レベリン
グ剤の添加も好ましい。レベリング剤は、例えば、フッ
素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリン
グ剤、シリコーン系レベリング剤など塗料用レベリング
剤を用いることができ、それらの中でも溶媒との相溶性
の良いものが好ましく、添加量は、通常は5〜50,0
00ppm、好ましくは10〜20,000ppmであ
る。
【0014】(成形加工)本発明の熱可塑性ノルボルネ
ン系重合体水素添加物は常法に従ってシートである液晶
基板に成形する。しかし、液晶基板は、厚さムラが大き
い、または表面の平滑性に劣ると液晶ディスプレイの画
像の歪みが大きく、実用上問題がある。厚さムラは全面
で±50μm以下、Rmax値が0.2μm以下でなく
ては、画像の判別が困難であるなどの不都合がある。厚
さムラが全面で±25μm以下、Rmax値が0.1μ
m以下が好ましく、特に厚さムラが全面で±20μm以
下、Rmax値が0.08μm以下のものが好ましい。
厚さムラの小さな成形法としては、充分に研磨した金型
を用いる射出成形法などがある。
【0015】さらに、精度の高い正確な画像を得るため
には厚さムラ、Rmax値は小さいほど好ましく、厚さ
ムラが全面で±10μm 以下、好ましくは±5μm以
下、より好ましくは±2μm以下、Rmax値は0.0
7μm以下、好ましくは0.05μm以下、より好まし
くは0.03μm以下の液晶基板が必要である。しか
し、充分に研磨した金型を用いる射出成形法でも、Rm
ax値が0.06μm以下の液晶基板を得ることは困難
である。
【0016】Rmax値が0.06μm以下の液晶基板
を得るためには、成形後にさらに研磨すればよく、研磨
の効率の点からは金型を充分に研磨した射出成形法が好
ましいが、他の成形方法、例えば、通常の射出成形法、
押出成形法、圧縮成形法、溶液流延法など、通常の樹脂
に用いられる成形法であっても構わない。
【0017】研磨する方法は、熱硬化性樹脂の平面を研
磨する際に通常用いられている方法であればよく、例え
ば、遊離砥粒によるラッピング加工、同じくポリシング
加工、研磨布紙加工、鏡面切削、バレル加工などが採用
でき、中でも遊離砥粒によるポリシング加工などが好ま
しい。また、研磨前の成形品の表面の最大高さが大きい
場合は、遊離砥粒によるラッピング加工を行ってある程
度研磨した後、遊離砥粒によるポリシング加工により研
磨することが好ましい。遊離砥粒としては、アルミナ、
炭化ケイ素、シリカなどが好ましく、粒径は0.1〜2
0μmのもの、特に0.5〜10μmのものが好まし
い。粒径が小さすぎると研磨の効率が悪く、粒径が大き
すぎると研磨面の最大高さが大きくなる。
【0018】(液晶基板)本発明の液晶基板は基本的に
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂のシートであり、表面
の平滑性に優れていることから、画像の歪みが少なく、
また、本発明の液晶基板は透明性に優れており、そのた
め、明暗の差がはっきりした画像が得られる。さらに、
光弾性係数が小さいため、光学的に均一であり、曲面の
液晶ディスプレイのために曲げて使用することもでき
る。光弾性係数が小さいほど好ましく、9×10ー13
2/dyne、特に7×10ー13cm2/dyneのシ
ートを用いることが好ましい。
【0019】さらに、本発明の液晶基板は熱可塑性飽和
ノルボルネン系樹脂のシートであることにより、耐湿
性、耐水性に優れている。液晶基板を水分が透過すると
液晶や透明電極層が劣化することがあるので、吸湿性が
0.05%以下、特に0.01%以下のシートを用いる
ことが好ましい。また、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹
脂の酸素透過速度は100μmの厚さのシートで約1m
l/m2・24hrs程度と小さいので、本願の液晶基
板は酸素の透過も充分に阻害し、酸素による液晶の劣化
も少ない。
【0020】そのほか、本発明の液晶基板は熱可塑性飽
和ノルボルネン系樹脂の成形品であることにより、低複
屈折性、耐熱性、耐溶剤、酸やアルカリ等への耐薬品
性、重量に対する強度などに優れている。
【0021】本発明の液晶基板は基本的に熱可塑性飽和
ノルボルネン系樹脂から成るシートであるが、実際の使
用にあたっては、使用目的などに応じて、透明電極層、
液晶配向層、ガスバリア性膜、偏向子、位相フィルムな
どが積層される。また、2枚の液晶基板の間の液晶を封
入する空間を設けるためのスペーサーを積層してもよ
い。なお、酸素の透過による劣化をより小さくし耐久性
をあげるなどの目的のためには、液晶基板と透明電極層
の間、または、基板と透明電極層の接着面と反対側に接
着材層等を介して、ポリビニリデンクロライド、ポリビ
ニルアルコールなどのガスバリア性材料を積層すること
が望ましい。これらを積層したものも液晶基板という場
合がある。
【0022】(透明電極層)液晶ディスプレイの構成部
品として使用される時点で液晶基板には透明電極層が積
層されていなければならない。透明電極層は、可視光線
のある程度以上の光透過率が必要であり、通常50%以
上、好ましくは70%以上、比抵抗が100Ωcm以下、
好ましくは50Ωcm以下のものである。具体的には、A
u、Ag、Cu、Pt、Al、Cr、Phなどの金属薄
膜、In23(Sn)、SnO2(Sb)、SnO2(F
e)、CdO、Cd23、CdSnO4、TiO2、Zr
2、CuIなどの半導体及び酸化物半導体薄膜、Ti
x/Ag/TiOx(x≦2)などの多層薄膜、ポリビ
ニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、オリ
ゴ(ポリ)スチレンスルホン酸塩などの高分子電解質薄
膜系、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリピロー
ル類などの導電性高分子等を挙げることができる。これ
らの導電膜は、スプレー法、プラズマ法、気相反応系
(CVD)、塗布法(CLD)、真空蒸着法、RFまた
はDCスパッタリング法、イオンプレーティング法、電
解重合法などの周知の方法でもって液晶基板上に積層さ
れる。また、導電性高分子は電解重合法または気相法に
よってフィルム中内部に形成することもできる。また、
TTF−TCNQ(テトラチオフルバレン−テトラシア
ノキシジメタン)などの錯体を含浸させることによって
導電性をもたせることもできる。
【0023】(液晶ディスプレイ)本発明の液晶ディス
プレイは、基本的には、2枚の液晶基板とその間に封入
された液晶から成る液晶セルである。液晶セルは、通
常、液晶が漏れないように、2枚の液晶基板がその間に
スペーサーと呼ばれる枠を挟み込み、スペーサーの厚み
と液晶基板の面がつくる空間に液晶が封入されている。
スペーサーは、液晶と反応したり、酸素や水分を透過し
ない材料であれば、特に限定されない。曲面の液晶ディ
スプレイの場合などでは、ある程度の柔軟性があること
が好ましい。通常、液晶が漏れないように、スペーサー
と液晶基板は接着剤で接着されている。接着剤は、液晶
と反応しやすいものでなく、十分な接着性があるもので
あれば、特に限定されない。
【0024】また、用途、必要に応じて、偏向子、位相
フィルム、保護フィルム、反射膜またはバックライトな
どと液晶セルを組み合わせて、液晶ディスプレイとす
る。
【0025】
【実施例】以下に参考例、実施例、及び比較例を挙げて
本発明をさらに具体的に説明する。
【0026】参考例1 6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン
に、重合触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シ
クロヘキサン溶液10重量部、トリエチルアミン5重量
部、及び四塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液10
重量部を添加して、シクロヘキサン中で開環重合し、得
られた開環重合体をニッケル触媒で水素添加してポリマ
ー溶液を得た。このポリマー溶液をイソプロピルアルコ
ール中で凝固させ、乾燥し、粉末状の樹脂を得た。この
樹脂の数平均分子量は40,000、水素添加率は9
9.8%以上、Tgは142℃、残留溶媒濃度は0.0
5%であった。
【0027】実施例1 参考例1の樹脂15重量部をクロロベンゼン85重量部
に溶解して樹脂溶液を調製した。さらにレベリング剤
(フロラード FC−430、住友スリーエム製)と紫
外線安定剤(Viosorb 80、共同製薬製)をそ
れぞれ、500ppm、300ppmになるように添加
した。この溶液を表面研磨されたガラス板上にたらし、
これをバーコーターにより幅約300mm、長さ約50
0mmに流延した。これを第1段階の乾燥としてガラス
板ごとホットプレート上に移し、55℃で30分間、さ
らに90℃で30分間乾燥させた。室温まで冷却後、シ
ートの一部を切取り、残留溶媒濃度を測定したところ、
2.0重量%であった。ついで、第2段階の乾燥として
ホットプレート上で110℃で30分間、さらに140
℃で60分間乾燥した。室温に冷却後、樹脂膜をガラス
板から剥離し、周囲10mm幅を切り落としてシートを
得た。このシートの残留溶媒濃度は0.11重量%であ
った。
【0028】このシートの表面を目視および光学顕微鏡
で観察したが、発泡、スジ、傷などは観察されなかっ
た。Tgは140℃、平均厚さは約100μmで厚さの
ばらつきは最大でも±2μm以下、両面ともRmax値
は、0.10μm以下、光線透過率は90.5%、複屈
折の絶対値の最大値は全面で2nm以下であった。
【0029】鋳鉄製の5インチの定盤を設置したホフマ
ン型ラップ盤(スピードファム社製、DSM 5B−8
L)を用い、またキャリア(スピードファム社製、EG
キャリア)を治具として用いてこのシートをラッピング
加工した。
【0030】このシートの成形品の表面への荷重を0.
04〜0.08kg/cm2に調節しながら、上下定盤
を20〜50rpmで回転するように調節し、平均粒子
径12.3μmのホワイトアルミナ製の研磨剤(スピー
ドファム社製、A−1200)300gと水1lとの割
合の混合溶液を600〜1000cm3/分でフィード
して10分かけて研磨した。
【0031】ポリウレタン製のポリシャ(スピードファ
ム社製、SURFIN 018−3)を設置した定盤サ
イズ5インチのホフマン型ポリシュ盤(スピードファム
社製、DSM 5B−8P)を用い、またキャリア(ス
ピードファム社製、EGキャリア)を治具として用いて
ラッピング加工したシートをポリッシング加工した。
【0032】シートの表面への荷重を0.04〜0.0
8kg/cm2に調整しながら、上下定盤を20〜50
rpmで回転するように調整して、平均粒子径1.3μ
mのホワイトアルミナ製の研磨剤と水を重量比1:1と
の混合溶液(スピードファム社製、POLIPLA 1
03)を200〜400cm3/分でフィードして40
分かけて研磨した。
【0033】この結果、成形品の最大高さRmax値は
全面で最高0.042μmであった。
【0034】このシートをから、一辺20mmの正方形
を2枚切り出し、2枚とも片面にIn23(Sn)を真
空蒸着して透明電極層を積層して、液晶基板を得た。
【0035】参考例2 キシレン85重量部に参考例1の樹脂15重量部を溶解
した樹脂溶液を用いて、実施例1と同様に流延した。こ
れを第1段階の乾燥としてガラス板ごと空気還流型のオ
ーブン中で25℃から80℃まで30分かけて昇温させ
て乾燥させた。室温まで冷却後、シートの一部を切取
り、残留溶媒濃度を測定したところ、1.6重量%であ
った。ついで、第2段階の乾燥として130℃のオーブ
ンで90分乾燥し、室温に冷却後、樹脂膜をガラス板か
ら剥離し、周囲10mm幅を切り落としてシートを得
た。このシートの残留溶媒濃度は0.04重量%であっ
た。
【0036】このシートの表面を目視および光学顕微鏡
で観察したが、発泡、スジ、傷などは観察されなかっ
た。Tgは141℃、平均厚さは10μmで厚さのばら
つきは最大でも±0.3μm以下、両面ともRmax値
は、0.12μm以下、複屈折の絶対値の最大値は全面
で2nm以下であった。
【0037】このシートを一辺20mmの正方形に切り
出し、さらにその正方形のシートの内部、外周から2m
mの位置の一辺16mmの正方形の部分を切り抜き、ス
ペーサーを作成した。
【0038】実施例2 実施例1で得た内の一枚の液晶基板の透明電極層側に参
考例2で得たスペーサーを、DH 597A(ノガワケ
ミカル製ホットメルト接着剤)の10重量%トルエン溶
液を20mg/cm2塗布し、80℃で2分乾燥し、3
kg/cm2の圧をかけて積層した。この際、液晶基板
の外周から1mmのところ1ヶ所から外方向への導電線
を透明電極層に取り付けた。
【0039】スペーサーが接着された後、液晶基板上に
液晶として30℃にして液状になったメトキシベンジリ
デン−ブチルアニリンを注ぎ、その上から実施例1で得
たもう一枚の液晶基板を液晶側が透明電極層になるよう
に、また、空気が残らないように、もう一枚の液晶基板
とスペーサーをDH 597Aの10重量%トルエン溶
液を用いて接着した。
【0040】この液晶セルを30℃に保持して、2本の
導電線間に1400〜2400V/cmの直流電圧を印
加すると、電圧が高くなるに従い、光の散乱が高くな
り、すりガラスのように曇った。これにより、本発明の
液晶基板は、液晶ディスプレイに用いることができるこ
とが判った。
【0041】
【発明の効果】本発明の液晶基板は熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系樹脂から成るので、透明性、耐熱性、耐湿性、
強度、耐水性、電気絶縁性、耐溶剤性、酸やアルカリ等
への耐薬品性、低複屈折性に優れ、また、光弾性係数が
小さいため、光学的に均一であり、曲面の液晶ディスプ
レイも製造可能である。また、本発明の液晶ディスプレ
イは軽量であり、液晶基板の平滑性をよくすることによ
り、画像の歪みの小さいものを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夏梅 伊男 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社研究開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂から成
    る液晶基板。
  2. 【請求項2】 表面の最大高さRmax値が0.2μm
    以下である請求項1記載の液晶基板。
  3. 【請求項3】 透明導電層を積層した請求項1、または
    2記載の液晶基板。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、または3記載の液晶基板
    を用いた液晶ディスプレイ。
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