JPH0559204U - 同軸度測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 円柱穴と軸部材との同軸度を高精度に測定で
きると共に、各種の機械類特に金型類に適用できるので
測定作業が容易になるはかりか測定作業のコストの低廉
化が図れる。 【構成】 下型１の上部に形成された円柱状のキャビテ
ィ５内に設けられて、該キャビティ５の軸線Ｘを中心に
回転可能な回転体７と、該回転体７の上部に基台８を介
して固定されて、測定子９ｃがポンチ６の外周面６ａに
当接するダイヤルゲージ９とを備え、該ダイヤルゲージ
９が回転体７を介して軸線Ｘを中心に旋回することによ
り、キャビティ５とポンチ６の同軸度を測定するように
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば冷間プレス鍛造機等に用いられる金型のキャビティとポンチ との同軸度を測定する同軸度測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から例えば工作機械の治具と製品との同軸度を測定する測定装置として種 々提供されており、その一つとして実開昭６２−１１５６０４号公報等に記載さ れているのもがある。

【０００３】 ところで、工作機械として一般に知られている冷間プレス鍛造機にあっては、 下型の上部に形成された円柱状のキャビティと該キャビティ内に挿入する上型の ポンチとの同軸度の精度は、下型や上型等の各単体精度に委ねられているか、あ るいは各金型専用の基準バーである所謂マスターバーを用いて各金型毎に同軸度 をチェックするようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

然し乍ら、前記従来における冷間プレス鍛造機の同軸度チェック方法では、同 軸度を精度良くチェックできないと共に、精度チェックのコストの高騰などが余 儀なくされている。即ち、各金型の単体精度に委ねる場合には、各金型の組み付 け時における組み付けクリアランスの存在によって、組み付け後において金型全 体の位置ズレが発生し、正確な同軸度が得られない場合がある。

【０００５】 一方、マスターバーを使用する場合は、各金型の形状等に応じてマスターバー を夫々作成しなければならないため、測定作業が煩雑になると共に、コストの高 騰が余儀なくされる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案は、前記従来の問題点に鑑みて案出されたもので、所定部材の上部に形 成された丸穴内に設けられて、該丸穴の周壁に当接して周方向に回転可能な回転 体と、該回転体の上部外端側に固定されて、先端の測定子が前記丸穴の上方に位 置する軸部材の外周面に当接する測定器とを備え、前記回転体が丸穴周壁に沿っ て旋回することにより、前記測定器によって丸穴と軸部材の同軸度を測定するこ とを特徴としている。

【０００７】

【作用】

まず、予め円柱穴内に回転体をセットすると共に、該回転体の上端部に固定さ れた測定器の測定子を円柱穴の上方に位置する軸部材の外周面に当接させておく 。この状態で、回転体を円柱穴の軸線つまり基準軸線を中心に内周面に沿って周 方向へ回転させると、測定器も一緒に軸部材の廻りを旋回して、測定子が軸部材 の外周面を直径方向から摺接する。これによって、測定器が、円柱穴の基準軸線 に対する軸部材の軸線の振れを測定することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。

【０００９】 図１〜図３は本考案に係る同軸度測定装置を冷間プレス鍛造機に適用した一実 施例を示している。即ち、図３の１はベース２上に固定された下型、３は下型１ の上方位置から上下にスライド自在に設けられた上型、４は下型１に設けられた 同軸度測定装置であって、下型１の上端部中央位置には、上面に開口部５ａを有 する丸穴たるキャビティ５が垂直に穿設されている。また、上型３の下端部には 、前記キャビティ５内に挿入する円柱状のポンチ６が下方へ垂直状態に設けられ ている。

【００１０】 前記同軸度測定装置４は、図１及び図２に示すようにキャビティ５内に設けら れた回転体７と、該回転体７の上部に固定された基台８上に設けられた測定器た るダイヤルゲーシ９とから構成されている。

【００１１】 前記回転体７は、全体がキャビティ５の軸線（基準軸線）Ｘを中心に回転可能 になっており、キャビティ５の内周面５ｂ一端側に設けられた略円柱状の支点バ ー１０と、該支点バー１０からキャビティ５の直径方向に延出した支持ロッド１ １と、該支持ロッド１１の先端部に連結されて軸直角方向に延出したアーム１２ と、該アーム１２の両端部に設けられた一対のローラ１３，１３と、支持ロッド １１の外周に巻装された圧縮スプリング１４とを備えている。

【００１２】 即ち、前記支点バー１０は、キャビティ５の軸方向に沿って上下に配置され、 外周面の外端縁１０ａがキャビティ内周面５ｂに線接触状態で当接している。ま た、支点バー１０は、下端内部に段差径状の大径孔１５ａと小径孔１５ｂが直径 方向に沿って貫通形成されていると共に、上面１０ｂが下型１の上面１ａと同一 平面となるように配置されている。

【００１３】 前記支持ロッド１１は、その長さがキャビティ５の直径長さよりも十分に短く 設定されたボルト状を呈し、円柱状の頭部１１ａが前記大径孔１５ａ内に軸方向 へ摺動自在に収納されていると共に、軸部１１ｂが小径孔１５ｂの内周面に摺動 自在に支持されている。

【００１４】 前記アーム１２は、所定長さの細長い平板状を呈し、中央に前記軸部１１ｂが 圧入して全体を支持ロッド１１に連結させる固定用孔１６が形成されている。ま た、前記ローラ１３，１３は、キャビティ５の軸方向に沿って配置され、アーム １２の両端部に巾方向に設けられた枢支ピン１７，１７を介して回転自在に支持 されていると共に、その各外周縁１３ａ，１３ａがキャビティ５の内周面５ｂに 線接触状態で当接している。

【００１５】 前記圧縮スプリング１４は、支持ロッド１１の軸方向の摺動性を利用してアー ム１２を介して各ローラ１３，１３と支持バー１０を互いに反対方向に付勢して 夫々の外周縁１０ａ，１３ａ，１３ａをキャビティ５の内周面５ｂに常時当接さ せるようになっている。

【００１６】 前記基台８は、円板状を呈し、その下面８ａの一端部が支点バー１０の上面１ ０ｂに固定されていると共に、下面８ａの他端部が下型１の上面１ａに摺接自在 に載置されている。

【００１７】 前記ダイヤルゲージ９は、本体が基台８の上面他端側に立設されたロッド１８ 上端に傾斜状に固定されていると共に、本体の外端部にステム９ａ及びスピンド ル９ｂを介して設けられた測定子９ｃがポンチ６の外周面６ａに対して傾斜状に 当接して中心をポンチ６の軸線Ｙに対向させている。

【００１８】 以下、本実施例の作用について説明する。

【００１９】 まず、予め基台８を支持しながら回転体７全体をキャビティ５内に図１の如く セットすると共に、ダイヤルゲージ９の測定子９ｃをポンチ６の所定外周面６ａ に当接させておく。この状態で、回転体７に、図２に示すように例えば図中反時 計方向の回転力を加えると共に、支点バー１０の外周縁１０ａ及び各ローラ１３ ，１３の外周縁１３ａ，１３ａが夫々線接触状態でキャビティ５の内周面５ｂに 沿って摺動及び転動して全体が反時計方向に回転する。同時に基台８を介してダ イヤルゲージ９が基準軸線Ｘを中心に反時計方向へ一緒に旋回する。このため、 測定子９ｃは、ポンチ６の直径方向に押し付けられたながら外周面６ａ上を摺接 する。これによって、ダイヤルゲージ９は、基準軸線Ｘに対するポンチ６の軸線 Ｙの振れを測定できる。

【００２０】 この結果、同軸度を正確に測定することが可能になる。しかも、この測定装置 ４は、圧縮スプリング１４のばね力によって支持バー１０とローラ１３，１３間 の長さを自由に変化させることができるため、穴径の異なる各種の金型に適用で きる。この結果、従来のように各金型毎にマスターバーを使用してチェックする 場合に比較して、測定作業能率の向上が図れると共に、コストが大巾に低下する 。

【００２１】 尚、本考案は、前記実施例のような鍛造機ばかりか他の工作機械の同軸度チェ ックに利用できることは勿論である。

【００２２】

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように、本考案に係る同軸度測定装置によれば、丸穴と 軸部材等との同軸度を高精度に測定できると共に、各種の機械類にも適用できる ので、測定作業が容易になるばかりか測定作業のコストの低廉化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部拡大断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図３】本実施例の全体構成を示す概略図。

【符号の説明】

１…下型（所定部材）、５…キャビティ（丸穴）、６…
ポンチ（軸部材）、６ａ…外周面、７…回転体、９…ダ
イヤルゲージ（測定器）、９ｃ…測定子、Ｘ…基準軸
線、Ｙ…ポンチ側軸線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定部材の上部に形成された丸穴内に設
   けられて、該丸穴の周壁に当接して周方向に回転可能な
   回転体と、該回転体の上部外端側に固定されて、先端の
   測定子が前記丸穴の上方に位置する軸部材の外周面に当
   接する測定器とを備え、前記回転体が丸穴周壁に沿って
   旋回することにより、前記測定器によって丸穴と軸部材
   の同軸度を測定することを特徴とする同軸度測定装置。