JPH0558451U - ずい道内剛体電車線のカント調整機構 - Google Patents

ずい道内剛体電車線のカント調整機構

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JPH0558451U
JPH0558451U JP698492U JP698492U JPH0558451U JP H0558451 U JPH0558451 U JP H0558451U JP 698492 U JP698492 U JP 698492U JP 698492 U JP698492 U JP 698492U JP H0558451 U JPH0558451 U JP H0558451U
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JP698492U
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英志 赤澤
洋司 白倉
澄浩 角田
公 千
博行 白藤
Original Assignee
西日本旅客鉄道株式会社
八千代工機株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特殊なカント調整用の吊架部材を用いずとも、
直線軌道の剛体電車線を支持する場合と同様の比較的単
純な吊架部材を用いて、ずい道内剛体電車線のカント調
整を行い得る機構の提供を図る。 【構成】横板部21と、この横板部の左右両側から上方
に延設された縦延設部22及び縦板部材3と、支持部材
4とによって、4角形が形成される。そして、左右両側
の内、少なくとも何れか一方の縦延設部22と縦板部材
3との上下位置関係を調整することによって、この4角
形が変形して、横板部21の角度が調整される。この横
板部21には、吊架部材1のウイング13が載置され固
定されているため、この吊架部材1に支持された剛体電
車線aのカント調整がなされる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本願考案は、ずい道内剛体電車線のカント調整機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にずい道内剛体電車線支持構造は、碍子を介して剛体電車線を吊り下げる と共に上部に前後両側へ張り出したウイングを有する吊架部材と、このウイング の両端を載置する載置部材と、この載置部材を支持する支持部材とを備える。載 置部材は、横板部とこの横板部の左右両側から上方に延設された縦延設部とを有 し、上記のウイングがこの横板部に載置されるものである。又、支持部材は、載 置部材の両端の縦延設部の上端を固定するものである。
【0003】 そして、曲線軌道の場合には、軌道にカント(軌道の傾斜)が設けられるため 、このカントに対応して、剛体電車線も若干角度を以て支持する必要が生ずる。 そこで、従来は、碍子と、剛体電車線を直接支持する吊架金物とを、角度調整可 能な金具を用いて取り付けた特殊なカント調整用の吊架部材を用いていた。 即ち、直線軌道の剛体電車線を支持する場合、碍子と、剛体電車線を直接支持 する吊架金物とを、単に固定する比較的単純な吊架部材を用いることができたが 、カーブを描く軌道の場合には、特殊なカント調整用の吊架部材を用いる必要が あった。
【0004】 又、パンタグラフの局部磨耗を防止するために、軌道の直線曲線に係わらず、 剛体電車線は、軌道中心線に対して平面視において僅かな角度を以て配位されて いる。そして、剛体電車線の中性点(長手方向の略中央の点)にアンカリングを 設けてずい道内に固定すると共に、当該箇所では、吊架部材のウイングを載置部 材の横板部に載置するに加えて、左右方向に移動不可能に支持している。より詳 しくは、中性点以外の位置では、ウイングを横板部に載置するに止めており左右 方向へ移動可能な状態となっているが、中性点では、ウイングの左右両側に横ず れ防止金具を取り付けて左右方向に移動不可能に支持しているものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本願の第1、第2の考案は、特殊なカント調整用の吊架部材を用いずとも、直 線軌道の剛体電車線を支持する場合と同様の比較的単純な吊架部材を用いて、ず い道内剛体電車線のカント調整を行い得る機構の提供を図る。又、本願の両考案 は、剛体電車線の中性点におけるウイングの横ずれ防止の作用も同時に果たすこ とのできるずい道内剛体電車線のカント調整機構の提供を図る。よって、軌道の 直線或いは曲線に係わらず、又、中性点における支持かそれ以外箇所の支持かに 係わらず、同一の構成により剛体電車線の支持を行い得る機構の提供を目的とす るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本願考案は、次の構成を有するずい道内剛体電車線のカント調整機構を 提供することにより、上記の課題を解決する。 第1の考案に係るずい道内剛体電車線のカント調整機構は、吊架部材1と、載 置部材2と、縦板部材3と、支持部材4と、カント調整部材5とを備える。この 吊架部材1は、碍子12を介して剛体電車線aを吊り下げると共に、上部に前後 両側へ張り出したウイング13を有するものである。載置部材2は、横板部21 とこの横板部の左右両側から上方に延設された縦延設部22とを有し、上記のウ イング13がこの横板部21に載置され固定されるものである。縦板部材3は、 載置部材の両側の縦延設部22に沿わされると共に所定の上下位置にて固定され るものである。カント調整部材5は、この縦延設部22と縦板部材3との上記の 上下位置を調整するものである。
【0007】 第2の考案に係るずい道内剛体電車線のカント調整機構は、吊架部材101と 、載置部材102と、横調整部材103と、下方支持部材104と、上方支持部 材105と、カント調整部材106とを備える。この吊架部材101は、碍子1 12を介して剛体電車線aを吊り下げると共に、上部に前後両側へ張り出したウ イング113を有するものである。載置部材102は、横板部121とこの横板 部の左右両側から上方に延設された縦延設部122とを有し、上記のウイング1 13がこの横板部121に載置されるものである。横調整部材103は、載置部 材の両側の縦延設部122間に渡されると共にウイング113の左右方向位置を 調整するものである。下方支持部材104は、載置部材の両側の縦延設部122 の上端が取り付けられるものであり、その上方に上方支持部材105が配位され る。そして、一対のカント調整部材106が、この下方支持部材と上方支持部材 との左右両端間に設けられ、下方支持部材と上方支持部材との間隔を調整してカ ント調整をなすものである。
【0008】
【作用】
第1の考案に係るずい道内剛体電車線のカント調整機構においては、横板部2 1と、この横板部の左右両側から上方に延設された縦延設部22及び縦板部材3 と、支持部材4とによって、4角形が形成される。そして、左右両側の内少なく とも何れか一方の縦延設部22と縦板部材3との上下位置関係を調整することに よって、この4角形が変形して、横板部21の角度が調整される。この横板部2 1には、吊架部材1のウイング13が載置され固定されているため、この吊架部 材1に支持された剛体電車線aのカント調整がなされ得るものである。しかも、 吊架部材1のウイング13は、この横板部21に載置されているだけでなく、固 定されているため、剛体電車線の中性点におけるウイングの横ずれ防止の作用も 同時に果たすことが可能となる。
【0009】 第2の考案に係るずい道内剛体電車線のカント調整機構においては、一対のカ ント調整部材106が、下方支持部材104と上方支持部材105との左右両端 間に設けられているため、下方支持部材と上方支持部材との左右両端の間隔を夫 々調整して下方支持部材104の角度を調整することができる。そして、この下 方支持部材104には、載置部材102と吊架部材101とを介して剛体電車線 aが支持されているため、剛体電車線aのカント調整がなされ得るものである。 しかも、横調整部材103により、ウイング113の左右方向位置の調整もなし 得るものである。
【0010】
【実施例】
以下、図面に基づき本願考案の一実施例を説明する。 図1は本願の第1の考案に係る実施例のカント調整後の正面図、図2は同カン ト調整前の正面図、図3は同側面図である。
【0011】 この実施例のずい道内剛体電車線のカント調整機構は、剛体電車線aを吊り下 げる吊架部材1と、載置部材2と、縦板部材3と、支持部材4と、カント調整部 材5とを有する。本願考案の要部は、これらの支持部材4以下の構成にあり、支 持部材4は適宜構成によりずい道内に固定されれば足るが、支持部材の固定構造 の一例をまず簡単に説明しておく。
【0012】 支持部材4は軌道中心線o上に垂直方向に配位された角形鋼管61の下端に固 定されている。この角形鋼管61の上端は、図3にて最も良く示された略u字状 鋼板62から垂下されている。この略u字状鋼板62の前後両側には、一対の山 形鋼63,63が配位され、取り付けボルト64…にて固定されている。各山形 鋼63は、ゴム板70を挟んで、アンカーボルト65によりずい道の上壁面(図 示せず)に固定される。詳しくは、ずい道の上壁面には、埋め込み栓66が予め 埋め込まれており、この埋め込み栓66に対して、アンカーボルト65をタッピ ングして固定させる。このアンカーボルト65の頭部と山形鋼63との間には絶 縁ブッシング67が介在させられていると共に、回り止め金具68,69により 、アンカーボルト65の緩みや脱落を防止している。尚、山形鋼63側にはアン カーボルト65の挿通孔が形成されるが、この挿通孔を長孔としておくことによ り、左右方向に若干の位置調整を行い得る。又、上記の略u字状鋼板62と山形 鋼63との固定に際しても、取り付けボルト64を挿通する孔を、山形鋼63に 複数箇所設けておくことによって、左右方向の位置を調整し得る。
【0013】 次に、吊架部材1から支持部材4に至るまでの構成を順次詳細に説明する。 まず、吊架部材1は、剛体電車線aを上部から挾持する吊架金物11と、吊架 金物11の上端に接続された支持碍子12とを備え、さらに支持碍子12の上部 には、前後に延びるウイング13が設けられている。この吊架金物11と支持碍 子12とは、首振り金具等の角度調整機構のない、比較的簡単な構造により接続 されている。尚、ウイング13の前後の端部の夫々には、ボルト挿通孔(図示せ ず)が形成されている。
【0014】 次に、載置部材2は、ウイング13の前部と後部とを夫々載置して支持するも のである。 この載置部材2は、ウイング13の前部と後部とが夫々載置される前後一対の 横板部21、21を有する。前後の各横板部21は、図2に示すように、横方向 に延ばされており、その左右両端からは、左右一対の縦延設部22,22が上方 に向けて延設されている。同時に、左右一対の縦延設部22の夫々は、側面図で ある図3に示すように、前後の横板部21、21の端部同士を繋げている。 各横板部21の中央には、左右方向に延びる長孔(図示せず)が形成されてい る。そして、前記のウイング13の前後両端が、前後の各横板部21,21上に 載置されると共に、両者のボルト挿通孔と長孔とに取り付けボルト23が挿通さ れ締付固定される。 各縦延設部22の上端は、図2に示すように、外方向(左右方向)に曲げられ て、後述のカント調整機構の一部となる下受け部51を形成している。
【0015】 次に、縦板部材3は左右に2本用意され、載置部材2の左右一対の各縦延設部 22毎に配設されている。各縦板部材3は、断面コ字状の鋼板からなり、図2に 示すように、両縦板部材3,3の内側に、上記の左右一対の縦延設部22,22 が沿わされている。 この縦板部材3と各縦延設部22との夫々にはボルト挿通孔が形成されている と共に、両者3,22のボルト挿通孔の少なくとも何れか一方は、縦長の長孔と されている。この実施例では、図3に示されるように、縦延設部22側には長孔 24を形成し、縦板部材3側には丸孔(図示せず)を形成した。そして、両者3 ,22のボルト挿通孔に取り付けボルト31が挿通され、所定の上下位置で締付 固定される。 各縦板部材3には、図3に示されているように、矩形の窓52が明けられてい る。この窓52の上部には、図2に示されるように、上受け部53が外方向(左 右方向)に延設されており、これらの窓52と上受け部53も、後述のカント調 整機構の一部を構成している。
【0016】 次に、支持部材4には、多数のボルト挿通孔を横方向に配列形成した角形鋼管 が用いられている。そして、この支持部材4の両側に、各縦板部材3が配位され ると共に、両者4,3のボルト挿通孔に取り付けボルト41が挿通され締付固定 される。尚、この取り付けボルト41を適当に緩めることによって、縦板部材3 と支持部材4との角度を適宜変更し得る。
【0017】 最後に、カント調整部材5について説明する。前述の各縦延設部22の上端の 下受け部51は、各縦板部材3の窓52の内側から外側へ通され、上受け部53 と平行に配位される。この下受け部51と上受け部53との夫々には、ボルト挿 通孔(図示せず)が形成されている。そして、調整ボルト54が下方からボルト 挿通孔を貫き、上受け部53上面でナット55と螺合されている。この調整ボル ト54の上端には、抜け止めピンを貫通して取り付ける等して抜け止めを図って おいてもよい。
【0018】 ここで図1に基づき、このカント調整機構による調整方法について説明する。 まず、縦板部材3と縦延設部22との固定をなす取り付けボルト31を緩めるこ とによって両者の上下位置を変更可能とし、且つ、縦板部材3と支持部材4との 固定をなす取り付けボルト41を緩めることによって両者の角度を変更可能とす る。
【0019】 次に、図1に示すように、右側のカント調整部材5を作動して、カント調整を 行う。詳しくは、調整ボルト54を回動させ、その下端の頭部を上昇させる。こ れによって、横板部21の右側が持ち上げられると共に、載置部材2と、縦板部 材3と、支持部材4とから構成される4角形が、長方形から若干変形する。尚、 これらの各部材及びボルト等のクリアランスが全くないとすると、このような変 形は不可能であるが、現実には各部材及びボルト等には適当なクリアランスが設 けられているため、上記変形は無理なく行われ得る。 この状態で、上記の各取り付けボルト31,41を締めつけて、上記の変形し た4角形の状態で固定する。
【0020】 以上により、横板部21の角度調整が完了し、さらに、横板部21中央の長孔 を利用してウイング13の横方向位置を調整する等、吊架部材1の左右方向位置 の微調整を行い、剛体電車線のカント調整が完了する。 尚、この例では、右側のカント調整部材5のみを作動させたが、左右両方のカ ント調整部材5,5を作動させてもよい。 又、この実施例の利点としては、前述のように、各縦延設部22の上端の下受 け部51が各縦板部材3の窓52の内側から外側へ通されているため、万が一全 てのボルトが外れるといった事態が生じても、各縦延設部22は窓52の下端に 支持され、脱落するおそれは皆無となる。
【0021】 次に図4乃至図6に基づき、本願の第2の考案に係る実施例を説明する。 図4は本願の第2の考案に係る実施例のカント調整後の正面図、図5は同カン ト調整前の正面図、図6は同側面図である。
【0022】 この実施例のずい道内剛体電車線のカント調整機構は、剛体電車線aを吊り下 げる吊架部材101と、載置部材102と、横調整部材103と、下方支持部材 104と、上方支持部材105と、カント調整部材106とを有する。この実施 例の上方支持部材105は、前記の実施例の支持部材4と同様の構成によってず い道内に固定されているため、主要な部材に、第1の実施例と同様の符号を付し てその説明を省略する。
【0023】 次に、吊架部材101からカント調整部材106に至るまでの構成を順次詳細 に説明する。 まず、吊架部材101は、第1の実施例の吊架部材1と同様、剛体電車線aを 上部から挾持する吊架金物111と、支持碍子112とを備え、さらに支持碍子 112の上部には、前後に延びるウイング113が設けられている。このウイン グ113の前後の端部の夫々は、絶縁ベース114に挿入され、各絶縁ベース1 14の上部には、めねじ部115が形成されている。
【0024】 次に、載置部材102は、2枚の鋼板が溶接されて一つの部材とされている。 詳しくは、前後一対の横板部121,121と、各横板部の左右端から上方に延 設された縦延設部122,122,122,122と、前後の縦延設部間を繋ぐ 上板部123,123とが1枚の鋼板を折曲して形成され、さらに左右の上板部 の下端間に渡された渡し板部124が他の1枚の鋼板により形成され、両鋼板が 溶接されている。
【0025】 さらに詳しく説明すると、まず横板部121は、上記ウイング113の前部と 後部とに夫々装着された各絶縁ベース114を載置するために、前後に一対配位 されている。各横板部121の左右両側からは、縦延設部122,122が上方 に延設され、各縦延設部122には、ボルト挿通孔(図示せず)が形成されてい る。これらの構成により、正面視(図4参照)では、載置部材102は、横板部 121と左右の縦延設部122,122とからなる略u字状に現れる。
【0026】 そして、図6に示されるように、前後の縦延設部122,122間が上板部1 23により繋がれており、これらの構成により、側面視(図6参照)では、載置 部材102は、前後の縦延設部122,122と上板部123からなる逆u字状 に現れる。尚、図6では隠れているが、一方(右方)における前後の縦延設部1 22,122及び上板部123の反対側には、他方(左方)における前後の縦延 設部122,122及び上板部123が、全く同様の構成で設けられている。
【0027】 さらに、これらの左右の上板部123,123間には、渡し板部124が渡さ れて溶接されている。この渡し板部124は側面視(図6参照)逆u字状をなし ており、この逆u字の前後の各側壁には、2個のボルト挿通孔(図示せず)が形 成されている。
【0028】 次に、下方支持部材104について説明すると、下方支持部材104は角形鋼 管からなり、その前後の側面には、夫々複数のボルト挿通孔141…が形成され ている。そして、上記の載置部材の渡し板部124が、下方支持部材104を跨 ぐように載置されており、渡し板部124のボルト挿通孔(図示せず)と下方支 持部材104のボルト挿通孔141…とに取り付けボルト142,142が挿通 され締付固定されている。
【0029】 次に、上方支持部材105は角形鋼管からなり、前記の第1の実施例と同様に 、軌道中心線o上に垂直方向に配位された角形鋼管61の下端に固定されている 。上方支持部材105の左右両端には、上下方向にボルト挿通孔(図示せず)が 形成されている。
【0030】 次に、カント調整部材106は、一対が左右対称に設けられているものであり 、以下その一方の構成を中心に説明する。このカント調整部材106は、逆u字 状の吊下げ部161と、調整ボルト162と、ナット163…とからなる。逆u 字状の吊り下げ部161の下端の開放部には、下方から前記の下方支持部材10 4の左右端が挿入され、取り付けボルト164にて固定されている。又、吊り下 げ部161の上端にはボルト挿通孔(図示せず)が形成されており、このボルト 挿通孔に、調整ボルト162が頭部を下方にして挿通されている。この調整ボル ト162の上端は、上記の上方支持部材105の左右両端のボルト挿通孔(図示 せず)に挿通され、上方支持部材105の上下でナット163…により固定され ており、調整ボルト162を回動させることによって、調整ボルト162が上下 動して、吊り下げ部161ひいては下方支持部材104の左右端が上下動する。 尚、ナット163…は、上方支持部材105に溶接等によって固定しておいても よい。さらに、調整ボルト162先端には抜け止めピン165が貫通して取り付 けられている。
【0031】 最後に、横調整部材103について説明する。この横調整部材103は、横調 整ボルト131と軸受容部132とからなる。軸受容部132は、中央にバカ穴 が形成された金具で、前述の載置部材の一方(図4では左側)の縦延設部122 のボルト挿通孔(図示せず)と対応する位置に溶接等により固定されている。そ して、他方(図4では右側)の縦延設部122のボルト挿通孔(図示せず)から 横調整ボルト131が挿通され、軸受容部132を貫通している。この横調整ボ ルト131のおねじは、前記の吊架部材1の各絶縁ベース114の上部に設けら れためねじ部115と螺合している。従って、横調整ボルト131を回動するこ とによって、めねじ部115ひいては吊架部材1全体が左右に移動するものであ る。尚、横調整ボルト131には、調整後にナットを螺合させる等して、適当な 回り止めを施しておくことが好ましい。
【0032】 ここで図4に基づき、このカント調整機構による調整方法について説明する。 まず、上記の吊り下げ部161と下方支持部材104とを固定する取り付けボル ト164を緩める。次に、調整ボルト162を回動させることによって、調整ボ ルト162を上下動させ、吊り下げ部161ひいては下方支持部材104の左右 端を上下動させる。この図4の例では、下方支持部材104の右端側のみを上方 に移動させているが、左右双方を作動させて調整してもよい。調整後に、吊り下 げ部161と下方支持部材104とを、取り付けボルト164を締めつけて固定 する。尚、横方向の微調整は、上記のように、横調整ボルト131を回動させる ことによって簡単に行うことができる。
【0033】 最後に図7は、上記の第2の実施例を、シールド工法によるずい道に適応させ た例を示す正面図で、このずい道は、鉄筋コンクリート製のセグメントbを、そ の周方向及び軸方向に接合して、これをずい道の最内壁としたものである。各セ グメントは、接合用ボルトにより互いに接合されており、この実施例では、この 接合用ボルトの軸部を利用して、剛体電車線を吊架する。
【0034】 より詳しくは、上記の上方支持部材として、長尺の断面L字状の山形鋼からな る上方支持部材201を用いる。この上方支持部材201の下面には、多数のボ ルト挿通孔(図示せず)が設けられており、このボルト挿通孔に第2の実施例の 調整ボルト162以下の部分を取り付ける。 この上方支持部材201の左端は、吊下げ部材202を介して、上記の接合用 ボルトから吊下げられている。又、その右端は、鋼板203、円弧状山形鋼20 4を介して接合用ボルトに取り付けられている。
【0035】 尚、第1の実施例も、シールド工法によるずい道に適応させることは勿論可能 であり、この場合には、第1の実施例の支持部材4の両端を、吊下げ部材202 や鋼板203、円弧状山形鋼204等を介して鉄筋コンクリート製のセグメント に取り付ければよい。 このように、支持部材や上方支持部材の吊下げ固定構造は適宜変更して実施し 得るものであり、又各部材の構成も、考案の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更し て実施し得るものである。例えば、各実施例のカント調整部材は、調整ボルトを 回動させることにより調整ボルト自体も上下動したが、横調整部材のように調整 ボルトは回動させるに止めて上下動しないようにしてもよい。さらに第2の実施 例の横調整部材の構成を、第1の実施例に適用して、吊架部材の横方向への微調 整をなすようにしてもよい。
【0036】 以上の各実施例では、カント調整部材によって剛体電車線のカント調整をなす ことができると共に、カント調整をなさずに水平状態で吊架部材を支持すれば、 そのまま直線軌道の剛体電車線を支持し得る。又、第1の実施例ではウイング1 3の前後両端が、前後一対の載置部材2,2上に載置されると共に、両者のボル ト挿通孔と長孔とに取り付けボルト23が挿通され締付固定されており、又、第 2の実施例では横調整部材103により横方向の位置決めがなされるため、何れ も横方向にウイングが移動することはない。よって、剛体電車線の中性点でも、 特別な横ずれ防止金具を取り付ける必要はない。
【0037】
【考案の効果】
以上、本願の第1及び第2の考案は、特殊なカント調整用の吊架部材を用いず とも、直線軌道の剛体電車線を支持する場合と同様の比較的単純な吊架部材を用 いて、ずい道内剛体電車線のカント調整を行い得る。又、剛体電車線の中性点に おけるウイングの横ずれ防止の作用も同時に果たすことができ、軌道の直線或い は曲線に係わらず、又、中性点における支持かそれ以外箇所の支持かに係わらず 、同一の構成によって剛体電車線の支持を行い得る機構を提供し得たものである 。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の第1の考案に係る実施例のカント調整後
の正面図である。
【図2】同カント調整前の正面図である。
【図3】同カント調整前の側面図である。
【図4】本願の第2の考案に係る実施例のカント調整後
の正面図である。
【図5】同カント調整前の正面図である。
【図6】同カント調整前の側面図である。
【図7】他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
a 剛体電車線 1 吊架部材 2 載置部材 3 縦板部材 4 支持部材 5 カント調整部材 12 碍子 13 ウイング 21 横板部 22 縦延設部 101 吊架部材 102 載置部材 103 横調整部材 104 下方支持部材 105 上方支持部材 106 カント調整部材 112 碍子 113 ウイング 121 横板部 122 縦延設部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 角田 澄浩 大阪府吹田市片山町2丁目10番東8−204 号 (72)考案者 千 公 大阪府羽曳野市恵我荘6丁目3番3号 (72)考案者 白藤 博行 大阪府門真市野里町35番1号

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】碍子(12)を介して剛体電車線(a) を吊り下
    げると共に、上部に前後両側へ張り出したウイング(13)
    を有する吊架部材(1) と、 上記のウイングが載置されて固定される横板部(21)と、
    この横板部の左右両側から上方に延設された縦延設部(2
    2)とを有する載置部材(2) と、 載置部材の両側の縦延設部(22)に沿わされると共に所定
    の上下位置にて固定される縦板部材(3) と、 この縦延設部(22)と縦板部材(3) との上記の上下位置を
    調整するカント調整部材(5) と、 縦板部材の上端を角度変更可能に固定する支持部材(4)
    を備えてなる、 ずい道内剛体電車線のカント調整機構。
  2. 【請求項2】碍子(112) を介して剛体電車線(a) を吊り
    下げると共に、上部に前後両側へ張り出したウイング(1
    13) を有する吊架部材(101) と、 上記のウイングが載置される横板部(121) と、この横板
    部の左右両側から上方に延設された縦延設部(122) とを
    有する載置部材(102) と、 載置部材の両側の縦延設部(122) 間に渡されると共にウ
    イングの左右方向位置を調整する横調整部材(103) と、 載置部材の両側の縦延設部の上端が取り付けられる下方
    支持部材(104) と、 この下方支持部材の上方に設けられた上方支持部材(10
    5) と、 この下方支持部材と上方支持部材との左右両端間に設け
    られ、下方支持部材と上方支持部材との間隔を調整する
    一対のカント調整部材(106) を備えてなる、 ずい道内剛体電車線のカント調整機構。
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