JPH0517305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、インストルメントパネルの車体取付
においてその取付用のボルトが表に見えないよう
にインストルメントパネルに嵌合してボルトを覆
い隠すためのホールカバーに関する。

（従来の技術） 従来より、この種のホールカバーとして、イン
ジエクシヨン成形したもので、その表面にインス
トルメントパネルの表面と連続した模様を有する
ものは知られている。

（考案が解決しようとする課題） 近年、顧客のニーズの多様化に伴い、インスト
ルメントパネルに使われる真空成形表皮材は、皮
絞調のものから布地調のもの、はてはスエード調
のものまで多種、多様のものが使われるようにな
つてきた。このため、上記従来の樹脂をインジエ
クシヨン成形したホールカバーでは、インストル
メントパネルとの一体感が得られない問題が生じ
てきた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、ホ
ールカバーとして、表面にインストルメントパネ
ルに使われている表皮材と等質の表皮材を有する
ものとすることで、インストルメントパネルとの
一体感を得ることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案の解決手段
は、真空成形表皮を有するインストルメントパネ
ルのホールカバーであつて、表側にインストルメ
ントパネルの表面に連続した面を有しかつ裏側に
インストルメントパネルへの嵌合片を有する芯材
と、上記インストルメントパネルの表皮と等質の
表皮材とからなり、該表皮材は上記芯材を表側か
ら袋状に包み込み上記表皮材の端末接合部が上記
芯材の裏側で溶着されて上記芯材と表皮材とが一
体となつており、上記芯材の嵌合片が上記表皮材
に設けられた切り込みから裏側に突出しているも
のとする。

（作用） 本考案のホールカバーは、インストルメントパ
ネルに使われている表皮材と等質な表皮材で表側
が覆われているため、インストルメントパネルに
取り付けた状態でインストルメントパネルとの一
体感が得られる。また、この表皮材が芯材を表側
から袋状に包み込みホールカバーの裏側でその端
末接合部が溶着されていることにより、ホールカ
バーの端部が美しく仕上がり、かつ芯材と表皮材
とが強固に一体となり、熱によるめくれに対して
強いものとなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面にしたがつて説明
する。

第１図はインストルメントパネル１が車体２に
取り付いた状態を示している。このインストルメ
ントパネル１は表面に布地調の真空成形表皮が施
してある。このインストルメントパネル１の車体
への取付部は両サイドと中央とにあり、中央の取
付部は乗員より見える位置であるため本考案が対
象としているホールカバー３が取り付けてある。

第２図は、ホールカバー３の斜視図である。

第３図は、第２図に示したホールカバー３のＡ
−Ａ断面図である。

ホールカバー３の芯材４は、樹脂のインジエク
シヨン成形品で、表側にインストルメントパネル
１の表面と連続した形状の面５を有する一方、裏
側に、突出したフツク６と位置ぎめリブ７とから
なるインストルメントパネル１への嵌合片８を有
している。

また、芯材４は、表側から表皮材９によつて覆
われており、芯材４と表皮材９とは一体になつて
いる。

この表皮材９はインストルメントパネル１に使
われている真空成形表皮と等質のものである。

第４図は、第２図のホールカバー３をＢ方向か
ら見た図、即ち、ホールカバー３の裏側を示した
図である。

芯材４は表皮材９により袋状に包み込まれ、表
皮材９の端末接合部１０（斜線で示される部分）
同志が互いに溶着されている。また、フツク６と
位置ぎめリブ７とからなる嵌合片８は表皮材９に
設けられた切り込み１１から突出している。

表皮材９で芯材４を袋状に包み込んだ形状は、
次のような方法をとることによつて容易に成形で
き、また、ホールカバー３の端部１２を美しく仕
上げることができる。

即ち、芯材４または表皮材９に接着剤を塗布
し、表皮材９を加熱軟化させて芯材４の上に置
き、芯材４側から真空を作用させて芯材４の表側
に表皮材９を密着させ、尚且つ、芯材４の裏側に
多少巻き込ませる。次に、表皮材９の端を表皮材
９が芯材４を包み込める形状にカツトし、且つ嵌
合片８を出すために切り込み１１を設ける。しか
る後、表皮材９の端を芯材４の裏側に折り返して
切り込み１１に嵌合片を挿入した後、表皮材９の
端末接合部１０を互いに高周波ウエルダで溶着す
る。ここで接着剤は、高周波ウエルダで溶着する
までの仮付け程度のものでよく、場合によつては
必要としない。

また、本実施例では、芯材４に樹脂のインジエ
クシヨン成形品を用いたが、ホールカバー３の形
状が維持できるものであれば材質は問わない。

さらに、本実施例では四角い形状のホールカバ
ー３を示したが、円や三角等の他の形状であつて
もよく、これらはいずれも限定されるものでは
い。

（考案の効果） 以上の如く、本考案によれば、インストルメン
トパネルに使われる真空成形表皮材の種類をとわ
ずインストルメントパネルと一体感があり、端部
の仕上がりが美しく、耐候性の優れたインストル
メントパネルのホールカバーを得ることができ
た。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はインス
トルメントパネルが車体に取り付いた状態を示す
全体図、第２図はホールカバーの斜視図、第３図
は第２図のＡ−Ａ断面図、第４図は第２図の矢印
Ｂ方向から見た図である。 １……インストルメントパネル、３……ホール
カバー、５……面、８……嵌合片、４……芯材、
９……表皮材、１０……表皮材の端末接合部、１
１……切り込み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 真空成形表皮を有するインストルメントパネル
   のホールカバーであつて、表側にインストルメン
   トパネルの表面に連続した面を有しかつ裏側にイ
   ンストルメントパネルへの嵌合片を有する芯材
   と、上記インストルメントパネルの表皮と等質の
   表皮材とからなり、該表皮材は上記芯材を表側か
   ら袋状に包み込み上記表皮材の端末接合部が上記
   芯材の裏側で溶着されて上記芯材と表皮材とが一
   体となつており、上記芯材の嵌合片が上記表皮材
   に設けられた切り込みから裏側に突出しているこ
   とを特徴とするインストルメントパネルのホール
   カバー。