JPH0559700A - 軽量壁紙用基紙、及び軽量壁紙 - Google Patents

軽量壁紙用基紙、及び軽量壁紙

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JPH0559700A
JPH0559700A JP24836091A JP24836091A JPH0559700A JP H0559700 A JPH0559700 A JP H0559700A JP 24836091 A JP24836091 A JP 24836091A JP 24836091 A JP24836091 A JP 24836091A JP H0559700 A JPH0559700 A JP H0559700A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、軽量壁紙用基紙及び軽量壁紙に関
する。さらに詳しくは、オープンタイムを向上でき、ま
た経時変化による表面樹脂層の劣化がなく、ピーラブル
適性の低下が少ない等の優れた性能を有する軽量壁紙用
基紙、及び軽量壁紙を得ることを目的とする。 【構成】 難燃性原紙1の裏面に顔料塗工層2を設け、
表面に水及び可塑剤バリアー層3、印刷適性付与層4を
順次設けた軽量壁紙用基紙、及び難燃性原紙1の裏面に
顔料塗工層2を設け、表面に水及び可塑剤バリアー層
3、印刷適性付与層4、必要に応じ印刷層5、樹脂発泡
層6を順次設けた軽量壁紙を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量壁紙用基紙及び軽
量壁紙に関する。さらに詳しくは、オープンタイムを向
上し、また経時変化による表面樹脂層の劣化がなく、ピ
ーラブル適性の低下が少ない軽量壁紙用基紙、及び軽量
壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、最も多量に使用されている塩ビ壁
紙は、基紙表面に80μm(100g/m2)前後もの
多量の塩化ビニル配合物を塗工し、必要により表面に印
刷、エンボス、または発泡樹脂加工層を設けた構成とな
っている。壁紙の施工は、通常は濃度10%前後の澱粉
系糊を使用し、約150g/m2を壁紙の裏面に塗布
し、壁面に貼り付けることで行う。裏面に塗布された糊
中の水は基紙中に浸透し、糊の粘着性は急激に高くな
る。これが、壁面に貼り付けた時に壁紙がずり落ちない
効果をもたらす。壁紙を壁面に貼付する際、一枚ずつ糊
を裏面に塗り、壁面に貼付する方法では作業性が著しく
悪くなる。そのため、予め糊を糊付け機を使用して裏面
に塗布し、これを壁面に貼るまでの間、糊面同志を重ね
合わせて糊の乾燥を防ぎ、これを一度に多数枚用意し、
壁面に貼付する方法をとっている。糊を塗工してから、
糊が乾燥しない状態で壁面に貼られるまでの時間を「オ
ープンタイム」と呼び、壁紙は通常2時間以上のオープ
ンタイムを持っていることが要求される。上記した塩ビ
壁紙の場合は、表面に厚く塗られた塩ビ層のため、通気
性や透湿性が非常に低く、そのため糊の乾燥が起きにく
く、オープンタイムが短いという問題が起きたことは無
かった。
【0003】一方、最近ではコンクリート建築物が増
え、部屋の密閉性が向上したので、壁面に結露が起きや
すいことが問題となっている。このため、表面に塗工す
る塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂に吸放湿性物質を混合
し、部分的に塗工して、壁紙に通気性や透湿性を持た
せ、この問題を解決した、いわゆる「軽量壁紙」が開発
されつつある。軽量壁紙では通常表面に塗工する樹脂の
量は20〜80g/m2であり、発泡されることが多
い。壁紙に通気性や透湿性があると、必然的に施工時に
裏面に塗られる糊の乾燥は早くなるので、オープンタイ
ムは短くなり問題を起こす。この欠点を無くすため、た
とえば実公昭61−23040号公報では、任意の紙層
と厚さ10〜30μの合成樹脂層と、重量60〜80g
/m2の裏打ち紙の層の3層から成る壁紙用原紙が提案
されている。この考案には、フィルム状の合成樹脂を表
面の紙と裏面の裏打ち紙の各々と接着剤を介して貼り合
わすか、あるいは表面の紙又は裏面の裏打ち紙の各れか
一方にイクストルーダーコーティングし3層を同時に積
層するこが例示されている。即ちこの考案は、合成樹脂
層により糊に含まれる水分の浸透を防止することで、オ
ープンタイムの向上を計ったものであるが、構造が複雑
になるだけコストがかかる欠点がある。また後に述べる
ように、壁紙加工時に樹脂組成物が紙層間に浸透した
り、壁紙施工後の経時変化により、表面の樹脂に含まれ
る可塑剤等のブリーディングにより表面樹脂層の硬化,
脆弱化と同時に基紙が劣化するという欠点もある。
【0004】また、特開昭56−144298号公報に
は、紙の裏面に耐透湿性良好なる樹脂の塗布層を有し、
糊の水分蒸発量を2.5g/m2・時間以下とした紙壁
紙が提案されている。この発明は、紙の裏面に樹脂塗工
層を設けることで、オープンタイムの向上を計ったもの
であるが、樹脂の塗工面がブロッキングしやすい欠点が
あった。この発明では耐透湿度が大きすぎると塗布した
糊がいつまでも乾かず、壁面に貼り付けた際に壁紙がず
り落ちる問題を起こすので、適度の透湿度に調整する必
要があり、工程上でこれを調整することは非常に困難で
あるという問題点がある。また、壁紙施工後の経時変化
により、表面の樹脂に含まれる可塑剤等のブリーディン
グにより、表面樹脂層が硬化し、もろくなる(脆弱化)
だけでなく、紙が劣化しやすくなるという欠点もある。
紙が劣化すると、変色の問題を生じ、また後に述べるよ
うにピーラブル適性が低下し、壁紙の再施工時の作業性
が著しく低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解決した、軽量壁紙用基紙、及び軽量壁紙を得るこ
とを課題とする。即ち、本発明は、オープンタイムを向
上し、壁紙加工時に樹脂組成物の紙層間への浸透と、施
工時における裏面からの紙層間への糊の浸透を防止し、
経時変化による樹脂層と基紙の劣化に起因したピーラブ
ル適性の低下がない、等の優れた特性を有した軽量壁紙
用基紙、及び軽量壁紙を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろを図面を用いて説明すると、(図1)難燃性原紙1の
裏面に顔料塗工層2を設け、表面に水及び可塑剤バリア
ー層3、印刷適性付与層4を順次設けた軽量壁紙用基紙
を得ること、及び、(図2)難燃性原紙1の裏面に顔料
塗工層2を設け、表面に水及び可塑剤バリアー層3、印
刷適性付与層4、必要に応じ印刷層5、樹脂発泡層6を
順次設けた軽量壁紙を得ることにある。
【0007】本発明に使用する難燃性原紙1は、木材パ
ルプを主材とし公知の難燃剤を含浸加工したものや、本
出願人が先に出願した特開昭63−203900号、特
開昭64−20398号記載の方法などにより無機粉体
を混合抄紙(以下無機粉体紙と称する)したもの、また
特開平3−161598号に提案したような無機粉体紙
に難燃剤を含浸加工したものが使用できる。難燃剤とし
てはスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、ス
ルファミン酸アンモニウム、縮合リン酸アルキルエステ
ル誘導体、硫酸グアニジン、リン酸アンモニウム、硫酸
アンモニウム、等の水溶液もしくは水に分散が可能なも
のが使用できる。またこれに、澱粉、サイズ剤、染料等
の製紙用副資材やジシアンジアミド、メラミンのメチロ
ール化物、ジシアンジアミドのメチロール化物等の耐熱
助剤を併用することもでき、これら処理剤を10〜35
%(対原紙重量)含浸することにより難燃紙を得る。含
浸の方法は抄紙機上のサイズプレス装置等によるオンマ
シン含浸や、抄紙後のオフマシン含浸のいずれを採用し
てもよい。また本発明では、難燃性原紙を製造するに際
し、抄造途中の湿潤状態の紙匹もしくは乾燥後にエンボ
ス処理して凹凸模様を施すことで、意匠的な効果を高め
ることもできる。難燃性原紙は、重量が大きくなると糊
中に含まれる水分の浸透量が多くなり、オープンタイム
が短くなるので、通常60〜250g/m2で製造す
る。
【0008】本発明はこのようにして製造した難燃性原
紙1の裏面に顔料塗工層2を、エアーナイフ塗工機、ブ
レード塗工機などの公知の塗工手段を用いて、通常10
〜35g/m2設ける。顔料塗工層は無機顔料粉体とバ
インダーを基本構成とする。無機顔料粉体としては、カ
オリン、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸
化アルミニウム、カルシウムアルミネート、水酸化カル
シウム、ドーソナイト、アルミン酸カルシウムなどが使
用できるが、水酸化アルミニウム、カルシウムアルミネ
ート、水酸化カルシウム、ドーソナイト、アルミン酸カ
ルシウムの単独または混合物を主体に用いることが難燃
性を向上できるので好ましい。これら顔料の1種類以上
に適宜分散剤、水を加え公知の分散機を使用して分散
し、SBR,MBRなどの合成ゴムラテックス、アクリ
ルエマルジョン,酢酸ビニルエマルジョン,塩化ビニル
エマルジョン,塩化ビニリデンエマルジョン、カゼイ
ン、澱粉、PVA等のバインダーを加え塗料を調製す
る。無機顔料粉体とバインダーの混合比率は通常10
0:10〜100:25の範囲で、塗工量は10〜35
g/m2、好ましくは18〜22g/m2である。
【0009】難燃性原紙1の表面には水及び可塑剤バリ
アー層3を設けるが、ここに本発明の最大の特徴があ
る。水及び可塑剤バリアー層は原紙内部に浸透した糊中
の水分をこの層で遮断し、基紙表面へ移行することを防
ぐ働きをする。これにより糊が必要以上に乾燥すること
を防ぎ、オープンタイムを向上できる。また、表面に塗
工する樹脂組成物および樹脂に含まれる可塑剤等の基紙
へのブリーディングを防ぎ、経時変化による基紙の劣化
を防止する。水及び可塑剤バリアー層はSBR,NB
R,MBRなどの合成ゴムラテックス、アクリル酸エス
テルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン,塩化ビニ
ルエマルジョン,塩化ビニリデンエマルジョンなどバイ
ンダーの単独またはこれに少量の水酸化アルミニウムな
どの無機粉体を混合して通気性や透湿度を調整し、また
ホウ砂などの難燃剤を添加して公知の塗工手段により設
けられる。無機粉体とバインダーの混合比率は、通常0
〜50:100〜50である。バインダーとしては、樹
脂加工時の熱変色が少なく、また経時変化による変色も
少ないのでアクリル酸エステルエマルジョンを使用する
ことが好ましい。塗工量はあまり多いと通気性や透湿度
が低下し、結露防止効果がなくなり、あまり少ないと可
塑剤のブリーディング防止効果が低下し、オープンタイ
ムが短くなるので、通常5〜30g/m2、好ましくは
10〜15g/m2の範囲である。
【0010】原紙の裏面に水及び可塑剤バリアー層(耐
透湿性良好なる樹脂の塗布層)を設けることは、前述の
ように特開昭56−144298号公報に提案されてい
る。本発明は、これとは異なり原紙の表面に水及び可塑
剤バリアー層を設けることが特徴である。水及び可塑剤
バリアー層は原紙の裏面に設けても、表面に設けても同
じような効果があると思われるが、後に説明するよう
に、実際には著しい差があることを本発明者らは見いだ
した。また、本発明では難燃性原紙1の裏面に顔料塗工
層を設けることも要件の一つであり、表面に設ける水及
び可塑剤バリアー層との相乗作用により次のような効果
を得ることができる。 ピーラブル性を向上できる。ピーラブル性とは、古く
なつた壁紙を壁面から剥す際に、原紙の紙層間で均一に
剥がれる性能を意味し、ピーラブル性が不足すると不均
一に剥がれた壁紙をヘラなどで削り取る作業が必要とな
り、作業性が著しく悪くなる。本発明では、塗工層を両
面に設けているので、この層の強度が原紙の紙層間強度
より大きくなり、ピーラブル適性を向上させる。
【0011】オープンタイムを向上できる。施工時に
糊付けした際、糊の水分が顔料塗工層を介して、原紙内
部に均一に拡散して行くが、表面の水及び可塑剤バリア
ー層で浸透は停止する。水及び可塑剤バリアー層が無い
と、浸透した水は壁紙表面から空気中に蒸散してしま
い、オープンタイムは著しく短くなる。
【0012】貼り付け時に壁紙が壁面からずり落ちる
ことがない。原紙裏面に水及び可塑剤バリアー層を設け
ると、糊中の水が原紙内部に拡散し難く、糊がいつまで
も乾き難い。この状態で壁面に貼付すると壁紙が壁面か
らずり落ちるという問題、またはずり落ちないまでも、
手で触れただけで壁紙が動いてしまう問題を起こす。本
発明の基紙は裏面に顔料塗工層を設けているので、糊中
に含まれる水が顔料層に適度に吸収され、その結果糊の
粘着性は著しく高くなり、壁面からずり落ちることがな
くなる。
【0013】糊付けにより壁紙が柔軟となり、施工性
を向上できる。原紙の裏面に水バリアー層(耐透湿性良
好なる樹脂の塗布層)を設けた前述の特開昭56−14
4298号の基紙では、糊付け後に糊に含まれる水の原
紙への移行がないので基紙が柔軟にならず、施工性に劣
るが、本発明の基紙では糊中の水は顔料塗工層を通って
紙層内に均一に拡散するので、基紙が柔軟になり施工し
易くなる。
【0014】経時変化による基紙の劣化を防止でき
る。壁紙は一度貼付されると長期間使用さる。顔料塗工
層が無いと施工時に糊剤が繊維間空隙に浸透し、乾燥後
の基紙の内接強度をあげてしまいピーラブル適性を低下
させる。また、表面からの樹脂組成物の浸透と、長期使
用中に可塑剤の原紙へのブリーディングが起きると、表
面樹脂組成物の硬化,脆弱化と同時に基紙を劣化させ
(内接強度が大きくなる現象として現れる)、ピーラブ
ル適性が著しく低下する。また「黄ばみ」などの変色の
問題を起こす。両面に塗工層を設けた本発明の構成で
は、この現象を防止できる。
【0015】本発明者らが行った実験を以下に述べる。
実験では、まず原紙(ブランク:サンプル1)を作製
し、これに水及び可塑剤バリアー層を表面及び裏面に設
けたもの(サンプル2及び3)、顔料塗工層を裏面に設
けたもの(サンプル4)、表面に水及び可塑剤バリアー
層、裏面に顔料塗工層を設けたもの(サンプル5)を作
製し、性能を評価した。各層の構成と塗工量は表1に示
す。原紙処方、抄造方法 木材パルプとしてNBKP:LBKP=1:1の配合で
40重量部(乾燥重量部、以下同じ)を叩解し530m
lCSFとした。このパルプスラリーに水酸化アルミニ
ウムの粉体(商品名B−703、日本軽金属製)を60
重量部混入して10%濃度のスラリーを調整した。この
スラリーの固形分重量に対して湿潤紙力増強剤(商品名
カイメン557H、ディックハーキュレス製)を1%を
添加した後、苛性曹達でPHを8に調整した。さらにこ
のスラリーに高分子アニオン凝集剤(商品名ハイホルダ
ー351、栗田工業製)を0.006%添加した後常法
により長網抄紙機で坪量80g/m2になるよう抄紙し
た。水酸化アルミニウムの歩留りは72%であった。乾
燥途中のサイズプレス装置でスルファミン酸グアニジ
ン,サイズ剤,紙力増強剤を100:10:6混合して
なる処理液を対原紙重量25%になるように含浸し、坪
量100g/m2の難燃性の原紙(サンプル1に相当)
を得た。水及び可塑剤バリアー層処方、塗工方法 酸化チタン(R−820、石原産業製)15重量部と塩
化ビニリデンラテックス(商品名サランL−106、旭
化成工業製)を82重量部、保水剤(商品名モディコー
ルVD、サンノプコ製)3重量部よりなる塗工液をサン
プル1の表面と裏面に各々エアーナイフ塗工機で12g
/m2塗工し、サンプル2及び3を得た。 顔料塗工層
処方、塗工方法 水酸化アルミニウム(同上)90重量部と塩化ビニリデ
ンラテックス(同上)7重量部、PVA(商品名PVA
−117、クラレ製)3重量部よりなる塗工液をサンプ
ル1と2の裏面にエアーナイフ塗工機で各々20g/m
2塗工しサンプル4と5を得た。
【0016】以上の各々のベースに、下記処方の塩ビ発
泡層を部分的に印刷し、サンプル1〜5の壁紙を作製し
た。塩ビ発泡層処方、印刷方法 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、発泡剤アゾジカルボ
シアミド10重量部、可塑剤DOP70重量部、炭酸カ
ルシウム60重量部、酸化チタン20重量部、着色顔料
適量混合撹拌してペーストを調製した。ついでロータリ
ースクリーン印刷機を使用して、図柄を部分的に50g
/m2印刷し、更に220℃で30秒の加熱を行い、発
泡剤を発泡させた。
【0017】さらに、濃度10重量%の澱粉系糊剤(商
品名アミノール、ヤヨイ化学工業製)をサンプルの裏面
に150g/m2塗布したのち、石膏ボードに貼り付け
た。貼付後25℃で24時間放置し糊を乾燥させた。そ
の後、乾燥機中で劣化促進試験を行った。経験的に80
℃×48時間の処理は室内使用約1年に相当し、80℃
×7日間の処理は室内使用約5年に相当することが判っ
ている。評価結果を表1に示す。なお、評価は次の手段
で行った。 層間剥離強度:万能引張り試験機を使用して、原紙の縦
方向の内接強度(180度剥離、速度200mm/分、
単位g/30mm)を測定した。 ピーラブル適性:均一に剥離するか否かで判断した。 オープンタイム:糊(前記と同一)を1m×1mのサン
プルの裏面に塗布し、2つ折りにし、糊面同志をつき合
わせて放置し、石膏ボードに貼り合わす時の糊の乾燥状
態(経過時間)で判断した。 貼付時のずれ落ち:石膏ボードを垂直に立て、糊剤(同
上)を塗布したサンプルを直ちに貼付け、目視によりず
れ落ちを観察した。 施工性:糊剤を塗布し、壁紙を石膏ボードに貼付する時
の柔軟性,貼り易さで判定した。
【0018】
【表1】
【0019】表1.で明らかなように、裏面に顔料塗工
層、表面に水及び可塑剤バリアー層を設けたものは、す
べての性能に優れている。。
【0020】本発明では、さらに印刷適性付与層4を、
水及び可塑剤バリアー層3の上に設けるが、これは顔料
とバインダーよりなる塗工層、あるいは意匠性を高める
ためにこれに着色剤を添加した塗工層、バインダーに金
属粉や真珠顔料を添加した塗料の塗工層などである。こ
の層は壁紙製造時の印刷工程で良好な印刷ができる適性
があることが必要で、通常5〜15g/m2塗工され
る。
【0021】以上で軽量壁紙用基紙の説明は終わり、以
下に本発明の軽量壁紙の製造方法の一例を説明する。本
発明の軽量壁紙は前記した軽量壁紙用基紙の上に、必要
に応じ各種図柄の印刷層5を設ける。この層は樹脂に着
色剤等を添加して製造したインクを、グラビア印刷,ス
クリーン印刷等の手段を使って、種々の図柄を印刷し、
壁紙としての意匠性を高める目的で設ける。この層を設
けずに、後に述べる発泡樹脂層6で意匠性を高めても、
またはこの両者で高めてもよい。
【0022】樹脂発泡層6は、塩化ビニル樹脂、ポリウ
レタン樹脂等にフタル酸エステル系,脂肪酸エステル
系,トリアリールフォスフェート系などの公知の可塑
剤、アゾジカルボンアミド,オキシビスベンゼンスルホ
ニルヒドラジド,ジニトロソペンタメチレンテトラミン
などの公知の発泡剤、水酸化マグネシウム,炭酸カルシ
ウム,酸化チタン,水酸化アルミニウム,タルクなどの
無機質充填剤、紫外線吸収剤、安定剤、着色剤などを適
宜混合し、ロータリースクリーン印刷やグラビア印刷な
どの手段を用い、通常20〜80g/m2、好ましくは
50〜60g/m2設ける。80g/m2を越える塗工量
になると、結露防止性能が悪くなる。
【0023】
【実施例】
実施例.1 木材パルプを主原料(NBKP:LBKP=7:3、フ
リーネス530mlCSF)としたスラリーを長網抄紙
機を用いて抄紙し、抄紙機途中のサイズプレス装置でス
ルファミン酸グアニジンを主成分とした難燃処理剤を対
原紙重量あたり25%含浸処理し、乾燥後80g/m2
(乾燥重量、以下同じ)の難燃性原紙を得た。この原紙
裏面に、顔料塗工層として、水酸化アルミニウム(商品
名B−703、日本軽金属製)90重量部と塩化ビニリ
デンラテックス(商品名サランL−106、旭化成工業
製)7重量部、PVA(商品名PVA−117、クラレ
製)3重量部よりなる塗工液をエアーナイフ塗工機を使
用し、20g/m2設けた。原紙表面に、水及び可塑剤
バリアー層として、酸化チタン(商品名R−820、石
原産業製)15重量部と塩化ビニリデンラテックス(同
上)を82重量部、保水剤(同上)3重量部よりなる塗
工液をエアーナイフ塗工機で、15g/m2設けた。さ
らに水及び可塑剤バリアー性塗工層の上に、顔料塗工層
と同一処方の塗料を使い、12g/m2の印刷適性付与
層を設け、軽量壁紙用基紙を得た。
【0024】実施例.2 実施例.1の軽量壁紙基紙表面に、ポリ塩化ビニル樹脂
100部、発泡剤アゾジカルボンアミド10部、DOP
可塑剤70部、炭酸カルシウム60部、酸化チタン20
部、着色顔料(カーボンブラック)を適量混合撹拌して
作製したペーストをロータリースクリーン印刷機を用い
て、部分的に図柄を印刷し、さらに約220℃で60秒
の加熱を行い発泡剤を発泡させ、発泡樹脂層を形成し、
軽量壁紙を得た。
【0025】実施例.3 NBKPパルプ80重量部、LBKPパルプ20重量
部、水酸化アルミニウム70重量部、ポリアクリルアマ
イド1.5重量部、サイズ剤1重量部、硫酸バンド1重
量部よりなるスラリー(フリーネス550mlCSF)
にアニオン系高分子凝集剤を加え、長網抄紙機を使い、
80g/m2の原紙を製造した。この原紙裏面に、実施
例1と同一処方の顔料塗工層と水及び可塑剤バリアー層
を設けた。その後、ピッチ巾3mmの布目状の凹凸模様
を、エンボス機を使用して付与した。ついで、水及び可
塑剤バリアー性塗工層の上に、ポリアクリル酸エステル
エマルジョン(商品名ボンコート3500、大日本イン
キ化学工業製)を20重量部にパール顔料(商品名マー
リンパールホワイト、マール社製)10重量部よりなる
塗料を8g/m2塗工し、印刷適性付与層を設け、軽量
壁紙用基紙を製造した。
【0026】実施例.4 実施例.3の印刷適性付与層の上に、グラビア印刷機で
塩ビ−酢ビ樹脂に黒色着色剤を添加したインキで布目模
様の図柄を印刷後、2色のロータリースクリーン印刷機
で2柄の発泡塩ビ樹脂を部分印刷し、加熱発泡させ、基
紙の凹凸模様に印刷柄、発泡塩ビ部分が組合わさった軽
量壁紙を得た。
【0027】
【発明の効果】以上に述べたように本発明の軽量壁紙用
基紙、及び軽量壁紙は構成され、通気性に優れ、従って
結露することが無く、ピーラブル性に優れる、オープン
タイムを向上できる、貼り付け時に壁紙が壁面からずり
落ちることがない、施工性を向上できる、経時変化によ
る表面樹脂層及び基紙の劣化を防止できるなどの優れた
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軽量壁紙用基紙の一部拡大断面図であ
る。
【図2】本発明の軽量壁紙の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 難燃性原紙 2 顔料塗工層 3 水及び可塑剤バリアー層 4 印刷適性付与層 5 印刷層 6 樹脂発泡層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃性原紙1の裏面に顔料塗工層2を設
    け、表面に水及び可塑剤バリアー層3、印刷適性付与層
    4を順次設けたことを特徴とする軽量壁紙用基紙。
  2. 【請求項2】 難燃性原紙1の裏面に顔料塗工層2を設
    け、表面に水及び可塑剤バリアー層3、印刷適性付与層
    4、必要に応じ印刷層5、樹脂発泡層6を順次設けたこ
    とを特徴とする軽量壁紙。
JP3248360A 1991-09-02 1991-09-02 軽量壁紙用基紙、及び軽量壁紙 Expired - Fee Related JP2530300B2 (ja)

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