JPH0558112B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、Ｓ造あるいはSRC造の建築物に
おいて、カーテンウオールを取付ける部分の梁を
PC（プレキヤストコンクリート）梁とし、建築物
の躯体の施工に先行してカーテンウオールを取付
けることができるカーテンウオール先付け工法に
関するものである。

〔従来技術〕

従来、カーテンウオールを外壁とするRC造あ
るいはSRC造の建築を施工する場合は、(1)建築
物躯体の型枠組立および配筋作業を行なう前に、
建築物外周の落下防止養生すなわち落下防止ネツ
トの架設を行ない、(2)次に躯体コンクリート打設
前に、カーテンウオール取付用一次フアスナーの
セツトを行ない、(3)次に躯体コンクリートを打設
したのち、前記落下防止養生を撤去したのち、カ
ーテンウオールを取付けている。

しかるに、前記従来の施工手順の場合は、カー
テンウオールを取付けるまでは、建築物外周の作
業を行なう際の足場および落下防止ネツト等の落
下防止養生を必要とし、また鉄骨梁を使用する場
合は、鉄骨加工工場において、鉄骨梁にカーテン
ウオール取付用の一次フアスナーを取付てけか
ら、その鉄骨梁を施工現場に搬入することができ
るが、鉄骨梁を使用しない場合は、一次フアスナ
ーの取付けを施工現場で行なわねばならないの
で、施工精度が悪くなり、カーテンウオールの取
付けに支障を来たすことがある。さらにまた、カ
ーテンウオールを取付ける直前に、前記(1)の工程
で取付けた足場あるいは落下防止ネツトを取外さ
ねばならないので、煩雑な作業を必要とする。

〔発明の目的、構成〕

この発明は前述の問題を有利に解決できる建築
物におけるPC梁を使用したカーテンウオール先
付け工法を提供することを目的とするものであつ
て、この発明の要旨とするところは、カーテンウ
オール取付用一次フアスナー１と梁の両端から突
出している鉄骨接合用鋼材２とを備えているカー
テンウオール取付用PC梁３を、建築物における
Ｎ＋１階の鉄骨梁４に架設固定し、かつＮ階の躯
体コンクリート施工用型枠５を組立てたのち、前
記カーテンウオール取付用PC梁３にＮ＋１階の
カーテンウオール６を取付け、次に前記型枠５内
に躯体コンクリートを打設することを特徴とする
建築物におけるPC梁を使用したカーテンウオー
ル先付け工法にある。

〔実施例〕

次にこの発明を図示の例によつて詳細に説明す
る。

第６図ないし第８図はこの発明の実施例におい
て用いられるカーテンウオール取付用PC梁３を
示すものであつて、工場においてPC梁を製造す
る際に、PC梁７の両端側に、そのPC梁の両端か
ら突出するＨ形鋼製鉄骨接合用鋼材２が埋設され
ると共に、両側の鉄骨接合用鋼材２にアンカー鉄
筋８が固着され、そのアンカー鉄筋８は梁主筋１
２よりも内側に配置され、前記鉄骨接合用鋼材２
の突出部にはボルト孔９が穿設され、かつアンカ
ー鉄筋１０を固着したＬ形金具１１の水平板にア
ンカーボルトからなるカーテンウオール取付用一
次フアスナー１が挿通されて溶接により固着さ
れ、前記Ｌ形金具１１はPC梁７の長手方向に間
隔をおいて配置され、そのＬ形金具１１がPC梁
７の表面部に埋設されると共に、Ｌ形金具１１の
裏側から突出している一次フアスナー１の部分お
よびアンカー鉄筋１０がPC梁７に埋設されてい
る。

第１図ないし第５図はこの発明のPC梁を使用
したカーテンウオール先付け工法の実施例を示す
ものであつて、第１図におけるＮ＋１階において
鉄骨柱１３に鉄骨梁（鉄筋キヤンテイ梁）４の基
端部がボルトまたは溶接により取付けられたの
ち、前述のように構成されたカーテンウオール取
付用PC梁３の両端の鉄骨接合用鋼材２が、Ｎ＋
１階の鉄骨梁４の先端部に対し鋼製継手板１４お
よびボルト１５により固定され、次にＮ階の躯体
コンクリート施工用型枠５を組立てたのち、前記
カーテンウオール取付用PC梁３にＮ＋１階のカ
ーテンウオール６を前記一次フアスナー１と二次
フアスナー１６とにより取付ける。

この二次フアスナー１６は、前記一次フアスナ
ー１に挿通されてナツト１７によりPC梁３に固
定されるコ字状断面の取付金具１８と、カーテン
ウオール６の上部に埋設されて取付金具１８の下
部フランジに挿通されたアンカーボルト１９と、
そのアンカーボルト１９に螺合されたナツト２０
とにより構成されている。

次に前記躯体コンクリート施工用型枠５内に躯
体コンクリートを打設し、以下同様の作業を反復
して行なつて、建築物を下階から上階に向かつて
カーテンウオール先付工法により順次施工してい
く。

第５図はカーテンウオール６の上部および下部
の支持構造を示すものであつて、前記取付金具１
８の上部フランジに固定されたナツト２１に、荷
重支持用ボルト２２が螺合され、カーテンウオー
ル６の裏側に設けられた荷重支持用突出部２３は
前記ボルト２２に載置され、かつ取付金具１８の
上部フランジにＬ形取付金具２４の水平板が載置
されてボルト２５により固定され、カーテンウオ
ール６の下部に埋設されてＬ形取付金具２４の垂
直板の長孔に挿通されたアンカーボルト２６にナ
ツト２７が螺合されている。

なお、第１図において、２８は完成した躯体、
２９は型枠支柱、３０はフープ筋、３１はスター
ラツプ筋である。

この発明を実施する場合、一次フアスナー１お
よび二次フアスナー１６としては図示以外の任意
構造のものを採用してもよい。また前記PC梁７
はRC造またはSRC造の何れであつてもよい。

〔発明の効果〕

この発明によれば、カーテンウオール取付用
PC梁３を建築物におけるＮ＋１階の鉄骨梁４に
架設固定し、かつＮ階の躯体コンクリート施工用
型枠５を組立てたのち、前記カーテンウオール取
付用PC梁３にＮ＋１階のカーテンウオール６を
取付け、次に前記型枠５内に躯体コンクリートを
打設するので、建築物の躯体の施工に先行してカ
ーテンウオール６を取付けることになり、そのた
め建築物外周の落下防止ネツト等の落下防止対策
を省略することができ、かつ工場においてカーテ
ンウオール取付用PC梁３を製作する際に、カー
テンウオール取付用一次フアスナー１をPC梁７
に埋込固定することにより、前記一次フアスナー
１の取付精度を向上させることができ、さらにカ
ーテンウオール取付階より上方には梁等の障害物
がないので、カーテンウオール６の取付作業を容
易に行なうことができ、しかも施工現場における
カーテンウオール取付用梁の配筋、型枠組立用外
部足場が不要であり、また、カーテンウオール取
付用PC梁３はカーテンウオール取付用鉄骨梁に
比べて剛性が大きいので、カーテンウオールの調
整時の誤差が少ない等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示すものであつて、
第１図はこの発明のPC梁を使用したカーテンウ
オール先付工法により建築物を構築している状態
を示す概略側面図、第２図はカーテンウオール取
付用PC梁と鉄骨梁との接合部を示す平面図、第
３図はその正面図、第４図はカーテンウオール取
付用PC梁に対するカーテンウオールの取付部を
示す縦断側面図、第５図はカーテンウオール取付
用PC梁に対する上下のカーテンウオールの取付
部を示す縦断側面図、第６図はカーテンウオール
取付用PC梁の斜視図、第７図はその縦断側面図、
第８図はカーテンウオール取付用PC梁における
一次フアスナーの部分の断面図である。 図において、１はカーテンウオール取付用一次
フアスナー、２は鉄骨接合用鋼材、３はカーテン
ウオール取付用PC梁、４は鉄骨梁、５は躯体コ
ンクリート施工用型枠、６はカーテンウオール、
７はPC梁、８は鉄筋、１１はＬ形金具、１２は
柱主筋、１３は鉄骨柱、１４は鋼製継手板、１５
はボルト、１６は二次フアスナー、１７はナツ
ト、１８は取付金具、１９はアンカーボルト、２
０はナツトである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カーテンウオール取付用一次フアスナー１と
   梁の両端から突出している鉄骨接合用鋼材２とを
   備えているカーテンウオール取付用PC梁３を、
   建築物におけるＮ＋１階の鉄骨梁４に架設固定
   し、かつＮ階の躯体コンクリート施工用型枠５を
   組立てたのち、前記カーテンウオール取付用PC
   梁３にＮ＋１階のカーテンウオール６を取付け、
   次に前記型枠５内に躯体コンクリートを打設する
   ことを特徴とする建築物におけるPC梁を使用し
   たカーテンウオール先付け工法。