JPH0560532A - 光学式形状計 - Google Patents

光学式形状計

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JPH0560532A
JPH0560532A JP30636891A JP30636891A JPH0560532A JP H0560532 A JPH0560532 A JP H0560532A JP 30636891 A JP30636891 A JP 30636891A JP 30636891 A JP30636891 A JP 30636891A JP H0560532 A JPH0560532 A JP H0560532A
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JP
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light
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received
mirror
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JP30636891A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Suyama
恒夫 陶山
Masaki Takenaka
正樹 竹中
Arichika Matsumoto
有慎 松本
Hiroshi Maki
宏 牧
Atsuhisa Takekoshi
篤尚 竹腰
Mamoru Inaba
護 稲葉
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面が鏡面に近い被計測物の形状を、被計測
物表面の傾斜変動等に影響されずに、オンラインで安定
して連続計測できる光学式形状計。 【構成】 被計測物11の表面にスポット光を照射する
光照射手段2及び3と、その反射光からハーフミラー7
を介して分離した透過光の受光強度の重心位置を検出す
る第1の光検出手段8及び12−1と、前記ハーフミラ
ー7を介して分離した反射光の受光強度の重心位置を検
出する第2の光検出手段9及び12−2と、前記第1及
び第2の光検出手段8及び9の出力信号に基づき、所定
の計測基準位置から被計測物11の表面までの距離を算
出する演算手段13とを備えたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面が鏡面、または鏡
面に近い材料の形状をオンラインで非接触且つ連続的に
計測出来る光学式形状計に関するものであり、拡散反射
面の材料にも適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、光学系を用いた形状計はごく一般
的な技術として確立している。この一般的な形状計は、
三角測量方式を利用しており、拡散反射する被計測物に
対しては非常に有効な手段である。しかし、正反射する
被計測物に対しては、反射光が戻らないため計測は不可
能である。また、拡散反射する被計測物に対しても、疵
などがあると、ハレーションなどを起こし、反射光が戻
らない場合があり、この場合も計測は不可能である。
【0003】例えば特開昭62−75308号公報に示
された「変位変換器」では測定対象面に光を照射し、測
定対象面上に常に焦点が合うようにレンズの位置を移動
させ、このときのレンズの移動量から測定対象面までの
距離を算出するものであり、レンズの位置を移動させる
自動焦点機構を具備することを特徴としているが、レン
ズの位置を移動させる機械的な機構を含むため応答性が
悪く、とてもオンライン計測用としては不適である。ま
た、特開昭64−16906号公報に示された「レーザ
光を利用した変位形」は極めて一般的な変位計であり、
三角測量を利用した計測原理である。この方法は拡散反
射面を持つ被計測対象物に有効であるが、この方法では
特に受光センサにイメージ・センサーを用いており高速
(400m/min程度)のオンライン計測用としては
応答性が悪い。また、正反射に近いか、もしくは正反射
の測定対象面でのオンライン計測に際しては、測定対象
面が波打ちながら変化するので計測不能となる。
【0004】本発明においては、表面が鏡面、または鏡
面に近い材料の形状を、計測基準位置から被計測物まで
の距離と被計測物の傾斜角とを測定することによって、
被計測物の形状を計測することを目的としている。しか
し、オンラインにおける表面が鏡面、または鏡面に近い
被計測物は一般に波打っており、測定光を照射する鏡面
材の表面は水平面となっていない。これは材料を構成す
る微小部分がそれぞれ本来の基準位置より上下及び左右
に変位していると考えられる。このように波打っている
鏡面材の表面は傾斜変動を有するため、オンラインで
は、精度良く上記距離及び傾斜角の計測ができなかっ
た。
【0005】図11は従来の光学式形状計の計測誤差を
説明する図である。同図において、6は受光センサであ
り、例えば2次元アレイに配置された複数のCCD(C
harge Coupled Device)受光素子
を含む。そして受光センサ6は入射光を受光すると、各
受光素子毎にその受光位置を示す電気信号が読出せるの
で、配列された平面上の受光位置を検出することができ
る。但し図11においては、鉛直線を含む2次元座標系
において計測するため、受光センサ6の受光位置はA及
びA′を含む直線上の座標位置として検出している。1
1は表面が鏡面、または鏡面に近い被計測物である。
【0006】いま図11の被計測物11の表面が鉛直線
に対して直角な水平面Pの場合に、この鉛直線に対して
入射角βでO点に照射された入射光は、入射角と等しい
反射角βにより正反射され、受光センサ6の受光位置A
に入力する。この場合に基準水平面Rから被計測物11
の照射点Oまでの鉛直距離はLである。
【0007】次に被計測物11の表面が角度dβ/2だ
け傾斜して、水平面Pが傾斜面P′に変化すると、入射
光はこの傾斜面P′に直角な法線に対して正反射される
ためO点における反射角β′はβ′=β+dβとなる。
従って受光センサ6における受光位置はA′に移行す
る。この受光位置A′が検出されると、従来の光学式形
状計においては、被計測物11の表面の傾斜は無視さ
れ、基準水平面Rから被計測物11の照射点Oまでの鉛
直距離がL′に変化したものとして計測される。従って
被計測物11の表面の傾斜に基づき、△L=L′−Lの
計測誤差が発生したことになる。
【0008】この計測誤差は、光源または受光センサと
被計測物との間の相対的位置の変化によっても発生する
が、さらに光源スポットの光量分布の偏りやハレーショ
ンも受光センサの受光位置を変化させるので、これも計
測誤差の原因となる。従って表面が鏡面、または鏡面に
近い被計測物の形状計測において、従来方式ではセンサ
に対して被計測物を鉛直方向に精度良く配置し、しかも
被計測物とセンサ間の角度を変化させないように工夫せ
ざるを得ないため実用化されていない。
【0009】図12は従来の光学式形状計を2台用いた
平面形状被計測物の厚さ計測法の説明図である。同図に
おいては、2台の光学式形状計を平面形状を有する被計
測物11を搬送するパスラインPLの上下にそれぞれ設
置する。そして1台の光学式形状計により上部基準水平
面から被計測物11の表面までの垂直距離Luを計測
し、もう1台の光学式形状計により下部基準水平面から
被計測部11の裏面までの垂直距離Ldを計測する。ま
た前記光学式形状計の設置時に決められた上部基準水平
面と下部基準水平面の間の距離をLk、平面形状被計測
物11の厚さをtとすると、t=Lk−(Lu+Ld)
の関係式から厚さtを計測することができる。図12の
(b)は被計測物11が波打ってパスラインPLから浮
き上った状態を示しているが、被計測物11の表面及び
裏面がパスラインPLと平行の場合は(即ち被計測物1
1の平面が傾斜しない場合は)、Lu1+Ld1=Lu
2+Ld2の関係から、厚さtは正しく計測される。
【0010】図13は図12の平面形状被計測物の厚さ
計測法の誤差を説明する図であり、同図は被計測物11
が点Oを軸として角度dβ/2だけ傾斜した場合を示し
ている。図13においては、下部基準水平面から点Oま
での距離は図12の(b)の場合と等しいLd2である
が、上部基準水平面から被計測物11の表面までの垂直
距離Lu3は図12の(b)の場合と等しくない。即ち
光学式形状計のレーザスポット位置が変わるため、Lu
3<Lu2、厚さt′=t+dtとなり、厚さt′には
被計測物の傾斜に起因する誤差dtが含まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の光
学式形状計では、被計測物の表面が鏡面、または鏡面に
近い場合に、被計測物表面の傾斜変動や、光源または受
光センサと被計測物との間の相対的位置の変動等により
計測誤差を生じるため、オンラインで安定して連続的に
被計測物の形状を計測できないという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされ
たもので、表面が鏡面または、鏡面に近い被計測物の形
状を、被計測物表面の傾斜変動等に影響されずに、オン
ラインで安定して連続的に計測できる光学式形状計を得
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
光学式形状計は、被計測物に対して集光された光を所定
の入射角により照射する光照射手段と、前記被計測物の
表面からの反射光をハーフミラーを介して透過光と反射
光とに分離し、該分離された透過光を2次元の受光素子
により受光し、その受光強度の重心位置信号を検出する
第1の光検出手段と、前記ハーフミラーを介して分離さ
れた反射光を2次元の受光素子により受光し、その受光
強度の重心位置信号を検出する第2の光検出手段と、前
記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心位置
信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光強度
の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から被計
測物の表面までの距離を算出する演算手段とを備えたも
のである。
【0013】本発明の請求項2に係る光学式形状計は、
被計測物に対して集光された光を回転ミラーを介してス
ポット走査光とし、これを所定の入射角で照射する光照
射手段と、前記被計測物の表面から反射される入射光を
集光して反射させる2次曲面鏡と、前記2次曲面鏡から
反射される入射光をハーフミラーを介して透過光と反射
光とに分離し、該分離された透過光を2次元の受光素子
により受光し、その受光強度の重心位置信号を検出する
第1の光検出手段と、前記ハーフミラーを介して分離さ
れた反射光を2次元の受光素子により受光し、その受光
強度の重心位置信号を検出する第2の光検出手段と、前
記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心位置
信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光強度
の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から被計
測物の表面までの距離を、前記回転ミラーの回転と同期
させて演算する演算手段とを備えたものである。
【0014】本発明の請求項3に係る光学式形状計は、
被計測物に対して集光された光を所定の入射角により照
射する光照射手段と、前記被計測物の表面からの反射光
をハーフミラーを介して透過光と反射光とに分離し、該
分離された透過光を2次元の受光素子により受光し、そ
の受光強度の重心位置信号を検出する第1の光検出手段
と、前記ハーフミラーを介して分離された反射光を2次
元の受光素子により受光し、その受光強度の重心位置信
号を検出する第2の光検出手段と、前記第1の光検出手
段から検出される受光強度の重心位置信号及び前記第2
の光検出手段から検出される受光強度の重心位置信号に
基づき、所定の計測基準位置から被計測物の表面までの
距離と被計測物の傾斜角を共に算出する演算手段とを備
えたものである。
【0015】本発明の請求項4に係る光学式形状計は、
被計測物に対して集光された光を回転ミラーを介してス
ポット走査光とし、これを所定の入射角で照射する光照
射手段と、前記被計測物の表面から反射される入射光を
集光して反射させる2次曲面鏡と、前記2次曲面鏡から
反射される入射光をハーフミラーを介して透過光と反射
光とに分離し、該分離された透過光を2次元の受光素子
により受光し、その受光強度の重心位置信号を検出する
第1の光検出手段と、前記ハーフミラーを介して分離さ
れた反射光を2次元の受光素子により受光し、その受光
強度の重心位置信号を検出する第2の光検出手段と、前
記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心位置
信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光強度
の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から被計
測物の表面までの距離と被計測物の傾斜角を共に、前記
回転ミラーの回転と同期させて演算する演算手段とを備
えたものである。
【0016】本発明の請求項5に係る光学式形状計は、
前記請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載
の光学式形状計において、前記第1の光検出手段及び第
2の光検出手段は、それぞれ2次元受光素子から検出す
る座標位置信号を直線化するリニアライズ装置を有する
ものである。
【0017】
【作用】本請求項1に係る発明においては、光照射手段
は被計測物に対して集光された光を所定の入射角により
照射する。第1の光検出手段は前記被計測物の表面から
の反射光をハーフミラーを介して透過光と反射光とに分
離し、該分離された透過光を2次元の受光素子により受
光し、その受光強度の重心位置信号を検出する。第2の
光検出手段とは前記ハーフミラーを介して分離された反
射光を2次元の受光素子により受光し、その受光強度の
重心位置信号を検出する。演算手段は前記第1の光検出
手段から検出される受光強度の重心位置信号及び前記第
2の光検出手段から検出される受光強度の重心位置信号
に基づき、所定の計測基準位置から被計測物の表面まで
の距離を算出する。
【0018】本請求項2に係る発明においては、光照射
手段は被計測物に対して集光された光を回転ミラーを介
してスポット走査光とし、これを所定の入射角で照射す
る。2次曲面鏡は前記被計測物の表面から反射される入
射光を集光して反射させる。第1の光検出手段は前記2
次曲面鏡から反射される入射光をハーフミラーを介して
透過光と反射光とに分離し、該分離された透過光を2次
元の受光素子により受光し、その受光強度の重心位置信
号を検出する。第2の光検出手段は前記ハーフミラーを
介して分離された反射光を2次元の受光素子により受光
し、その受光強度の重心位置信号を検出する。演算手段
は前記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心
位置信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光
強度の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から
被計測物の表面までの距離を、前記回転ミラーの回転と
同期させて演算する。
【0019】本請求項3に係る発明においては、光照射
手段は被計測物に対して集光された光を所定の入射角に
より照射する。第1の光検出手段は前記被計測物の表面
からの反射光をハーフミラーを介して透過光と反射光と
に分離し、該分離された透過光を2次元の受光素子によ
り受光し、その受光強度の重心位置信号を検出する。第
2の光検出手段とは前記ハーフミラーを介して分離され
た反射光を2次元の受光素子により受光し、その受光強
度の重心位置信号を検出する。演算手段は前記第1の光
検出手段から検出される受光強度の重心位置信号及び前
記第2の光検出手段から検出される受光強度の重心位置
信号に基づき、所定の計測基準位置から被計測物の表面
までの距離と被計測物の傾斜角を共に算出する。
【0020】本請求項4に係る発明においては、光照射
手段は被計測物に対して集光された光を回転ミラーを介
してスポット走査光とし、これを所定の入射角で照射す
る。2次曲面鏡は前記被計測物の表面から反射される入
射光を集光して反射させる。第1の光検出手段は前記2
次曲面鏡から反射される入射光をハーフミラーを介して
透過光と反射光とに分離し、該分離された透過光を2次
元の受光素子により受光し、その受光強度の重心位置信
号を検出する。第2の光検出手段は前記ハーフミラーを
介して分離された反射光を2次元の受光素子により受光
し、その受光強度の重心位置信号を検出する。演算手段
は前記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心
位置信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光
強度の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から
被計測物の表面までの距離と被計測物の傾斜角と共に、
前記回転ミラーの回転と同期させて演算する。
【0021】本請求項5に係る発明においては、前記請
求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の光学
式形状計において、前記第1の光検出手段及び第2の光
検出手段に設けられたリニアライズ装置は、それぞれ2
次元受光素子から検出する座標位置信号を直線化し、精
度の高い座標位置信号を出力する。
【0022】
【実施例】図1は本発明の第1実施例に係る光学式形状
計の概略構成図である。同図において、1はセンサボッ
クスであり、内部に発光部2、投光レンズ3、受光レン
ズ4、ハーフミラー7、1次受光センサ8及び2次受光
センサ9を含んでいる。ここで発光部2は例えばレーザ
光源等である。また1次受光センサ8及び2次受光セン
サ9は、例えば2次元の光位置検出器(Positio
n Sensitive Device,以下2次元P
SDという)と、該2次元PSDにより光/電変換され
た電気的信号を外部に取出すための信号読取り回路を含
んでいる。そして入射光を受光すると、2次元PSDの
座標上の受光強度の重心位置を示す出力信号が得られ
る。(なお、2次元PSDによる座標位置算出法につい
ては図2で説明する。) またセンサボックス1内に収納されている上記各ユニッ
トの相対位置は、設計時に幾何学的に計算された位置に
それぞれ配置される。11は表面が鏡面、または鏡面に
近い被計測物、12−1、12−2はそれぞれ前記受光
センサ8、9の出力信号から2次元座標上の受光座標位
置を算出する座標位置算出器、13は前記座標位置算出
器12−1及び12−2の出力信号から被計測物11の
変位または形状を算出する演算器である。
【0023】図2は2次元PSDによる2次元位置計測
の説明図である。同図において、30は2次元PSD素
子であり、例えば浜松ホトニック(株)製の型式S−1
200,S−1300等が市販されている。31A〜3
1Dはそれぞれ前置増幅器であり、30〜31Dは1次
または2次センサ8まは9に含まれる。32A及び32
Bはそれぞれ加算器、33A及び33Bはそれぞれ減算
器、34A及び34Bはそれぞれ除算器、35はリニア
ライザであり、32A〜35は座標位置算出器12−1
または12−2に含まれている。
【0024】図2の動作を説明する。2次元PSD素子
30は、2次元の受光面に多数のホトダイオードが配列
され、この受光面の各縁の対向位置にそれぞれX軸用に
2個、Y軸用に2個の合計4個の取出し電極が設けられ
ている。いま入射光がレンズにより集光された光束とし
て2次元PSD素子30の受光面を照射すると、その照
射エネルギーに比例して光/電変換された電流が発生
し、この発生した電流がそれぞれ対向して配置されたX
軸及びY軸の取出し電極に対して分流する。この場合各
取出し電極に分流する4つの電流i1 ,i2 ,i3 及び
4 の値は、光照射位置から各電極までの距離に反比例
した値となる。前記各電流i1 〜i4 は所定インピーダ
ンスを介して対応する電圧X1 ,X2 ,Y1 及びY2
して各取出し電極から取出される。
【0025】前置増幅器31A〜31Dは前記2次元P
SD素子30の各取出し電極から出力される電圧X1
2 ,Y1 及びY2 をそれぞれ増幅して加算器32A及
び32B,並びに減算器33A及び33Bに供給する。
加算器32A及び32Bはそれぞれ2入力電圧の和電圧
(X1 +X2 )及び(Y1 +Y2 )を演算して出力し、
減算器33A及び33Bはそれぞれ2入力電圧の差電圧
(X1 −X2 )及び(Y1 −Y2 )を演算して出力す
る。除算器34A及び34Bは前記X軸及びY軸の差電
圧を和電圧で除算した商を各軸の補正前の座標位置を示
す信号として出力する。即ち(X1 −X2 )/(X1
2 )がX軸の補正前座標位置信号となり、(Y1 −Y
2 )/(Y1 +Y2 )がY軸の補正前座標位置信号とな
る。
【0026】図3は図2の2次元PSDの出力特性及び
リニアライザの説明図である。現在市販されている2次
元PSDの出力特性は必ずしも良好な直線性を有しない
ものが多く、その出力特性は製造方法や製造過程により
個々に決定される。図3の(a)は2次元PSD素子3
0の出力特性の一例を示すものであり、除算器34A及
び34Bの出力より得られる座標位置信号は、そのまま
では、方眼紙を凸面鏡や凹面鏡を介してみた投影像のよ
うに歪んでおり、非直線性誤差が含まれる。しかしこの
非直線性誤差は除算器34A及び34Bの出力信号をX
軸方向にm段階、Y軸方向にn段階に分けて、あらかじ
め較正しておくことによりリニアライズ補正を行なうこ
とができる。
【0027】図3の(b)は図2のリニアライザ35の
一例を示すブロック図であり、リニアライザ35は、例
えば1対のA/D変換器36A及び36B、テーブルメ
モリ37並びに1対のデータバッファ38A及び38B
により構成することができる。A/D変換器36A及び
36Bは、例えば12〜16ビット程度の分解能を有
し、それぞれ補正前のX座標電圧信号及びY座標電圧信
号をデジタルデータに変換し、これらをX軸アドレスデ
ータ及びY軸アドレスデータとしてテーブルメモリ37
に供給する。図3の(c)はテーブルメモリ37の一例
を示す説明図であり、補正前のX軸アドレスデータ及び
Y軸アドレスデータで指定されたアドレスには、それぞ
れ補正後のX座標データ(上段データ)及びY座標デー
タ(下段データ)があらかじめ収納されている。そして
テーブルメモリ37は前記補正前のX軸アドレス及びY
軸アドレスの入力により、該両アドレスにより指定され
たアドレスから補正後のX座標データ及びY座標データ
を読出し、それぞれデータバッファ36A及び36Bを
介して出力する。
【0028】また2次元PSD素子30に入射する光ビ
ームの径が大きくなったり、または光ビーム内での光量
分布が不規則に分布して正規分布にならない場合には、
受光強度の重心位置が前記座標位置として算出される。
【0029】ここで計測回路の具体的配置は、種々のケ
ースが考えられる。この実施例では、2次元PSD素子
30及び前置増幅器31A〜31Dが受光センサ側に設
けられ、受光センサ側から前記4つの電圧信号X1 ,X
2,Y1 及びY2 を座標位置算出器側に出力する場合に
ついて説明する。またアナログ信号による演算を行なう
加算器32A及び32B、減算器33A及び33B、並
びに除算器34A及び34Bを受光センサ側に設けて、
受光センサ側から補正前のX軸及びY軸の座標位置信号
を出力するようにしてもよい。この場合は高速演算処理
に適している。
【0030】図2及び図3を参照し図1の動作を説明す
る。まず表面が鏡面または鏡面に近い被計測物11の表
面に微小の光スポットを所定の入射角で照射する。この
ためセンサボックス1内の発光部2から出射された光
(例えばレーザ光)は投光レンズ3により微小なスポッ
ト径に集光されて、被計測物11の表面に入射角βで照
射される。被計測物11の表面は鏡面であるため光の正
反射が生じ、入射光は反射角β′で反射される。
【0031】ここでセンサボックス1における光学的基
準面(例えば上面)に対して、発光部2と投光レンズ3
を通る照射光路と、受光レンズ4とハーフミラー7を通
る反射光路とが軸対称になるような垂線を考えると、こ
の垂線上の照射光路と反射光路の交点Qが被計測物11
の表面と一致するように初期調整されている。従って被
計測物11の表面の照射点Qにおける被計測物11の法
線が前記垂線と一致する場合(すなわち前記垂線と被計
測物11の表面が直角の場合)、前記垂線に対する入射
角βと反射角β′とは等しい値となる。しかし被計測物
11の表面が傾斜してQ点における法線が前記垂線と一
致しない場合は、入射角βと反射角β′とは一致せずそ
の差dβを生じる。このβの値は機器設計時に決定され
るものである。また通常の設置状態においては、センサ
ボックス1の光路の基準軸となる前記垂線は重力の方向
である鉛直線と一致するように、また被計測物11の表
面は水平面となるように設定される。しかしオンライン
の設置条件によっては、必ずしもそうでない場合も有り
得る。
【0032】このようにして被計測物11の表面から正
反射された反射光は受光レンズ4を介し、ハーフミラー
7により透過光と反射光とに分離され、その透過光は1
次受光センサ8により、またその反射光は2次受光セン
サ9によりそれぞれ受光される。1次受光センサ8及び
2次受光センサ9では図2で説明したように2次元PS
D素子30が入射光を受光し、内蔵する前置増幅器31
A〜31Dを介して、X軸方向の電圧出力X1 及び
2 ,並びにY軸方向の電圧出力Y1 及びY2 を出力
し、これらの出力信号が座標位置算出器12−1及び1
2−2に逐次供給される。
【0033】座標位置算出器12−1及び12−2は1
次受光センサ8及び1次受光センサ9からそれぞれ入力
される前記電圧信号X1 ,X2 ,Y1 及びY2 の加算、
減算及び除算を行ない、さらに図3で説明したようにリ
ニアライザ35により座標位置の非直線性誤差の補正を
行ない、図1に示した各受光センサの断面の長さ方向
(即ち直線座標上)における受光位置A及びBを算出す
る。この場合に前記各受光センサの断面の長さ方向と、
各受光センサに含まれる2次元PSD素子のX軸または
Y軸のいずれか一方の軸方向とは一致するようにあらか
じめ調整されている。従って実際には前記4つの電圧信
号のうちの2つの電圧信号について演算を行ない、一方
の直線座標上の位置を求めることにより前記受光位置A
及びBを算出することができる。この2つの受光センサ
8及び9の直線座標上の受光位置A及びBが座標位置算
出器12−1及び12−2によりそれぞれ算出され、該
受光位置信号が演算器13に入力されると、演算器13
は幾何学的解析により受光角度と計測基準位置から被計
測物11の表面までの距離を算出する。ここで演算器1
3が算出する距離は次のように定式化される。
【0034】図4は本発明の第1実施例に係る距離算出
式の説明図である。同図の(a)において、2〜4、7
〜9及び11は図1と同一のものである。またOは2次
元座標の原点で座標位置(0,0)、Lは座標原点Oを
通るX軸と被計測物11の表面の光照射位置との間の垂
直距離、O′は1次受光センサ8及び2次受光センサ9
内の2次元PSDのX軸またはY軸のいずれか一方の軸
をそれぞれ延長した延長線上の交点であり、その座標位
置を(a,b)とする。即ちaはO点を原点としたとき
のO′点のX座標値、bはO点を原点としたときのO′
点のY座標値である。いまハーフミラー7への入射光の
延長線上の等価位置に2次受光センサ9を移動したと仮
定する。この場合にαは2次受光センサ9の前記等価位
置での水平角度、α′はハーフミラー7の水平角度、β
は被計測物11への照射光の入射角、xは点O′と2次
受光センサ9の受光位置との間の距離、yは点O′と1
次受光センサ8の受光位置との間の距離である。
【0035】また図4の(b)は被計測物11の表面が
角度dβ/2だけ傾斜してX軸に並行な水平線Pが傾斜
線P′に変化したため、入射角βと反射角β′の間の角
度差dβが生じ、この角度差に基づき1次受光センサ8
の受光位置AがA′に、2次受光センサ9の受光位置B
がB″に移行していることを示している。なお、β′は
被計測物11からの反射角、dβは入射角βと反射角
β′との角度差である。また被計測物11の表面の前記
水平線Pが並行移動して距離LがL′に変化すると、入
射角βと反射角β′とは等しくとも、1次受光センサ8
の受光AはA′に、2次受光センサ9の受光位置Bは
B′に移行する。即ち2つの受光センサの受光位置Aと
Bは被測定物11までの距離と、その表面の傾斜の関数
である。しかし前例の傾斜変動の場合の2次受光センサ
9の受光位置はB″であるが、距離変動の場合の受光位
置はB′であり、異なる位置となっている。
【0036】従ってこの1対の受光センサ8及び9の受
光位置を示す距離値x及びyを求めると、図4の(a)
の配置における平面幾何学的解析を行ない、その解とし
て次の式(1),(2)により距離L及び入射角と反射
角との角度差dβを別個に算出することができる。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
【0039】また(2)式の角度差dβは被計測物11
の表面が水平面との間になす傾斜角の2倍の値となって
いるので、この角度差より傾斜角dβ/2を直ちに求め
ることができる。前記(1)式において、注目に値する
のは、1対の受光センサの受光位置を示す距離値x及び
yが与えられると、前記傾斜変動には全く影響されるこ
となく、直接(1)式により距離Lが求められることで
ある。
【0040】次に受光センサに入射する入射光が微小ビ
ームや正規分布にならない場合につき説明する。図5は
本発明の第1実施例に係る受光センサへの入射光の不規
則分布例を示す図である。図5においては、入射光のビ
ーム径Dは微小であるが、被計測物11の表面に微小な
凹凸や疵等があるため、反射光のビームは拡大し、受光
センサへの入射光の光量分布は正規分布にならない場合
の例を示している。この場合に1次及び2次受光センサ
8及び9に前記2次元PSDを使用することにより、2
次元平面に不規則に分布する受光強度の重心位置を示す
信号が直接得られる。従って従来のCCDの出力信号か
ら重心位置を算出するような複雑な計算をしないでも、
図2で説明した単純な演算により短時間で受光強度の重
心位置を示す受光位置K及びK′を求めることができ
る。
【0041】図6は本発明の第2実施例に係る光学式形
状計の概略構成図であり、図7は図6の走査光学系を説
明するための斜視図である。図6及び図7において、1
〜4、7〜9,11〜13は図1と同一のものである。
5は2次曲面鏡、20は回転ミラー、21は同期モータ
であり、上記5,20及び21の機器は前記2〜4及び
7〜9の機器と共にセンサボックス1内に設けられる。
また、センサボックス1内に収納されている上記各ユニ
ットの相対位置は、設計時に幾何学的に計算された位置
にそれぞれ配置されている。
【0042】図7に示される回転ミラー20は、例えば
軸方向に回転する多角柱(図7では6角柱)の構造をな
し、同期モータ21により回転駆動される。前記多角柱
の各面は鏡になっており入射光を正反射させ、回転ミラ
ー20の回転につれて光の入射角及び対応する反射角が
逐次変化するので、回転ミラー20からの反射光はリニ
アに走査して被測定物11の表面を照射することにな
る。
【0043】図7に示される2次曲面鏡5は、例えば短
冊形状の鏡の長手方向がだ円または放物線等の2次曲線
となっており、被測定物11から反射して入射する走査
スポット光を集光して反射させ、ハーフミラー7の所定
領域内に入射させるものである。従って2次曲面鏡5へ
の入射光の走査方向の幅を縮小した反射光をハーフミラ
ー7の平面上に導入している。
【0044】図6及び図7の動作を説明する。まず表面
が鏡面、または鏡面に近い被計測物11の表面に走査す
る微小なスポット光を所定の入射角で照射する。このた
めセンサボックス1内の発光部2から出射された光(例
えばレーザ光)は投光レンズ3により微小なスポット径
に集光され、さらに回転ミラー20によりスポット走査
光に変換される。回転ミラー20は多角柱構造の複数の
反射面を有し、その1つの反射面から反射される走査光
は被測定物11の長手方向と直角の方向(幅方向)に走
査し、始点Qから終点Rまでを照射する。そして多角柱
の次の反射面による走査光が再び始点Qから終点Rまで
を照射し、この動作を繰返す。従って回転ミラー20の
回転角と被測定物11の幅方向におけるスポット走査光
の走査位置とは完全に対応がとれており、回転ミラー2
0の回転角によりスポット走査光の走査位置を知ること
ができる。
【0045】図6は同期モータ21から出力される同期
信号を演算器13に供給することにより、演算器13が
回転ミラー20の回転角度を知り、この回転角度に同期
して演算が可能となる配線を示している。また逆に演算
器13側から回転制御指令を同期モータ21に供給する
ことにより、演算器13は所望の回転角度に回転ミラー
20を制御しながら演算を行なうことも可能となる。い
ずれの場合にも、演算器13が演算を行なうタイミング
と、回転ミラー20の回転角度とは同期がとれているの
で、演算器13は被測定物11へのスポット走査光の走
査位置を知った上で演算を行なうことになる。またオン
ラインにおいては、被計測物11はその長手方向(例え
ば図7の矢印の方向)に連続搬送されるので、照射光は
被計測物11の表面を2次元的に走査して、その形状を
測定することになる。
【0046】回転ミラー20から出射されるスポット走
査光は、被計測物11の表面に入射角βで照射される。
被計測物11の表面は鏡面であるため光の正反射が生
じ、入射光は反射角β′で反射される。図6において、
センサボックス1における光学的基準面(例えば上面)
に対して回転ミラー20から被計測物11の表面に至る
照射光路と、前記被計測物11の表面から2次曲面鏡5
に至る反射光路とが軸対称になるような垂線を考える
と、この垂線上の照射光路と反射光路の交点Qが被計測
物11の表面と一致するように初期調整されている。従
って被計測物11の表面照射点Qにおける被計測物11
の法線が前記垂線と一致する場合(即ち前記垂線と被計
測物11の表面が直角の場合)、前記垂線に対する入射
角βと反射角β′とは等しい値となる。
【0047】しかし被計測物11表面が傾斜してQ点に
おける法線が前記垂線と一致しない場合は、入射角βと
反射角β′とは一致せずその差dβを生じる。このβの
値は機器設計時に決定されるものである。また通常の設
置状態においては、センサボックス1の光路の基準軸と
なる前記垂線は重力の方向である鉛直線と一致するよう
に、また被計測物11の表面は水平面となるように設定
される。しかしオンラインの設置条件によっては、必ず
しもそうでない場合もあり得る。
【0048】このようにして被計測物11の表面を図7
の点Qから点Rに走査するスポット光により正反射され
た反射光は、2次曲面鏡5により反射され、ハーフミラ
ー7に入射する。ここで2次曲面鏡5は前記走査により
入射光の入射位置が点Eから点Eに移動しても、そ
の反射光をハーフミラー7の点Aから点Aまでの限
定された領域に到達させるように反射光を集光してい
る。
【0049】ハーフミラー7は入射光を透過光を反射光
とに分離し、この分離された透過光は1次受光センサ8
により、またその反射光は2次受光センサ9にそれそぞ
れ受光される。1次受光センサ8及び2次受光センサ9
では、内蔵する2次元PSD素子30により受光し、図
1〜図3における説明と全く同様に、受光強度の重心位
置を示す直線化補正後のX座標信号及びY座標信号を座
標位置算出器12−1及び12−2より出力し、これら
の出力信号を演算器13に逐次供給する。
【0050】演算器13は座標位置算出器12−1及び
12−2からの入力信号により、図6に示される受光位
置A及びBを図1及び図4における説明と同様に演算す
る。しかしこの第2実施例においては、前記回転ミラー
20の回転によって1次受光センサ8及び2次受光セン
サ9の受光面上の受光位置は、それぞれ点Aから点A
へ、点Bから点Bへと走査移動している。従って
演算器13はこの光走査期間中の所定の時間間隔毎に受
光位置の算出を行なうことになるが、この例では前記同
期回転する回転ミラー20が所定の単位角度回転する毎
に行なうものとする。いま受光位置の走査移動方向をY
軸とすれば、演算器13は前記所定の時間間隔毎に光の
走査方向であるY軸上の座標位置と、同時にX軸上の座
標位置とを算出し、このX軸上の座標位置を図6におけ
る受光位置A及びBとしている。2つの受光センサ8及
び9の受光位置A及びBが算出されると、演算器13は
幾何学的解析により受光角度と計測基準位置から被計測
物11の表面までの距離を算出する。ここで演算器13
が算出する距離は次のように定式化される。
【0051】図8は本発明の第2実施例に係る距離算出
式の説明図である。同図において、2〜9は図6及び図
7と同一のものである。またOは2次元座標の原点で座
標位置(0,0)、Lは座標原点Oを通るX軸と被計測
物11の表面の光照射位置との間の垂直距離である。
O′は1次受光センサ8及び2次受光センサ9内の2次
元PSDの前記X軸をそれぞれ延長した延長線上の交点
であり、その座標位置を(a,b)とする。即ちaはO
点を原点としたときのO′点のX座標値、bはO点を原
点としたときのO′点のY座標値である。いま2次曲面
鏡5への入射光の延長線上の等価位置に、1次受光セン
サ8及び2次受光センサ9をそれぞれ移動したとし、こ
れを等価1次受光センサ8′及び等価2次受光センサ
9′とする。そして等価1次及び等価2次受光センサ
8′及び9′内の2次元PSDの前記X軸をそれぞれ延
長した延長線上の交点をO″とし、その座標位置を
(a″,b″)とする。即ちa″はO点を原点としたと
きのO″点のX座標値、b″はO点を原点としたときの
O″点のY座標値である。またαは等価1次受光センサ
8′の水平角度、α′は等価2次受光センサ9′の水平
角度、βは被計測物11への照射光の入射角、xは点
O″と等価2次受光センサ9′の受光位置との間の距
離、yは点O″と等価1次受光センサ8′の受光位置と
の間の距離、β′は被計測物11からの反射角、dβは
入射角βと反射角β′との角度差である。
【0052】また図8の(b)は被計測物11の表面が
角度dβ/2だけ傾斜してX軸に平行な水平線Pが傾斜
線P′に変化したため、入射角βと反射角β′の間の角
度差dβが生じ、この角度差に基づき1次受光センサ8
の受光位置AがA′に、2次受光センサ9の受光位置B
がB″に移行していることを示している。また被計測物
11の表面の前記水平線Pが並行移動して距離がLから
L′に変わると、入射角βと反射角β′とは等しくと
も、1次受光センサ8の受光位置AはA′に、2次受光
センサ9の受光位置BはB′に移行する。即ち2つの受
光センサの受光位置AとBは被計測物11までの距離
と、その表面の傾斜の関数である。しかし、前例の傾斜
変動の場合の2次受光センサ9の受光位置B″である
が、距離変動の場合の受光位置はB′であり、異なる位
置となっている。
【0053】従ってこの1対の受光センサ8及び9の受
光位置を示す距離値x及びyを求めると、図8の(a)
の配置における平面幾何学的解析を行い、その解として
次の式(3)及び前記式(2)により距離L及び入射角
と反射角との角度差dβを別個に算出することができ
る。
【0054】
【数3】
【0055】なお、(2)式は図4の配置における解析
結果と同一の式である。また(2)式の角度差dβは被
計測物11の表面が水平面との間をなす傾斜角の2倍の
値となっているので、この角度差から傾斜角dβ/2を
直ちに求めることができる。
【0056】前記(3)式において、注目に値するの
は、1対の受光センサの受光位置を示す距離x及びyが
与えられると、前記傾斜変動には全く影響されることな
く、直接(3)式により距離Lが求められることであ
る。次に受光センサに入射する入射光が微小ビームや正
規分布にならない場合につき説明する。
【0057】図9は本発明の第2実施例に係る受光セン
サへの入射光の不規則分布例を示す図である。図9にお
いては、入射光のビーム径Dは微小であるが、被計測物
11の表面に微小な凹凸や疵等があるため、反射光のビ
ームは拡大し、受光センサへの入射光の光量分布が正規
分布にならない場合の例を示している。この場合にも1
次及び2次受光センサ8及び9に前記2次元PSDを使
用することにより、2次元平面に不規則に分布する受光
強度の重心位置を示す信号が直接得られる。従って従来
のCCDの出力信号から重心位置を算出するような複雑
な計算をしないでも、図2及び図3で説明した単純な演
算により短時間で受光強度の重心を示す受光位置K′及
びK″を求めることができる。
【0058】なお、式(3)の示す距離Lは図8の2次
元平面における解析結果である。即ち2つの受光センサ
に含まれる2次元PSDの前記X軸方向の座標位置デー
タのみに基づいて算出されている。しかし演算器13は
各演算時刻毎に、2次元PSDの光走査位置としてY軸
上の座標位置をも同時に算出できるので、前記距離Lと
Y軸上の座標データとにより3次元座標の距離をも算出
することができる。この3次元座標における距離の算出
により被計測物11の形状を正しく計測することが可能
となる。
【0059】図10は本発明の第3実施例に係る光学式
形状計の概略構成図であり、1〜13は図1と同一のも
のである。14は平面形状被計測物の厚さ計測におい
て、被計測物11が傾斜した場合に、演算器13の算出
値に傾斜角の補正演算を行なう傾斜角補正器である。図
13の平面形状を有する計測物の厚さ計測における被計
測物が傾斜した場合に、傾斜角補正器14の誤差補正法
について説明する。
【0060】図13においては、先に説明したように、
2台の光学式形状計を平面形状被計測物11を搬送する
パスラインPLの上下にそれぞれ設置し、上部基準水平
面から被計測物11の表面までの距離Lu3と、下部基
準水平面からの被計測物11の裏面までの距離Ld2と
を計測し、両基準水平面間の距離Lkが既知であるの
で、厚みt′を、t′=Lk−(Lu3+Ld2)の関
係式から求めている。しかし平面形状被計測物11が点
Oを軸として角度dβ/2だけ傾斜しているので、前記
厚みt′には傾斜角dβ/2の関数で決まる誤差dtが
含まれている。いま図13の位置関係における幾何学的
解析を行ない、その解として前記誤差dtを補正した補
正後の厚さtを次の(4)式から算出することができ
る。
【0061】
【数4】
【0062】なお、(4)式において、βは各光学式形
状計からの照射光の入射角、dβ/2は平面形状被計測
物の傾斜角、t′は平面形状被計測物の補正前の厚さ、
tは平面形状被計測物の補正後の厚さである。傾斜角補
正器14は、光学式形状計からの照射光の入射角β(こ
の例では2台の光学式形状計からの入射角を等しくβと
している)、いずれか一方の光学式形状計が前記(2)
式から算出する角度差dβ及び演算器13が算出する補
正前の厚さt′から(4)式を用いて補正後の厚みtを
算出するものである。
【0063】図10の傾斜角補正器14は、図13にお
いて平面形状を有する被計測物11のX軸に対する傾斜
のみを補正するものとして説明した。しかしこの1次元
の傾斜角補正機能を2次元に拡張することもできる。即
ち図13のX軸とY軸の両軸に対する傾斜を共に補正す
る機能をもたせることもできる。そしてこの2次元の傾
斜角補正が可能な傾斜角補正器14を図6の演算器13
と結合させると、該演算器13が回転ミラー20と同期
させて演算する被計測物11の各2次元座標位置におけ
る厚さを逐次補正し、高精度の計測を行なうことが可能
である。しかし実際に金属帯等を対象とするオンライン
計測においては、金属帯等の搬送方向であるX軸に対す
る傾斜に比較して、Y軸に対する傾斜はきわめて小さい
ので、前記(4)式によりX軸に対する傾斜補正のみを
行なっても実用上の支障はない。
【0064】このように本発明の適用例として、前記図
1の第1実施例または図6の第2実施例に係る2台の光
学式形状計を、平面形状を有する被計測物の上方及び下
方にそれぞれ設置し、さらに、上方に設置された光学式
形状計の演算手段が算出した上方の計測基準位置から被
計測物の表面までの距離と、下方に設置された光学式形
状計の演算手段が算出した下方の計測基準位置から被計
測物の裏面までの距離と、いずれか一方の光学式形状計
の演算手段が算出した被計測物の傾斜角との各データに
基づき、被計測物の傾斜角を補正した厚さを算出する傾
斜角補正厚さ演算手段を付加して設けることにより平面
形状を有する被計測物の厚さ計測装置を構成することが
できる。
【0065】また本実施例においては、受光素子に2次
PSDを用いた場合の例を示したが2次元の受光素子で
あれば、CCD受光素子やMOS(Metal Oxi
deSemiconductor)型受光素子等のどの
ようなものでよい。なお、(1)式または(3)式にお
ける距離は、計測基準位置から被計測物11の表面まで
の絶対距離を測定する場合の例を示したが、必ずしも絶
対距離ではなく、相対距離を計測し、その変動分のみを
検出するようにすることも可能である。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光照射手
段により被計測物に対して集光された光を所定の入射角
により照射し、第1の光検出手段により前記被計測物の
表面からの反射光よりハーフミラーを介して透過光と反
射光とに分離し、この分離した透過光を2次元の受光素
子により受光し、その受光強度の重心位置信号を検出
し、第2の光検出手段により前記ハーフミラーを介して
分離した反射光を2次元の受光素子により受光し、その
受光強度の重心位置信号を検出し、演算手段により前記
第1の光検出手段並びに第2の光検出手段からそれぞれ
検出される受光強度の重心位置信号に基づき、所定の計
測基準位置から被計測物の表面までの距離を算出するよ
うにしたので、被計測物の表面が鏡面、または鏡面に近
い場合に、オンラインで被計測物が傾斜変動したり、ハ
レーションを起こすようなときにも、非接触で被計測物
の形状、変位または厚さを安定して連続計測することが
できる。
【0067】また本発明によれば、前記演算手段は前記
所定の計測基準位置から被計測物の表面までの距離と被
計測物の傾斜角とを共に算出するようにしたので、前記
表面が鏡面または鏡面に近い被計測物が傾斜した場合に
も、前記傾斜を補正して非接触で被計測物の形状、変位
または厚さを安定して連続計測することができる。
【0068】また本発明によれば、光照射手段により被
計測物に対して集光された光を回転ミラーを介してスポ
ット走査光として所定の入射角で照射し、2次曲面鏡に
よって前記被計測物の表面からの反射光を集光させ、第
1の光検出手段により前記集光された光をハーフミラー
を介して透過光と反射光に分離し、この分離した透過光
を2次元の受光素子により受光し、その受光強度の重心
位置信号を検出し、第2の光検出手段により前記ハーフ
ミラーを介して分離した反射光を2次元の受光素子によ
り受光し、その受光強度の重心位置信号を検出し、演算
手段により前記第1の光検出手段並びに第2の光検出手
段からそれぞれ検出される受光強度の重心位置信号に基
づき、所定の計測基準位置から被計測物の表面までの距
離を回転ミラーと同期させて演算するようにしたので、
被計測物の表面が鏡面、または鏡面に近い場合に、オン
ラインで被計測物が傾斜変動したり、ハレーションを起
こすようなときにも、被計測物の立体的な形状、変位ま
たは平面の各位置における厚さを非接触で安定して連続
計測することができる。
【0069】また本発明によれば、前記演算手段は前記
所定の計測基準位置から被計測物の表面までの距離と被
計測物の傾斜角とを共に、前記回転ミラーの回転と同期
させて演算するようにしたので、前記表面が鏡面または
鏡面に近い被計測物が傾斜した場合にも、前記傾斜を補
正して非接触で被計測物の立体的な形状、変位または平
面の各位置における厚さを安定して連続計測することが
できる。
【0070】また本発明によれば、前記第1の光検出手
段及び第2の光検出手段に含まれたリニアライズ装置
は、それぞれ2次元受光素子から検出する座標位置信号
の直線化補正を行なうようにしたので、この補正後の高
精度の座標位置信号に基づき算出する被計測物の形状等
についての計測精度も同様に向上させることができる。
従って従来は困難とされていた表面が鏡面、または鏡面
に近い被計測物の形状の高精度計測が可能となり、各種
ラインで安定した操業と、歩留の向上、並びに高品質の
製品の生産ができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る光学式形状計の概略
構成図である。
【図2】2次元PSDによる2次元位置計測の説明図で
ある。
【図3】図2の2次元PSDの出力特性及びリニアライ
ザの説明図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る距離算出式の説明図
である。
【図5】本発明の第1実施例に係る受光センサへの入射
光の不規則分布例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る光学式形状計の概略
構成図である。
【図7】図6の走査光学系を説明するための斜視図であ
る。
【図8】本発明の第2実施例に係る距離算出式の説明図
である。
【図9】本発明の第2実施例に係る受光センサへの入射
光の不規則分布例を示す図である。
【図10】本発明の第3実施例に係る光学式形状計の概
略構成図である。
【図11】従来の光学式形状計の計測誤差を説明する図
である。
【図12】従来の光学式形状計を2台用いた平面形状被
測定物の厚さ計測法の説明図である。
【図13】図12の平面形状被計測物の厚さ計測法の誤
差を説明する図である。
【符号の説明】
1 センサボックス 2 発光部 3 投光レンズ 4 受光レンズ 5 2次曲面鏡 6 受光センサ 7 ハーフミラー 8 1次受光センサ 9 2次受光センサ 11 被計測物 12−1、12−2 座標位置算出器 13 演算器 14 傾斜角補正器 20 回転ミラー 21 同期モータ 30 2次元PSD素子 31A〜31D 前置増幅器 32A、32B 加算器 33A、33B 減算器 34A、34B 除算器 35 リニアライザ 36A、36B A/D変換器 37 テーブルメモリ 38A、38B データバッファ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧 宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 竹腰 篤尚 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 稲葉 護 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被計測物に対して集光された光を所定の
    入射角により照射する光照射手段と、 前記被計測物の表面からの反射光をハーフミラーを介し
    て透過光と反射光とに分離し、該分離された透過光を2
    次元の受光素子により受光し、その受光強度の重心位置
    信号を検出する第1の光検出手段と、 前記ハーフミラーを介して分離された反射光を2次元の
    受光素子により受光し、その受光強度の重心位置信号を
    検出する第2の光検出手段と、 前記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心位
    置信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光強
    度の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から被
    計測物の表面までの距離を算出する演算手段とを備えた
    ことを特徴とする光学式形状計。
  2. 【請求項2】 被計測物に対して集光された光を回転ミ
    ラーを介してスポット走査光とし、これを所定の入射角
    で照射する光照射手段と、 前記被計測物の表面から反射される入射光を集光して反
    射させる2次曲面鏡と、 前記2次曲面鏡から反射される入射光をハーフミラーを
    介して透過光と反射光とに分離し、該分離された透過光
    を2次元の受光素子により受光し、その受光強度の重心
    位置信号を検出する第1の光検出手段と、 前記ハーフミラーを介して分離された反射光を2次元の
    受光素子により受光し、その受光強度の重心位置信号を
    検出する第2の光検出手段と、 前記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心位
    置信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光強
    度の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から被
    計測物の表面までの距離を、前記回転ミラーの回転と同
    期させて演算する演算手段とを備えたことを特徴とする
    光学式形状計。
  3. 【請求項3】 被計測物に対して集光された光を所定の
    入射角により照射する光照射手段と、 前記被計測物の表面からの反射光をハーフミラーを介し
    て透過光と反射光とに分離し、該分離された透過光を2
    次元の受光素子により受光し、その受光強度の重心位置
    信号を検出する第1の光検出手段と、 前記ハーフミラーを介して分離された反射光を2次元の
    受光素子により受光し、その受光強度の重心位置信号を
    検出する第2の光検出手段と、 前記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心位
    置信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光強
    度の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から被
    計測物の表面までの距離と被計測物の傾斜角を共に算出
    する演算手段とを備えたことを特徴とする光学式形状
    計。
  4. 【請求項4】 被計測物に対して集光された光を回転ミ
    ラーを介してスポット走査光とし、これを所定の入射角
    で照射する光照射手段と、 前記被計測物の表面から反射される入射光を集光して反
    射させる2次曲面鏡と、 前記2次曲面鏡から反射される入射光をハーフミラーを
    介して透過光と反射光とに分離し、該分離された透過光
    を2次元の受光素子により受光し、その受光強度の重心
    位置信号を検出する第1の光検出手段と、 前記ハーフミラーを介して分離された反射光を2次元の
    受光素子により受光し、その受光強度の重心位置信号を
    検出する第2の光検出手段と、 前記第1の光検出手段から検出される受光強度の重心位
    置信号及び前記第2の光検出手段から検出される受光強
    度の重心位置信号に基づき、所定の計測基準位置から被
    計測物の表面までの距離と被計測物の傾斜角を共に、前
    記回転ミラーの回転と同期させて演算する演算手段とを
    備えたことを特徴とする光学式形状計。
  5. 【請求項5】 前記第1の光検出手段及び第2の光検出
    手段は、それぞれ2次元受光素子から検出する座標位置
    信号を直線化するリニアライズ装置を有することを特徴
    とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記
    載の光学式形状計。
JP30636891A 1990-11-27 1991-11-21 光学式形状計 Pending JPH0560532A (ja)

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JP32069590 1990-11-27
JP3-148511 1991-06-20
JP2-320695 1991-06-20
JP14851191 1991-06-20

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