JPH0557945B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、車のかじ取り装置に適用されるステ
アリングホイールに関するものであり、特に自動
車に利用されるものである。

〈従来の技術〉 従来よりステアリングホイールとして、リング
鉄芯上に合成樹脂材を被覆成形してリング本体を
形成し、更にリング本体上に皮巻きした物が常用
されている。

そして、リング本体への皮巻きとしては、第４
図に示す如く、リング本体１２と皮１４との界面
に接着剤を塗布し、皮１４の衝合縁部に手継いの
継い目４′を施すことが普通である。

また、一部には手縫い手段を省略して、接着の
みで皮巻きすることも行われている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 リング本体に対する皮巻きに於いて、巻き皮衝
合縁相互の縫い継ぎは、機械化が困難であるので
手縫いに頼らざるを得ないが、手縫いは、かなり
の技術的熟練を要し且つ非能率的である上、縫目
は、手にさわればごつごつして粗剛感があり、フ
イーリングが悪い。

また、接着のみで巻き皮をリング本体に固定す
るものにあつては、皮が剥がれ易く、耐久性に欠
ける。

〈問題点を解決するための手段及び作用〉 本発明は、例えば第３Ａ，３Ｂ図に示す如く、
リング鉄心１１上に成形被覆された合成樹脂材か
ら成るリング本体１２に、軟質発泡樹脂シート１
３で裏打ちした、合成皮革１４の表皮を巻き付
け、高周波溶着により表皮縁重合部を溶着接続部
４とし、他の適宜個所にも必要に応じて溶着模様
部４０を形成して、表皮１４をリング本体１２に
固定するものであり、溶着接続部は、表皮の両縁
部が溶着一体化して未溶着部より凹んだ状態にな
り、従来の縫糸の如きフイーリングを悪くする突
出片の存在しない継ぎ目とし、また、溶着接続部
４では、表皮縁同志が溶着すると共に、表皮縁と
リング本体１２とも溶着固定した。

また溶着模様部４０も表皮１４とリング本体１
２とが溶着して、表皮のリング本体に対するすべ
りを防止した。

〈実施例〉 〔例 １〕 第１Ａ，１Ｂ，２図は第１実施例の図であり、
リングの鉄芯上にP.P樹脂を被覆成形して、リン
グ本体１２を形成した。

次に、第２図ａの如くポリウレタンから成る軟
質発泡樹脂シート１３上に、幅Ｗで長さＬの赤色
合成皮革２４を載置すると共に、該赤色合成皮革
２４と周縁部が幅W′で重合する状態に、黒色合
成皮革１４を配して、第２図ｂの如く、両合成皮
革１４，２４の重合部及び赤色合成皮革２４の長
さ方向の一定間隔ｌ毎の横断部を、融着器具先端
（図示なし）を押圧することにより高周波溶着し
て溶融固定し、末端部１４′を除去して軟質発泡
樹脂シートで裏打ちされた表皮シートとし、該シ
ートをリング本体に巻きながら、表皮接合部を融
着器具先端で押圧しながら高周波溶着してリング
本体と一体的に溶融固定した。

本実施例では、第１Ａ図に示す如く、黒色合成
皮革で覆われたリング１の一部に長さＬ、幅Ｗの
赤色合成皮革で且つ境界部及び一定間隔ｌの横断
部の凹んだ溶着模様部４０の模様２が現出した。

また、表皮シートのリング本体全周に亘る巻き
継ぎ目４では、重合状態の表皮両端縁とリング本
体１２とが押圧溶着で一体化したため、表皮とリ
ング本体とのすべりが防止出来た。

〔例 ２〕 第３Ａ，３Ｂ図に示す如く、リング本体１２上
に軟質発泡樹脂シート１３で裏打ちされた表皮１
４を巻回し、リング本体１２の内周表面上で直線
状に形成された表皮の重合部を例１と同様に融着
器具先端Ｔを矢印Ｆの如く、押圧しながら高周波
溶着すると共に、リング本体１２の上面部と外周
面部との間で、それぞれ幅Ｄで対向揺動する２本
の融着器具先端T₁，T₂を矢印Ｆの如く押圧して
溶着作用させ、凹陥溶着模様部をリング全周に亘
つて形成した。

得られたステアリングホイールでは、表皮端縁
の重合部の外に、溶着模様部４０でも表皮１４と
リング本体１２とが溶着一体化して、表皮のリン
グ本体に対するすべりが完全に防止出来た。

そして、溶着模様部の凹みにより、リング１面
上に斬新な意匠模様２が現出した。

〔その他〕

例２に於いて、表皮の裏打ちシート１３の厚
み、及び凹陥溶着模様部の位置と形状とを適切に
選択実施すれば、例２に於ける作用効果に加え、
更にダボ機能も付与出来る。

また、例１の異色表皮を付加する手段と、例２
の凹陥溶着模様部形成手段とを適切に併用すれ
ば、リング全周に亘る色彩突出模様付与と表皮の
リング本体に対するすべり防止機能付与とを同時
に実現出来る。

〈発明の効果〉 高周波溶着の装置を用いて、均質な皮巻き固定
が能率的に達成出来、表皮とリング本体との溶着
固定によつて両者間のすべり止め機能が生じ両者
間に接着剤をほどこす必要なくなる。

表皮縁の継目には、縫い目の如き皺や糸等の突
出部がなく、手ざわりが良くなると共に、継ぎ目
が凹陥状であるために、従来の縫目の如き磨損に
よる継ぎ目剥がれが無くなる。

表皮のリング本体との固定が凹陥状を呈するの
で、固定形状による模様が現出する。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図、本発明実施例の平面図であり、第１
Ｂ図は、第１Ａ図の部分拡大斜視図である。第２
図は、本考案の模様部形成の説明図であつて、(a)
各材料の配置状態を、(b)は溶着後を示す図であ
る。第３Ａ図は、他の実施例に於ける溶着状態説
明図であり、第３Ｂ図は、第３Ａ図の手段によつ
て作成した本考案の部分拡大斜視図である。第４
図は、従来例の説明図である。 １……リング、２，２０……模様、３……スポ
ーク、４……溶着接続部、１１……鉄芯、１２…
…被覆材、１３……裏打ちシート、１４，２４…
…表皮、４０……溶着部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ P.P樹脂等の合成樹脂材から成るリング本体
   １２に合成皮革等の合成樹脂から成る表皮１４，
   ２４を高周波溶着により固定したステアリングホ
   イール。 ２ 固定を溶着接続部４と溶着模様部４０に施し
   た、特許請求の範囲第１項のステアリングホイー
   ル。 ３ 溶着模様部４０を異なる材料の継ぎ足しで実
   施した、特許請求の範囲第２項のステアリングホ
   イール。