JPH0560012B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、排水トラツプ、排水金具、掃除口金
具、排水管継手或いはルーフドレン等の排水器具
（以下、単に「排水器具」と言う。）をコンクリー
ト型枠（以下、単に「型枠」とも言う。）に対し
て固定するための固定治具に関し、詳しくは鉄骨
鉄筋コンクリート製建築物の床、ベランダ、陸屋
根あるいは壁を築造する場合において、これらに
取付ける排水器具をコンクリートスラブ（以下、
単に「スラブ」とも言う。）中に埋設するために
使用する、排水器具のコンクリート型枠への固定
治具に関する。

（従来の技術） 前記床等への排水器具の埋設にあたつては、排
水器具の頂部を床等の仕上げ面と一致させ、更に
床等のスラブに防水処理を要する場合には、排水
器具の防水シート受承用のつばの頂部をスラブ面
と一致させる必要がある。

従つて、排水器具の全高或いはその防水シート
受承用のつばの頂部までの高さが床等の厚さ或い
はそのスラブの厚さより大きい場合には、排水器
具の底部をスラブの下方へ逃した状態で排水器具
を埋設しなければならないので、型枠上に取付け
た固定治具上に排水器具を固定した後コンクリー
トを打設して埋設すると言う通常の先付工法を行
うことができなかつた。

そこで従来、このような場合にはやむなく、後
付工法、即ち、スリーブ筒管を取付けた型枠上に
コンクリートを打設することによつてスラブにス
リーブ孔を形成し、型枠の離脱後においてそのス
リーブ孔中に排水器具を内挿して取付けると言う
方法によつていた。

（発明が解決しようとする問題点） 然し、後付工法によるときは、排水器具のつば
の頂部をスラブ面と一致させるためにスリーブ孔
の周縁部をはつると言う修正作業や排水器具の内
挿後におけるスリーブ孔の埋戻し作業を必要とす
るため作業性が悪いと言う問題点があつた。

そこで本発明は、前述のような排水器具の埋設
にあたり、作業性の良い先付工法によつて排水器
具を固定できる固定治具を提供することを、その
解決すべき技術的課題とする。

（問題点を解決するための手段） 上記課題を解決するための技術的手段は、固定
治具に排水器具の底部を挿入可能な内周部を設
け、又、型枠に対する載置面よりも底方向の位置
に排水器具に対する固定装置の取付用の部分を設
けたことである。

（作用） 排水器具の全高或いはつばの頂部めで高さが床
等の厚さ或いはそのスラブの厚さより大きい場合
でも、型枠に予め逃げ穴を設け、該逃げ穴に固定
装置の取付用の部分を挿入した状態で固定治具を
型枠に取付けた後、排水器具の底部を固定治具の
内周部に挿入して、固定治具に対し排水器具を取
付けると言う手順により、排水器具の先付工法に
よる埋設が可能である。

（実施例） 次に本発明の第一実施例の構成を第１図に基づ
いて説明する。

固定治具１の本体２は、後述の排水器具の底部
を挿入可能な内周部３を有する環状に形成され、
その外周縁部には後述の型枠上に載置するための
釘穴４付きのフランジ５を設けている。

また、前記内周部３に沿つて有底筒状の突出部
６が垂設され、その深さは前記排水器具の底部を
十分に挿入し得るよう設定されており、そして底
板７には後述の固定ボルト掛止用の孔８を、その
中心部と周縁部に設けている。さらに、前記本体
２からは、所定の内径に形成した先細筒状の支台
９を立設している。

以上のように構成された本実施例の固定治具の
使用状態を第２図に基づいて説明すると、まず、
排水器具１３を埋設すべき位置に対応して型枠１
０に貫設した逃げ穴１１に突出部６を挿入し、フ
ランジ５を型枠１０上に載置したもとで、釘穴４
より釘１２を打込むことにより固定治具１を型枠
１０に対して取付ける。

次に排水器具１３の底部に突設した排水管接続
用の接続管部１４を前記内周部３より突出部６に
挿入した状態で、排水器具１３を前記支台９に載
置する。

一方、固定ボルト１６の下端のフツク１５を図
示のように底板７の孔８に掛止させ、固定ボルト
の上部に押え板１７を遊嵌するとともに、該押え
板１７をスペーサー１７′を介し排水器具１３の
上端縁に載置し、この状態でナツト１８の締付け
により排水器具１３を固定治具１に対し固定す
る。そして、その後は通常の型枠１０上へのコン
クリートの打設作業が行われるものである。コン
クリートが固化すれば、固定ボルト１６からナツ
ト１８、押え板１７を取外す一方で、スラブ１９
から型枠１０、固定治具１を順次取外すのであ
る。

この取外しに際し、突出部６がスラブ１９の下
方へ突出しているので、これに横方向から打撃を
与えたり、又、押え板１７を取外した前記固定ボ
ルト１６が突出部６より更に下方へ垂下するの
で、これを把持して引張つたりすると、固定治具
１の取外しが容易になる。又、前記筒状の支台９
が先細状に形成されているので、スラブ１９から
離脱し易い。

尚、上記使用例の排水器具１３は、その接続管
部１４に排水管を外挿するタイプのものである。

次に、本発明の第二実施例の構成を第３図に基
づいて説明すると、固定治具２０の本体２１の内
周部２２に沿つて垂設した突出部２３の底板２４
には、先端部にねじを有した固定杆２５を立設し
ている。又、本体２１の上面には位置決め用の堰
２６と載置用の段部２７とを周設している。他の
点の構成は第一実施例のものと同様である。

従つて、この実施例の固定治具は、第４図に示
すように、排水器具２８の底部に突設した排水管
接続用の接続管部２９を内周部２２より突出部２
３に挿入した状態で、排水器具２８を、その外周
下端部が堰２６の内周部と摺接した状態で、段部
２７上に載置し、固定杆２５を利用して、排水器
具２８を固定治具２０に対し固定する。他は第一
実施例の使用の手順と同様である。

尚、上記使用例の排水器具２８は、その接続管
部２９の内周に排水管をねじ込むタイプのもので
ある。

次に、本発明の第三実施例の構成を第５図に基
づいて説明すると、固定治具３０の内周部３１の
対抗部間に渉り、ハンドル状の支持板３２が垂設
され、該支持板３２の中央部に固定杆３３が立設
されている。支持板３２の形状は、把持するに適
した細長状であれば良く、図示のものに限定され
ない。

本実施例の固定治具３０のスラブからの取外し
においては、支持板３２を把持して振動や衝撃を
与えると、その取外しが容易になる。

（効果） 本発明は、排水器具の全高或いはつばの頂部ま
での高さが床等の厚さ或いはそのスラブの厚さよ
り大きい場合でも、排水器具を先付工法により埋
設でき、更に、固定治具をスラブから容易に取外
せる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第一実施例の半断面図、第２
図はその使用状態を示す中央縦断面図、第３図は
本発明の第二実施例の一部破断斜視図、第４図は
その使用状態を示す中央縦断面図、第５図は本発
明の第三実施例を示す一部破断斜視図である。 １，２０，３０……固定治具、３，２２，３１
……内周部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 排水器具の底部を挿入可能な内周部を設け、
   又、型枠に対する載置面よりも底方向の位置に排
   水器具に対する固定装置の取付用の部分を設けた
   ことを特徴とする排水器具のコンクリート型枠へ
   の固定治具。