JPH0558612B2 - - Google Patents

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JPH0558612B2
JPH0558612B2 JP6027788A JP6027788A JPH0558612B2 JP H0558612 B2 JPH0558612 B2 JP H0558612B2 JP 6027788 A JP6027788 A JP 6027788A JP 6027788 A JP6027788 A JP 6027788A JP H0558612 B2 JPH0558612 B2 JP H0558612B2
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JP
Japan
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bisphenol
phenol
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mother liquor
adduct
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JP6027788A
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Takashi Kitamura
Shigeru Iimuro
Yoshio Morimoto
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Priority to CA000593304A priority patent/CA1311498C/en
Priority to EP89104252A priority patent/EP0332203B1/en
Priority to DE89104252T priority patent/DE68906690T2/de
Priority to KR1019890002928A priority patent/KR910004133B1/ko
Priority to ES89104252T priority patent/ES2054905T3/es
Priority to CN89101325A priority patent/CN1022560C/zh
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高純度のビスフエノールAの製造方法
に関する。
ビスフエノールAはポリカーボネート樹脂やエ
ポキシ樹脂の原料として用いられ、特にポリカー
ボネート樹脂用としては、近年光学用途の需要が
増大してきており、従来以上に無色で高純度のビ
スフエノールAが要求される。
〔従来の技術〕
ビスフエノールAは酸性触媒存在下に、ある場
合にはイオウ化合物のような助触媒を加えて、ア
セトンと過剰のフエノールとから製造される。
反応混合物はビスフエノールAのほかに、触
媒、未反応アセトン、未反応フエノール、反応生
成水および他の反応副生物を含む。
反応副生物の主な成分は、2−(2−ヒドロキ
シフエニル)−2−(4−ヒドロキシフエニル)プ
ロパン(以下0,P′−体と称する)であり、他に
ジアニン化合物、トリスフエノール、ポリフエノ
ールおよび好ましくない着色物質等の、ビスフエ
ノールAを原料として用いて得られる樹脂の性能
を低下させる物質を含んでいる。
反応混合物から高純度のビスフエノールAを回
収する方法の一つは、該反応混合物から触媒、水
および少量のフエノールを除いた後、残つた液状
混合物を冷却することによつてビスフエノールA
をフエノールとの付加物として晶出し、この結晶
を反応副生物を含む母液から分離し、該付加物か
らフエノールを除去してビスフエノールAを回収
することからなる。
結晶から分離された母液は、フエノール、反応
副生物の他に、ビスフエノールAを含んでいるた
め、循環使用される。
一つの方法としては反応系に循環される。
反応副生物の主成分である0,P′−体とトリス
フエノールの一部は、反応系でビスフエノールA
と一定の平衡比で存在し、ビスフエノールAとし
て回収できるが、ジアニン化合物、ポリフエノー
ルおよび着色物質は、そのまま、または更にフエ
ノールやアセトンと反応し、消費されて高分子化
して反応混合物中に残存するため、母液の循環に
より工程中に蓄積し、晶出付加物の純度及び色相
を悪化させる。
このため反応系に循環される母液の一部はパー
ジされなければならないが、この場合にはビスフ
エノールAの有用な部分を廃棄を伴う。
母液再循環流からのビスフエノールAの回収と
着色物質を除去する方法が、特公昭55−34779号
明細書に示されている。
この方法に従えば、母液再循環流は反応系に再
循環されるに先だつて、少なくとも一部が、陽イ
オン交換樹脂からなる吸着剤と接触処理され着色
物が除去される。
該特許に於ける陽イオン交換樹脂と同様の効果
は、他の吸着剤を用いた場合でも同様にある程度
得られるものである。
しかしながら、かかる吸着剤は再生されなけれ
ば連続使用できず、再生には洗浄、乾燥および洗
浄液から吸着物質を除去する工程が必要となり、
しかも吸着剤で有効に脱色処理され得る母液量
は、それほど多くないため、頻繁な樹脂の交換が
必要となつてしまう。
また母液すべて反応系に循環した場合には、不
純物のすべてが、ビスフエノールAに転化、回収
されないので、得られるビスフエノールAは循環
の無い場合よりは、必然的に多くの不純物を含む
ことになる。
さらに、母液の反応工程への循環は、いかなる
形であれ既に生成しているビスフエノールAの循
環を意味し、反応工程の生産能力を低下させてし
まう。
母液中のフエノールの一部を除去して濃縮し、
フエノールとビスフエノールAとの付加物の結晶
を更に取り出し、回収された付加物または、付加
物からフエノールを除去したビスフエノールA
を、主要結晶化工程に供給する液状混合物の調整
に使用する方法が特公昭52−46946号明細書に示
されているが、この第二段階での母液は廃棄され
なければならない。
この第二段階での母液は、なおビスフエノール
Aと、ビスフエノールAに転化され得る0いP′−
体、トリスフエノール等を含んでいるが、同時
に、高い割合で、ポリフエノール、着色物質を含
んでいるため、工程のどの部分にも循環出来な
い。
結局、生産される全ビスフエノールAに対して
5%程度の原料は廃棄されなければならない。
フエノールとの付加物との形でビスフエノール
Aを回収した残りの母液の一部をアルカリ触媒存
在下にフエノールとパライソプロペニルフエノー
ルとに開裂した後に、主要反応工程に循環する方
法が特公昭55−34779号明細書に示されている。
同様にフエノールとの付加物の形でビスフエノ
ールAを回収した残りの母液の一部を異性化、お
よび/または酸性触媒存在下にフエノールとパラ
イソプロペニルフエノールとに開裂した後に異性
化して、主要反応工程に循環する方法が米国特許
第4400555号明細書に示されている。
従来行われてきた、このような0,P′−体また
は、副生物を含む母液の開裂反応は、それ自体
は、ビスフエノールAを収率良く得る為には有効
な手段であるが、同時にフエノールとパライソプ
ロペニルフエノール以外の低沸点化合物の混入が
避けられず、再結合によるビスフエノールAはフ
エノールとアセトンとから得られるものよりも純
度が低い。
従つて、主要反応工程に回収することは収率の
向上は図れるが、精製工程での負荷は逆に大きく
なり、収率向上による利益は相対的に小さなもの
となつてしまう。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、付加物を分離した母液から高
収率でビスフエノールAを回収するとともに、着
色物質およびその他の不純物の循環をできる限り
少なくしながらこれを除去して、もつて主工程の
付加物結晶の収率および純度を向上し、高純度高
品質のビスフエノールAを製造する方法を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意
検討し、特定のフローを形成するこによつて本発
明の課題が達成されることを見出し、遂に本発明
を完成させるに至つた。
即ち、本発明は、 ビスフエノールAとフエノールとの付加物結晶
からフエノールを分離することにより、高純度の
ビスフエノールAを製造する方法であつて、 (1) フエノールとアセトンとを酸触媒の存在下に
反応させて、得られた生成物の混合物から酸触
媒を除去して第一フエノール溶液を得る工程、 (2) 第一フエノール溶液を冷却して、付加物のス
ラリーを得る工程、 (3) スラリーを固液分離して、付加物結晶と母液
とを得る工程、 (4) 付加物結晶からフエノールを除去してビスフ
エノールAを得る工程、 の4工程から構成される主工程と、 (5) パライソプロペニルフエノールとフエノール
とを酸触媒の存在下に反応させて、得られた生
成物の混合物から酸触媒を除去して第二フエノ
ール溶液を得る工程、 (6) 第二フエノール溶液から、フエノールを除去
して粗ビスフエノールAを得る工程、 (7) 粗ビスフエノールAから、低沸点物質および
高沸点物質を蒸留によつて分離し、蒸留ビスフ
エノールAを得る工程、 (8) 低沸点物質および高沸点物質を処理して、パ
ライソプロペニルフエノールとフエノールとを
得る工程、 の4工程から構成される副工程とからなり、主工
程の前記(3)工程からは母液が副工程に送られ、副
工程からは蒸留ビスフエノールAが主工程の前記
(2)工程に送られることを特徴とするビスフエノー
ルAの製造方法である。
本発明に従えば、反応副生物のビスフエノール
Aとして回収されない部分は、各工程を最小限し
か循環せず系外に抜き出され、蓄積による汚染は
押さえられる。
更にビスフエノールAとして回収可能な部分は
すべて主工程に回収されるため、各工程の処理能
力は最大限まで高くするとができる。
以下に本発明を添付図面に沿つて詳しく説明す
る。
化学量論的に過剰のフエノールとアセトンとを
第一反応/脱触媒工程1に装入する。
反応は陽イオン交換樹脂のような固体酸触媒の
固定床で行つても良いし、塩酸等の無機酸でも良
い。
反応は40〜90℃で行なわれ、ビスフエノールA
と反応副生物とを生成する。
脱触媒は、陽イオン交換樹脂の固定床反応の場
合には必要ないが、未反応アセトンおよび生成水
が減圧蒸留等の方法によつて除去される。
塩酸触媒ではやはり減圧蒸留等の方法によつて
除去される。
脱触媒後の第一フエノール溶液2は晶析工程3
に送られ、必要に応じて、そのまま、または該溶
液中のビスフエノールAの濃度を一部のフエノー
ルの除去またはフエノールの追加によつて調整し
た後、晶析される。
晶析器に送られるフエノール溶液中のビスフエ
ノールAの濃度は20〜50重量%、好ましくは30〜
45重量%ある。
ビスフエノールAの濃度が上記範囲よりも低い
場合には、製品の収率が低くなり、逆に高い場合
には付加物のスラリーの見掛けの粘度が高くな
り、輸送不可能になるといつた問題が生じる。
晶析器に送られたフエノール溶液は、35〜70℃
の範囲まで冷却され、ビスフエノールAとフエノ
ールとの付加物が晶出する。
冷却は、外部熱交換器や、晶析器に転化される
水の真空蒸発による除熱によつて行われる。
付加物結晶と母液とからなるスラリー4は、固
液分離工程5に送られ、結晶6と母液9とに分離
される。
結晶は必要ならば、分離と同時にまた分離され
た後に洗浄され、フエロール除去工程7に送られ
る。
フエノール減圧蒸留等の方法で取り除かれ、製
品のビスフエノールA8が回収される。
次に分離された母液9は、必要ならば脱水し
て、第二反応/脱触媒工程10または脱フエノー
ル工程12に送られる。
また母液9は、一部を主工程の晶析工程3にそ
のまままたはビスフエノールAの濃度調整後、戻
すこともできる。
これによつて副工程の設備を小さくすることが
できるからである。
第二反応/脱触媒工程10には、主としてパラ
イソプロペニルフエノールまたはそのオリゴマー
とフエノールとからなる混合物18が送られ、ビ
スフエノールAが生成される。
副工程に送られる母液9を混合物18と混合し
て、反応原料として第二反応/脱触媒工程10に
装入する場合には、上記反応の他に0,P′−体と
一部のトリスフエノールからのビスフエノールA
への転化が行われる。
反応は塩酸のような無機酸触媒存在下に行つて
も良いし、陽イオン交換樹脂のような固体酸触媒
の固定床で行つても良い。
この反応を無機酸触媒下で行う場合には、その
反応温度でビスフエノールAとフエノールとの付
加物結晶が晶出するまで母液を濃縮しておくこと
が好ましい。
付加物結晶の晶出により、0,P′−体からビス
フエノールAへの転化が有効に促進されるからで
ある。
これはビスフエノールAと0,P′−体とを併せ
た量で20〜50重量%の範囲であり、温度は通常30
〜70℃で行われる。
反応を陽イオン交換樹脂のような固体触媒の固
定床で行う場合には付加物結晶が晶出しない条件
で行う必要があり、この場合には母液の濃縮は不
用である。
主工程の晶析、固液分離工程で水を使用した場
合には、母液中の水分は、その一部または全部を
除去しておくことが望ましい。
塩酸等の無機酸を使用する場合には、適度の水
の存在は反応速度の低下をもたらすし、また陽イ
オンの交換樹脂のような固体酸触媒を使用する場
合には反応が全く進行しなくなるからである。
したがつて第二反応/脱触媒工程10に入る水
の量は反応原料全体の5重量%以下であることが
望ましい。
パライソプロペニルフエノールまたはそのオリ
ゴマーとフエノールとからなる混合物を母液と混
合することの利点の一つは、パライソプロペニル
フエノールまたはそのオリゴマーを希釈できる点
にある。
パライソプロペニルフエノールまたはそのオリ
ゴマーとフエノーウとからのビスフエノールAの
生成は酸触媒下に速やかに起こるため、混合物1
8を単独に反応させると反応温度の急激な上昇を
伴い、パライソプロペニルフエノールの環状二量
体のような好ましくない物質を副生する。
母液との混合により反応はより穏やかになり、
反応温度の制御はより容易になる。
フエノールとパライソプロペニルフエノーウと
のモル比は3以上が好ましく、特に無機酸触媒を
使用する場合は10以下が好ましい。
これよりもフエノールが少ない場合には、パラ
イソプロペニルフエノールの環状二量体のような
副生物が多量に生成するし、多い場合には前述の
ように、0,P′−体からビスフエノールAへの転
化が進まなくなる。
したがつてフエノールとパライソプロペニルフ
エノールとのモル比を調整するために、副工程に
送られる母液の一部を反応に使用し、残りを脱フ
エノール工程12に送つても良い。
脱触媒は主工程と同様に行われる。
得られた第二フエノール溶液11は脱フエノー
ル工程12に送られ、減圧蒸留等の方法によつて
フエノールが除去される。
次に粗ビスフエノールA13は蒸留工程14で
低沸点物質および高沸点物質が蒸留により分離さ
れて蒸留ビスフエノールA15と、低沸点物質と
高沸点物質との混合物16になる。
蒸留方法としては、低沸点物質を留去した後、
ビスフエノールAを留出させ高沸点物質を分離す
る方法、低沸点物質およびビスフエノールAを留
出させ高沸点物質を分離した後、低沸点物質を留
去させビスフエノールAを得る方法等があげられ
るが、前者の方法では、高沸点物質を分離する際
にこれが熱分割を起こし、その分解生成物のため
にビスフエノールA留分が汚染されることがある
ため、後者の方法が好ましい。
蒸留装置としては塔型式または薄膜蒸発器のよ
うなものがあげられる。
高沸点物質を分離する場合には沸点差が大きい
ため、飛沫同伴を防ぎうるような装置で良いが、
低沸点物質を分離する場合は沸点差がそれほど大
きくないため、精留塔を用いるほうが良い。
蒸留ビスフエノールA15は主工程に送られ、
第一フエノール溶液と共に晶析工程3に送られ
る。
また低沸点物質と高沸点物質との混合物16は
開裂工程17に送られ、塩基性または酸性触媒の
存在下に高温を施され、パライソプロペニルフエ
ノールとフエノールとの混合物18として回収さ
れる。
着色物質の大部分と極少量の使用不可能な部分
19が系外に除かれる。
もう一つの形態として、副工程に送られる母液
9は脱フエノール工程12に供給される。
この場合にはパライソプロペニルフエノールま
たはそのオリゴマーとフエノールとの混合物に、
フエノールとパライソプロペニルフエノールとの
モル比が3〜10となるように、フエノールを追加
して第二反応/脱触媒工程10に供給することが
好ましい。
本発明の有利な特徴は、蒸留ビスフエノールA
を主工程の晶析原料として回収することにある。
副工程でフエノールを除去して得られる粗ビス
フエノールAは、主工程の晶析原料中の反応副生
物をより濃縮した形で含んでいる。
しかし、蒸留ビスフエノールA中の反応副生物
でさえも、そのビスフエノールAに対する割合
は、主工程の反応で得られる反応副生物のビスフ
エノールAに対する割合よりも低いために、反応
副生物のビスフエノールAに対する割合は、より
希釈されたものとなり、回収が行われない場合よ
りも高純度の結晶が得られる。
したがつて、本発明で得られるビスフエノール
Aは従来のいかなる工業的に実用化されている製
造方法よりも高純度のものとなる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明の方法を具体的に説
明する。
なお、%は特にことわりのない限り、重量%と
する。
実施例 1 フエノール750gとアセトン75gとを混合し、
これに塩化水素を吹き込みながら55℃で8時間反
応を行つた。
ついで反応生成物の混合物を減圧下に加熱して
塩酸および生成した水を取り除いた。
得られた脱塩酸品の組成は、ビスフエノール
A36.8%、0,P′−体0.8%、その他の不純物1.0
%であつた。
次にこの脱塩酸品を45℃に冷却して、付加物結
晶を晶出し、遠心分離器により分離した後結晶を
等量のフエノールで洗浄し、319gの付加物結晶
を得た。
この付加物結晶を170℃、45mmHgの条件で大部
分のフエノールを留出させ、残留フエノールを水
蒸気ストリツピングにより完全に除去してビスフ
エノールA225gを得た。
得られたビスフエノールAは0,P′−体を0.1
%、その他の不純物を0.2%含んでおり、50%エ
タノール溶液のハーゼンカラーは10APHAであ
つた。
また凝固点は156.7℃であつた。
一方、遠心分離器で分離された母液と洗浄フエ
ノールとをまとめて、170℃、15mmHgの条件下で
フエノールを取り除いた。
得られた粗ビスフエノールAは83gで、ビスフ
エノールA82.7%、0,P′−体7.5%、その他の不
純物を9.0%含んでいた。
次に径15mm、高さ250mmのマクマホンパツキン
グ充填塔を付した装置により、減圧下に低沸点物
質およびビスフエノールA留去した。
この時の塔頂温度は195℃、蒸留釜温度は225℃
であり、圧力は3mmHgであつた。
続いて留出物を同様な装置に仕込み、塔頂温度
180℃、蒸留釜温度200℃、圧力4mmHgで低沸点
物質を留去した。
釜から得られた蒸留ビスフエノールAは63gで
あり、0,P′−体を1%、その他の不純物を1.3
%含んでいた。
低沸点物質と高沸点物質との混合物は7gのビ
スフエノールA、5gの0,P′−体および7gの
その他の不純物を含んでいた。
次にこの混合物に0.05gの苛性ソーダを加え、
240℃、10mmHgで開裂した。
主として、フエノールとパライソプロペニルフ
エノールとからなる16gの留出物が得られた。
実施例 2 実施例1と同様な方法で脱塩酸品800gを得た。
これに実施例1で得られた蒸溜ビスフエノール
A63gを加えて、晶析原料とした。
この組成はビスフエノールA41.3%、0,P′−
体0.8%、その他の不純物1.0%であつた。
このフエノール溶液を実施例1の方法で処理
し、付加物結晶398gを得た。
フエノール除去によつて得られたビスフエノー
ルAは0,P′−体を0.09%、その他の不純物を0.2
%含んでおり、50%エタノール溶液のハーゼンカ
ラーは10APHAであつた。
遠心分離で分離された母液と洗浄フエノールと
の混合物に、実施例1で得た開裂留出物を加え、
陽イオン交換樹脂(Rohm&Haas社製 アンバ
ーリスト15)50gを用い、50℃で2時間処理し
た。
この回収反応生成物の混合物から濾過によつて
樹脂を取り除き、実施例1と同様にフエノールを
除去し、106gの粗ビスフエノールAを得た。
粗ビスフエノールAはビスフエノールAを84.5
%、0,P′−体を6.7%、その他の不純物を8.2%
含んでいた。
ついで実施例1と同様に低沸点物質おぼび高沸
点物質を分離した。
蒸留ビスフエノールAは、83g得られ、0,
P′−体0.8%、その他の不純物1.1%の組成であつ
た。
また低沸点物質と高沸点物質との混合物は23g
得られ、実施例1と同様の操作が施され、開裂留
出物19gを得た。
実施例 3 実施例2の方法、すなわち、脱塩酸品800gに
対し、前回試験で得られた蒸留ビスフエノールA
を加え、晶析原料として付加物結晶からビスフエ
ノールAを得た。
母液には前回試験で得られた開裂留出物が添加
され、回収反応の原料とした。
この方法を10回繰り返した。
得られたビスフエノールA中の0,P′−体は
0.04%、その他の不純物は0.1%であり、50%エ
タノール溶液のハーゼンカラーは5APHAであつ
た。
また凝固点は156.8℃であり、きわめて高純度
のビスフエノールAが得られた。
実施例 4 主工程の母液を副工程の脱フエノール工程、す
なわち粗ビスフエノールAを得る工程で処理し、
開裂留出物に対して、2倍量のフエノールを使用
し、触媒としてアンバーリスト15を5g使用す
る以外は実施例3と同様にして、ビスフエノール
Aを得た。
このものは0,P′−体を0.04%、その他の不純
物を0.1%含み、50%エタノール溶液のハーゼン
カラーは5APHAであつた。
また凝固点は156.8℃であつた。
〔発明の効果〕
本発明は上記した構成をとるので、主工程での
反応副生物の循環および蓄積は最小限に押さえら
れる。
更に、トリスフエノールおよびポリフエノール
の一部からもフエノールとパライソプロペニルフ
エノールが回収され、ビスフエノールAに転化後
主工程に回収されるので、最終製品として得られ
るビスフエノールAは、反応工程で生成するビス
フエノールAよりも実質的に多くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図は、本発明の方法によるビス
フエノールAの製造方法の請求項第1項から第3
項までのそれぞれの態様を示す系統図である。 図において、1……第一反応/脱触媒工程、3
……晶析工程、5……固液分離工程、7……フエ
ノール除去工程、10……第二反応/脱触媒工
程、12……脱フエノール工程、14……蒸留工
程、17……開裂工程を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ビスフエノールAとフエノールとの付加物結
    晶からフエノールを分離することにより、高純度
    のビスフエノールAを製造する方法であつて、 (1) フエノールとアセトンとを酸触媒の存在下に
    反応させて、得られた生成物の混合物から酸触
    媒を除去して第一フエノール溶液を得る工程、 (2) 第一フエノール溶液を冷却して、付加物のス
    ラリーを得る工程、 (3) スラリーを固液分離して、付加物結晶と母液
    とを得る工程、 (4) 付加物結晶からフエノールを除去してビスフ
    エノールAを得る工程、 の4工程から構成される主工程と、 (5) パライソプロペニルフエノールとフエノール
    との酸触媒の存在下に反応させて、得られた生
    成物の混合物から酸触媒を除去して第二フエノ
    ール溶液を得る工程、 (6) 第二フエノール溶液から、フエノールを除去
    して粗ビスフエノールAを得る工程、 (7) 粗ビスフエノールAから、低沸点物質および
    高沸点物質を蒸留鵜よつて分離し、蒸留ビスフ
    エノールAを得る工程、 (8) 低沸点物質および高沸点物質を処理して、パ
    ライソプロペニルフエノールとフエノールとを
    得る工程、 の4工程から構成される副工程とからなり、主工
    程の前記(3)工程からは母液が副工程に送られ、副
    工程からは蒸留ビスフエノールAが主工程の前記
    (2)工程に送られることを特徴とするビスフエノー
    ルAの製造方法。 2 母液を副工程の反応原料として前記(5)工程に
    送る請求項第1項に記載のビスフエノールAの製
    造方法。 3 母液を副工程の前記(6)工程に送る請求項第1
    項に記載のビスフエノールAの製造方法。
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